「町かどのジム」エリノア・ファージョン

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町かどのポストのそばにはミカン箱が1つ置いてあり、そこにはジムが座っていました。今8歳のデリーが知ってる限り、もしかしたらそのもっとずっと前から、朝も晩も夏も冬も、ジムはいつだってそこにいたのです。髪は真っ白で、顔は茶色くつやつやとしていて、目は青いガラス玉のようにきらきらしたジム。ジムはデリーの住む赤レンガでできた背の高い家の並ぶ通りの番をしているのだと、デリーは思っていました。この通りにはなくてはならない人なのです。

ゆるゆるとファージョン再読祭り中です。
ファージョンは枠物語が多いんですけど、今回はレンガの家が並ぶ通りにいるジムとデリーのお話が枠で、ジムがデリーに語って聞かせたお話が中身。ジムがどんな人なんだか最初は全然分からないんですけど、地域の人々から愛されてる存在だというのだけは確かなんですよね。そんなジムのことも、お話が進むにつれて徐々に分かってきます。ケント生まれで、キャビンボーイになりたくて家を飛び出し、ゆり木馬号のポッツ船長に出会い、世界中を冒険して回って... ジムがデリーに語る最初のお話こそ、小さい頃にマメ畑を荒らしにくる鳥の見張りをしていた時のことなんですが(これもまた可愛い話なんだわ... ベーコンのサンドイッチ!)、船乗りだっただけあって、そのお話の舞台は世界中に広がってます。時には海の底へ、時には霧の向こうへ、そして時には氷の抜け道の奥へ。イギリスの街角にいながらにして、色んな冒険を楽しませてくれちゃう。やっぱり今回は語り手も聞き手も男の子ですものね!
このお話の中で私が一番好きだったのは「九ばんめの波」かな。ゆり木馬号で航海中のジムが出会うのは、海の波に酔ってしまったタラ。「おまえ、それでもさかなか! こいつはおどろきだ!」と言うジムと一緒になって、海の動物が波に酔うなんて!と思いつつ、タラの「おどろくにはあたらないさ、ジム」「さっきの波は、とてつもなく大きかったじゃないか」という言葉に、妙に納得してみたり。そして船をひっくり返そうとする九番目の大波が来た時、タラはジムに助けてもらったお返しをすることになるのですが~。これがまたスバラシイ。そこらの昔話じゃあ、まずこういうのは読めません。(笑)
海の中の王国や霧の向こうの王国はとても美しかったし、氷の洞窟も幻想的。タラや大海ヘビ、ナマズの女王、ペンギンのフリップといった面々もそれぞれに魅力的~。それに何より枠部分の最後のシメも粋で気持ち良くて! とっても素敵な読後感です。(童話館出版)


+既読のファージョン作品の感想+
「ムギと王さま」「天国を出ていく」ファージョン
「年とったばあやのお話かご」「イタリアののぞきめがね」ファージョン
「町かどのジム」エリノア・ファージョン
「リンゴ畑のマーティン・ピピン」「ヒナギク野のマーティン・ピピン」ファージョン
「銀のシギ」エリナー・ファージョン
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