「夢先案内猫」レオノール・フィニ

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夜中の11時にRに到着した「私」は、そのままホテルへ。翌朝、「私」はカスパール氏に連れられて行った集会場所で、褐色と黒色の斑模様の毛の長い大きな猫に出会います。膝の上に飛び乗った猫は、しばらくすると離れ、10メートルほど行ったところで立ち止まってこちらを振り返り、地面に3度でんぐり返し。以前から不意をつかれる動作、特に動物の示す思いがけない動作には重要な意味があると考えていた「私」は、その日の7時の汽車に乗ることにしていたにも関わらず、ホテルに滞在し続けることに。

以前から気になっていた本です。読みたい読みたいと思いつつなかなかだったんですが、先日レメディオス・バロの「夢魔のレシピ」(感想)とレオノーラ・キャリントンの「耳ラッパ」「恐怖の館」(感想)を読んだ時に、今度こそ!と思って、ようやく読めましたー。レオノール・フィニも、レメディオス・バロやレオノーラ・キャリントンと同じくシュールレアリスムの画家。他の2人と同様、小説も書いてるし、映画や舞台の衣装も手がけ、デザインしたスキャパレッリの香水瓶は大人気だったとか。レオノール・フィニ自身、好んで猫の絵を描いていて、一時期は23匹の猫を飼っていたこともあるという相当の猫好きさん。
そしてこの物語も猫の物語。「私」の前に現れた黒と褐色の大きな猫は、「私は夢先案内人(オネイロポンプ)だ」と名乗り、ホテルの中庭にある玄武岩でできた顔像を盗むよう「私」に指示します。猫が現れる前から現実と幻想が入り混じり始めていた物語は、ここではっきりと幻想へと一歩踏み出すことに。これは夜見る夢のようでもあり、白昼夢のようでもあり... 幻想、幻想、そしてまた幻想。汽車の中で出会った不思議な年齢不詳の婦人、彼女に誘われて訪れたマルカデ街の「潜水夫」館、ヴェスペルティリアという名前との再会。猫と一緒に訪れた、パリでも老朽化した界隈にあるとある家、etcetc。...やっぱりあの美術館となっている家での場面が圧巻だったな。絵画の猫たちの場面。知らない画家が多かったので、それがちょっと残念だったのですが、思いっきり検索しまくりましたよ。こういう時、ネットってつくづく便利~。
不思議な幻想物語。全部理解したとは言いがたいんですけど、レオノーラ・フィニの描く猫の絵を眺めながら読んでいると、頭の中で1つの世界が見る見るうちに構築されていくのが感じられるようで、素敵でした。(工作舎)

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