「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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伊勢英子さんによる宮沢賢治作品の絵本を一挙に4冊。
ざしき童子(ぼっこ)は、東北地方、特に岩手県に伝わる伝説の存在。特定の家に居つき、ざしき童子がいる家は栄え、去られてしまった家は傾くという... そんなざしき童子のお話を4つ集めた「ざしき童子のおはなし」。
姿が醜いため、他の鳥たちに顔を見たくないとまで言われてしまうよだか。みんなに嫌われていることを悲しんだよだかは、弟のかわせみに別れを告げ、太陽の方へと飛んでいきます... という「よだかの星」。
谷川の岸にある小さな小学校に新しく来たのは、赤い髪に変てこな洋装をしたおかしな子供。父親の仕事の都合で、北海道の学校から転校して来たのです... という「風の又三郎」。
しきりにカルメラのことを考えながら、赤い毛布(けっと)にくるまって雪丘の裾を家に急ぐ子供。しかしその日は水仙月の四日。じきに風が出て、乾いた細かな雪が降り始め、あたり一面は真っ暗に.. という「水仙月の四日」。

やっぱり「ルリユールおじさん」や「大きな木のような人」、「にいさん」のような絵本とは違っていて、こちらはやっぱり子供向けだなあという感じでしたが、それでもどれも伊勢英子さんの絵が堪能できる絵本ばかり。「ざしき童子のおはなし」は、昼下がりの穏やかな光、夕暮れの柔らかい光、残暑の頃の明るい光、そして眩しいほどの月の光... と、どの絵も光がとても印象的だったし、「よだかの星」は後半の色の深みと美しさが素晴らしいと思ったし、「風の又三郎」はどれも吹き渡る風を感じるような絵。「水仙月の四日」は、青と白が美しくて、その中の子供の毛布や、雪狼の舌の赤がとても鮮烈。

最初読んだ印象では、「水仙月の四日」が一番好きかなあと思ったんですが... 文章だけで読んだ時もとても印象深い作品だったし、伊勢英子さんらしい青を楽しめますしね。でも読んでから少し時間が経った今は「よだかの星」の印象の方が鮮烈に残ってるということに気がつきました。この絵本、最初の何枚かの絵が、あまり私好みの色彩じゃないんです。どこか民話調の赤の使い方というか、あまり色にも深みがなくて、なんでこういう色使いをするんだろう、とどうも違和感があったんです。でも、後半の色の深みが素晴らしい! なんて美しいんでしょう... もしかしたら、前半の絵は表面上の美醜しか捉えようとしないほかの鳥たちの浅さを表現してるのかしら。そして後半の深みのある広がりのある色彩は、よだかの内面を表しているのかなあ、と思ったのでした。...ただ単に前半の絵の美しさを、私が感じ取れなかっただけなのかもしれないんですが。(笑)(講談社・くもん出版・偕成社)


+既読の宮沢賢治作品の感想+
「宮澤賢治のレストラン」中野由貴 「銀河鉄道の夜」宮沢賢治
「注文の多い料理店」「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」宮沢賢治
「よだかの星」「ざしき童子のはなし」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「よだかの星」「ざしき童子のはなし」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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