「グリム姉妹の事件簿1 事件のかげに巨人あり」マイケル・バックリー

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グリム姉妹の事件簿1

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書評/ミステリ・サスペンス


11歳のサブリナと7歳のダフネのグリム姉妹は、2年前に両親が失踪して以来孤児院暮らし。孤児院のミズ・スミートはグリム姉妹のことを毛嫌いしており、2人を孤児院から引き取ってくれる家庭を見つけることが、今や彼女の一大使命となっていました。今もまた、祖母だと名乗る人物のところに連れて行かれるところ。しかしこれまで2人を送り込んだ先の人々は大抵意地悪で、時には頭がおかしいこともあり、2人をメイドや子守りとしてこきつかうか、ただ無視するばかり。その上、今回連れて行かれる先は、両親にずっと死んだと聞かされていた祖母のところなのです。サブリナはその「祖母」の偽者の家からもすぐ脱走する心づもりにしていました。しかしダフネはすぐに「レルダおばあちゃん」に懐いてしまい...。

東京創元社の創元ブックランドの新刊。今回は献本で頂きました。感謝。
本の案内に、かのグリム童話をまとめたグリム兄弟の子孫が、今はおとぎばなしの登場人物たちの見張りをしつつ、代々探偵業を営んでいるとあり、この時点で既に興味津々だったのですが、帯にはさらにジェイン・ヨーレンの「どうしてわたし自身で考えつかなかったんだろう! すっごいアイディア」という言葉が。ジェイン・ヨーレンにそんなことを言わせるとは、と読む前から期待が膨らみます。
そして実際に読んでみて。確かにこの設定は面白い~。そもそもグリム兄弟がおとぎばなしを書き留めたのは、おとぎばなしの時代の終わりが近づいたことを悟ったから。昔々はおとぎばなしに出てくる生き物たち(エヴァーアフター)と人間は共に暮らしていて、不思議なことも日常的に存在していたのに、両者は徐々にぶつかり合うようになってしまったんですね。魔法が禁止され、エヴァーアフターたちが迫害され始めたのを見たグリムは、できる限り沢山の物語を書き留め、親しくなったエヴァーアフターたちがアメリカ移住するのを手伝います。船を世話し、ハドソン川のほとりに土地を買って、エヴァーアフターたちがその土地に町を築くのを手伝うんです。でも新大陸にも徐々に人間は増えて、エヴァーアフターたちの身に再び危険が迫ります。バーバ・ヤーガに魔法をかけてもらうことによって、今の状態に落ち着くことになったんですが...。
その話がレルダおばあちゃんから出た時は、グリム一族がエヴァーアフターの後見人のような役割なのかなあと思っていたのですが、舞踏会での会話を聞いている限りでは、エヴァーアフター側にも様々な思いがあるようで! その辺りは、読んでいてちょっと複雑になってしまったんですけど... でもいずれにせよ、どちらか一辺倒の態度だけってわけじゃないのが良かったです。それに昔ながらの物語やファンタジー系の作品の登場人物が所狭しと歩き回っているのには、やっぱりわくわくしてしまいます。彼らの裏の素顔を覗き見るような楽しさ~。そして一番魅力的だったのは、レルダおばあちゃんの言う「世界一大きなウォークイン・クローゼット」! これはすごいです! この中、入ってみたい!!

今回だけで解決することと、また次回以降に続くことと。まだまだ小手調べといった感じもあるし、これでようやく登場人物たちが落ち着くところに落ち着いたので、今後ますます面白くなりそうな予感。次作も楽しみに待ちたいと思います。そして創元ブックランドの本は毎回挿絵も楽しみなのですが、今回は後藤啓介さんによる影絵調の挿絵で、これも物語の雰囲気によく似合っていて素敵です。(創元ブックランド)

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Commentaires(2)

こんにちは!
お久しぶりです。

「本が好き!」の書評で四季さんの名前を見かけたので、慌てて飛んできました(笑)
最近はあまり本を読めていないのですが、四季さんのブログはいつも楽しく読んでます♪

それでは、またお邪魔しますね。

fumikaさん、こんにちは! お久しぶりです~。
そうなんですよ、とうとう「本が好き!」に登録してしまいました。
読まなくちゃいけない書かなくちゃいけないとなると、少し負担にも感じるんですが
いずれは読みたい本って結構ありますしね。
当選するかどうかはともかくとして(笑)、そういう本を少しずつでも読む機会になればなあ、と思って。
fumikaさんもジル・チャーチルの本とか書いてらっしゃるなあと横目で見つつ… です。(笑)
そのつながりでも、よろしくお願いいたしますね。^^

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