「ウィンダミア卿夫人の扇」ワイルド

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ウィンダミア卿邸を訪れたのは、ダーリントン卿。ちょうど花瓶にバラの花を入れていたウィンダミア卿夫人は早速通すように言いつけます。居間に入った途端に、テーブルの上に置かれた扇に目をつけるダーリントン卿。それはウィンダミア卿からの誕生祝い。その日はウィンダミア卿夫人の誕生日で、パーティが開かれることになっているのです。しかしそこにベリック夫人が現れて、ウィンダミア卿に関するいかがわしい噂を吹き込みます。

オスカー・ワイルド自身が生きていた19世紀末、ヴィクトリア朝末期のイギリス上流社会を描いた戯曲。中心となるのは、仲睦まじい夫婦に投げかけられた波紋の真相。夫婦の前に突如として現れたアーリン夫人は、美しくて才気溢れる女性なんですが、これを機会に金持ちの男性を捕まえようとしているのが見え見えなんですね。ウィンダミア卿夫人はもう冷静に話を聞けるような状態じゃないし、ウィンダミア卿にも何か理由があるんだろうとは思うんだけど、なかなかその事情は見えてこないし、まあ、今となってはあまり珍しくない展開ではあるんですけど、それでも面白かったです。アーリン夫人に関してウィンダミア卿が知っている真実とウィンダミア卿夫人が見た現実が平行線をたどりつつ幕、というのが面白いですねえ。からりとしていて、なかなか楽しめる戯曲でした。

「私たちはみんな同じ世界に住んでいますのよ。善も悪も、罪悪も純潔も、みな同じように手に手をつないでその世界を通っていますのよ。安全に暮らそうと思って、わざと目をつぶって人生の半面を見ないようにするのは、ちょうど、落とし穴や断崖のあるところを、もっと安全に歩いてゆこうと思って、わざと目隠しするようなものですわ」(P.113 )

ウィンダミア卿夫人、世間知らずで可愛いだけじゃなかったのね。(笑)
そして当時の貴族たちのやり取りも、いかにも~な感じで楽しめます。...調子いいよなあ。(笑) (岩波文庫)


+既読のオスカー・ワイルド作品の感想+
「サロメ」ワイルド
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「ウィンダミア卿夫人の扇」ワイルド

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