「スウェーデンの森の昔話」アンナ・クララ・ティードホルム編・絵

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昔、ヨーロッパはほとんど全部森で覆われており、人間も動物も森で暮らしていました。人々が生きていく上で、森は畑や牧草地以上に大切な存在。スウェーデンの人々も大きな森に囲まれた小さな村に住み、森の木で様々な道具を作り、食べ物を探し、家畜に緑の草を食べさせてたのです。しかし昔の森は、いつも緊張して身構えていなければならない場所。山賊が潜んでいたり、トロルやクーグスローンやヴィットロールなど姿の見えない魔物がいる所。森の中では思いもかけない不思議なことがよく起こり、人々はそんな話を暗い冬の夜長に語り合い、そして昔話や伝説ができていきます。この本に収められているのは、そんなスウェーデンに古くから伝わる、12の森のお話です。

スウェーデンの民話の本を改めて読むというのは初めてだと思うんですけど、さすが北欧繋がり、アスビョルンセン編のノルウェーの民話集「太陽の東 月の西」で読んだような話が多かったです。「バターぼうや」は「ちびのふとっちょ」だし、「トロルの心臓」は「心臓が、からだのなかにない巨人」。「仕事を取りかえたおやじさん」は「家事をすることになっただんなさん」。でもそれだけじゃなくて、それ以外の民話に似ているものもありました。「ティッテリチェーレ」は「トム・ティット・トット」や「ルンペルシュティルツキン」みたいだし、「親指小僧」は「ヘンゼルとグレーテル」のバリエーション。「トロルと雄山羊」「小便小僧のピンケル」も、出所が思い出せませんが、よく似た物語を読みましたよ。何だっけ? でももちろん、読んだことのないタイプのお話もありましたよ!
きっとお母さんが小さな子供と一緒に楽しむ本なんでしょうね。挿絵も可愛いし、お話の中に出てくる昔の道具や当時の生活習慣の簡単な説明が巻末にあるのが分かりやすいし、面白いです。ただ、ちょっと気になった部分も。この本に収めるために元のお話を簡略化しるんだろうと思うんですけど、それで話がおかしくなってる部分があるんですよね。「トロルの心臓」では、地主の娘を助けに来た小作人の息子が、娘に3つのことをトロルに聞くように指示するんですけど、その3つの質問のうちの2つ意図が分かりません。きっと元の話には関係するエピソードがきちんとあったのに、省略されてしまったんだろうと思うんですが...。いくら昔話では「3」が基本だからといって、そんなところだけ律儀に残しても。それに「王女と大きな馬」なんかは、ここからさらに冒険が始まる、というところで終わってしまっているような...。せっかくロシア民話のイワンのお話みたいになりそうだったのに。

まあ、それはともかくとして。

この中で凄かったのは「ふくろうの赤ちゃん」という話。

むかし、子どもがほしいと思いながら、なかなか授からない夫婦がいました。

ここまでは普通ですね。でも。

ある朝、おやじさんは仕事にでかけるとき、おかみさんにいいました。
「いいか、夕方帰ってきたとき、子どもが生まれていなかったら、命がないと思え」

そ、そんな無茶なーーー!!(笑)
この話、3ページぐらいしかない短い話なんですけど、もう最後まで可笑しいです。おかみさんもなかなかやるし、その後のおやじさんの台詞がまた最高。ああ、オチまで書いてしまいたいぐらい~。(ラトルズ)

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