「お行儀の悪い神々」マリー・フィリップス

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遙か昔、ギリシャで栄華を極めていたオリュンポスの神々も、キリストが生まれてからというもの、その権威は地に墜ち、今はロンドンで困窮に喘いでいました。神々がロンドンに移住したのは1665年のこと。丁度大流行中だったペストの影響でロンドンの不動産価格が底値を記録していた頃で、知恵の女神・アテナによる財テク工作の一環として計画されたのです。しかし一旦ゼウスの名前を家の名義人に記した途端、一族はその地に縛り付けられることになり、300年以上も同じ家に住みながら、倒壊寸前の家をヘパイトスの改築・修繕に頼って暮らしていくことに...。神々は今やその力を失い、僅かずつではあるものの、老い始めていたのです。

ギリシャ神話の神々が現代のロンドンに住んでるとあれば、それは読まなくちゃと思ったんですけどーーー。これがもうほんと一体何なんだか!という出だしで、やっぱり読むのやめようかと思いました...。何がどうだって、序盤がとにかくお下劣なんです。最初、犬の散歩中のアルテミスが木になってしまった女性に出会うところはいいんですけど(アポロンとダフネのエピソードの再来ですね)、その後が...! アポロンとアプロディテが何をしようと勝手ですけど、ここまで書く必要はあったのかしら?
ということで、犬の散歩のバイトで日銭を稼ぐアルテミスに、携帯電話でテレフォン・セックスのバイトに勤しむアプロディテ。英知に優れてはいてもコミュニケーション能力が限りなくゼロに近いアテナ。アポロンはいんちき霊能者としてテレビに出演してるし、エロスは今や敬虔なキリスト教徒。ギリシャ神話でお馴染みの神々がこれでもかというほど情けない姿を曝け出してます。「抱腹絶倒」とは書かれていても、もう全然そんな感じじゃないしーー。というか、この手のユーモアセンスは、私にはイマイチなのよーー。...それでもギリシャ神話だし!とかなり我慢しつつ読み進めていたら、世界が滅亡へと進み始めた頃から面白くなりました。
結論としてはそれほど目新しくもないし、特にオススメ作品とも思わないんですが、それでも終わりよければ全て良しですかね? なかなか可愛らしく収まっていたと思います。下品ながらも可愛らしい神々、と思えるようになったのがスバラシイ。話に全く要領を得ないアテナにはがっかりなんですが(もっと素敵なイメージを持ってたのにー)、その分、アルテミスやヘルメスがなかなかいい味を出していて良かったです。(早川書房)

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Commentaires(2)

おはようございます。自分はこれ本屋さんで最初のほうを十ページかそこいら立ち読みして、あまりにもあまりに下品だったので、ダメダメかなぁと置いて来てしまったんですが後半は面白くなってきたのですね。
 

樽井さん、こんにちは。
ほんと、どうしようもなく下品で… 私も一時はどうしようかと思いました。
でも結果的には、あそこが一番酷くて、それ以降は大したことなかったんですが~。
あそこで引く人、絶対いっぱいいるはず。

あ、でも後半は結構面白かったんですけど、お勧めできるほどかといえば…。
人によっては絶賛してるけど、なかなか難しいところです。(苦笑)

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