「フェードル/アンドロマック」ラシーヌ

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トロイア戦争でヘクトールはギリシャのアキレウスに倒され、トロイア落城後、ヘクトールの妻のアンドロマックはアキレウスの息子・ピリュスの奴隷となることに。ピリュスの婚約者のエルミオーヌは、ヘクトールの忘れ形見・アスチアナクスの殺害を要求し、アンドロマックに心を奪われたピリュスは、そんなエルミオーヌを疎ましく思います。そこにエルミオーヌを愛するオレストが登場して... という「アンドロマック」。
アテネの王・テゼーとアマゾーンの女王・アンチオープとの子・イポリットは、この6ヶ月というものテゼーが行方不明であることに居ても立ってもいられない不安を覚え、父を探す旅に出ると言い出して... という「フェードル」。

フランスの劇作家・ラシーヌによる悲劇2作。どちらも古代ギリシャの3大悲劇詩人の1人・エウリピデスの悲劇作品が元になってます。こんなところでギリシャ神話絡みの作品が読めるとは迂闊にも知らなかったんですけど! 名前の訳が違いすぎて、話に入り込みにくくて困りました...。だってアンドロマックというのは、ギリシャ読みだとアンドロマケーのこと。ピリュスはネオプトレモスだし、フェードルはパイドラのことで、テゼーはテーセウス。イポリットはヒュッポリュトスのことで、アンチオープはアンティオペー。アルファベットで見たらそれほど変わらないでしょうけど(ギリシャ文字はアルファベットとはまた少し違うけど)、カタカナ表記では違いすぎですよぅ。従来のギリシャ読みを採用してくれたら、もっとずっと読みやすくなったはずなのに。

「アンドロマック」は、エウリピデスの「アンドロマケー」がモチーフとなっている作品なんですけど、元話とは結構違っていてモチーフを借りてきただけ。それだけにラシーヌらしさというのもあるのかな? オレストはエルミオーヌに、エルミオーヌはピリュスに、ピリュスはアンドロマックに、しかしアンドロマックはヘクトールを思い続けて... という片思いの連鎖が繰り広げる物語は、これはこれで結構面白いです。こんなにみんな前言を翻してばかりでいいのかしら?なんて思ったりもするのだけど。(笑)
「フェードル」は、やっぱりエウリピデスの「ヒュッポリトス」に題材を取っている作品ですが、こちらの方は元の作品にかなり忠実。これは元々それほど好きな話ではないし、比べてしまうと元話には見劣りするかな... 元話ではヒュッポリトスがアプロディテをないがしろにするところで悲劇が起きるんですけど、こちらはそんな神懸りではなくて、もっと人間ドラマになってるんですね。それがちょっと物足りなかったりして。
結局「アンドロマック」の方が面白かったんですが... でも結論から言えば、私はやっぱりエウリピデスの作品の方が好きだなあ。というのは、やっぱり名前の訳の問題も大きいのかなあ。でもラシーヌにはローマ時代を舞台にした「ブリタニキュス/ベレニス」というのもあるそうなので、そちらも読んでみようと思います。「ブリタニキュス」は皇帝ネロ、「ベレニス」は皇帝ティトゥスとベレニケの話ですって。どんな感じなのかしら~。(岩波文庫)


+既読のラシーヌ作品の感想+
「フェードル/アンドロマック」ラシーヌ
「ブリタニキュス/ベレニス」ラシーヌ

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