「バルサの食卓」上橋菜穂子・チーム北海道

Catégories: /

 [amazon]
美味しいものを食べるのが大好きで、美味しそうな食べ物が出てくる場面を書くのも読むのも大好きだという上橋菜穂子さん。子供の頃から大好きな物語にどんな食べ物が登場したか話し始めたら止まらないぐらいだといいます。そんな上橋さんでも、守り人シリーズや「狐笛のかなた」「獣の奏者」の料理本を作ろうと言われた時は、戸惑ったのだそう。なぜなら、それらの料理は異世界の料理。材料となる魚も肉も実も香辛料もこの世にはないのです。しかし創意工夫が得意な料理人たちによる「チーム北海道」が結成され、物語世界の料理の実現へと動き出します。簡単に手に入る材料を使いながらも創意工夫によって生み出された料理は、きっと物語の中に登場した料理の味に近いはず。そんな数々の料理をレシピ付きで紹介していく本です。

「これがなくっちゃ」「ガッツリいきたい」「ちょいと一口」「心温まる一品」「旅のお供に」「甘いお楽しみ」の6章で紹介される料理は30品目以上。題名こそ「バルサの食卓」ですが、「守り人」シリーズだけでなく、「孤笛のかなた」や「獣の奏者」の食事のシーンも取り上げられています。
物語の一節の引用があって、そして上橋菜穂子さんのエッセイ。子供の頃の思い出からフィールドワークに出ている時の体験談、世界各地を旅した時のエピソード、作品を執筆していた時の思い出。そもそも私はあまり便乗本というのは好きではないし、美味しいものへの欲求もそれほど強くないし、そもそも料理本を作ろうなんて、いかにも~な企画じゃないですか。(失礼な物言いですが) でも、これは思ってた以上に良かったです。料理の写真もとてもいいと思うし、料理そのものも、素朴な物語の世界観をきちんと反映していると思いますね。異世界の料理の割に、どこの家庭にでもありそうな身近な和風素材を使ってるのがアレなんですが... 例えば、もっと東南アジア系の香辛料とか使っても良かったと思うんですが、まあ、身近な素材を使って作る異世界料理というのもアリなんだろうな。その分、レシピとして活用しやすいですしね。それに上橋菜穂子さんのエッセイ部分が、それほど長くはないんだけど、読んでいると物語世界の奥行きをさらに広げてくれるようで良かったです。便乗本であることは確かだとしても、きちんと地に足がついた便乗本というか。(やっぱり失礼な物言いかしら) 正直半信半疑で手に取った本だったんですけど、ちょっとほっとしました。
そして一番食べてみたくなったのは「ノギ屋の鳥飯」と「タンダの山菜鍋」! やっぱり作品の影響か、素朴なものに惹かれます。これなら気軽に作れそう。(ということは、やっぱり身近な素材というのが大きいんだな)(新潮文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「精霊の守り人」「闇の守り人」「夢の守り人」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「虚空の旅人」「神の守り人 来訪編」「神の守り人 帰還編」「蒼路の旅人」上橋菜穂子
「天と地の守り人」1~3 上橋菜穂子
「流れ行く者 守り人短編集」上橋菜穂子
「バルサの食卓」上橋菜穂子・チーム北海道

+既読の上橋菜穂子作品の感想+
「獣の奏者」1・2 上橋菜穂子
Livreに「狐笛のかなた」の感想があります

| | commentaire(4) | trackback(2)

Trackbacks(2)

「バルサの食卓」上橋菜穂子・チーム北海道 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

昨日、自宅近所の BookOff で「獣の奏者 探求編 & 完結編」を入... » Lire la suite

「精霊の守り人」のタンダの山菜鍋や「獣の奏者」でエリンが母親と食べていた猪肉のごちそう、「狐笛のかなた」で小夜が作って小春丸と一緒に食べた胡桃餅。 ... » Lire la suite

Commentaires(4)

夢の守り人までの3冊を読みましたが、このお料理本はおもしろそうですね!
この3冊中一番思い出に残っている食べ物に関する場面は、バルサが久しぶりに故郷に戻って市場で食べ物を買うところなんですが、このシリーズ、アジアの匂いがしていいですよね~。

Johnnycakeさんもこのシリーズお好きでしたか~。
うんうん、そうなんですよね。アジアの匂い。
欧米のファンタジーとはまた違った味わいがあって大好きです。
その3冊だと、特に好きなのは「闇の守り人」。特に山の底の幻想的な場面が~。

バルサが久しぶりに故郷に帰って、という場面の食べ物もこの本にありましたよ!
多分これだと思います。機会があったら、ぜひ確かめてみてくださいね。^^

こんばんは♪

これはホント素敵な便乗本ですよね~(笑)  KiKi もどちらかというと
便乗本の類は好きじゃないはずなんですけど、これはいいなぁと思いました。
特にアジアン・テイストの物語に出てくるお料理を身近な食材で作っている
ところがいいと思うんですよね。  できあがりの味もじわ~っと口の中
に広がってイメージできるし、「よっしゃ、いっちょ作ってみよっか」と
思ったとき、材料集めでヘトヘトにならないっていうところが最高♪だと
思いました。

「タンザの山菜鍋」は絶対に来冬、Lothlórien_山小舎で作っちゃうだろう
なぁ・・・・(笑)

KiKiさん、こちらにもありがとうございます。

この本はなかなか素敵な本でしたよね♪
普通の便乗本とは一味違って、きちんと地に足がついてる本だと思いました。
そうそう、身近な素材で作ってるところがすごくいいし~。
珍しい食材を使ってくれてても、「美味しそうだけど… うーん」で終わりがちだけど
この本に載ってるメニューなら、実際に作ってみようって気になりますよね。
あ、いいですね、Lothlórienでタンザの山菜鍋!
作った時は、ぜひ記事にして写真もご紹介下さいね。
そのためだけに、早く寒くならないかなあ、なんて思ってしまったりして?
ほんと美味しそうですものね。
私も(まだ全然作ってないんですけど)ぜひともいくつか試してみたいです。

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.