「遊女の対話」ルーキアーノス

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遊女たちによる15の会話「遊女の対話」他、全4編の短篇集。

んんー、先日読んだ「神々の対話」の方が断然面白かったなと思いつつ...
まあ、こちらも対話形式の表題作「遊女の対話」が、結構面白かったんですけどね。ええと、遊女とはいっても、古代ギリシャにおける遊女は、結構きちんと認められた存在だったようです。古代ギリシャ時代は、食料品の買い物ですら男性の仕事。一般女性はひたすら家の中にいて、つつましく家庭を守り夫を助けるべき存在。特に年頃の娘の顔などは何かの祭礼の折に垣間見るしかない! そのため、宴会などで場を取り持つのは、もっぱら遊女の仕事。でも男性と対等に会話を交わすためには、相当の才能と知恵と教養が必要となり、次第に男性顔負けの教養を身につけた才気溢れる遊女が登場することに... というと、なんだかまるで江戸時代の花魁みたいですね。で、職業柄卑しめられるどころか、むしろその美貌と才能によって自由に華やかに生きている女性として、もてはやされる存在だったんだとか。(うーん、「遊女」という言葉じゃない方が良かったような気もする...)
でもこの「遊女たちの会話」に登場しているのは、そこまでの高級遊女ではなくて、もっと一般的な遊女たち。遣り手婆にいいようにされてたり、男どもの甘言に惑わされながらも、逞しく生きていく女性たち。時にはそんな彼女たちを一途に愛する男性もいるんですが、大抵の男たちは彼女たちの手練手管に鼻の下を伸ばし、都合のいいことばかりを言ってるんですね。まあ、女性たちだって、あの手この手で男性をしっかりつかまえておこうとするんだけど。国が違っても、時代が違っても、男女の間のやりとりは同じなんだなあ。心変わりや嫉妬、取った取られた結婚するしないなんて騒ぎとか、自分を魅力的に見せるテクニックや、恋を成就させるためのおまじない。その辺りが可笑しいです。やっぱりルキアノスって、ショートコントの才能があったと思うわー。
でもあとの3編は... 「嘘好き、または懐疑者」はまだしも、「偽予言者アレクサンドロス」「ペレグリーノスの昇天」は今ひとつ。どちらも実在の人物だそうなんですけどね。私にはその面白みがあんまりよく分からなくて、残念でした。(岩波文庫)


+既読のルキアノス作品の感想+
「神々の対話」ルーキアーノス
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