「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳

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ヒイラギの枝と一緒にクリスマスの靴下に入っていたビロードのうさぎ。始めは大喜びで遊んでいたぼうやでしたが、新しいプレゼントがどんどん来ると、うさぎはすっかり忘れ去られて、子供部屋の隅っこに放置されてしまうことに。でも、お手伝いさんのナナが、いつもの犬のぬいぐるみの代わりにうさぎをぼうやと一緒に寝かせた時から、うさぎはぼうやのお気に入りになり、いつもいつも一緒に過ごすことになったのです。

ぼうやとうさぎの心の絆が、ほんと泣きたいぐらい愛おしくなってしまうんですが... 同時に「ほんもの」って一体何なんだろう?と考えさせられる話でもあります。うさぎがぼうやに忘れ去られていた時、他のおもちゃたちはみんな「じぶんこそ ほんものだ」「ほんものそっくりだ」と自慢ばかりしてて、忘れられたうさぎをばかにするんですね。私はやっぱり、この時にウマのおもちゃが言う「こころから たいせつに だいじにおもわれた おもちゃは ほんとうのものになる。たとえ そのころには ふるくなって ボロボロになっていたとしてもね」という言葉が全てだと思うんですけど... ビロードのうさぎも、ぼうやと一緒にいる時がやっぱり一番幸せだったはず。なのに。
酒井駒子さんの絵がやっぱりものすごく素敵です。ぼうやがお布団で作ってくれる「うさぎのあな」も幸せそうな一コマで大好きだし、最後の場面の問いかけるようなうさぎの緑色の目もすごく好き。だけどやっぱり一番は、病気のぼうやの耳元でうさぎが色んな話をするところかしら。うさぎがぼうやのことを本当に大切に思ってるのが伝わってきて、ぐっとくるし、すごく素敵なんですよね。ああ、いいなあ。この場面、好きだなあ。(ブロンズ新社)


+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
「金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子
「きかんぼのちいちゃいいもうと」1~3 ドロシー・エドワーズ

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Commentaires(2)

こんにちは。

私もこの絵本、大好きです!
本屋で立ち見なのに、涙が止まらない!
うさぎの、抑えた表情が痛いです。
涙なしには読めない絵本ですね。

Mrs. Holmesさん、こんにちは!
なんと本屋で立ち読みでしたか。それは大変だったでしょう…
私も図書館で読んでしまおうとしたんですが、慌ててやめました。(笑)
本当に涙なしには読めない絵本ですものね。
うんうん、あのうさぎの抑えた表情…
抑えてるのに溢れ出してくるものがありますね。
やっぱり酒井駒子さんの絵は素晴らしいですね。

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