「風さん」「ゆきのおしろへ」「ちょうちょのくに」ジビュレ・フォン・オルファース

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ハンスが湖のほとりで小舟を浮かべて遊んでいると、木の上から見ていた風さんがさっと地面に飛び降ります。すると小舟はするすると動き出して... 風さんはハンスを連れて野原を突っ切り、りんごの実を揺り落し、色づいた葉っぱを散らし、雲に乗ってぐんぐん飛んでいくのです... という「風さん」。
一人ぼっちで窓辺に座って外を眺めていたマリーレン。お母さんは出かけたきり、なかなか戻ってきません。灰色の空からひらひらと雪が舞い降りてきて、ゆきのこたちが踊り始めます。そしてゆきのこたちに誘われたマリーレンは、一緒にゆきの女王の国へ... という「ゆきのおしろへ」。
遠い遠い遙かな国。赤ちゃんのいもむしたちは、子守りおばさんが見守る中、緑の葉っぱのジュースを飲んだり、よちよちと歩き回ったり。さなぎの子どもは、綺麗な花が咲き乱れ芳しい香りが溢れる夢のお庭で遊んだり、とんぼのお姉さんにダンスを習ったり。そして3月になると、光の使いたちに羽をもらうのです... という「ちょうちょのくに」。

「風さん」は、水色の服と帽子に金髪をなびかせた男の子。ハンスは白と赤の服に、赤と水色の、とんがった先っぽが垂れ下った帽子。(名称が分かりませんー) 訳者あとがきで、「下を向いた頭がいかにも重そうです。頭が大きめの子の中には想像力が一杯で、でも現実をとらえるのはゆっくり...。子どものタイプをそんな風にとらえる観方もあります。」とありました。そして四大元素の風に対して、ハンスは水と土の子、とも。なるほどなあ。最初はどちらかといえば、大人しくて... ちょっぴり愚鈍なイメージで、走るのもちょっとたどたどしかったハンスが、軽やかな「風さん」にひっぱりまわされてるうちに、だんだんやんちゃになっていくのが可愛いのです。下を向いて垂れてた帽子の先っぽも、最後は上を向いてるし!

「ゆきのおしろへ」は、まず白くてまんまるいゆきのこたちが可愛いし、淡い色合いの雪の世界と白いゆきのこたちの中に、全身真赤な服のマリーレンちゃんの姿が鮮烈。こちらにも風の子が出てきましたが、「風さん」のあの男のではなくて、こちらは女の子。そして雪の女王のお城は、アンデルセンの「雪の女王」とはまた全然違う雰囲気。お城は氷でできていて冷たいはずだし、お庭にもガラスのようなお花が咲いてるんですけど、どこか暖かいんですよね。雪の女王の膝の上に女王そっくりの小さなお姫さまが座っていて、その腕の中にはその小さなお姫さまにそっくりの人形が抱かれているからかしら。雪の女王が、まるで聖母マリアのようなイメージです。そして雪のお姫さまの誕生日のパーティで働く雪だるまたちのおじさん臭くて可笑しいことったら。

そして「ちょうちょのくに」は... うーん、この本だけ感想が出てこなくて困ってしまったのだけど... それは、私自身がちょうちょが苦手なせいもあるのかも。いもむしもダメなんだけど、特にあのヒラヒラと飛んでるちょうちょが怖くて仕方ないんですよねー。あ、でも絵本の中のいもむしの赤ちゃんとか、さなぎの子どもとか、絵としてはすごく可愛いです。3月の春の誕生日に、輝く金の槍を持つ光の使いが、さなぎの子どもたちに羽をあげるというのが素敵。

「ゆきのおしろへ」がオルファースの最初の絵本で、「ちょうちょのくに」が最後の絵本なのだそうです。
他の絵本もそうなんですが、絵の枠がまた素敵なんですよね。アールヌーボーの絵によくあるような枠。この「風さん」では木の幹や枝が枠になってます。文章の方も水辺に咲く菖蒲の花だったり、流れる小舟だったり、綿毛を飛ばすたんぽぽだったり... 「ゆきのおしろへ」は、絵の左右が、真っ白い雪割草。そして「ちょうちょのくに」は、再び木の枠。時々枠にちょうちょやトンボの形がくり抜かれてるのがまた可愛いのです。(平凡社)


+既読のジビュレ・フォン・オルファース作品の感想+
「森のおひめさま」「うさぎのくにへ」「ねっこぼっこ」ジビュレ・フォン・オルファース
「風さん」「ゆきのおしろへ」「ちょうちょのくに」ジビュレ・フォン・オルファース

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