「消えちゃったドラゴン」パトリシア・C・リーデ

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魔法の森の王・メンダンバーは、堅苦しい公式の式典に出席させようとしたり、執拗に結婚を勧めたりするエルフのウィリンや口うるさいガーゴイルの目を逃れて、1人城を出て魔法の森へ。魔法の森は、境界線はもちろんのことその地形さえ、前触れもなく頻繁に変わってしまう場所。しかし王であるメンダンバーは、特に何も考えなくても森を自由に出入りしたり、行きたい場所に行くことができる特権を持っていました。それなのに、1時間たっても、目的地の<緑の鏡ヶ淵>に辿りつかないのです。それどころか、本来入ることのできないはずの人間まで魔法の森に入り込んでいるのを発見。そして更に、魔法の森の中にあるはずのない荒地を発見。魔法の森の一部が徹底的に破壊され、何も残っていない状態となっていました。そこにドラゴンのうろこが何枚も落ちているのを見つけたメンダンバーは、偶然出会ったリスのアドバイスを受けて、魔女のモーウェンに会いに行くことに。

魔法の森シリーズの2作目。前回は、ありきたりなお姫さま教育と、世の中の頭の空っぽな王子さまたちにうんざりしているシモリーンが主役でしたが、今回中心となるのは、魔法の森の王・メンダンバー。(ようやく、シリーズ名の「魔法の森」が前面に出てきました) この王さまが堅苦しいことは大の苦手で、「頭は空っぽなのに、自分を魅力的に見せることだけは得意」な世間一般の典型的なお姫さまたちに辟易していて... という、平たく言ってしまえばシモリーンの男性版。1作目と対になってるとも言えるのかな? ...ええと、本当は原書で読むはずだったし、実際読み始めていたんですが... そうこうしてるうちに邦訳が出て、結局そちらを読んでしまいました。(汗)

いやあ、今回も可愛らしかったです~。前作と比べると、ドラゴンの出番がかなり減ってしまってそれが寂しかったし、明るくて魅力的なシモリーンに比べると、どうしてもメンダンバーが見劣りしてしまうし(いい人なんですけどね、シモリーンほどのインパクトはないから)、おとぎ話の王道を捻った設定に関しても、前回ほどのヒットではなかったんですが、それでもやっぱり可愛らしくて楽しくて、このシリーズは大好き。
今回一番面白いなと思ったのは、メンダンバー王の魔法。この人は元々魔法が使えるという人ではなくて(だから魔法使いではない)、王位を継いだ時に魔法の力も受け継いでるんですね。即位した王に、森のすみずみまで網目のように広がっている魔法を感じ取り、使う能力を与えるのは魔法の森そのものなんです。で、メンダンバーは、メンダンバーにしか見えないその魔法の糸に触れたり引っ張ったり捻ったりすることによって、魔法を使うというわけです。魔法の森の外にいる時は糸がないので、色々大変なんだけど。
もちろんシモリーンも登場します。魔女のモーウェンも。新しい仲間もできるし、その仲間が次巻にも活躍してくれそうな予感。3巻目はモーウェンが主役となるようなので、そちらもとても楽しみです。(東京創元社)


+シリーズ既刊の感想+
「囚われちゃったお姫さま」パトリシア・C・リーデ
「Dealing with Dragons」Patricia C. Wrede
「消えちゃったドラゴン」パトリシア・C・リーデ

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初めまして。
前作「囚われちゃったお姫さま」の続編は出てないかなーと検索をしていてたどり着きました(挿絵を描いている方のブログにもたどり着きました。)
前作は個性的なシモリーンとカズールにすっかりはまってしまい何度も読み返しました。
チェリージュビリーを食べたりするところや
ドラゴンの炎に燃やされない為にシモリーンが呪文を調べ始めるといったなにげないところがとても好きです。
原書に手を出そうかとも思ったのですが、女王の矢(マーセデスラッキー著、社会思想社から1巻だけ出ていた)、ハリーポッターシリーズなどで挫折をしていたので今回は翻訳を待っていました。
まだ買っていませんが今から楽しみです。
本来は買ってから書き込むべきなのかも知れませんが興奮してきたので書き込んでいます。シモリーンとカズールに会えそうですし、メンダンバー王の魔法も楽しみです。
この世界の魔法は万能ではなく、どこかに本人の工夫みたいなものを必要とするところがとても面白いと思っています。
次は知的なモーウェンが主人公ということでしたらますますその傾向が出てくるのかなと今から楽しみです。まだ2巻も読んでいないのに3巻も待ち遠しいです。

H.K.さん、はじめまして! コメントありがとうございます。
「囚われちゃったお姫さま」、楽しかったですよね~~。私も大好きです。
チェリージュビリーがどんなのか知らなかったので、思わず検索してしまったし…(笑)
シモリーンが呪文を調べ始めるところも、いいですよねえ~。
メンダンバー王の魔法は、上には色々書いてしまいましたが
実際に読むと、これもかなり何気ない感じなので、H.K.さんもお好きかもしれないですね。
原書の英語は… うーん、私にはハリー・ポッターと同じぐらいの感触だったかな?
とは言っても、かなりアバウトなので、あまり参考にはならないのですが。

1巻と構造的に似通ってるので、シリーズ化する必要はなかったんじゃ?なんて感想も
ネットでちらほら見かけたのですが、実はわざとなんじゃないかしら?なんて思ってみたり。
おとぎ話だと3回繰り返すのが定番ですしね。
とは言っても、モーウェンが同じパターンというのは、ちょっと想像がつきませんが…(笑)

ほんと、知的なモーウェンなので、これまた楽しみになってしまいますね。
彼女の過去の話なんかもあるといいなあ、どんな生い立ちなのかな?
カズールとはどんな風に親しくなったのかしら? と興味津々。
そういう話が出てくるかどうかは分かりませんが、いずれにせよ面白くなりそうですよね!
続きもとっても楽しみです。H.K.さんも、2巻をぜひ楽しんでくださいね!^^

すぐに返信をいただいていたのになかなか感想を書き込めずにすみません。
あちこち本屋さんをまわってみつからず、結局夜中に○k1(オンライン書店)で注文したら翌日届きました。これは本屋さん厳しいですね。。。
本を手に入れ、ちょっとずつ楽しみながら読もう! としたのですが、寝る前にちらっと見たのが大失敗。そのまま最後まで読んでしまいました。
とてもとても、面白かった。

シモリーンも成長していて(成長途中の様子、働きぶりなどをもっともっと詳細に知りたかったですが)ひさしぶりに会えた喜びで幸せになりました。
主人公ではないのでカズールの出番が少ないのがやや不満ですが、シモリーンはメイン脇役として割と出番が多くて楽しめました。
本にはならなかったけれどカズールとシモリーンで片付けてしまった事件も沢山1巻と2巻の間にあったのだろうなぁーと思いました。

今回出番少なめだったモーウェンが本職ぶりを発揮してモーウェンらしく事件を解決!とかしてくれたらきっと楽しいと思うので3巻も楽しみです。

H.K.さん、こんにちは~。
2冊目に無事出会えたのですね! 良かった良かった。
でもそんなに前に出た本というわけでもないのに(出たのは8月だったかな?)
リアル本屋さんには全然置かれてなかったなんてびっくりです。
表紙も可愛いし、これはぜひ本屋に平積みして欲しいところですよね。
置かれていれば、きっと試しに手に取ってみる人がいっぱいいると思うのにーーー。

で、肝心の内容の方も楽しまれたようでなによりです。
そうなんですよ、私もシモリーンの働きっぷりをもっと詳細に知りたかったし
カズールの出番が今回かなり少なかったのは残念なんですが…
…まあ、カズールに関しては仕方ないですけどね。
次のモーウェン編で、その後の2人がどんな風にやってるのかが
きっと出てくると思うので、そちらを楽しみにしようかと~。
でも次はきっと、モーウェンと今回新たに登場したあの人物が中心になりますよね。
シモリーンとカズールに関しては、期待しすぎは禁物かしら。
と、ちょっとドキドキしてしまいます。

四季さんおはようございます。返信ありがとうございます。
ケーキ屋さんみたいな場所に飾ってあっても楽しい絵だと思います。
ちらちらと読み返しながら表紙をながめたりしています。

読み方がちょっと似てて親近感です。
ゲームとかで遊んでいても、このあたりのモンスターが倒されたら
村人たちの生活はどんな風に変わるのだろうとか
そっちの方が気になる変な自分です。
シモリーンがドラゴンに料理を習ったり本を調べて新しいレシピを見つけたり
そんな事もしたのではないかと。そのときにはどんな言い回しをしたかなぁ
などと妄想がふくらみます。
訳者さんががんばってるからでしょうけれど
登場人物それぞれに独特な言い回しがあるようで
おなじみな感じにニヤニヤしつつ読んでいます。
モーウェンなら「あたしならそんなことはしない」みたいな感じでしょうか。
夏頃には3巻が読めたらいいなと期待しつつ待ちたいと思います。

H.K.さん、おはようございます。
お返事がすっかり遅くなってしまってごめんなさいー。

ああ、そういうのは考えてると楽しいでしょうね!>村人たちの生活
本もそんな風に読んでるうちに、どんどん世界の奥行きが広くなっていくし…
もちろん、そんな風に想像させてくれるような作品だというのが重要なわけですが~♪
そういうことにあんまり興味がわいてこないような本もありますものね。
それがいいとか悪いとかではなく。
シモリーンとカズールの生活はいかにも楽しそうで、私も色々想像したくなります。
まあ、だからといって、そういう話を外伝的に読みたいかとなると考えてしまうのですが…
本にもちらりちらりと登場して、自分の想像力が刺激される程度がいいのかな?
(あまり突き詰めて考えたことがなかったのでよく分かりませんが)
確かに登場人物それぞれの口調なんかも想像できて、そういうのも楽しいですね。
そういうのもきっと色々想像したくなる一因かと~。

あと2冊も楽しみです!

四季さんおはようございます。
お返事期待していないのですがお返事いただけて嬉しいです。
(返信が遅いのは私です)

私も外伝として読みたいという事でもないです。
後日談程度に知りたいです。
この物語の話ではありませんけれど
世界を救った英雄二人組のうち一人が老衰で世を去ったときに
残った一人はどんな言葉をつぶやくのだろう
などと思ってしまうのです。

たくさんの人物やドラゴンがそれぞれの個性を持っているので
風の噂が聞こえてくると嬉しいというか
手紙をもらう嬉しさみたいなものでしょうか。

あと2冊を楽しみにしつつあまりやきもきしないようにします^^

H.K.さん、おはようございます。

>世界を救った英雄二人組のうち一人が老衰で世を去ったときに
>残った一人はどんな言葉をつぶやくのだろう

ああ、なるほど~。そういうことを考えてらっしゃるのですね。
私はそこまでは考えたことがなかったな…
シンデレラや白雪姫には、実際後日譚があるし
「2人は死ぬまで幸せに暮らしました」は胡散臭いと思うのですが(笑)
英雄2人組の場合は、そのままラストを受け入れて
あまりイメージも発展しないような… まだまだですね。(笑)

でも手紙をもらう嬉しさのようなもの、というのはよく分かります。
ほんとそんな感じですよね。^^

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