「オデュッセウス物語」バーナード・エヴスリン

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10年間かかったトロイア戦争が終結。トロイアの町が陥落し、ギリシャ勢は帰国することに。オデュッセウスも3艘の船に戦利品を満載して家路につきます。しかしポセイドンの怒りを買っていたオデュッセウスが故郷のイタケ島に帰りつくには、さらに10年の歳月が必要だったのです。

「トロイア戦争物語」に引き続き、楽しく読める「オデュッセイア」です。でも面白さで言えば、「トロイア戦争物語」の方が上だったかな...。こちらも面白いことは面白いんだけど、「まあまあ」程度でした。読後、なんで「まあまあ」程度だったんだろうとちょっと考えてしまったんですけど、もしかしたら「オデュッセイア」は、既に完成されていて、あまり手を加える余地がないからかもしれないですね。「トロイア戦争物語」の中心になっている「イーリアス」だと、10年の戦争のうちほんの数週間のことしか書かれていないから、結構前後とか合間とかに付け加える余地があるんです。人間を間に挟んだ神々同士のいがみ合いも、結構ふくらませられるものだし。でも「オデュッセイア」は、そういう意味ではあまりふくらませ甲斐のない作品なのかも。あ、でも回想シーンの多い本家の「オデュッセイア」に比べて、こちらはきちんと時系列順に話が進んでいたので、とても分かりやすくはなってましたが~。

1つ「おっ」と思ったのは、キルケの島でのこと。オデュッセウスの船がキルケの島に着いたあと、乗組員たちは2手に分かれて、半数が島にある城を探りに行くんですね。それは魔女のキルケの住む城なんですが、みんなそんなこととは知る由もなく。で、警戒した1人を除いて、その城でキルケにもてなされることになるんですが... 結局、その人々は豚に変えられてしまうんです。原典では、ごちそうを食べ終わった頃にキルケが杖で人々を触ると豚に変身すると書かれてるだけなんですけど、このエヴスリンの物語では、その前段階としてごちそうを食べる場面があって、それがまるで豚みたいな食べっぷり。まるで「千と千尋の神隠し」の最初の場面みたい! もしや宮崎駿氏はこの作品を読んだのかしら~などと思ってしまったのでありました。(現代教養文庫)


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