「黒ねこの王子カーボネル」バーバラ・スレイ

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ロージーがお母さんと一緒に住んでいるのは、アパートの一番上の階の家具付きの3部屋。お風呂を使えるのは週に2回、台所は共同。住み心地はあまり良くないのですが、ロージーのお父さんは既に亡くなり、お父さんの年金とお母さんの仕立て物の仕事では暮らしを立てるのが精一杯なので仕方ないのです。そして迎えた夏休み。ロージーのお母さんは、パーカーおくさんの仕立て物の仕事のために、ロンドン郊外にあるお屋敷に3週間通うことになっていました。お母さんが留守の間に何か役立つことをしたいと考えたロージーは、掃くことと拭くこととお皿洗いならできると、フェアファックスの市場にほうきを買いに行きます。そしてそこで出会った黒ネコに連れて行かれるようにして1人のおばあさんと出会い、ほうきと黒ネコを買い取ることに。

ロンドンに住む普通の女の子がひょんなことから黒猫の王子カーボネルと出会い、魔法のほうきを手に入れて、カーボネルにかけられている魔法を解くために奔走するという物語。これ、小学校の頃に図書館で1度読んだことがあるんです。でもその後また読みたいと思って探したんですが、題名をすっかり忘れてしまってて、図書館で探したんですがそれらしいのが見つからず...。その頃は司書さんに聞くなんてことは思い浮かばなかったので(笑)、そのままになってたんですが、岩波少年文庫で復刊されてるのを見て読んでみたら、まさにそれじゃないですか!

久しぶりに読んでみると、ちょっと物足りない部分はあるものの、やっぱり可愛らしいエブリディ・マジックでした。ロージーは、仕事が大変なお母さんのことを常に気遣うような思いやりのある女の子。 お母さんとのやりとりでも、相手のことをまず考えて、自分のやりたいことは二の次。それが最終的には良い結果を生むことも多いんですよねえ。...そんな気持ちのいい女の子なのに、あんまり仲の良い友達はいないようなのはなぜなんだろう? とも思ったりするんですけどね。貧しいからって馬鹿にされてるのかしら。(確かにそういうクラスメートもいるけど、全員とは思いがたい) 博物館に行って陶器のコレクションを見た時の「使うためのものが、博物館のケースに入れられて、ただ見られてるだけって、かなしそうだって、あたし、いつも思うの。」なんてことを言うのがとても印象的だし、お母さんの仕事先で知り合った少年・ジョンとは、あっという間に仲良くなって一緒に冒険することになるのですが。
この冒険によって、それまでの子供だけの世界だけではなくて、魔法のほうきから繋がる魔法の世界と、必要なものを手に入れるために足を踏み入れる大人の世界と、ロージー自身の世界が広がっていくのがいいんですよね。しかもカーボネルと一緒にアパートの部屋から眺めてみると、ロンドンの町が実は猫の王国とすっかり重なってるし! ごく平凡な日常の中にいるとは思えないほどの大冒険。
優しいロージーは、魔法が解ければカーボネルが自分の国に帰ってしまうのが分かっていながらも、自分にできる限りのことをしようと奔走します。その割に、カーボネルの態度が高飛車のがまた可笑しい。自分が助けてもらう側だって意識はあるのかしら! 子供の頃に読んだ時は、「呼び寄せの呪文」のせいで、目の前のご馳走を食べられずにロージーの元へと急がなくちゃいけなくなったカーボネルの怒りっぷりが印象的だったんですが、今回読んでもやっぱり可笑しかったです。(岩波少年文庫)

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