2005年1月 Archive

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 警視庁草子 下 [amazon] [amazon]
明治初期。まだ混沌とした時代を背景として、警視庁と元江戸南町奉行の面々の対決を描いた作品。いやー、この時代の政府の要人はもちろんのこと、有名人が多数登場、所狭しと動き回ってるのが凄いです。だってね、清水次郎長とその乾分の大政・小政、河竹黙阿弥、雲霧お辰に高橋お伝、山岡鉄舟、幼い頃の夏目漱石や幸田露伴、樋口一葉、少年時代の森鴎外、そして皇女和宮まで! 他にもまだまだ色んな人たちが表に裏に活躍するんですよ。まるで江戸時代から明治への時代の流れをフルカラーで見せられてるみたい。元江戸南町奉行が、「隅の老人--いや、隅の御隠居と呼んでもらおうか」と言っていたり(オルツィ!)、仕掛け人の話のところでご隠居が横を向いて「御免下され、池波正太郎殿」と言っていたり(笑)、しかもこーんなところに新撰組のあの人が!(ここで、大河ドラマでその役をやってた役者さんの顔がどどーんとアップになる) 森鴎外の初恋秘話やいかに?! もう虚実を取り混ぜて自由自在って感じ。山田風太郎って、ものすごい知識の人だったんだろうなあ...。誰が善で誰が悪ということもないのが、またいいんですよね。途中ちょっぴりダレた部分もあったんですけど(これはきっと私の知識不足のせい)、最後の追い込みがまた良かったです。色んな人の想いが切なかったなー。(ちくま文庫)


+既読の山田風太郎作品の感想+
「明治断頭台」山田風太郎
「警視庁草子」上下 山田風太郎
Livreに「魔界転生」の感想があります)

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「魔法使いハウルと火の悪魔」の姉妹編。今回は前回のインガリーよりもずっと南の国・ラプシュートの絨毯商・アブダラが主人公。ひょんなことから魔法の絨毯を手に入れたアブダラが出会ったのは、スルタンの1人娘「夜咲花」。しかし恋に落ちた2人が駆け落ちしようとした時、巨大なジン(魔神)に夜咲花が攫われて... という話です。そのまんまディズニーの「アラジン」のイメージ。(本家の「アラジンと魔法のランプ」には、空飛ぶ絨毯は出てこないのね) で、確かに姉妹編なんだけど、読み終わってみるとやっぱり続編! ハウルやソフィーたちの出番はあんまり多くないので、前作のファンには物足りないかもしれないんですが、「千夜一夜物語」の世界が大好きな私には、1作目よりもこっちの方が面白かったです。何が面白かったって、いかにもアラビアの商人っぽいアブダラの、心にもない美辞麗句の数々が... でもって、そういう言葉に乗せられて、いい気分になっている絨毯も... って何か違うような気もするのですが...(^^ゞ (徳間書店)


+シリーズ既刊の感想+
「魔法使いハウルと火の悪魔」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「アブダラの空飛ぶ絨毯」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

+既読のダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品の感想+
「デイルマーク王国史」1~4 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「わたしが幽霊だった時」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法使いはだれだ」「クリストファーの魔法の旅」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔女と暮らせば」「トニーノの歌う魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法がいっぱい」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
留守中に読んだ本(18冊)(「マライアおばさん」「七人の魔法使い」「時の町の伝説」の感想)
「呪われた首環の物語」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「花の魔法、白のドラゴン」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「いたずらロバート」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バウンダーズ」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「星空から来た犬」「魔空の森ヘックスウッド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バビロンまでは何マイル」上下 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ウィルキンズの歯と呪いの魔法」「海駆ける騎士の伝説」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「うちの一階には鬼がいる!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法!魔法!魔法!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ぼくとルークの一週間と一日」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「牢の中の貴婦人」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法の館にやとわれて」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「キャットと魔法の卵」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
Livreに「ダークホルムの闇の君」「グリフィンの年」「九年目の魔法」の感想があります)

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魔法を叶えてくれる3つの銀のボタンが登場する話。
「3つの魔法を叶えてもらう」だけ聞くと、もうほんと昔ながらの童話によくあるパターンなんですが(みんな慌てて願い事して、大失敗するのね)、これはまたちょっと違う展開。「魔法には結果がつきものであり、もしも魔法によって自然のバランスが破られた時は、自然そのものがその均衡を正す」という考えがすごく面白かったです。何かオチが付くと分かったら、魔法に対する態度も自然真剣になるわけだし、結局なるべく自分の力で対処するのが一番だってことになるわけで... 厳しい修行して魔女だの魔法使いだのになったんならともかく、素人が魔法に手を出す時はそのぐらいで丁度いいかもしれないですね。そういえば、壷の中の魔神か何かにご馳走を頼んだら、どこぞの国の王様の食卓からごっそり持ってきちゃった話も読んだことあるしなあ。その程度のオチなら、知らん顔してても大丈夫かもしれないけど。(いいのか?)
甘いだけではない物語ということで、もう一捻り欲しかった気もしますが、でもこれはこれでいいんでしょうね。めるへんめーかーさんの挿絵が良く似合う物語でした。 (ハヤカワ文庫FT)


+既読のジェイン・ヨーレン作品の感想+
「夢織り女」ジェイン・ヨーレン
「水晶の涙」ジェイン・ヨーレン
「三つの魔法」ジェイン・ヨーレン
「光と闇の姉妹」「白い女神」ジェイン・ヨーレン
「月夜のみみずく」ジェイン・ヨーレン ショーエンヘール

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 笛吹き男とサクセス塾の秘密 [amazon] [amazon]
はやみねかおるさん2冊。
「虹北恭助のハイスクール・アドベンチャー」は、その名の通り虹北恭助シリーズで、これが4冊目。先行していた漫画(未読)の原作として書かれたそうで、いかにも漫画~という演出も。(笑) 小学校の時から不登校、中学ではふらっと外国に出てしまった恭助なので、本当に「ハイスクール」なのかどうかは...なんですけど(笑)、野村響子ちゃんは高校2年生。もう高校2年生ですかー。ついこの間まで小学生だったのに!(←近所のオバサン感覚) 彼女、週に2通ぐらいずつラブレターを貰ってるんですって。すごっ。今回は恭助がちょっとハッキリとしたとこを見せてくれたのが収穫かな。それに私の中では「新冒険」「新・新冒険」がちょっと低調だったので、復調してくれた感のあるこの作品はなかなか良かったです。でも新登場の人物(へんてこなフランス人!)もいて楽しかったのに、次の作品でシリーズとしては修了なんですって。残念。
「笛吹き男とサクセス塾の秘密」は、夢水清志郎シリーズの12冊目。このシリーズももう10周年とのこと。でも、作中の時間経過は2年8ヶ月。(笑) 3つ子の岩崎姉妹やレーチも中学3年生。高校受験を控えて一応大変そうなんですが、でも受験よりもむしろらぶらぶ~な雰囲気だったかも。(笑) そういえばこのシリーズ、去年テレビでやってるのを見ちゃったんですよね。岩崎姉妹をやってたのは三倉茉奈・佳奈の双子で、タイトルも「双子探偵」。亜衣と真衣だけで、美衣がいなくてさびしいの。本来1人2役だってできるんだから、2人3役ぐらいやって欲しかったなー。(講談社ノベルス・講談社青い鳥文庫)


+シリーズ既刊の感想+
ブログにはこれ以前のシリーズ作品の感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「虹北恭助のハイスクール・アドベンチャー」「笛吹き男とサクセス塾の秘密」はやみねかおる
「オリエント急行とパンドラの匣」はやみねかおる
「卒業 開かずの教室を開けるとき」はやみねかおる

+既読のはやみねかおる作品の感想+
「都会のトム&ソーヤ2 乱!RUN!ラン!」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ3 いつになったら作戦(ミッション)終了?」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ4 四重奏(カルテット)」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ5 IN塀戸(VADE)」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ6 ぼくの家へおいで」はやみねかおる
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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ブラジルの片田舎に生まれたマリーアは、21歳の時に芸能プロデューサーに連れられてスイスへ。そして22歳となったマリーアは、今や売れっ子の売春婦。...と書くと、いかにも田舎のちょっと可愛い女の子が都会の男にひっかかって人生狂わせたって感じになっちゃうんですけど(^^;、でもそういうんじゃないんです。マリーアは常にとてもポジティブ。きちんと自分自身の足で立って、自分の頭で人生を考えているから、きっと今も昔もこれからも後悔なんてしないんだろうな。なかなか素敵な女の子でした。
マリーアの職業柄というわけでもないんだけど、直接的な表現が多いので、これを電車の中で読んでたら周囲の目を気にして無闇にどきどきしてしまいそうなんですが(笑)、 でもマリーアの言葉はとても深くて哲学的。それに結局のところは、純粋なラブストーリーだったような気がします。ラストも良かったな。(角川書店)

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「ハーメルンの笛吹き」「白雪姫」「いばら姫」「シンデレラ」「ラプンツェル」... といった有名童話を元に、タニス・リーならではの筆致で描き上げた作品群。紀元前から未来までの様々な時間と場所を舞台にして、それぞれにタニス・リーらしい闇の美しさを持つ世界が繰り広げられています。以前にも童話を元にした海外のアンソロジー「赤ずきんの手には拳銃」「白雪姫、殺したのはあなた」を読んだことがあるんですけど、それとはまたちょっと違うスタンス。そっちもすごく面白かったんですけど、童話を現代的な設定にリメイクって感じの作品が多かったんですよね。こちらのタニス・リーは、設定を変えてはいても、確かに「童話」。重要モチーフは残されてるので、何の童話を元にしているのかはすぐ分かるんですけど、価値観や立場をゆがめたり逆転させたりして、新しい視点から見せてくれるのが面白いです。特に「白雪姫」「シンデレラ」の迫力が凄かった! これはちょっとびっくりだなあ。(ハヤカワ文庫FT)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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映画にもなった「ショコラ」と同じく、フランスの小さな村ランスクネ・スー・タンヌが舞台の物語。「ショコラ」の5年後ぐらいですね。ヴィアンヌとアヌークはいないんですが、ジョゼフィーヌがカフェの女主人となっていたり、川のジプシーだったルーが村に居ついていたりと、「ショコラ」にいた人々も再登場です。でも舞台や登場人物はある程度共通してても、物語としてはまったく別。今回の主人公はイギリス人の作家です。や、この作家が情けない人でねえ... 「ショコラ」のヴィアンヌのようには、すっと入れないんですよね。それに読んでるだけでチョコレートの甘い香りが漂ってくるような「ショコラ」に比べると、ワインの芳醇な香りが... という感じでもなかったし。(しかも、ワインとは言っても要は果実酒) でも、このワインが結果的にはすごく良かった! ワインを作った老人の不思議な魔法にかかったかのように、いつの間にか引き込まれるようにして読んじゃいました。このラスト、いいなあ。(角川文庫)

この作品に登場するワインは、ブラックベリーの他にもラズベリーやブルーベリー、ローズヒップやスモモ、ニワトコの花など。ワインを作っている老人の家には、果物や野菜、ハーブが豊富にあって、普通に食べるのはもちろん、ワイン以外にも色々と日常の生活に利用してるんです。...私のうちにもハーブは何種類かあって、特にローズマリーとラベンダーはものすごく元気。なのに、今のところあまり有効利用してないんですよね。この本を読んでいたら、なんだか色々と作りたくなってきちゃって、突発的にローズマリーのハーブオイルだのハーブビネガーを作ることに...。なんて影響されやすいんだ、私ってば。まあ、作ったとは言ってもオイルもビネガーも漬け込むだけだし、たとえ作っても、上手く使いこなせるかどうかはまた別なんですけど... ね。(笑)


+既読のジョアン・ハリス作品の感想+
「ブラックベリー・ワイン」ジョアン・ハリス
「1/4のオレンジ5切れ」ジョアン・ハリス
Livreに「ショコラ」の感想があります)

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