2005年4月 Archive

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イギリスの家を出てから1年。東へと流れていたダニエルは、ふとしたことから1つの見事なダイヤモンドを手に入れることに。芯にあるわずかな傷の形から「狼」と呼ばれるそのダイヤモンドのせいで、ダニエルは満月になると魔獣に変身し、殺戮を繰り返すように...。

タニス・リーらしい色彩の美しさと官能的な描写に、今回は前半の舞台となるアラビア(多分)のエキゾティックな雰囲気も楽しめる作品。でもねえ、出だしはいい感じだったんですけど、物語後半、イギリスの田園風景に舞台が移ってからはかなり普通になってしまったような...。ハイペリオンとかローラといった後半の主要登場人物も、ダニエルに比べてなんだかちょっと役不足に感じられてしまったのが残念。とは言っても、現在品切れで手に入らないこの本が見つかっただけでも嬉しいし、タニス・リーの本が読めたというだけで満足な私なのですが~。(ハヤカワ文庫FT)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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イギリスの田舎町に青年紳士ビングリーが引越して来て、5人姉妹の母であるミセス・ベネットは娘のお相手にぴったりと大騒ぎ。ビングリーはその近辺で一番の美人と評判の長女ジェーンを気に入り、ビングリーの親友で気難し屋のダーシーは、次女のエリザベスを気に入ります。しかしエリザベスはダーシーのことを鼻持ちならない人物と考えていて... という物語。主人公は次女のエリザベスです。

以前、本が好き!お気楽読書日記のもろりんさんに薦めて頂いていた本。サマセット・モームの「世界の10大小説」のうちの1作でもあります。とは言っても私はモームがあまり好きじゃないので、10大小説自体には全然興味がなかったんですが... でもやっぱり良いものは良いですね! この作品は夏目漱石も大絶賛、なんとジョージ4世も愛読していたのだそう。
読んでみて、まず1813年に発表されたという作品なのに、全然古臭さを感じさせないのがびっくり。ストーリーは完全に予想の範囲内だし、それほど事件らしい事件も起きないんですけど、でも一旦読み始めたらページをめくる手が止まらない~。登場人物それぞれに結構大きな欠点があるんですけど、でもみんな生き生きとしていてすごく楽しいのです。オースティンは、大学の授業で原書を読んだ覚えがあるんですが(でも別作品)、その時はそれほど印象に残らなかったんですよね。やっぱり読解力がなかったせいなのか... それとも私にとっては読む時期ではなかったのか。(サマセット・モームも今読んだらまた印象が変わるかも) 他のオースチン作品も読んでみたいです。
でもこの作品、絶対題名で損してるかと。「自負と偏見」だなんて、めちゃくちゃ堅そうじゃないですか。岩波文庫版やちくま文庫版は「高慢と偏見」だし、これじゃあちょっと手に取りたくならないですよね。ほんとは凄く面白いのに勿体ないなー。(新潮文庫)

で、この作品とは直接関係ないんですが... エリザベスって、時々「エライザ」とも呼ばれているんですよね。「エライザ」... もしかして読み方によっては「イライザ」? ということは、もしかして「キャンディ・キャンディ」のイライザは「エリザベス」だったのか...?!(爆) 


+既読のジェイン・オースティン作品の感想+
「自負と偏見」オースチン
「エマ」上下 ジェイン・オースティン
「分別と多感」ジェイン・オースティン
「マンスフィールド・パーク」ジェイン・オースティン
「ジェイン・オースティンの手紙」ジェイン・オースティン
「説きふせられて」ジェーン・オースティン
「ノーサンガー・アベイ」ジェーン・オースティン

+既読のジェイン・オースティン関連作品の感想+
「ジェイン・オースティンの読書会」カレン・ジョイ・ファウラー

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「河童が覗いた」シリーズは、以前「ヨーロッパ」「インド」と「トイレまんだら」を読んでるんですが(「インド」と「トイレ」は特にオススメ)、この2冊は未読だったんです。前回のたらいまわし企画で、おかぼれもん。のpicoさんが、この「仕事場」も圧巻だと仰ってたので読んでみました。この際、「覗いた」シリーズを全部読んじゃおうということで、「ニッポン」も一緒に。
...って、たら本で紹介された本が続いてますね。(笑) いやね、この企画に参加し始めた頃は、積読本は沢山あるし図書館にも予約を入れまくってるしで、息が詰まりそうになってたんです。せっかく面白い企画に参加してるのに、紹介されてる本もなかなか読めないし。でも去年の暮れから集中的に積読本を消化して少し身軽になったのと、図書館の利用を控え気味にしているおかげで、最近ようやく紹介されている本に手を伸ばす余裕が出てきました。たら本だけでなく、掲示板などで教えて頂いた本ももちろん読みますよー。やっぱり自分の環境は自分で整えないとねっ。という当たり前のことに、今さらのように気付いた私です。(^^ゞ

「河童が覗いたニッポン」は、「覗いた」シリーズ2作目。「京都の地下鉄工事」や「皇居」、「裁判」、「刑務所」など14の「覗いた」が紹介されていきます。この中で一番興味深かったのは、「入墨と刺青」。ここでは刺青には「ほりもの」というルビがふられて、徹底して「入墨(いれずみ)」と区別されてるんです。それもそのはず、入墨(いれずみ)は昔から犯罪者が刑罰として肌に彫り込まれた刻印のこと。それに対して刺青(ほりもの)は、自らの意志で肌に彫り込んだ装飾的なもの。「いれずみ」という言葉は、「前科者」のイメージになっちゃうんですって。そういう区別があったんですね! 他の章もそれぞれに、河童さんならではの好奇心と視点が面白かったです。「集治監」「裁判(傍聴のすすめ)」や「刑務所」など、考えさせられる部分も結構あったし。
そして「河童が覗いた『仕事場』」は、井上ひさしさん、坂東玉三郎さん、辻村ジュサブローさん、岸田今日子さん、三宅一生さんなど49人の仕事場紹介。いや、これはほんと圧巻です。仕事場の描写を通して本人が見えてくるところがいいですねー。まあ、有名人の仕事場が面白いのは、ある意味分かりやすいんですけど、かつて妹尾河童さんの痔を手術した外科病院の手術室まで面白いというのが凄いです。特に印象が強かったのは、雲を専門に描く背景画のベテラン・島倉二千六さんとジャズ・ピアニストの山下洋輔さんの仕事場かな。や、でもほんと凄いんですよ、どれも。一見の価値アリです。
どちらの本も、相変わらずの緻密なイラストとぎっしり詰まった手書きの文字。ほんと読み応えがありましたー。

「河童が覗いたニッポン」は、新潮文庫の表紙が出ないので、講談社文庫の画像を使ってます。この2冊の表紙、基本は同じテイストなのに、随分と明度が違いますね。(新潮文庫・文春文庫)

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昨日読んだ「インド夜想曲」の訳者、須賀敦子さんのエッセイ。これも前回のたらいまわし企画「旅の文学」で、コウカイニッシ。のあさこさんが紹介されていた本です。「ゆるやかでとても深くて、やさしい」だなんて、それは何とも読みたくなってしまうではないですかー。
最初は須賀さんがユダヤ人の詩人・サバに憧れてトリエステの街を訪れたことに始まり、イタリア人のご主人とのこと、お姑さんや義弟夫婦のこと、イタリアで出会った人々のことなど、合わせて12編のエッセイが収められています。でも確かにエッセイではあるんですけど、まるで物語を読んでいるみたいでした。情景も登場人物もとても生き生きとしていて、場面場面が浮かんでくるんですよね。文章も読んでいて心地良いし... 日本語としてもとても美しいと思うし、その美しさ以上に、穏やかに優しく包み込んでくれるような懐の深さが心地よかったです。
トリエステという街の名前から、どうしても「triste(悲しい)」という言葉を連想してしまって、なんだか物哀しい気持ちで読み始めてしまったんですけど、でもそれもあながち間違ってなかったのかも...? という静かな余韻が残りました。これは確かに「ゆるやかでとても深くて、やさしい」ですね。しかも芯の強さもあって。...いいなあ、須賀敦子さん。他の作品もぜひ読んでみなくっちゃ。(新潮文庫)


+既読の須賀敦子作品の感想+
「トリエステの坂道」須賀敦子
「本に読まれて」須賀敦子
「ヴェネツィアの宿」「コルシア書店の仲間たち」須賀敦子
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「須賀敦子全集1」須賀敦子
「須賀敦子全集2」須賀敦子
「須賀敦子全集3」須賀敦子
「須賀敦子全集4」須賀敦子
「須賀敦子全集5」須賀敦子
「須賀敦子全集6」須賀敦子
「須賀敦子全集7」須賀敦子
「須賀敦子全集8」須賀敦子

+既読の須賀敦子翻訳作品の感想+
「インド夜想曲」アントニオ・タブッキ
「なぜ古典を読むのか」イタロ・カルヴィーノ
「ある家族の会話」ナタリア・ギンズブルグ

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これは前回のたらいまわし企画「旅の文学」で、肩までまったり。のne_sanさんが紹介されていた本。「暑苦しい真夏の夜に読むのには、一押しの一冊です」「夏に向けて、「積読熟成」なさるなら、この春がチャンス!」とのことだったんですが、熟成を待ちきれずに、読んでしまいました。(笑) このアントニオ・タブッキというのは、現代イタリア文学を代表する鬼才の1人なのだそう。...と書いてるワタシは、名前を聞いたこともなかったのですが...(^^;
内容は、失踪した友人を探してインドの各地を旅する男の物語。でも手がかりがあまりに少なくて、主人公は細い糸を辿るように色々な場所を訪れて、様々な人に話を聞くことになります。場末の娼婦に「彼は病気だった」と聞けば病院を訪ね、そこにも何も手がかりがないと知ると、医者がふと名前を出したホテルに泊まりに行き... と、確実に足取りを辿っているわけじゃないんですが、細い糸を手繰り寄せるように訪ねまわる主人公。でもそうやって訪ね歩いているうちに、なんだかまるで合わせ鏡の中に入り込んでしまったような感覚なんです。...そして最後にその鏡に映ったものは...? (鏡というのは私が連想しただけで、作中には登場しません) インドを辿る旅でありながら、自分自身の内面の旅でもあるんですね。とても幻想的。ごく短い作品なんですけど、とても不思議な感覚で、これはクセになりそうです。もうちょっと何回か読み返してみようっと。
上のAmazonのリンクは単行本版。表紙の画像が出てこなかったのですが、もっとお手頃な新書版はコチラ。私が読んだのもそっちです。(白水uブックス)

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「海辺のカフカ」を読みながら、ふと一人旅に出てしまった売れない作家と、同じように「海辺のカフカ」を読んで四国旅行に出たカップルの物語。昨日のたらいまわし企画のエントリを書きながら、図書館解禁になったら読もうと思っていた竹内真さんの作品をまだ読んでないのに気付いて、早速これを借りてきました。いやー、面白かった! もしまだたらいまわしのエントリをアップしてなかったら、これも入れたかったぐらい。読みながら何とも心地よくて、もう本の世界から戻って来たくなかったです。(笑)
「海辺のカフカ」へのトリビュート作品と聞いてたんですけど、カフカだけじゃなかったんですね。カフカ以外の村上春樹作品はもちろん、藤子藤雄氏の「パーマン」から(笑)、徳富蘆花、「ドン・キホーテ」、「クローディアの秘密」、「ライ麦畑でつかまえて」「青春デンデケデケデケ」... なんと50冊もの本が紹介されてるんです。...実は「海辺のカフカ」がそれほど大好きというわけではない私にとっては(これは内緒)、そういう予想外の登場本が凄く嬉しかったです。「海辺のカフカ」へのトリビュートというよりも、この世の中にある様々な本に対するトリビュートって感じですね。そして2つの視点から交互に物語が語られていくところは、「海辺のカフカ」と同じような感じ。でもこの2つの視点が交錯していく辺りからは、この作品の方が断然上のように思います。この辺りがほんと良かったな。
で、ワタルって、もしやあっちの作品のワタルと同一人物なんですか...?! そしてここに登場する売れない作家の名前って... もしかして(もしかしなくても)アナグラム?! 
この作品の登場する沢山の本の中で一番読みたくなったのは、ジャック・フィニィの「ふりだしに戻る」。タイムスリップ物だそうです。時間は積み重なっていくものだから、古くからある建物の中でぐぐっと集中すると意識が過去に戻るんですって。なんだか石川英輔さんの「大江戸神仙伝」を思い出しちゃった。この作品も、現代の普通の男性がいきなり江戸時代にタイムスリップしちゃう話なんですけど、丁度そんな感じで行ったり来たりするんですよね。まあ、いかにも男性が描いた作品って感じではあるんですが(男性のドリーム? 笑)、でもこれも面白いです。(ダ・ヴィンチ・ブックス)


+既読の竹内真作品の感想+
「図書館の水脈」竹内真
「真夏の島の夢」竹内真
「じーさん武勇伝」竹内真
「自転車少年記」竹内真
「笑うカドには お笑い巡礼マルコポーロ」竹内真
「オアシス」竹内真
「ワンダー・ドッグ」竹内真
「ビールボーイズ」竹内真
「シチュエーションパズルの攻防」竹内真
Livreに「粗忽拳銃」「カレーライフ」「風に桜の舞う道で」の感想があります)

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スケルトン探偵シリーズの8作目と9作目。
「楽園の骨」は、南太平洋に浮かぶ島・タヒチが舞台。ここでは、FBI捜査官のジョン・ロウの親戚がコーヒー農園を営んでいるんです。もうこのコーヒーの美味しそうなことったら! このシリーズ、結構色々と美味しそうな食べ物が登場してるんですけど、でもこのコーヒーがダントツで一番かもしれないなあ。(という私はカフェイン中毒・笑) 私の大好きなジョン・ロウとその親戚一同が登場ということで、文句なしに楽しかったし♪ 楽園ののんびりした空気もいいんですよねー。大家族も色々あるんだろうけど、でもやっぱりなんかいいなあ。
そして「洞窟の骨」は、フランスの旧石器時代の洞窟で発見された骨をギデオンが鑑定する話。フランスが舞台ということで、「古い骨」に登場していたジョリ警部が再登場! この警部、好きなんですよー。今回は、素顔がかなり見れて嬉しかったな。そしてこの洞窟の辺りはクロマニヨン人やネアンデルタール人など先史時代の遺跡が多く残っている場所なので、そういった先史時代に関する議論がケンケンガクガクと繰り広げられていて、これもすごく面白いです。髭を剃ってジョギング・スーツを着たネアンデルタール人をニューヨークの地下鉄に乗せたらとか、パリの地下鉄(メトロ)だったらどうだとか、この学者さんたちってば、一体何の話をしてるんですか!(笑) でもそういう学者さんたちに関してのジュリーの言葉がまた可笑しいのです。「分別のある人たちはそんなことはしません」「でも今話しているのは旧石器時代が専門の人類学者ですから。意見を一致させるのは主義に反するんです」 ですって。(笑)
それにしても、ギデオンは骨は古ければ古いほどいいと毎回のように言ってるのに、結局生身の死体をいじったり解剖したりする羽目に陥ってて、お気の毒。でもなんだかんだ言って、かなり詳しくなっているのでは...(笑) そしてギデオンの講義を毎回聞かされるジュリーも骨について相当詳しくなっているようですね♪
でもスケルトン探偵で出版されている分は、これで最後なんです。さびしーい。やっぱり今度、美術館学芸員のクリス・ノーグレンシリーズも買って来ようっと。(ハヤカワミステリアス・プレス文庫)


+既読のアーロン・エルキンズ作品の感想+
「古い骨」「暗い森」アーロン・エルキンズ
「断崖の骨」「呪い!」アーロン・エルキンズ
「氷の眠り」「遺骨」アーロン・エルキンズ
「死者の心臓」アーロン・エルキンズ
「楽園の骨」「洞窟の骨」アーロン・エルキンズ

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