2005年5月 Archive

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夏休みに、田舎のおばさんの家に預けられた3人の子供たち。偶然、足をくじいたプライスさんを助けたことから、プライスさんが魔女だということを知ってしまいます。プライスさんは3人に口止めをするために、末っ子のポールが偶然持っていたベッドのノブに魔法をかけることに。なんとそのノブをちょっと捻って願えば、ベッドが3人を望む場所に連れて行ってくれるというのです... ということで、岩波少年文庫再読計画第2弾。「床下の小人たち」のシリーズでも有名なメアリー・ノートンです。この1冊に、「魔法のベッド南の島へ」「魔法のベッド過去の国へ」の2つの物語が入っています。

子供たちが魔法で色んな所に行くことができるというのは、私の大好きなヒルダ・ルイスの「とぶ船」と似たような感じ。でもあちらは船に乗っていくんですが、こちらは普通のベッド。ノブ(ベッドの柱についている玉飾り)を一方に回せば現在の世界の行きたい場所へ、もう一方に回せば過去の世界へ... ベッドをこんな風に使ってしまうのが楽しいんですよね。北欧神話が根底にある「とぶ船」とはまた全然違う日常的な雰囲気を作り出していて、こちらもとっても楽しいです。そして「だれでも、きっとプライスさんみたいな人をしってると思います」と書かれているプライスさんは、そんな日常的な世界に相応しい日常的な魔女。まだまだ勉強中なのであまり高度な技を使えないし、ほうきに乗るのも上手くないんですけど、根底にはどこかメアリー・ポピンズみたいな雰囲気が漂っていて、さすがイギリスのファンタジー。必然的に子供たちの冒険も波乱万丈になってしまうんですけど、その普通さがほんと楽しくて。こういうファンタジーは大好きです(^^)。(岩波少年文庫)

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あ、新刊... なんて思ったら、富士見二丁目交響楽団シリーズのプレミアム企画本でした。(笑) いくつかの短編に、イラストやキャラクター名鑑、年表や地図その他付き。話は読みたいけど、私はそれほどコアなファンじゃないし、このやけに詳細な年表や地図や巻頭イラストなんかはいらないんだけど... と思いつつ(笑)、でも短編は結構面白かったです。美人で性格がいいのは分かるけど、実はあまり好きじゃない川嶋奈津子嬢の「奈津子 玉砕」も良かったし。ただ、その後の短編で、悠季の大学時代の最初の友人となる住吉が、出会い頭に「あんさん、何科?」と言ったのにはひっくり返りそうになりました... 「あんさん」って京言葉ですよね、確か。もしくは、大阪商人の言葉。(ち、違うかしら) 若い人も使うのかなー。や、なんとなく、いい年したおっちゃんが使う言葉というイメージが染み付いているもので...(^^; 私の知り合いの範囲で「あんさん」という言葉を使う人っていったら、親戚のおじさん(京都在住)ぐらいしかいないというだけの話なんですけどね。
で、同じくプレミアムな本といえば、「クラシカル・ロンド」というのも出ているらしい... でもこちらはハードカバー。それこそコアなファンじゃない私には、ハードカバーはちょっとねえ。(笑)(角川ルビー文庫)

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新作が出たら必ず読みたいと思ってる作家さんは何人かいますが、恩田さんもその1人。でも去年の後半から半年ほど図書館自粛生活をしていたせいで、新作を全然読めてなかったんですよね。うっかりしてる間に、加納朋子さんも近藤史恵さんも、西澤保彦さんも東野圭吾さんもはやみねかおるさんも、クラフト・エヴィング商會さんも新作が出てるじゃないですかーっ。恩田さんなんて先日出たばかりの「酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記」はもちろん、「小説以外」も「ユージニア」もまだ読んでないんですよぅ! 多作の作家さんは、次から次へと読めるので幸せなんですが、一度中断すると追いかけるのが大変。(でも柴田よしきさんはさらに上手で、「ワーキングガール・ウォーズ」「窓際の死神」「夜夢」「シーセッド・ヒーセッド」の4冊!)
ということで、まずは「小説以外」です。恩田さん初のエッセイ集。エッセイは苦手とのことですが、デビュー15年ともなると結構沢山あるものなんですねえ。でも1つずつが短いし、何といっても面白いのです! もうさくさく読めちゃいます。この中で一番面白かったのは、OLと作家の二足のわらじを履いてた頃のエピソード。(「二重生活」の章をぜひ読んでみて!) そして驚いたのは、恩田さんが未だに自分が小説家であるという実感を持っていないということ。今も最大の娯楽は読書で、面白い本を読むたびに「いいなあ、私も作家になりたいなあ」って思ってしまうのだそうです。あれだけ作品を出してるのに!(笑) そんな風に小説家になれるって本当に幸せなことですねー。そしてデビュー作「六番目の小夜子」を書くきっかけとなったのが酒見賢一さんの「後宮小説」だったというのも、ちょっとびっくりでした。

本に関する話題もとても面白かったんですが(読みたい本がまた増えてしまうー)、この中で私が一番反応したのは「ロマンチック・コメディの生きやすい世界を!」の章。映画は嫌いじゃないけど、あまり詳しくない私。最近またちょっとビデオやDVDを観るようになってきてるんですけど、ずーーーーっと何も観てない状態が続いてたんですよね。...そんな私でも白黒映画やカラーになりたての頃の映画にハマって集中的に見ていたことはあるんです。その時に大好きだったのが、ここで恩田さんが挙げてらっしゃる「或る夜の出来事」。(→の画像はカラーですけど、映画は白黒) 物語は典型的なボーイ・ミーツ・ガール物なんですが、とにかく粋でお洒落なんです。「ジェリコの壁」だとかヒッチハイクのシーンだとか、その後色んな映画で真似されて有名になったシーンも色々とあるし、クラーク・ゲーブルはそれほど好みじゃないんだけど、役柄にはぴったりだし、ヒロインのクローデット・コルベールがとにかく可愛いし♪ ...こうやって読んでいると、私もロマンチック・コメディが一番好きなのかもしれないなあ、なんて思ったりして。だから恩田さんの「ライオン・ハート」が大好きなのかもしれないなあ。
あ、でも恩田さんは「擦れ違いフェチ」だそうなんですけど、私は擦れ違いだけはあまり好きじゃないんです... 最悪なのがシェイクスピアの擦れ違い物の喜劇。ほどほどにしてくれれば大丈夫なんですけど、やっぱりあれはちょーっとやり過ぎなのでは...(^^;。(新潮社)

そして恩田さんですが、6月には「蒲公英草紙 常野物語」が発売なのですね。副題が「常野物語」ということは、これが「小説以外」の中のエッセイにも書かれていた「光の帝国」の続編なのでしょうか。(エッセイの中では、「エンド・ゲーム」になってたけど) 楽しみです!


+既読の恩田陸作品の感想+
「夏の名残りの薔薇」恩田陸
「小説以外」恩田陸
「ユージニア」恩田陸
「蒲公英草紙」「光の帝国」恩田陸
「酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記」恩田陸
「ネクロポリス」上下 恩田陸
「エンド・ゲーム」恩田陸
「チョコレートコスモス」恩田陸
「中庭の出来事」恩田陸
「朝日のようにさわやかに」恩田陸
「木洩れ日に泳ぐ魚」恩田陸
「いのちのパレード」恩田陸
「猫と針」恩田陸
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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先日「本の探偵事典」を読んだばかりなんですけど、再びあかぎかんこさんの本の探偵です。
今回一番びっくりしたのは、佐藤さとる「だれも知らない小さな国」の初版本の装幀。...これ、私が持ってたのと一緒!! 物心ついた時に本棚に並んでいた本のうちの1冊です。初版は1959年ですって。ということは私のために買ったんじゃなくて、やっぱり元々父の本だったのねー。(1959年といったら、両親はまだ出会ってもいなかったはず ←初版が出てすぐに買ったとは限らないけど) 外箱や本の表紙の古び具合もすごくそっくり。この頃は「佐藤さとる」さんじゃなくて、「佐藤暁」さんだったんですね。でもって、まだ村上勉さんの絵じゃなかったのでした。今は佐藤さとるさんといえば村上勉さんというイメージが出来上がってるけど。
で、なんで続けざまに本の探偵の本を読んでいるかといえば。実は私も1冊探してる本があって、でも見つからないのです。この中にもなくて残念。これまで出版された全ての本が登録されているはずの国会図書館のサイトで検索しても、見つからなかったんですよね。いとこが勤めているので何か分かったら教えてと頼んでるんですが... やっぱり私もあかぎかんこさんにお願いした方がいいのかもしれないなー。(フェリシモ出版)


+既読のあかぎかんこ作品の感想+
「本の探偵事典」あかぎかんこ
「この本読んだ? おぼえてる?」あかぎかんこ
「本の探偵事典 どうぶつの手がかり編」あかぎかんこ

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「お姫さまとゴブリンの物語」は、ゴブリンに浚われそうになったお姫さまをカーディという少年が助ける話。「カーディとお姫さまの物語」は、その続編で1年後のお話です。

岩波少年文庫再読計画第1弾。...というのが何の計画なのかは最後にまわしますが。(^^ゞ
「ナルニア物語」のC.S.ルイスや、「指輪物語」のJ.R.R.トールキンも愛読していたというジョージ・マクドナルド。ルイス・キャロルに「不思議の国のアリス」の出版に踏み切らせたのも、このマクドナルドだとか。でも「ナルニア」や「指輪物語」は大好きでも、私がマクドナルドを読んだのってかなり遅かったんですよね。高校生ぐらい。そこから発展した後進の作品を先に読んでしまうと、どうしても元となった作品には目新しさを感じなくなってしまったりするし、高校生頃ということでタイミングも悪かったのかも。最初に読んだ時はそれほど印象に残らず、そのままになってしまっていたのでした。
で、今回読み返してみて。以前読んだ時よりも、ずっと良かったです。今の方が、こういう物語を素直に読めるようになってるのかも。「大きな大きなおばあさま」という、ちょっと不思議な存在(魔女ではないんです、一応)が登場するんですけど、彼女の描写がとても幻想的で素敵なんですよね。こういう物語が一番楽しめるのはもちろん小学生ぐらいの時なんでしょうけど、その時読むのでなければ、今の年ぐらいで読むのもいいかもしれないですねー。(岩波少年文庫)

そして岩波少年文庫再読計画とは。
子供の頃は、本と言えばまず岩波書店。特に岩波少年文庫が大好きだったんですよね。以前もCross-Roadの瑛里さんと「岩波少年文庫は読破したかったよね」なんて話をしていたことがあるんですが、最近も「れんげ野原のまんなかで」(森谷明子)に登場する能勢夫人が言ってる本は何かが分からず(どなたか分かった方は教えて下さい!)、柊舎のむつぞーさんと「岩波少年文庫を再読したくなった」という話をしていたんです。そして再読&読破にすっかり本気になってしまった私は、こんなページまで作ってしまったのでした。...あ、でも一見結構読んでるみたいですけど、大人用の本で読んでいる作品も「既読」にしてしまってるので、実際にこの版で読んでいる作品はもっと少ないです。少年文庫版ではなく大人用の本で読んでる作品はどうしようかちょっと迷うところなんですが、子供用に書き直した物を読んでもなあって気もするので、あまり再読しないかも。(中には読んでみたいのもあるんですけどねっ) 
リストを作ってみて、子供の頃のラインナップとはかなり変わってるのでびっくりです。大好きだった作品も随分なくなっちゃってて残念。


+既読のジョージ・マクドナルド作品の感想+
「お姫さまとゴブリンの物語」「カーディとお姫さまの物語」マクドナルド
「北風のうしろの国」ジョージ・マクドナルド
「かるいお姫さま」マクドナルド
「ファンタステス」ジョージ・マクドナルド
「金の鍵」「黄金の鍵」ジョージ・マクドナルド
「きえてしまった王女」「かげの国」ジョージ・マクドナルド

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瀕死のハルイン修道士がカドフェルと院長相手に懺悔。恋人と引き裂かれて18歳で修道院に入ったハルインですが、実は恋人のおなかの中には、既に彼の子が宿っていたのです。そのことを恋人の母親から知らされたハルインは、求められるままにカドフェルの薬草で堕胎薬を調合。しかし恋人はその堕胎薬によって、おなかの赤ちゃんもろとも亡くなってしまったというのです。

修道士カドフェルシリーズ15冊目。今回は懺悔した修道士とカドフェルが、修道士のかつての恋人の墓参りをするために恋人の母親を訪れます。今回はいつも以上にフェアに書いてあるのかしら... あれ?と思ったら一気に謎解きまで全部分かっちゃいました。とは言っても、この作品はミステリだけの作品じゃないので、全然大丈夫なんですけどね。カドフェルを巡る人間ドラマは相変わらず読ませてくれます。それにしても、その恋人だった女性のお母さん、怖ーい。や、彼女自身も哀しい人生を送ってるのは良く分かるんですが...。でもハルイン修道士に関しては、良かった良かった。たとえ事故で足が不自由になっても、心が不自由なまま過ごすよりは、彼にとってはずっと幸せなんですものね、きっと。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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作者の澁澤幸子さんは、澁澤龍彦氏の妹さん。1981年に初めて訪れて以来すっかりトルコに惚れ込み、毎年のように訪れていたという澁澤幸子さんのトルコ旅行記です。本が好き!お気軽読書日記のもろりんさんには「イスタンブールから船に乗って」をオススメされてたんですけど、そちらは見つからなかったので、代わりに見つけたこちらを読んでみました。
澁澤幸子さんって友達を作るのが上手い方なんですねー。もちろん旅行の醍醐味の1つは友達を作ることだし、特に現地の人々と仲良くなれれば嬉しいんですけど、でもここまで気軽に色んな人と仲良くなれるのって凄いです。あっという間に世界各国のバックパッカーたちと仲良くなっちゃうし、イスタンブールでもどんどん現地の友達を増やしていきます。で、家族同然に迎えられていたりして。なんて羨ましい...。もちろん大の親日家だというトルコ人気質もあるんでしょうけど、やっぱりこれは物怖じしない、人懐こい澁澤幸子さんの性格が大きいのでしょうね。まあ、ここまで危機意識がなくても本当に大丈夫なのか?というのはありますが...。
トルコの銭湯のハマムを始めとして、イスタンブールはもちろんトルコ各地の話も楽しいんですけど、この本で一番楽しいのは、やっぱり現地の人々のエピソード。10年以上も毎年のようにトルコを訪れていたというだけあって、そんな人々にも色々な変化があって、それが楽しくもあり切なくもあるところでした。(新潮文庫)

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