2005年9月 Archive

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文芸ポストに連載されていたという竹内真さんのお笑い論。爆笑問題やルミネtheよしもと、テツandトモや高山アナ、伊東四朗や三谷幸喜といった面々の「笑い」について切り込んでいきます。

私は普段ほとんどテレビを見てないので、相当の売れっ子の芸人さんも良く知らなかったりするんですけど、テレビでそういう番組を見てる時って、面白いか面白くないかが全てで、面白ければ反射的に笑うだけですよね。しかもその場だけで、すぐ流れちゃう。でもその「笑い」をきちんと分析すると、こういう姿が見えてくるのかーというのがすごく新鮮でした。例えば爆笑問題とツービートを対比させて。同じ「毒舌」でも、その根底にあるものは全然違っていて、はっきりと社会批判をしているツービートに対して、爆笑問題の笑いは、竹内さんいわく、風刺ではなく「物語」への笑い。偶然同じように2001年のえひめ丸沈没事件を扱ってるのがあるんですが、比べてみると実はものすごーく違うのが分かって面白いです。(ここでは具体的な違いについては書けないけど...)
ただ漫然とテレビを見て笑ってるだけでは、なかなか気付かない部分なんじゃないかと思いますが、読んでるともう本当に納得。いやー、目からウロコが落ちました。(小学館)


+既読の竹内真作品の感想+
「図書館の水脈」竹内真
「真夏の島の夢」竹内真
「じーさん武勇伝」竹内真
「自転車少年記」竹内真
「笑うカドには お笑い巡礼マルコポーロ」竹内真
「オアシス」竹内真
「ワンダー・ドッグ」竹内真
「ビールボーイズ」竹内真
「シチュエーションパズルの攻防」竹内真
Livreに「粗忽拳銃」「カレーライフ」「風に桜の舞う道で」の感想があります)

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シャンソン歌手の石井好子さんが、昭和38年に出されたという料理エッセイ「巴里の下オムレツのにおいは流れる」と、去年出たそのレシピ版。画像はレシピ版の方なんですけど、この表紙を見てるだけでもそそられませんか~?(でもちょっと色が暗いですね... 本物の方がずっと素敵です) エッセイ本の方は、Amazonでもbk-1でも画像がなくて残念。こちらもとっても可愛いのです。
白系ロシア人のマダムのアパートに住んでた頃に食べたというオムレツや、アメリカで食べたスパニッシュ・オムレツ、ロシアふうの卵「エフ・ア・ラ・リュス」、パリのヴェベールという店で食べた「ヴェベールの卵」、女優トルーデ・フォン・モロの家で食べた半熟卵と油で揚げた食パンのミミ... 卵料理だけをとっても次から次へと登場。どれもそれほど凝ったものじゃなくて、むしろ日常生活の中で簡単に作れるような気軽なお料理がほとんどなのに、そこにほんの一手間かけるだけで、おもてなし料理としても通用するようになるんですね。私の場合、いつもなら直接写真を見るよりも、美味しそうな文章を読んでいる方が想像がどんどん膨らんで好きなんですが、でも今回2冊合わせて見るのもすごく楽しかったです。レシピ版の写真に写ってるお料理の小物なんかもすごく素敵だし。そしてお料理と共に語られる、石井さんのパリにいた頃の思い出話も楽しいんですよー。60年代の巴里の街角の雰囲気が感じられます。「巴里の屋根の下」の歌が聞こえてきそう。(あれは1930年の映画ですが)
今度スタッフ・ド・トマトとレタススープを作ってみようかな♪

これは、先日のたらいまわし企画第16回「美味しそうな食べ物が出てくる本は?」で、Cross-Roadの瑛里さんが出してらした本。(瑛里さんのその時の記事はコチラ) いやー、ほんと美味しそうな本でした!(暮らしの手帖社・扶桑社)

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クラフト・エヴィング商會の吉田篤弘さんによる、ちょっと不思議な3つの物語。「フィンガーボウルの話のつづき」や「つむじ風食堂の夜」も良かったけど、この「百鼠」が一番好きかも!
「一角獣」「百鼠」「到来」という3編の中で一番印象に残ったのは、表題作の「百鼠」でした。
これは天上界に住んでいる<朗読鼠>たちの物語。朗読鼠たちはそれぞれに下界の作家を担当していて、その作家が執筆する時に側で物語を朗読していくのがお仕事。作家は実は天上の力を借りて小説を書いてるんだというお話です。でも確かに、何事においても創作にはどこか別次元の神がかり的な部分が必要なんじゃないかなと思うし、こりゃ本当にありえるぞ... なーんて、読んでると思えてきちゃう。となると、ライターズハイと呼ばれる状態は、やはり鼠の朗読が乗ってきたという証拠なのでしょうか?(笑)
こういう話を吉田篤弘さんが書かれるというのが面白いなあ。
ちなみに「百鼠」とは、動物の鼠ではなくて鼠色のことです。銀鼠や桜鼠、鉄鼠、鳩羽鼠など、江戸時代の粋人たちが作り出した様々な色合いの鼠色のこと。朗読鼠たちは、チョコレートとミルクでこの鼠色を身体の中に作り出すんですけど、その<鼠>を作り出す過程も楽しいし、この物語の中で使われている色んな言葉も、視覚から想像力が膨らんでいくような言葉でとっても素敵。
この3編は、一見バラバラのように見えて、でも確かに繋がってるんですね。「一角獣」の主人公は元々校正者だし、「到来」の主人公は、その母親の書く小説にいつも分身が登場しているし、みんな物語に繋がりがあるんだなあ。でもって、「百鼠」があるからこそ、「到来」の最後の一節が意味深長で、それがまたいいんですよねえ♪ (筑摩書房)


+既読の吉田篤弘作品の感想+
「百鼠」吉田篤弘
「78」「十字路のあるところ」吉田篤弘
「という、はなし」吉田篤弘
「空ばかり見ていた」吉田篤弘
「それからはスープのことばかり考えて暮らした」吉田篤弘
「小さな男*静かな声」吉田篤弘
Livreに「フィンガーボウルの話のつづき」「つむじ風食堂の夜」「針がとぶ」の感想があります)

+既読のクラフト・エヴィング商會の感想+
「アナ・トレントの鞄」クラフト・エヴィング商會
「犬」「猫」クラフト・エヴィング商會プレゼンツ
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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たらいまわし今回のお題は、「子どもと本」とのこと。わー、子供の本、大好きです。小さい頃の私は、そりゃもう三度の食事よりも本が好きな子供でしたし... って、大人になった今もそうなので、全然進歩がないんですけど(^^;。
あ、でも「子ども"の"本」じゃなくて、「子ども"と"本」というところがポイントなんですね。

今回の御題は 「子どもと本」 とさせていただきました
(※子ども:アダルトチルドレン含む)

◇子どものとき、大好きだった本
◆この本を読むと、子ども時代を思い出す
◇子どもなのに、こんな渋い本を読んでました
◆世の子どもたちに読んで欲しい本
◇子どもについて考えさせられる本

などなど・・・・
ご自由に解釈して、どんどんご参加下さいませ

この企画に興味をもたれた方は、右上の「本が好き」アイコンをクリック! 今回の主催は、イーライがやって来たのマーヤーさんです♪

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「結構元気に病人をやっている」(笑)若だんなのシリーズ第4弾。やっぱり畠中さんはこのシリーズが一番好き! そりゃ4作目ですから「しゃばけ」や「ぬしさまへ」の頃の新鮮味は薄れてしまってるし、若だんなのお兄さんの話がすっかり落ち着いて以来、特に大きな波風も立たないんですけど、でもマンネリ化を恐れずにこの路線を追求していって欲しいなあ。
今回は屏風のぞきや鳴家といった、今まで脇でいい味を出していた妖(あやかし)が中心となった話があったり、5歳の頃の若だんなのエピソードなんかもあったりして、相変わらずのほのぼのぶり。でも突然、「吉原の禿を足抜けさせて一緒に逃げることにしたよ」などと爆弾発言をしてくれたりします。若だんなが駆け落ち? しかも吉原の... ええっ?!
そんな中で、今回一番気になってしまったのは、初登場の妖(あやかし)「狐者異(こわい)」。他の妖とは違って、人間はもちろんのこと、妖ともまじわらない狐者異は、仏すらも厭い恐れたという妖なんですよね。それがなぜなのか誰も教えてくれないし、生れ落ちた瞬間から、他の者たちのつまはじきとなる運命。受け止めきれた者がいないというこの狐者異に、若だんなが手を差し伸べるのですが...
一応今回の話はこれで終わりなんだけど、この狐者異、また登場しそうな気がします。そしてその話こそが、このシリーズ全体の山場となりそうな予感...。(新潮社)


+シリーズ既読の感想+
「しゃばけ」「ぬしさまへ」「ねこのばば」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「おまけのこ」
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「いっちばん」畠中恵

+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
Livreに「百万の手」の感想があります)

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舞台は平安時代。自分のせいで異母妹の比右子を死なせてしまい、悶々とする12歳の小野篁が主人公。最後に一緒に遊んでいた荒れ寺へと向かった篁は、ふとした拍子に、比右子が転落した古井戸に吸い込まれてしまいます。気がつくと、そこは石ころだらけの河原。そこには大きな河と立派な橋があり、行くあてもない篁はその橋を渡り始めるのですが... ふと気付くと篁を食べようと狙っている鬼がいたのです。

以前、たまきさんに薦めて頂いた本。児童書です。
昼は朝廷に仕え、夜になると冥府に通って閻魔大王のもとで役人として働いていたなんて伝説のある小野篁の少年時代の物語。妹と恋仲だった、なんて話もありますね。大人になった後の篁は有能な官僚として有名なんですが、ここに描かれた少年時代の篁には、その片鱗はまだ全然ありません。異母妹の死をいつまでもくよくよと悩んで、生きていく気力も半分失っているような状態。鬼に襲われたところを坂上田村麻呂に危機一髪助けてもらうのに、またしても古井戸の中に舞い戻ってしまう始末。
これは、そんな篁が立ち直っていく成長物語なんですが、私がいいなあと思ったのは、3年前に死んでいるはずの坂上田村麻呂。橋の向こう側に渡ってしまいたいのに、帝から「死後も都を守れ」なんて、武装した姿で立ったまま葬られたせいで、どうしても向こう側に行けないんです。立派な武人だから、帝の言葉通りに京の都をしっかり守ってはいるんだけど、でも本当は向こう側に行きたいんですよね。友人知人もどんどん橋を渡ってしまうのに、なぜ自分だけが... と思いつつ、でも自分にできる精一杯のことをしている田村麻呂の姿がなんとも哀しくて。
そんな田村麻呂の姿もそうだし、田村麻呂に角を1本取られたせいで鬼でもなく人間でもない状態になってしまった非天丸の姿もと篁と重なって、なんとも切なかったです。それだけに、異母妹の死を乗り越えた篁の姿が一層感慨深く... うーん、いい話だわー。(福音館書店)

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「ひいひいじいさん」がジプシーから豚を盗んだせいで、子々孫々にいたるまで呪いをかけられてしまったイェルナッツ家。皆揃って運に恵まれず、「まずい時にまずいところに居合わせてしまう」というタチ。それでもお父さんは発明家として芽が出ない程度で済んでるのですが、スタンリーはなんと人気プロ野球プレイヤーのスニーカーを盗んだ容疑で逮捕され、罪を犯した少年たちを集めたグリーン・レイク・キャンプに送り込まれてしまうのです。そして毎日毎日、湖どころか一滴の水もないグリーン・レイクで、直径1.5m深さ1.5mの円筒形の穴を掘ることに。

以前映画が意外と面白くてびっくりしたんですけど、今度は原作を借りてみました。やっぱりこれも面白いー。出版された途端、全米図書賞、ニューベリー賞、クリストファー賞、ホーンブック・ファンファーレなど、価値ある児童文学賞を軒並み攫ったという作品だそうです。
現在のグリーン・レイクを掘る現在の子供たちの情景に、スタンリーの「ひいひいじいさん」のエピソードや、かつて湖があった頃のグリーン・レイクの切ない恋物語などが織り込まれて話が進んでいくんですけど、この過去のエピソードが実は全て伏線。もうほんと全然無駄がないんです。まるでパズルみたい... というか、今どきここまでピタッとハマる快感、ミステリでもなかなか味わえないのでは、なんて思っちゃうほど。映画を観て一通りの話は知ってるのに、またしてもワクワクしてしまいました。
原作もいいし、映画もすごく出来がいいと思うし(クライマックスに関しては映画の方が上かも)、どちらもオススメ。「穴」だなんて変な題名ですけど、騙されたと思って手に取ってみて下さいねー!(講談社)


+シリーズ既刊の感想+
「穴」ルイス・サッカー
「道」ルイス・サッカー
「歩く」ルイス・サッカー

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