2007年2月 Archive

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かつてはアーサー王に忠誠を誓っていたダーヴェル・カダーンも、今は年老いた修道士。プロフヴァイル王妃・イグレインの命によって神の敵たるアーサーの物語をサクソン語で羊皮紙に綴り始めます。ダーヴェルがまだ少年だった頃。ドゥムノニアの王・ユーサー・ペンドラゴンは正嗣である息子のモードレッドをサクソン人との戦いで失い、遺されたモードレッド妃・ノルウェンナの出産を待ちわびていました。そしてノルウェンナが産んだのは、足萎えの男の赤ん坊。ユーサーはその子に父親の名を取ってモードレッドと名付け、その子こそが、王国の跡継ぎであることを宣言するのですが...。

冒険小説家として有名だというバーナードコーンウェルの書いた、小説アーサー王物語の第1部。
アーサー王伝説を題材にした作品ということで手にした本なんですが、いわゆるアーサー王伝説とはまるで違っていてびっくり。ここには円卓の騎士たちも優雅な乙女たちもいなくて、騎士道なんかもまるでなし。これは相当泥臭い話になってるんですねー。人物設定もその造形も、ほんと伝説とは全然違っててびっくり。アーサーの人好きのする性格というのはイメージ通りだったんですけど、彼はユーサー・ペンドラゴンの庶子で、しかも正嫡のモードレットを殺したとして父親に憎まれてるし、マーリンはマーリンで本当に魔術が使えるというわけではなくて、基本的には全て薬草の効能と手品と演出みたいですね。(それでも迷信深い人々には、十分超自然的なことが起きているように見える) 伝説ではどちらかといえば好々爺っぽいマーリンなのに、「血も涙もない人間」なんて言われたりもしてるし...。特にびっくりしたのはランスロット。伝説では円卓の騎士の中でも一番華やかで高潔な騎士だったはずなのに、ここでのランスロットときたら! ファンが読んだらがっかりすること間違いなしです。(笑) ついでに言えば、石に刺さった剣も存在せず、キャメロットのような美しい都もなくて、それらは語り手であるダーヴェルによって詩人の作りごとだと断じられています。そしてダーヴェルの書き綴る物語もまた、おそらくイグレインの好みに脚色されてしまうのだろうとも。
著者あとがきには、こうありました。

どんなに徹底的に調べても、史料から確実に類推できることは限られている。おそらく五世紀から六世紀にかけてアーサーという人物は実在したに違いない。その人物は王にはならなかったにしても傑出した将軍で、憎むべきサクソンの侵入軍相手に赫々たる戦火をあげたらしいーーそれ以上のことは闇に包まれている。

確かにこの辺りの出来事に歴史的な裏づけを取るのは困難。そこに工夫を凝らすことは十分可能。とは言っても、ここまで大胆に作ってしまうとはー。
でもその分、歴史的背景や当時の風俗に関しては徹底的に調べてあるんでしょうね。その描写にはものすごくリアルな重みがありました。ローマ帝国風の洗練された都市もあるんですけど、ここに描かれているほとんどは、まだ洗練には程遠い暮らしをしていたブリテンの人々の暮らし。その対比が強烈なんです。戦いと強奪による血なまぐさと、あとは糞尿の臭いが漂ってきそうな... でも実際はこんなものだったのかもしれないなあと素直に納得させられてしまう力がありました。これは先行きどうなるんだろう? 予測ができません。続きも借りてこなくっちゃ。(原書房)


+シリーズ既刊の感想+
「エクスカリバーの宝剣」上下 バーナード・コーンウェル
「神の敵アーサー」上下 バーナード・コーンウェル
「エクスカリバー最後の閃光」上下 バーナード・コーンウェル

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研究を進めていくと、人類学や民俗学、深層心理学、諸芸術の想像力の根元など、様々なことが多様かつ複雑に絡まっていることを気付かされることになる「妖精」の存在。現代の「美しく、可愛らしく、小さい」という妖精のイメージはシェイクスピアが作り上げたイメージが定着したものであり、それ以前の妖精とは、悪魔と同一視され、邪悪な存在として畏怖されていた超自然界の生き物だったのです...
これまでの井村君江さんの著作を元に、「妖精学」という観点から妖精を概観できるようにまとめられたという本2冊。別に妖精そのものを突き詰めたいわけじゃないんですが、私の今年の隠れテーマであるケルト神話の一環で。(別に隠さなくてもいいんだけど・笑)

「妖精学入門」の方は、題名通りの入門編。1章「妖精はどこから生まれたのか」の真面目な妖精論は面白かったんですが、2章以降はちょっと物足りなかったかな。幅広い事象を取り上げて系統だって紹介するといった意味では、限られたページ数でとてもよくまとまっていると思うんですが、あまり目新しい部分はありませんでした。ある程度知識を持っている人間には物足りないかも。かといって、妖精といえばディズニーのティンカーベルを思い浮かべる人はちょっと戸惑いそうだし...。イエイツが収集したような民間伝承の妖精物語を少し齧っていて、しかもそこに現れる多様な妖精の姿に惹かれた人が一番楽しめるでしょうね。それでもカラーやモノクロの図版が多く使われているので、その辺りは見ているだけでも楽しいです。

「ケルト妖精学」の方は、「妖精学入門」と内容的かなり重なってるんですけど(第1章に関してはほとんど同じ)、もう一歩踏み込んだ内容となっています。こちらは妖精伝承と物語詩、英国文学、そして児童文学の中に見る妖精の姿。アーサー王伝説を始めとして、チョーサーの「カンタベリー物語、スペンサーの「妖精の女王」、シェイクスピア、そして18世紀のポープ、ブレイク、コールリッジ、W.スコット、キーツ、シェリーなどの詩人の作品を年代を追って取り上げているのがとても参考になりました。丁度、こういう風に系統だって英文学を眺めたかったんですよねー。「妖精学入門」では、未知の本を紹介されていても正直読みたい気持ちにまではならなかったんですけど、こちらでは読みたくなっちゃう本がいっぱい。そして児童文学を取り上げた第3章には、有名なファンタジーを取り上げながら、読者としての子供の存在と児童文学の発祥という、児童文学論と言えるような部分もあって面白かったです。それにしても、アーサー・ランサムの「ツバメ号とアマゾン号」のシリーズの「女海賊の島」が妖精文学として取り上げられているのにはびっくり。でも説明を読んで納得。なるほどねえ。(講談社現代新書・ちくま文庫)


+既読の井村君江作品の感想+
「ケルトの神話」「妖精とその仲間たち」井村君江
「妖精学入門」「ケルト妖精学」井村君江
Livreに「アーサー王ロマンス」の感想があります)

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シャルルマーニュ(カール大帝)は、その十二勇士と共に、「ロランの歌」を始めとする様々な作品の中で歌われている人物。ここに収められているのは、15~16世紀のルネサンス期にイタリアで作られた3つの詩、プルチの「大モルガンテ」とボイアルドの「恋するオルランド」、アリオスト「狂えるオルランド」、そして「リナルド」「ユオン・ド・ボルドー」「オジエ・ル・ダノワ」というフランスの3つの武勲詩(キリスト教の騎士たちの武勇をものがたった叙事詩... ほとんどのものが作者不明)を元に、ブルフィンチが物語形式に書き上げたもの。サラセン人と呼ばれるイスラム教徒たちとの戦いや、個々の英雄たちの冒険、そしてロマンスが次から次へと描かれていきます。

「ロランの歌」(感想)と「狂えるオルランド」(感想)は既読なんですが、「大モルガンテ」と「恋するオルランド」は未読。それもそのはず、どうやら日本語には訳されてないみたいなんですよね。たとえ物語調に書き直されたものであれ、こういった紹介本があるというのは、やっぱりとてもありがたい! ブルフィンチのこういった物語の編集・再話能力はすごいですね。綺麗にまとまっちゃってます。とはいえ、元々の素材の扱いにくさなのか(特に「狂えるオルランド」はかなり複雑ですし)、それとも訳者の違いなのか、おそらく私自身の知識も足りなかったんでしょう、同じブルフィンチの「ギリシア・ローマ神話」や「中世騎士物語」ほどには読みやすくはなかったのですが。

シャルルマーニュ伝説は神話のように古くないし、シャルルマーニュ自身、実在してると分かってる人物。でも、祖父のシャルル・マルテルはフランスに侵入したサラセン人を撃退しているそうだし、ブルフィンチは何人かの「シャルル」の事蹟が合わさって、現在のシャルルマーニュ伝説ができたのだろうと推測していました... なるほどね。
いろんなところに各地の神話や伝承の影響が感じられて面白かったです。びっくりしたのは、アーサー王伝説のモルガナ(モーガン・ル・フェイ)が登場してるところ! 特に「オジエ・ル・ダノワ」では、オジエ・ル・ダノワがモルガナによってアヴァロンに連れ去られることになるんです。まるでケルト神話で、オシアンが妖精の女王・ニアヴによってティル・ナ・ノグ(常若国)に連れ去られたように。要は浦島太郎伝説と同じで、乙姫さまと暮らしてる間に何百年も過ぎていた... というヤツなんですが、それにしてもなぜモーガン・ル・フェイ? アーサー王と一緒に今もアヴァロンに暮らしてるの? あと、「ファタ・モルガナ」が、蜃気楼を意味する言葉だというのも面白いなあ。
シャルルマーニュには様々な逸話が伝わっているのですが、実際のシャルルマーニュは詩の中のように自分のドラ息子を溺愛して判断を間違えたり、あくどい臣下を贔屓にして挙句の果てに騙されるなんてこともない、非常によく出来た人物だったのこと。物語と歴史が異なっているのはよくあるけど、実物よりも物語のシャルルマーニュの方が情けないというのが、なんか面白いです。(講談社学術文庫)


+既読のトマス・ブルフィンチ作品の感想+
「中世騎士物語」ブルフィンチ
「シャルルマーニュ伝説」トマス・ブルフィンチ

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大気の乙女・イルマタルは、波の上へと降り立った時に、澄んだ海の面を吹き渡る風によって身ごもります。しかし赤ん坊は700年もの間生まれようとせず、乙女は水の母として東に西に、北西に南へと泳ぎ続けることに。そしてようやく生まれたワイナミョイネンは、生まれた時から老人の姿をしていました。

世界三大叙事詩の1つ、フィンランドの叙事詩「カレワラ」。(他の2つは「イーリアス」と「ラーマーヤナ」) 以前にも読んだことはあるんですが(感想)、それは子供用の物語形式だったので、ちょっと欲求不満状態だったんですよね。ぜひ詩の形で訳されているものを読みたいと思っていたら、ようやく読めました! 嬉しい~。小泉保さん訳のこの本は、大満足。随分前に絶版になっているし、市内の図書館にも置いてなかったので、入手は大変だったんですけどねー。

「カレワラ」で一番面白いのは、魔法のかけ方。関係する事物の起源の呪文を唱えなければならないんです。例えば鉄による傷を治すなら、まず「鉄の起源の呪文」を唱え、続いて「鉄を罵倒する呪文」で鉄を支配。続いて「血止めの呪文」「軟膏の呪文」「守りの呪文」「包帯の呪文」という一連の呪文で治療することになります。しかもこの呪文というのは歌なんです。さっさと血止めをすればいいようなものなのに(笑)、みんな朗々と歌い上げちゃう。カッコいい。でもその事物の起源を知らなければ、傷を治せずに死んでしまうわけです。つまり必要な呪文を次々に唱えられる呪術師こそが、最も強いヒト。...この「カレワラ」の中で、ワイナミョイネンが必要な言葉を求めてアンテロ・ピプネンという巨人の口から身体の中に入ってしまう場面があるんですが、この時ピプネンは正体不明の異物を出してしまいたくて、「駆除の呪文」「不明な危害の根元の呪文」「自然の病気での保護の呪文」「厄病呪病の根元の呪文」「災禍抑制の呪文」「救援の呪文」「生地へ駆逐する呪文」「報復の呪文」「一般魔除けの呪文」「閉じ込めの呪文」「運び出しの呪文」「起動の呪文」「脅迫の呪文」「困惑の呪文」と次々に唱えて、その実力を見せ付けることになります。(結局排除できないんですけどねー・笑)
1~2章で軽く天地創造についても語られてるんですが、こういう呪文の中で新たな創造の一面が分かるのがまた面白いんですよね。

小泉保さんの訳はとても読みやすくて面白いし、解説も勉強になります。ただ、この世界の神々については、あんまり体系的に語られていない... というか、時々話のついでに登場する程度なんですよね。どうやら「カレワラ」こそが神話というわけでもないみたい。神話と重なる部分も多いはずだけど、これはあくまでもフィンランドの伝説に基づく叙事詩。純粋な神話も読みたいんだけど... そういう本はあるのかしら?(岩波文庫)

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ある晩、自分がグウィネファーと呼ばれる女性になった夢をみたローレル・フェラン。その頃、不眠症治療のために過去世退行セラピーを受けていたこともあり、ローレルはグウィネファーがアーサー王妃グイネヴィアであり、自分の過去世がグイネヴィアその人であることを知ることに。そして数年後、ローレルはグイネヴィアの過去を改めて辿ることになります。その体験の中で知ったグイネヴィアは、思っていたような温和で愛らしい女性ではなく、自尊心の強い、エネルギーが全身にいきわたったような強い女性でした。

アーサー王妃・グイネヴィアの生涯を、自分の過去世として辿ることによって描き出したという異色の物語です。過去世退行セラピーなんていうのも初耳だったし、読み始めた時は、なんかヤバい本買っちゃったかと思いましたが...。(笑)
通常のアーサー王伝説では、グイネヴィアは良くも悪くも女性らしい女性として描かれていて、正直あまり好きじゃないんですが(コイツさえいなければ!と思ってしまうことも多い)、ここに登場するグウィネファーは男まさりの強さと賢さで、自分の中の「女性」を拒否するような女性。指揮官として戦うべく育てられてしまったため、女性としての幸福を知ろうともしません。男性からみたら、ほんと可愛気がなさそうです。でも本当は自分では心の鎧を脱ぐことができなくなってしまっただけの、不器用で真っ直ぐな女性なんですよね。

今までにないグイネヴィアという面が面白かったし、グイネヴィアの生まれ育ったケルトの文化と、アーサー王のキリスト教文化の慣習の違いが興味深かったです。でも、物語そのものには、実際に自分の目で見たリアルな力強さがあるんですけど(やっぱりそのセラピーで追体験したのかなあ?)、肝心のグウィネファーの造形にはあまり深みを感じられず... ランスロットとモーガンに至ってはまるで魅力が感じられないままに終わってしまいました。やっぱりこの辺りは、本職の小説家じゃないからでしょうかー。残念。
ちなみにグウィネファーとは、従来のケルト語、ブリトン語の発音に基づいた読み方をしたグイネヴィアのこと。ランスロットはランシラス、ガウェインはガルウェインという名前で登場しています。...この本には 「グイネヴィア」と表記されてたのでそれを使いましたが、私としては「グィネヴィア」がしっくりきます。細かい。(笑)(角川文庫)

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何不自由なく育った若者・ルキウスが、所用でテッサリアに出かけた時のこと。ルキウスはミロオという男の家に滞在することになります。ミロオの妻のパンフィレエは一流の魔女だという女性。しかもハンサムな若い男に目をつけると、甘い言葉で言い寄り、飽きれば石や羊に変えてしまうという噂。日頃から魔術に興味を持っていたルキウスは、まず侍女のフォーティスに近づき、フォーティスの手引きで、パンフィレエが体中に膏油を塗ってみみずくに変化して飛び立つ様を覗き見することに。ルキウスは自分もやってみたくて膏油を取ってこさせるのですが、フォーティスが持って来たのは違う膏油。ルキウスは、なんとろばになってしまい...?!

ローマ時代の弁論作家・アプレイウスによる小説。同じくローマ時代に書かれたペトロニウスの「サティリコン」と共に、世界で最も古い小説なんだそうです。でも今読んでも十分面白い! 私が読んだのは1956年刊行という古い本なんですけど、呉茂一さんの訳もとてもよくて、すごく楽しかったです。
ろばとなったルキウスは、ろばの目から人間世界の様々な裏表を目の当たりにすることになります。ろばから人間に戻るには薔薇の花を食べればいいと分かってはいるのですが(というのもすごい話だ)、そうそう都合よく薔薇の花は手に入らず、薔薇の花が咲く季節まで、今にも殺されそうになったり去勢されそうになったりと大変な日々を送ることに...。フォーティスと艶っぽい日々を送りながらも一転してろばに身を落とし、苦労を重ねて最後にはイシス女神の導きで人間に戻り、宗教心に目覚めるところは、やっぱり精神的な成長物語と言えるのでしょうかー。
枠物語として沢山の物語が入ってるんですが、その中でもキューピッドとプシュケーの物語は有名。私も色んなところで読んでます。でもこの訳でこの本で読んだのが一番良かったな。「美女と野獣」のような物語も、実はこれが元となっているのかもしれないですねー。(どうもこの話だけでなく、「黄金のろば」自体どこかで読んでいるような気もしますが... 妙に覚えがある場面が色々と)(岩波文庫)

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聖なる石の産地であり、魔女たちの故郷でもあるソーントーンに育ち、その年初めて先輩魔女と共に旅に出たのは、14歳になったばかりの見習いの魔女・ジリオン。長い旅もようやく終わりに近づき、明日はようやく山に帰る日。その日も村人たちの治療が一日中続き、日が暮れる頃にはジリオンは疲れ切っていました。しかし寝床に入ったジリオンは、夜更けの客に起こされることに。それは大きな青狼の毛皮を頭から被っている若い男。男は馬が毒に犯されたので助けて欲しいとジリオンに訴えます。そして男は、どうしても同意しようとしないジリオンの下腹を拳で打ち、意識を失ったジリオンから一番大事なサイトシリンの石を奪ったのです。

ソーントーン・サイクル3部作。久美沙織さんの作品を読むのは、ドラゴンファームシリーズ以来。このソーントーン・サイクルは、明るくて楽しかったドラゴンファームシリーズとはかなり雰囲気が違うんですね。文章も硬めで、まるでハヤカワ文庫FTの翻訳ファンタジーを読んでるみたい。ドラゴンファームも良かったけど、これもなかなかいい感じ...? でも会話文に時々妙に砕けた部分があるのがちょっと... やっぱりこういうのは翻訳作品にはあり得ない部分ですね。せっかくいい雰囲気なのに、会話でブチ壊さないで欲しいなあ。性悪の魔女の蓮っ葉な様子は、まるで一昔前のテレビドラマみたいで、ものすごく安直に感じられてしまいました。もうちょっと雰囲気を出しながらというわけにはいかなかったのでしょうか... そうでなければ、全部硬い方が断然好み。これじゃあ作品そのものが安っぽく感じられてしまうー。
でも、物語そのものはなかなか面白かったです。ジリオンの魔女としての成長物語... と言うには、かなり痛い展開が続いて悲惨だし、一体この人物や場面には必然性があったのかしら?なんて思ってしまった部分も何箇所かあったんですが、最後は綺麗に閉じてくれて満足。意外な人物の意外な魅力が見られたところが好きだったなー。読後感も良かったです。オリジナリティな部分も色々あって、しっかりとした世界観を持つファンタジーでした。(新潮文庫)


+既読の久美沙織作品の感想+
「石の剣」「舞いおりた翼」 「青狼王のくちづけ」久美沙織
Livreにドラゴンファームシリーズの感想があります)

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Note


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