2007年12月 Archive

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あっという間に今年もあと2日! いよいよ年末も押し迫ってきたという感じですね。年々1年があっという間になるような気がしてる私ですが、その中でも12月はさすがの速さです。でも師でも走るんだから、私みたいな凡人は一層走ることになるわけで、仕方ないか。(笑)
さて、Ciel Bleuでは、これが今年最後のエントリになります。最後のエントリは、ブログになってから恒例行事となっている今年度のマイベスト本の記事。(ちなみに2004年度のはココ、2005年度のはココ、2006年度のはココ
2007年度のマイベスト1は、「愛はあまりにも若く」(C.S.ルイス)になりました~。(画像とタイトルが違いますが、同じ本です)C.S.ルイスは何冊か読んだんですが、これは本当に良かった。同じC.S.ルイスで、「マラカンドラ」「マラカンドラ」「サルカンドラ」の別世界3部作も、すごく良かったんですけどね~。
そして2位から5位は、下記の通りです。

2.「湖の麗人」ウォルター・スコット
3.「オシァン ケルト民族の古歌」
4.「ニューヨークの魔法使い」「赤い靴の誘惑」シャンナ・スウェンドソン
5.「ルリユールおじさん」いせひでこ

     

それではみなさま、今年1年間お世話になりまして本当にありがとうございました。来年もまたどうぞよろしくお願いいたします。良いお年をお迎え下さいませ。

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ベイルートで組織のためにしたはずの暗殺が、自分の暴走ということにされてしまい、仲間の手引きで船に密航して日本にやって来たターリク。東京で新しい他人名義のパスポートがもらえる手はずが整っているから、それを受け取って3ヶ月ほどほとぼりを冷ましてから帰国するように言われていたのですが、そのパスポートがターリクの手に渡る直前、入っていたアタッシュケースがひったくられてしまい...

中東レバノンの兵士だったターリクが、国にいられなくなって言葉も分からない日本に放り出されて、様々な人々の好意にすがりながら、なんとか自分の居場所を確保していくまでの物語。実際に戦火の中で生き延びてきただけあって、最初はものすごく危機感が強いですよね。実際、パスポートがない状態では不法滞在者としていつ国外に退去させられるか分からない状態なんですけど、常にアンテナを張って警戒し続けてるんです。そんなターリクの持つ緊迫感が、周囲の平和ずれした人々の中では浮いているように感じられるんですが、それだけにとても印象的だし、いろんなエピソードがターリクの視点というよりもむしろ周囲の人々の視点から描かれているので、いろんな視点が面白かったです。周囲の人たちも個性的な面々でしたしね。まあ、後半のあのトントン拍子っぷりは、どうなのか正直よく分からないんだけど...。前半の方が面白かったな。それにターリクの目に東京がバビロンのような華美な悪徳の都として映ったのかといえば、それもちょっと違うと思うんですよね。(新潮文庫)


+既読の池澤夏樹作品の感想+
「南の島のティオ」池澤夏樹
「スティル・ライフ」池澤夏樹
「真昼のプリニウス」池澤夏樹
「夏の朝の成層圏」池澤夏樹
「バビロンに行きて歌え」池澤夏樹
「神々の食」池澤夏樹

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夜、マグロ漁船の後甲板で写真を撮ろうとしている時に、船尾に押し寄せた大きな波にさらわれて海に落ちた「ぼく」は、そのまま流され続け、やがて島に漂着。そこは珊瑚礁に囲まれた常夏の無人島。彼は椰子の実やマア、タロ芋を採り、バナナを食べ、雨水を貯め、貝や魚を採って生活することに。

池澤夏樹さんの長編デビューという作品。
思いがけないことから無人島暮らしをすることになった主人公は、生きていくことそのものが日々の目的となって、次第にその生活に充足感を覚えることになるんですけど、やがて現実の世界の人間と出会うことによって、生活が目的ではなく単なる手段に戻り、やっぱりまた文明へと戻っていく自分を感じるようになる... という話。(多分) 無人島で自給自足の生活を余儀なくされたからといって、それを必要以上に嘆くのではなく(絶望を感じた時期もあったと本人は言っていますが、それは読者には分からない部分)、文明批判や自然礼賛に走るのではなく、自然の中で送る日々の生活を淡々と描いているところが良かったな。でも、一度文明社会から完全に解き放たれてしまった主人公。再び文明社会に出会った時... どうなるんだろう?(中公文庫)


+既読の池澤夏樹作品の感想+
「南の島のティオ」池澤夏樹
「スティル・ライフ」池澤夏樹
「真昼のプリニウス」池澤夏樹
「夏の朝の成層圏」池澤夏樹
「バビロンに行きて歌え」池澤夏樹
「神々の食」池澤夏樹

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八王子にある大学の理学部の助教授をしている頼子は、その晩、日本橋にあるイタリア料理店に向かっていました。数日前、友人の1人が頼子の研究の話を聞きたがっていると弟の卓馬が電話してきたのです。その友人とは、広告関係の仕事をしている門田。門田は、利用者が電話をかけると、予め用意されている何千何万もの話のうちの1つが無作為に選ばれて受話器から流れるという新しい種類の電話サービス・システムを作ろうと考えており、話のバラエティを確保するためにも火山学を専門としている頼子の話も聞きたいというのです。

地に足が着いた生き方をしている頼子が、様々な人の影響を受けながら、自分自身の一歩を踏み出す物語、でしょうかー。彼女が研究している火山のマグマそのままに、彼女の内部では様々な思いが高温高圧で活動していて、普段は胸の奥深くに潜んでいるものの、ふとした瞬間にほとばしり出てきたりします。彼女の前に現れるのは、バブル時代にいかにもいただろうなっていう広告業界の門田や、かつての恋人で、今はメキシコの遺跡の写真を撮っているカメラマンの壮伍、易を扱う製薬会社の社長、そして大学時代の友人の息子・修介など。でも、製薬会社の社長の易の話が絡んでくるところは面白いなと思っし、最後に意味が分かる題名もいいなあと思ったんだけど... どうも男女ともみんな、なんていうか紋切り型のように感じられてしまいました。特に女性たち。これじゃあ、男性作家の描きがちな女性像なのでは? こういう会話を読みたくなくて、私は一時男性作家離れをしてたんですよぅ。...そのせいか今まで読んだ池澤作品に感じられたような魅力が、この作品ではあまり感じられませんでしたー。残念。(中公文庫)


+既読の池澤夏樹作品の感想+
「南の島のティオ」池澤夏樹
「スティル・ライフ」池澤夏樹
「真昼のプリニウス」池澤夏樹
「夏の朝の成層圏」池澤夏樹
「バビロンに行きて歌え」池澤夏樹
「神々の食」池澤夏樹

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引越しと旅が趣味の「絵描き」は、建築家の夫と子供2人の4人暮らし。家を変えるたびに家の中を自分の好みの色で塗り替える一家の今度の家は、床のじゅうたんも壁も家具もカーテンもクッションも全てブルーグレー。友人の家にハスキーの子犬が生まれたと聞いた絵描き一家は、ブルーグレーの部屋や庭にハスキー犬がいる様子を想像してうっとりし、離乳がすむ頃にひきとりに行く約束をします。そしてやって来たのは、体全体が銀白色で鼻も瞳も真っ黒な「グレイ」でした... という「グレイがまってるから」と、その続きの「気分はおすわりの日」。

伊勢英子さんの家にやってきた、ハスキー犬のグレイにまつわるエッセイ。基本的に伊勢さんの視点なんですが、時々グレイの視点になったりして、それがまた可愛いのです~。そして合間には、伊勢さんによるスケッチがふんだんに!
うちにも以前犬がいたし、しかもまるでしつけがなっていない犬だったので(笑)、グレイのエピソードがどれもものすごーく身近に感じられました。伊勢一家のように「夜犬ヲ鳴カサナイデクダサイ。メイワクシマス」などという手紙を受け取ったことこそないんですけど、きっと文句を言いたかった人もいたんだろうな...。やっぱり毎日の散歩がある分、犬を飼うのって結構大変ですよね。うちの犬も散歩に行きたくて鳴き始めるのが毎朝4時とかそんな時間で、しかも一度鳴き始めたら連れて行ってもらえるまで鳴き続けるので、体力的にも結構キツかったです...。でも実際には「大変」以上に楽しいこともいっぱい。この本でも淡々と綴っているようでいて、グレイと一緒にいられた幸せが一杯詰まっていて、それがとてもかけがえのないものだったというのがしみじみと伝わってきました。
ただ、「グレイがまってるから」の文庫化に際して「そして四年...」が書き下ろされたんだそうですが... ここにこの書き下ろしはちょっと雰囲気的にどうなんでしょう。「気分はおすわりの日」では、それほど違和感を感じないのだけど。(こちらには「そして三年...」が入ってます) あと、この続編で「グレイのしっぽ」というのもあるようですね。それも読んでみたいなあ。ちょっとツラい話になるのかもしれませんが...。(中公文庫)


+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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新聞や雑誌に連載されていた文章や、日記。染色家で人間国宝の志村ふくみさんの、「一生一色」に続く2番目のエッセイ集。

以前読んだ「一生一色」「色を奏でる」と重なる部分も多い分、それほど新鮮味はなかったんですが、やっぱりしみじみとした美しさを感じさせられる本でした~。前に読んだ2冊は梅や桜といった木から染める話が多かったように思うし、今回も群馬県水上の藤原中学校で桜を染めるエピソードがとても良かったんですが、こちらの本は野の花を摘んで染めるというエピソードも多かったのが印象的でした。それまでは邪魔もの扱いだった「からすのえんどう」が少し黄味がかった薄緑に染まり、すっかり見る目が変わってしまった話、げんのしょうこやれんげ草、よもぎなど様々な野草で染めた糸の群れは、野原そのもののの色合いになっている話、散歩の時に道端に咲いている花に呼ばれてみれば、それは曙草。日々小さな花の声にも気づき、その美しさを愛で、「色をいただく」気持ちがあればこそ、積み重ねられていくものもあるんでしょうね。
藤田千恵子さんによる解説の「本を読むのに資格は要らない。年齢、経験、能力も不問。...と思っていたけれど、そうだろうか。この『語りかける花』を読み進むうち、はたと思った。読む側にも力量がいるのではなかろうか、と」という言葉も印象に残ります。志村ふくみさんの文章は難解どころか、むしろとても読みやすいものなんですが、「読みやすい文章というのは、むしろ、危険なのだ。どんな宝がどこに潜んでいるのかわからないのに、速度が増してしまうからである」とのこと。私にとっては、読みやすければ読む速度が増すというものではないんですが... それでも言いたいことはすごくよく分かります。志村ふくみさんの文章は、しっかりと受け止めながら感じながら読みたいなあって思いますもん。(ちくま文庫)


+既読の志村ふくみ作品の感想+
「語りかける花」志村ふくみ
「ちよう、はたり」志村ふくみ
Livreに「一色一生」「色を奏でる」の感想があります)

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一ヶ月前に母親が再婚した相手は、子供が嫌いでいつも怒ってばかりのまさに「鬼」。しかもキャスパーとジョニーとグウィニーの3兄妹は、継父の連れ子のダグラスとマルコムともまるで気が合わなかったのです。そんなある日、「鬼」がなぜかジョニーとマルコムに驚くほど大きな化学実験セットを買ってくれます。マルコムの出していた悪臭に対抗しようと、キャスパーとジョニーが一番猛烈な臭いを出しそうな薬品を混ぜ合わせていた時、「鬼」に怒られそうになって慌てたグウィニーにその液体がかかってしまい... そしてグウィニーの体はすっかり軽くなって...。

これも原作は1976年刊だというごく初期の作品。でも家族内の強烈なゴタゴタが中心で、ダイアナ・ウィン・ジョーンズらしさはたっぷり。こういうのを読むたびに、ダイアナ・ウィン・ジョーンズって相当すごい家庭で育ったのかしら、って思ってしまうのですが。
化学実験セットから巻き起こる大騒動は、想像するだけでも楽しくなってしまうようなもの。虹化剤とか動物精、龍牙塩のように、薬品の名前からある程度効果が想像できるものもあるんですが、入っている薬の1つずつの詳細な説明が読んでみたくなってしまいます。そして本文中ではさらっと登場するだけで終わってしまうんですけど、そもそもこの化学実験セットを売っていた「魔術舎有限会社」というお店が、ものすごーく面白そう。本の表紙も、この魔術舎のお店の絵なんです。この辺りがもっとじっくり読みたかった!
子供たちからすればまさに「鬼」のような父親なんですが、大人視点から読むと、いきなり男の子4人に女の子1人という5人の父親になってしまった父親側にも十分同情の余地がありますね。きっと実際にもんのすごい騒ぎでしょうからねー。(実子2人はそれまで寄宿舎生活だったので、その本領発揮を知らなかったという設定) 結局悪人はいなかった、というのがどうも出来過ぎな印象もありますが、ほどよくどたばたでほどよくストレートで、ほどよく面白かったです。(創元ブックランド)


+既読のダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品の感想+
「魔法使いハウルと火の悪魔」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「アブダラの空飛ぶ絨毯」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「デイルマーク王国史」1~4 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「わたしが幽霊だった時」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法使いはだれだ」「クリストファーの魔法の旅」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔女と暮らせば」「トニーノの歌う魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法がいっぱい」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
留守中に読んだ本(18冊)(「マライアおばさん」「七人の魔法使い」「時の町の伝説」の感想)
「呪われた首環の物語」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「花の魔法、白のドラゴン」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「いたずらロバート」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バウンダーズ」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「星空から来た犬」「魔空の森ヘックスウッド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バビロンまでは何マイル」上下 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ウィルキンズの歯と呪いの魔法」「海駆ける騎士の伝説」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「うちの一階には鬼がいる!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法!魔法!魔法!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ぼくとルークの一週間と一日」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「牢の中の貴婦人」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法の館にやとわれて」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「キャットと魔法の卵」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
Livreに「ダークホルムの闇の君」「グリフィンの年」「九年目の魔法」の感想があります)

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