2008年7月 Archive

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言わずと知れたハリー・ポッターシリーズの第6巻。先日最終巻が発売されて、図書館でもものすごい数の予約が入ってるというのに、なんで今頃第6巻?...と思われてしまいそうなんですが、まあ、元々あんまり真面目に読み進めるつもりもなかったので...。ホグワーツの魔法学校の組み分け帽子とか、そういうモチーフは楽しくて好きなんですけどね。世間の熱狂振りを見てると逆に引いてしまう... もっと面白いファンタジーなんていっぱいあるよって言いたくなっちゃう。でも身近に買って読んで押し付けてくれる人がいるものだから、どうやらシリーズを読破してしまいそうです。(笑)
ということで第6巻を読みましたが、これはなかなか面白かったです。いつもなら、今にも暴走しそうになるハリーにロンがくっついて、ハーマイオニーがなんとかブレーキをかけようとするという感じの展開だと思うんですけど(違いましたっけ...?)、今回はハリーとダンブルドアが組む場面が多いんですよね。しかもそれで明かされる新事実というのが多くって。
でも真面目に読んでないのが裏目に出て... というより間隔があきすぎてるのが問題なんでしょう。「不死鳥の騎士団」を読んだのは4年も前だし。前回起きた事件とか登場人物とか忘れてしまった部分が多かったのが、ちょっと痛かったかも。ジニーの気持ちに関しては、ちゃんと覚えてたんですけどね。
それにしても... ジニーはいつの間に美人になったんですか?(笑)(静山社)


+シリーズ既刊の感想+
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」上下 J.K.ローリング
「ハリー・ポッターと死の秘宝」上下 J.K.ローリング
(それ以前の感想は残っていません)

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翻訳家の青山南さんの奥様はフリーのライター。2人のお子さんが出来て、翻訳家という比較的時間が自由になる仕事の青山南さんも子育てに本格的に参戦して... という子育てエッセイ。

プロローグの「夕日をながめるぜいたく」が、まず面白いです~。「ひとりの男とひとりの女がひっそりと暮らしている空間に赤んぼが出現したらどういうことになるか?」という文章から始まるんですが、もうほんと実感がこもってます。
まず部屋が狭くなる... 赤んぼの寝る布団を家の中の一番良い場所に置くために、狭い部屋はますます狭くなり、赤んぼを踏んじゃいけないので、部屋の中が自由に歩けなくなる... 数ヶ月過ぎてそれにも慣れた頃、赤んぼは右に左に動きだして部屋は一層狭くなる... しかし狭い部屋にも既に慣れてきているので、さらに狭くなったことに気がつかない... そして寝返りという、これまた部屋がどんどん狭くする行動を心待ちにするようにさえなる...。
世の中、主夫も徐々に増えているようですが、やっぱり一般的な会社勤めをしている男性に子育てはなかなかできないですよね。ちょっぴり奥さんの手伝いをしたり、休日に子供の相手をした程度で、子育てに積極的に参加してると思ってる男性も多いかも?(世間一般の実態はよく知りませんが) でも青山南さんは正真正銘、子育てに参加してるなあって思っちゃう。しかもいいお父さんなんだなあ、これが。ご本人はすぐヒステリーを起こすようなことを書かれていますが、きっと娘さんたちの自慢のお父さんなんでしょうね。

+既読の青山南作品の感想+
「翻訳家という楽天家たち」青山南
「ピーターとペーターの狭間で」青山南
「眺めたり触ったり」青山南
「外人のTOKYO暮らし」青山南
「英語になったニッポン小説」青山南
「気になる言葉、気が散る日々」青山南
「小説はゴシップが楽しい」青山南
「大事なことは、ぜーんぶ娘たちに教わった」青山南

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「小説そのものも楽しいが、その周辺のことを知るともっと楽しい」という青山南さん。ゴシップというと下世話な噂話を想像してしまうんですが、そういった興味本位の噂話の本ではありません。ここで言うゴシップとは、作品や作家、出版業界の周囲の様々な話題のこと。

ええと、文章を書いてるのが青山南さんですしね、エッセイとしては読みやすいんですけど... 他のエッセイほど楽しめなかったのは、やっぱり私があんまりアメリカ小説を読んでいないからなんだろうなあ... もちろん知らなくても面白く読める部分もあるんですけど、たとえばポール・オースターの章は他の作家さんの章よりずっと楽しく読めたことを考えると、もっと知っていればきっともっと楽しめたんでしょう。
そんな私にとって一番面白かったのは、コラムに関する章。「それにしても、あれはどうにかならないものか。読んだコラムがおもしろかったときにそれをたたえるためにつかう、「良質の短篇小説でも読むような」とか「一級品の掌編にでもめぐりあったような」という常套句。あれはよそうよ。」という文章にはドキッ。確かにここで短編小説を引き合いに出す必要なんて全然ないですよねえ。でも私もそういうことを書きたくなっちゃうことがあるからなあ。青山南さんが書いてらっしゃるように「コラムは、うまくいった場合でも、よくできた短篇程度のものにすぎない、という意識がかくれている」というわけではないんだけど、でもやっぱりそうなのかも...。で、「これはもはやスポーツライティングではない」なんて言い始めるんですね。(笑)
あとはデビュー前に原稿を突っ返されたり、デビュー後でも原稿がボツになったりという話。時にはどっちも体験してない人もいるようですが、やっぱり結構大変みたい。それでも書き続けなければ作家として大成することはできないし... 成功するには純粋な才能の他にも、確固とした自信や強い精神力が必要なんでしょう。せっせと投稿し続けて、しまいには出版社がそのパワフルさに負けてしまうというケースもあるようだし。そしてスティーヴン・キングみたいな人気作家でも、短篇60篇(!)と長篇4篇がボツになってるそうなんですが、まるでめげずに「ぼくはいくらでも書けるから、そんなの、ものの数じゃないヨ」と明るいんですって。やはりこういう作家が最後まで生き残るんだな。(晶文社)


+既読の青山南作品の感想+
「翻訳家という楽天家たち」青山南
「ピーターとペーターの狭間で」青山南
「眺めたり触ったり」青山南
「外人のTOKYO暮らし」青山南
「英語になったニッポン小説」青山南
「気になる言葉、気が散る日々」青山南
「小説はゴシップが楽しい」青山南
「大事なことは、ぜーんぶ娘たちに教わった」青山南

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1つ前の「アリゼの村の贈り物」の感想で、エッセイ向きじゃないかなと書いた部分が全開の本。うん、やっぱり美味しいお菓子や庭の花で作る小物の作り方は、こっちの本の方が似合いますね。高柳佐知子さんが住んでらっしゃるのは、ご本人曰く「カントリーといえるような美しい風景」ではなくて「中途半ぱな田舎」だそうなんですけど、それでも広いお庭には花が咲き乱れて、お友達が送ってくれた箱いっぱいの野のスミレを植えたり、そんなお庭でイースターの卵さがしをしたり、庭のテーブルで食事やお茶をしたりと生活を満喫している様子がとても楽しそう。あと、洋書店で偶然絵本に出会って以来ファンだというターシャ・テューダーさんに会った時のことや... エプロンや帽子、ほうきやはしごのこと、飛行船のこと、放浪人のこと、屋根裏部屋のことなど、お好きなものが色々紹介されています。
そして私が一番のお目当てにしてたのが、高柳さんのお好きな児童文学の話。やっぱりコレが一番面白かった...!
「お伽の国の言葉」と「読書人の黄金時代」のページはカラーのイラストと共に沢山の本やその中の言葉が紹介されていて、私もイギリスの作家の本が大好きだし、子供の頃から大好きな本がいっぱい登場するので、嬉しくなってしまう~。ここに、ファージョンの「西ノ森」から「詩みたいなものですわね」という言葉が出てくるとは! でも高柳佐知子さんが本格的に児童文学やファンタジーと出会ったのが20代半ばだというのがちょっとびっくり。もっと小さい頃から親しまれていたのかと思ってました。ある日、電車での時間潰しのために「大きな森の小さな家」(ワイルダー)をふと手に取ったことから始まったのだそうです。それからの数年間は「読書人にとっての黄金時代」だったとのこと。それでここまで影響されたというのもスゴイなあ... でもそれは本当に幸せな数年間だったんでしょうね。他人事ながらものすごく分かる気がします。(大和出版)


+既読の高柳佐知子作品+
「エルフさんの店」高柳佐知子
「ティスの魔女読本」高柳佐知子
「イギリス湖水地方を訪ねて」「風のまにまにイギリスの村へ」高柳佐知子
「ハイウィロウ村スケッチブック」高柳佐知子
「ケルトの国に妖精を探しに」高柳佐知子
「アリゼの村の贈り物」高柳佐知子
「ナチュラル暮らしの手作り工房へ、ようこそ」高柳佐知子
「庭が仕事場」高柳佐知子
「不思議の村のハロウィーン」高柳佐知子

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花の好きなスピカさんに庭のことや花のことを教わったり、風屋のロジャさんに風の集め方を教えてもらったり。鉱石好きのスピネルさんや未来の博物学者のフィルさんと鉱物採取をしに行ったり、フィルさんの自然現象の観察ノートを見せてもらったり。アリゼがハイウィロウ村の人々の生活の中で、面白いと思ったり素敵だなと思ったことを紹介していく本。

先日読んだ「ハイウィロウ村スケッチブック」に続く本。アリゼがスピカさんに教わるのは種まきの仕方とか、花の冠やリース、タッジー・マッジーの作り方などなど。アリゼが年下の友達・ミンちゃんと村のあちこちにフーセンカズラの種をまいて歩くのが楽しいです。野原や森でも、色んな人たちに色んなことを習います。コックス・オレンジ・ピピンという早生品種のりんごの保存の仕方、寝袋での野宿の仕方、ロープ結び、木の枝の小屋の作り方や焚火の仕方、かまどの作り方などなど。あとは、村の人々のお得意の食べ物の作り方も。いちごゼリーやゼリー・ロール、クランペット、マフィン、眠気覚ましのココア、眠れない夜のためのミルク酒などなど。
でも一番楽しかったのは、ロジャさんに風の収集の仕方を習ったり、雲研究家のアスゴールさんに教えてもらいながら雲の上を歩いたりという辺りかな。食べ物系も美味しそうだし、花で作る小物なんかも素敵ではあるんですけど... 高柳佐知子さんの普段の生活が透けて見えてくるようで。こういうのはどちらかといえばエッセイ本向きなんじゃないかなあ。でも風の収集や雲の上の歩き方といった辺りは、ハイウィロウ村ならではのファンタジックな部分。こういう本だからこそ、思いっきり夢を見させて欲しいのです。(河出書房新社)


+シリーズ既刊の感想+
「エルフさんの店」高柳佐知子
「ティスの魔女読本」高柳佐知子
「ハイウィロウ村スケッチブック」高柳佐知子
「アリゼの村の贈り物」高柳佐知子
「不思議の村のハロウィーン」高柳佐知子

+既読の高柳佐知子作品+
「イギリス湖水地方を訪ねて」「風のまにまにイギリスの村へ」高柳佐知子
「ケルトの国に妖精を探しに」高柳佐知子
「ナチュラル暮らしの手作り工房へ、ようこそ」高柳佐知子
「庭が仕事場」高柳佐知子

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アイスランドの人々の歴史な出来事や英雄を伝える散文物語・サガ。数あるサガの中から「エギルのサガ」「グレティルのサガ」「ラックサー谷の人びとのサガ」「エイルの人びとのサガ」「ヴォルスンガサガ」「ニャールのサガ」という、五大サガ+1(ヴォルスンガサガ)を完訳したもの。

ああー、長かった。じゃなくて(笑)、読み応えのある本でした。なんせ862ページ2段組み! 市外の図書館から取り寄せてもらったんですけど、こんなに分厚い本とは知らなかったので、届いた時ちょっと引きましたよ。京極本レベルですね。しかも現代作家さんの、導入部から徐々に盛り上がってクライマックスへ、そして終幕、といったよく整理された話じゃないし、人名がものすごく沢山出てくるので覚えられなくて大変... こういうのを読んでると、今どきの小説、特にジェットコースター的なものが恋しくなります。(笑)

この5つのサガの中で1つだけ異色なのは、やはり「ヴォルスンガサガ」。これは1260年頃の作品だそうで。「エッダ」(感想)に収められているシグルズ伝説と基本的に同じもの。要するに「ニーベルンゲンの歌」(感想)とも同じ。そしてワーグナーの「ニーベルングの指環」(感想)とも。というか、ワーグナーはこちらの作品を元にしてあのオペラを作り上げたらしいです。現存する「エッダ」には欠落している部分があるんですが、それが失われる前のエッダから作り上げられているので、逆にエッダの欠落を埋めてくれるという貴重な作品でもあるのだとか。
そしてあとの5つのサガはハロルド美髪王がノルウェーを統一しつつある頃から、その子や孫が王となる時代の話。こちらはアイスランドに植民した人々の話なので、「ヴォルスンガサガ」に比べるともっと現実感のある作品です。「グレティルのサガ」はちょっと違うんですけど、他の4つは登場人物も起きる出来事も共通してたりするので、全部読むと特定の出来事の裏事情が分かるような場面もあります。でもね、とにかく登場人物が多いし、今どきの小説みたいに整理されてるわけじゃないので、読むのがほんと大変で... 主人公の一生を描くにしても、その誕生から死までではなくて、その祖父母の時代辺りから話が始まるんですもん。面白いのは確かなんですけどね。特に「ラックサー谷の人びとのサガ」で結果的に4人の夫を持つことになったグズルーンの話なんて面白かったなあ。
でもやっぱり好みからいえば、「ヴォルスンガサガ」が一番かな。普通のアイスランドサガは、私の好みからすると現実味がありすぎて... もうちょっと神話の世界に近い方が好きなのです。(新潮社)

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題名の通り、「エッダ」と「サガ」の2章に分かれています。「エッダ」の章で取り上げられているのは、神話と、「鍛冶屋ヴォルンド」「フンディング殺しのヘルギ」「シグルス」というエッダに収められている3編の英雄伝説。「サガ」の方には、「宗教的学問的サガ」「王のサガ」「アイスランド人のサガ」「伝説的サガ」の4つの分類で、文学的な価値の高い20数編のサガが紹介されています。

エッダは北ゲルマン人の間に伝えられた韻文の歌謡形式による神話と英雄伝説。とても分かりやすくまとめられてるんですけど、エッダに関しては、同じく谷口幸男氏による「エッダ 北欧歌謡集」という完訳本を持ってるので、あんまり意味がなかったかも... というより、本当はこっちを先に読んでおくべきだったのかな。まあエッダは好きなので、何度読んでもいいんですが♪ 
一方サガは、アイスランド人の12~13世紀頃からの歴史的な出来事を描いた散文物語。英雄伝説はもちろん、ノルウェーからアイスランドへの植民のこと、アイスランド定住後の生活ぶり、ヴァイキングとしての略奪行為、首長たちの争い、アイスランドにどんな風にキリスト教が伝わり広がっていったかなどが書かれていて、歴史的な資料ともなるものなんです。もちろんサガに書かれていることは脚色もされてるし、事実そのままというわけではないんですけどね。サガに関しては、色々読んでみたいと思いつつ「アイスランド・サガ スールの子ギースリの物語」(感想)、「エッダ・グレティルのサガ」(感想)ぐらいしか読めてないので、知らないのがいっぱい。本の数自体元々少ないし、しかも絶版になってるのも多いし... それがここで20編以上紹介されてるだなんて、それだけでもこの本を読んだ甲斐があったというものです。
この本に載ってるエッダもサガも、本文そのものの訳ではなくて谷口氏がまとめた梗概だけ。でも逆に基本的なことがとても分かりやすくまとまっているので、北欧神話に初めて触れようとする人にはすごくいいかもしれません~。(新潮選書)

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