2009年4月 Archive

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これまで読んだ「一色一生」「語りかける花」「色を奏でる」は、基本的に糸を染める話だったはず。あとはその糸を織ったり、そういった仕事を通して出会った出来事や人々のエピソード。もちろん今回もそういう話が多いんです。志村ふくみさんが初めて織り上げた着物「秋霞」の話は何度か登場することもあってとても印象的だし、偶然巡り合ったみづね桜を染める時の色の霊力の話や、染める時は花が咲く前に幹全体に貯えた色をいただくという話、いつか日本の紫草で染めたいという話などもとても素敵。題名の「ちよう、はたり」も、遠くからかすかに聞こえてくる機の音。

でも今回は、海外へ行った時のエピソードや志村ふくみさん御自身が読まれた本の話など、話題がこれまでになく広がっていたように思います。例えば韓国で母娘の染織展を開くことになった話。例えば正倉院の染織のルーツを辿るためにイランを訪れる話。「私はかつて、世界で最も美しいものの降り注いだ国はペルシャだと思い定めていた」という言葉... これは私自身も思っていたことなんですけど! 写真や書物を通してしか知らないペルシャですが、あのモスク、美しいブルーのタイル、ペルシャ絨毯、アラビア文字... 私も実際行ってみたら「人は外国にいってはじめて故国のことがわかるものだ」とつくづく思うようになるのでしょうか。
本の話も興味深いですね。インドに持っていったグレアム・グリーン、トルコやイランに持っていったドストエフスキー。富本憲吉氏の「織の仕事はいやでも毎日する、何かほかのことをやりなさい、私は数学と建築の勉強だった。あなたは何か?」という問いに対する志村さんの答は「本を読むことです」。それを聞いた富本憲吉氏の「よし、きまった。それが栄養源だし、潤滑油なんだ」という言葉。とても印象に残ります。(ちくま文庫)


+既読の志村ふくみ作品の感想+
「語りかける花」志村ふくみ
「ちよう、はたり」志村ふくみ
Livreに「一色一生」「色を奏でる」の感想があります)

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最初はアンデルセンのようなフェアリー・テイルを書きたいと考えていたアーサー・ランサム。しかしその後ロシアの昔話の翻訳書を偶然手にした時、話そのものは楽しいのに、言葉も文体もひどくて子供向きではないことに衝撃を受け、ロシアに行って言葉を学び、自ら昔話を収集して翻訳する決意を固めたのだそう。そして翌年ロシアに向かったランサムはロシア、コーカサス、ウクライナ、トゥルケスタンから昔話を採集し、「ピーターおじさんのロシアの昔話」を書きあげます。この「アーサー・ランサムのロシア昔話」は、その第2弾のために用意していたものの、結局日の目を見なかったという作品を集めた物語集。
「鳥とけものの戦争」「白鳥の王女」「オメリヤとカワカマス」「高価な指輪」「キツネ話」「貧すれば貪するという話」「小さな家畜」「ジプシーと聖ジョージ」「天国のかじや」「兵隊と死神」「二人の兄弟」という全11編。

子供の頃、ツバメ号シリーズを愛読していたので、アーサー・ランサムの名前はお馴染みだったし、この本の存在は知ってたんですけど、なんでアーサー・ランサムがロシア...?と思ってしまって、なんとなく手に取れずにいたんですね。でもその辺りもちゃんと説明されていました。しかも面白かったー。

ロシアの民話にはロシアの民話での常識というのがあるし、それはロシアの人なら教えられなくても既に知ってること。でもそういうのはイギリス人は知らないことですしね。そのまま話を載せても仕方ないと、ランサムは結構苦労して工夫を凝らしたようです。「ピーターおじさんのロシアの昔話」では、ピーターおじさんが毎晩孫のワーニャとマルーシャに物語を語る形式になっていて、その枠の部分にロシアの昔話の理解に必要な説明を挿入。そのことによって昔話そのものもすっきりと面白くできたのだとか。こちらの「アーサー・ランサムのロシア昔話」は遺稿集なので、きちんとした枠物語になってるわけではないんですが、それでも語り手の存在は感じられるように書かれてるので、とても話の中に入りやすいです。
ただ、まえがきに、「全体の傾向は『ピーターおじさん』よりもやや暗鬱だろうが、これもまた、むかしから暗い面を持っているロシア農民世界の真実の姿なのである」とありましたが... それほど暗鬱とは思わなかったんですけど? 確かに「兵隊と死神」は、アファナーシェフの「ロシア民話集」(感想)の方が救われる結末となってましたけど、別に暗鬱とは思わなかったですねえ。むしろそんな風に結末が違うというのが興味深いです。それに例えば、結婚したカエルが最後に若く美しい王子に変わることはなくて(実際にはカエルは登場しませんが、例えばね)、「そんなうその話をしてみてもしょうがない」なんて言われると、逆に楽しくなってしまいますー。でも訳者あとがきを見ると「ピーターおじさん」にはもっとずっとスケールの大きい明るい物語が収められてるみたい。そちらも読んでみたいので、今度また図書館で借りて来ようっと!(きちんとした題名は「ピーターおじいさんの昔話」のようです)(白水社)


+既読のアーサー・ランサム作品の感想+
「アーサー・ランサムのロシア昔話」アーサー・ランサム
「ピーターおじいさんの昔話」アーサー・ランサム

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ある日、女王は散歩していた犬たちに連れられるようにして、厨房のドアの外に停まっていたウェストミンスター区移動図書館の車を訪れることに。この辺りは宮殿の中でもあまり来たことのない場所。昔からあまり読書に興味がなかった女王は、毎週のように移動図書館が来ていることすら知らなかったので驚きます。6冊まで借りられると聞いた女王は儀礼的に1冊選ぶのですが、これが実に読みづらく退屈な本。一応最後まで読むものの、それ以上読む気にもならず、女官に返却させてそれでおしまいになるはずだったのですが... 翌週、公務にうんざりして自ら移動図書館を訪れた女王が選んだのはナンシー・ミットフォードの「愛の追跡」。今度はすぐに夢中になった女王は、移動図書館で出会った厨房の少年・ノーマンの助けを借りて、次々に本を読み始めます。

ああ、面白かったーー。せいこさんに教えていただいた本です。
70代後半の、既に老人と言ってもいい年の人間が、その年になって本を読む楽しみに目覚めたら。
最初は全く興味のなかった「本」。でもふとしたことから読書の楽しさを知り、それがどんどんと広がっていく様子が、エリザベス女王を主人公として描かれていくんですから、これは本当に楽しいです。女王が読書に夢中になっていく過程は、同じ本好きとして「分かる分かる、そうなのよ!」だし、例えば「一冊の本は別の本へとつながり、次々に扉が開かれてゆくのに、読みたいだけ本を読むには時間が足りない」という文章とかね。しかも本を読み始めた時に、ちゃんと指南役兼読書仲間がいてくれたのが大きい! こういう人がいるといないとじゃ全然違いますよね。フィクションなのに、ノーマンがいてくれてほんと良かったわー なんて思ってしまいます。でも本に夢中になるにつれて、公務も以前ほど楽しめなくなるわけで... 少しずつ手を抜くことになるんですね。そんな女王に周囲は困惑顔。元々女王というのは特定の趣味を持つべき存在ではないのです。
この本の中での女王は、見る見るうちに難しい本を読みこなすようになります。もちろんそれはいい指南役がいたことも大きいでしょうけど、実際には経験値としては十分だと思うんですよね、女王って。公務で様々な人に会って世界中を見て回って、普通の人にはできないような経験をいっぱいしてるんですもん。
読書を通して以前よりも様々なことを考え、以前よりも人間の気持ちを深く理解できるようになり、自分自身についても考えることになる女王。そして最終的には本を読むことと書くことに関する考察へ。読書によって、こんなに大きな人間的成長を遂げることができるとは。

エリザベス女王といえば、私はエリザベス女王のメイドが探偵となるC.C.ベニスンの「バッキンガム宮殿の殺人」「サンドリンガム館の死体」「ウィンザー城の秘密」のシリーズを思い出したんですが(可愛いミステリです)、英国王室とか女王を取り上げた作品って結構多いですよね。いいことばかり書かれてるわけじゃないのに、英国王室って懐が深いなあって思います。日本だったら大変ですよね。あ、でも英国王室やその周辺の人は本を読まないから知らないだけだったりしてーー。(笑)(白水社)

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恋人だったウィルが捨て台詞を残してアパートを去った後。自分で切り落としたザンバラ髪のまま外に出たジャッキーは、夜の公園で9台のハーレーが1人の少年を追いかけるのを見かけます。よく見るとそれは少年ではなく、子供のように小柄な男。黒ずくめのライダーから放たれた閃光は小男の杖を砕き、小男を崩れ落ちさせます。思わず小男に駆け寄るジャッキー。しかし小男は既に死んでいました。そしてジャッキーが目撃者らしき人影を探した後で再びその現場を見た時、そこに残されていたのは杖の破片だけだったのです...

これは古くから伝わる妖精物語を語りなおして1編の小説にするというシリーズ企画のために書かれた作品で、エレン・カシュナーの「吟遊詩人トーマス」(感想)も、このシリーズの1作として書かれたものなんだそうです。知らなかったー。そして現代を舞台にしたハイ・ファンタジーを書いてみたいとかねがね思っていたチャールズ・デ・リントが選んだのは「ジャックと豆の木」や「巨人殺しのジャック」やスコットランド民話に登場する「ジャック」。

カナダのオタワが舞台で、人間の世界と二重写しのように妖精の世界が存在している、というのが楽しいです。ここに住む妖精は大きく2つに分けられて、王に忠誠を誓う「祥(さきわ)いの民」と、巨人に仕える「祥(さが)なき民」。要するに善の存在と悪の存在ですね。存在することを人間に信じてもらえないと健康を保てない「祥いの民」(善)は、現在どんどん力を失い、数が減りつつあるんですが、それとは逆に「祥なき民」(悪)は力を強めてます。この「祥なき民」はさまよう死者とか幽霊とか、ホラーの本や映画の中に出てくるような存在なので、信じられてはいないまでも人々が興味を持って恐れてるからっていうんですね。この設定が面白いです。確かに「信じてない」という意味では同列だとしても、幽霊や死者を怖がってるというのはありますもんねえ。すごくうまい設定かも。
鉄に弱い妖精も人間社会の近くに住むことによって鉄に耐性をつけちゃってるし、「死の狩人」はハーレー・ダヴィッドソンを乗り回してます。キーがなくとも車のエンジンをかけて乗り回せる妖精もいます。そんな現代的な妖精とは対照的に、主人公のジャッキーは素朴な19歳。パーティやバーなどの喧騒にはまるで興味がなくて、本が好きで家にいるのが大好き。7歳の頃から切ってない金髪に、着ているものはだぶだぶのチェックのシャツに履き心地のいい古びたジーンズという、まるでヒッピーのような姿。人間と妖精が逆転してるみたいなとこも面白いです。そしてあくまでもジャックが中心とはいえ、「ケイト・クラッカーナッツ」やビリー・ブラインド、白鳥になった七人兄弟の物語など色んな民間伝承の素材が作品の中に登場してるのも楽しいところ。
でも、んんー、面白かったんだけど、あまりに勇気と幸運頼りになっているのが気になってしまうというのもあったんですよね。どうしても都合が良すぎるというか。ジャックはそういうキャラクターなんだと言われても、って感じです。「リトル・カントリー」ほどの作品とも思えなかったし、続編「月のしずくと、ジャッキーと」は読むかどうか迷い中。(創元推理文庫)


+既読のチャールズ・デ・リント作品の感想+
「リトル・カントリー」上下 チャールズ・デ・リント
「ジャッキー、巨人を退治する!」チャールズ・デ・リント

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英国ベタ誉めはもうたくさん!英語の喋れる祇園の元クラブホステスが渡英して、たまたま『エイリアン』で知られるリドリー・スコット監督の大邸宅のハウスキーパーとなって13年。その間に見聞した貴族や大富豪から一般大衆までの、イギリス人の赤裸々な姿を辛口とモーモアで綴った英国暮らし体験記。(「BOOK」データベースより)

感想はのちほど。(文春文庫)

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イアソンが自分の破滅の原因となると知った王ぺリアスは、イアソンが大海や外国で命を落として戻って来ないことを願い、危険に満ちた航海の冒険を彼に課すことに。それは黒海の東の果てにあるコルキスへ金の羊毛を求めに行くというもの。イアソンはギリシャじゅうの英雄を集めてアルゴ船に乗り込むことに。集まったのはオルペウス、双子のカストルとポリュデウケス、ヘラクレスら50人ほどでした。

文庫なのにアマゾンの中古に8000円なんて高値がついててびっくりしたこの本、市内の図書館に蔵書がないので、他のところから借りてもらっちゃいました。でも文庫なのに8000円ってどういうことよ? 1997年発行でそれほど古い本でもないのに。さっき見たら7500円ぐらいまで下がってたけど、まだまだ買える値段じゃありません。講談社の方、こういう本はぜひ復刊してくださーい。「メタモルフォーシス ギリシア変身物語集」の方は、今でも新品が手に入るのに! しかもきちんとした「アルゴナウティカ」の邦訳ってこの本だけなのに!
と思いつつ。
読みましたよー。ギリシャ神話関連の本で話は何度も読んでるんですが、きちんとした訳はこれが初めてです。ちゃんと叙事詩の形式で訳されているのがすごく嬉しいー。話そのものはそれほど好きではないんですが、古代ローマ時代の詩人、ウェルギリウスやオウィディウスにも大きな影響を与えてる作品ですしね。もう少し後のガイウス・ウァレリウス・フラックスもこの作品に触発されて、新たな「アルゴナウティカ」という作品を書いてます。

エウリピデスのギリシャ悲劇「メデイア」(感想)では既に鬼女のようになってしまっているメデイアですが、イアソンと出会った頃はまだまだ初々しい乙女。後々の激しさの片鱗は見え隠れしていますが、まだまだ純真です。愛するイアソンと父との間で板ばさみになって苦しんでます。...この物語でイアソンの恋の相手となるのはこのメデイアと、その前にレムノス島で出会うヒュプシピュレの2人なんですが、2人の造形がすごく対照的なんですよね。つつましく優しく、男に無理なことを求めない(都合のいい女とも言える)ヒュプシピュレと、激しい恋に燃えるメデイアと。イアソンが結局そのどちらとも添い遂げずに終わったというのが面白いなー。そして対照的といえば、この冒険に参加するヘラクレスも主人公のイアソンと対照的。いかにも英雄といった風情のヘラクレスと、気弱というほどではないんだけど、何かあるたびに思い悩んだり嘆いたりするイアソン。まあ、ヘラクレスは頭の中も筋肉でできてるような人だし、そんな人と比べれば誰でも人間的に見える気もするんですけど。
そのヘラクレスなんですが、結構早いうちにミュシアという土地に誤って置き去りにされてしまうんです。そしてその後合流することもなく「こんな時にヘラクレスがいたらなあ」ってすっかり回想の中の人になってしまうことに。で、びっくりしたのは、その間にヘラに課せられた12の冒険をしていること。しかもその冒険の中で行ったことが、後にイアソンたちの助けになってるんです。こういうの、すごく面白い! しかも解説によると、この物語はもともとは古い民話で、主人公に協力するのは動物だったんだそうです。なんだか桃太郎みたいだわー。なんて、我ながら枝葉の部分ばかり楽しんでるような気がしないでもないですが~。(講談社学芸文庫)

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ロシア民衆の間に口承で伝わってきた英雄叙事詩・ブィリーナ。18世紀以前は放浪楽師(スコモローフ)のような職業的芸能者によってロシア各地で語られ、18~19世紀半ばにその最良の部分が採録されるようになったのだそう。数々のスコモローフたちに語られた数々の物語から、太古の騎士たち、キーエフの勇士たち、ノヴゴロドの英雄たち、勇士群像という4つの章に分けて、21編を紹介していく本。

ブィリーナとは「実際にあったこと」という意味で、19世紀の30年代にサーハロフという学者が命名したものなんだそうです。普通の昔話とは違って史実に基づくもの、特に先日読んだ「イーゴリ遠征物語」(感想)に由来すると言われていたことからの命名。まあ、実際に史実に基づいていたというより「そう考えられていた」というのがポイントなんですけどね。でも、ここに登場する「太陽の君」と呼ばれるウラジーミル公は、プーシキンの「ルスランとリュドミーラ」にも出てくるんですが、このウラジーミル公が誰だったのか、まだ特定されてないんですって。びっくり。歴史上に名を残したキエフ大公国のウラジーミル公は2人いて、1人は「聖公」と呼ばれるウラジーミル1世、もう1人は「ウラジーミルモノマフ」と呼ばれたウラジーミル2世なんだそうです。

「太古の勇士たち」の章に収められているのは、神話的な物語。スヴャトゴールはヘラクレスのような力持ちで世界を持ち上げようとするし、マルファ姫が踏んだ毒蛇が姫の足に巻きついて尾で太ももを打って宿ったというヴォルフは、まるでヘルメスのように成長が早いです。生まれて1時間半もすると話し始めて、おしめの代わりに鎧と兜を要求するんですから。勇ましいヴォリガーと百姓のミクーラの勝負も、今はパッと思い浮かばないけど、いかにも何か似たエピソードがありそう。
「キーエフの勇士たち」の章で中心となるのは、「太陽の君」ウラジーミルと、彼をめぐる勇士たち。その中でもイリヤーとドブルィニャとアリョーシャの3人が代表格。生まれながらに手足が萎えていたイリヤーは3人の老人の力で健康体になり、ロシア一の勇士となるんです。他の勇士たちの物語は大抵1つ、多くても2つなのに、イリヤーにまつわる物語は5つ。それだけ知名度が高くて人気もあったんですね。
そして「ノヴゴロドの英雄たち」で登場するのは、知らないうちに水の王にグースリ弾いていて、お礼に大金持ちにしてもらった商人サドコと、無法者のワシーリイ。「勇士群像」で登場するのは、ウラジーミル公とアプラクシア妃の結婚に一役買ったドゥナイ、富裕な伊達男のチュリーラ、天竺からウラジーミル公の宮廷にやって来た公子デューク、見事賭けに応じるスターヴェルの妻、たった1人でタタール人の軍勢を退けながら法螺吹きと思われたスフマン、ウラジーミル公の姪。ザバーヴシカ姫と結婚したソロヴェイ。

私が一番気に入ったのは、昔話風の「イリヤーの三つの旅」。旅をしていたイリヤーが、道が三つに分かれる辻に不思議な道標を見つける物語です。石の上には「第一の道を行けば、死を得るべし。第二の道を行けば、妻を得るべし。第三の道を行けば、富を得るべし」なんて書かれていて、それだけならよくあるパターンとなりそうなところなんですけど... でもその後の展開は独特なんです。面白いなあ。あと「イリヤーとカーリン帝」では、タタールの軍勢によって窮地に陥ったウラジーミル公を助けるためにイリヤーは12人の勇士たちに助成を頼むんですけど、その時に、助ける助けないと3度のやりとりをするんですね。これが昔ながらの定型って感じでいい感じなんです。やっぱり定型って美しいなって思いますね。(平凡社)

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