Catégories:“2004年”

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ビルの最上階で、社長が殺されていた! 暗証番号を打ち込まないと最上階には止まらないエレベーター、社長室の前の廊下の監視カメラ、オートロック式非常階段の扉などによって警備は万全。誰も侵入していない密室状態の社長室で、一体何があったのか。
貴志さん初の本格ミステリという作品。いやあ、面白かったです。こういう不可能状況って、なんだかワクワクしてきてしまいます。しかも密室のための密室って感じの突飛な設定じゃなくて、普通のオフィスビルの中っていうのがまたいいんですよねー。
探偵役となるのは、弁護士の青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径。女弁護士先生の方はちょっと薄味なんですけど、この榎本径がいいんですよ。叩けば埃がいっぱい出てきてゲホゲホしてしまいそうな人物で、なんか味があるのです。で、弁護士先生も頑張って推理しちゃったりなんかして(この発想も良かったな)、盛り上がってきたところで第2部へ。今度は犯人からの視点で語られる倒叙形式。本格ミステリというよりも、サスペンス物のような雰囲気になります。本当はこちらの第2部の方が、おそらく貴志さんの本領発揮なんでしょうね。...でも私は1部の方が面白かったなあ。あの盛り上がりを分断されてしまったし、最終的な謎解きが唐突な気がしちゃって、それだけはちょっと残念でした。とは言っても、これが犯人の心情を描くには一番なんでしょうし、それがなかったら全然説得力がなくなっちゃうんですよね。
これはぜひシリーズ化して欲しいな。で、榎本径の過去の話なんぞも読んでみたいものです。ふふっ、これは楽しそう♪(角川書店)


+既読の貴志祐介作品の感想+
「硝子のハンマー」貴志祐介
Livreに「青の炎」の感想があります)

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インドを舞台にした短編集。古い時代のインドから未来のインドまで、舞台となる時代は様々なんですが、でもどれもインドならではのエキゾチックで妖しい雰囲気がたっぷり。こういうのやっぱり好きだなあ。タニス・リーの耽美な作風にもぴったり。
「龍(ナーガ)の都」「炎の虎」「月の詩(チャーンド・ヴェーダ)」「運命の手」「象牙の職人」「輝く星」「タマスターラー」という7編が収められているのですが、この中で私が特に好きだったのは、幻想的な「龍の都」と、意外なほど暖かいラストが待っていた「月の詩」。まだタニス・リーは3冊目だけど、タニス・リーってもっと何ていうか、救いがない話を書く人だと思ってたんですよね。なので、この「月の詩」の暖かさにはびっくりしちゃいました。こういうのもいいなあ。...でも救いがない話って本当は苦手な私なのに、タニス・リーだと全然大丈夫で、むしろ逆にその世界にくらくらしてしまうというのがまた凄いところなんですよね。(ハヤカワ文庫FT)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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決して吉兆は占わず、人の不幸だけを恐るべき的中率で当て、多くの自殺者を生み、ついには書店から姿を消したという占い書「フォーチュンブック」。松本市内の書店の倉庫に残っていたこのフォーチュンブック6冊と、その本を巡る人々。そして昭和の歴史に残る数々の大事件が繋がり合っていきます。
最後もびっくりしたし、何とも上手いとしか言いようがないなあ。でもね、雰囲気が暗いんですよー。そのフォーチュンブックのせいなのか何なのか、一種異様な雰囲気。精神状態があまり良くない時に読んだら、引きずり込まれちゃいそうな感じ。
でもやっぱり上手いんですよねえ。(ほおぉっ)(徳間文庫)


+既読の北森鴻作品の感想+
「共犯マジック」北森鴻
「蜻蛉始末」北森鴻
「親不孝通りディテクティブ」北森鴻
「螢坂」北森鴻
「瑠璃の契り」北森鴻
「写楽・考」北森鴻
「暁の密使」北森鴻
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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先日行った花園大学公開講座「ミステリーの魅力」で、近藤史恵さんが海外ミステリ入門編として薦められてた本。近藤史恵さん大好きだし、すっごくキャラ立ちしててフランスでもブレイク中のシリーズということで、とても読みたかった本。
でも... いえ、キャラ立ちは凄いのです、確かに。これでもかこれでもかと個性的な人物が登場。ストーリーはユーモアたっぷりで、テンポも良くて面白い。でもね、読んでても人間関係がなかなか分からないんですよー。その辺りの説明が極めてあっさりしているので、「えっ、これは誰? どういう関係?!」の繰り返し。独身で、たんまりいる弟妹と一緒に暮らしているという主人公の家庭環境を飲み込むだけで、凄く時間がかかってしまいました...。「人間関係が全然ワカラナイー。でもなんだか面白いー」状態。結局なんとか理解したのは、後半に入ってからでしょうか... いえ、一旦分かってしまえば、全然なんてことないんですけどね。でも、こんなに掴みにくくて、それでも面白かったっていう作品も珍しいです、ほんと。やっぱりフランスの作品... だからなのでしょうか...?(笑)
これで人間関係は掴めたから、シリーズ次作はずっと楽しく読めると思います。なんかね、後を引くんですよね、この感じ。うーん、やっぱり面白かったんだな。不思議だなあ)(白水社)


+シリーズ既刊の感想+
「人喰い鬼のお愉しみ」D.ペナック
「人喰い鬼のお愉しみ」「カービン銃の妖精」ダニエル・ペナック
「散文売りの少女」ダニエル・ペナック
「ムッシュ・マロセーヌ」ダニエル・ペナック

+既読のダニエル・ぺナック作品の感想+
「片目のオオカミ」ダニエル・ペナック
「カモ少年と謎のペンフレンド」ダニエル・ペナック
「奔放な読書」ダニエル・ぺナック

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「風流冷飯伝」「退屈姫君伝」「面影小町伝」でこのシリーズは終わりなのかと思っていたら、いつの間にか「あんみつ蜜姫」と、この「退屈姫君 海を渡る」が出ていました。「あんみつ蜜姫」は、どうやら先々代のお殿様(例の光猶院様)の話のようですね。で、こちらの「退屈姫君 海を渡る」には、あのめだか姫が再登場!時系列的には、「退屈姫君伝」の直後のようです。
「海を渡る」という題名から、もしや外国に行ってしまうのか...?!と思ったのですが、そうではありませんでした。参勤交代で国許に帰った夫の直重が失踪してしまって、めだか姫が海路風見藩へ...という意味の「海を渡る」。そりゃそうですよね、鎖国の時代なんですから!いくらめだか姫でも、海外には行かないですよね。(笑) ...や、江戸にいる正室が国許に行くこと自体、実際にはすごいご法度なわけなんですが。(笑)
これまで「風流冷飯伝」と「退屈姫君伝」では、同じ風見藩の話でありながら、舞台が国許と江戸とに分かれて、直接的な接点がなかったのですが、今回はどちらのこの2つの作品の登場人物たちの競演が見られるのが嬉しいところ。講談調の軽妙な語り口も相まって、賑やかで楽しい作品となっています。このシリーズは、まだまだ続きそうですね。(新潮文庫)


+既読の米村圭伍作品の感想+
「退屈姫君 海を渡る」米村圭伍
「おんみつ蜜姫」「退屈姫君恋に燃える」米村圭伍
「紀文大尽舞」米村圭伍
Livreに「風流冷飯伝」「退屈姫君伝」「面影小町伝」の感想があります)

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たらいまわし企画第5回「あなたが感銘を受けた本は?」で、picoさんが挙げてらした本。白洲正子さんの本は、「西行」を積んでいたんだけど、そちらはすっかり忘れてました...(^^;。
picoさんの紹介を見た時に、何を考える間もなく、志村ふくみさんの「一色一生」「色を奏でる」を連想したんですが、本当にこの本の中で志村ふくみさんが紹介されていたのでびっくり!picoさんは、「プロじゃない人は嫌いです。贋作師話に特に感銘しました。」と書かれてただけだったのに...。何か通じるものがあったのでしょうか♪ (というか、見当違いのことを書き込んでなくて良かったーと安心したのですが・笑)

で、この本なんですが、「藝術新潮」に1年半に渡って連載されていたというもの。18章の中で、扇や染色、石積み、焼きもの、木工... と、様々な分野の職人さんたちが紹介されていきます。この中で一番印象に残ったのは、砥石のくだり。「良質の仕上げ砥石になればなる程、刃物を選び、悪い刃物を砥ぐと、血の匂いがするが、よい刃物を合わせると、忽ち吸いついて、香のような芳香を放つ」ですって。ここで砥いでるのは、木工用の道具なんですよー。日本刀の話じゃないのに、なんだかびっくりしてしまいます。というか、ちと怖い...。あと、ジュエリー・デザイナーの朝山早苗さんが載ってたのには驚きました。前の仕事柄、朝山さんのデザインもよく扱ってたんですけど、この本に載るほどの方だったとは... いやん、失礼(^^;。
様々な職人さんたちのそれぞれの拘りの姿を見ていると、「なるほどなあ...」がいっぱいあって、なんだかまるで目の前が開けるような気が。いや、ほんと「感銘を受けた本」に選ばれるのも納得の1冊でした。(新潮文庫)


+既読の白洲正子作品の感想+
「日本のたくみ」白洲正子
「西行」白洲正子
「遊鬼」白洲正子

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「希望の形」光原百合

見ず知らずの女の子に、突然彼氏になって欲しいと言われた「俺」。10万円というバイト料につられて、オーケーするのですが...。
わー、いつもと雰囲気が違うんですね。えええ、そっちの展開になっちゃうの...?と思ったら、最後はちゃんと収まるところに収まってくれて、ほっ。...なんだか、違う意味で、とってもスリリングな短編でした。(?)
一矢と正憲、案外いいコンビかもしれないなあ。正憲の最後の台詞、なんかいいし♪ で、この頑固オヤジは、まるで「みんなの家」の田中邦衛みたいだなー。(笑)


+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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