Catégories:“2004年”

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江戸末期。上野の端にある小さな神社の禰宜を務める弓月の元を訪れたのは、由緒正しい大神社の権宮司・佐伯彰彦。彰彦は、弓月の夢告(ゆめつげ)の能力で、神社の氏子である蔵前の札差・青戸屋の1人息子の行方を占って欲しいと言うのです。
畠中さんの江戸時代物!やっぱりこの方は、江戸時代が合ってるんでしょうねー。どうしても若旦那のシリーズのインパクトが強いので、同じ江戸時代が舞台となると、どんな風に特徴を出すんだろう... とちょっぴり心配していたのですが、心配無用でした。こちらは妖怪こそ出ませんが、主人公の弓月もいい味出してますし、ほのぼのとして暖かくて、やっぱりこの雰囲気は大好きです(^^)。...ちょっと頼りなくて、でもやる時はやるゾ!って弓月のキャラクターは、若旦那と少しかぶってるんですけどね。(笑)
青戸屋の1人息子は一体誰なのか、神社に集まった彼らを狙うのは誰なのか、という謎が中心にあるし、弓月のゆめつげの能力が、本人にもなかなか意味が解けない謎の情景ということで、立派にミステリ仕立てと言える作品なんですが、でもミステリという以前に1つの物語として面白かったです。シリーズ化して欲しいような作品だけど、でもこれはもうこれでお仕舞いかなあ。ちょっともったいないような気がするけど、これは仕方ないかなあ。(角川書店)


+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「おまけのこ」
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
「いっちばん」畠中恵
Livreに「しゃばけ」「ぬしさまへ」「百万の手」「ねこのばば」の感想があります)

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真敷市の公民館創立20周年記念ショウが行われることになり、地元のアマチュア奇術師たちの集団・マジキクラブも出演することに。数々のハプニングに悩まされながらも、なんとか迎えたフィナーレ。しかしその頃、メンバーの1人は自宅で殺されていたのです。
うわあ、面白かった! こんなに楽しい作品を今まで読まずにいたなんて勿体なかった!
ええと、作品は3部構成となっていて、まず第1部はマジックショウですね。ここでのエピソードもすごく楽しいんですが、この作品で何といっても特筆すべきなのは第2部。ここでは、第1部で起きた殺人の見立てに使われた、「11のとらんぷ」という短編集が読めるんですよー。これがもう独立した1つの作品として読んでもいいぐらいの面白い作品。こんな作品を作中作に使っちゃうなんて、勿体ないんじゃ... と他人事ながら心配してしまうほど。いや、すごいですね。さすが短編の名手・泡坂氏。そして第3部は解決編。ここでも、あーんな所にもこーんな所にも伏線が張ってあったことが分かって、もうびっくり。
いやー、ほんと隅々まで気の行き届いた作品だったんですね。まるで本物のマジックショウを見てたみたいに気持ち良く騙してくれて、すっごく面白かったです。これが長編デビュー作だっただなんて凄いわあ。と、大絶賛なのでした。読んで良かった♪ (画像は創元推理文庫ですが、読んだのは双葉社文庫です)


+既読の泡坂妻夫作品の感想+
「11枚のとらんぷ」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 秘の巻」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 戯の巻」泡坂妻夫
Livreに亜愛一郎シリーズ、ヨギ・ガンジーシリーズ、「乱れからくり」「煙の殺意」「毒薬の輪舞」の感想があります)

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「長い影」有栖川有栖

既に閉鎖されていた工場から死体が発見され、アリスと火村、そして鮫山警部補は、深夜の工場から人影が出てくるのを目撃したという夫婦の家を訪れます。
作家アリスシリーズの短編。この人が犯人なんだろうなという人物はいて、実際その通りだったんだけど、その人物が犯人だと断定されるまでの過程が緊迫感たっぷりで面白かった! 丁度刑事コロンボが犯人を追い詰めていく感じですね。あ、今はコロンボよりも古畑任三郎を引き合いに出す方がいいのかしら。(笑)

「恋愛で死神」伊坂幸太郎

7日間ある人間を調査し、その人間が死ぬべきだと判断すれば「可」と報告、死ぬ必要がないと考えれば「見送り」と伝える、調査部の死神たち。その日も死神の「千葉」は、対象となった荻原が死んでいるのを確認していました。
「死神」というのがある種の比喩的表現なのかと思ってたら、これが本当の死神でびっくり!(笑) なんで「荻原」が調査対象になったのかが良く分からないし、死神たちの世界のこともシステムのことも全然分からなかったんだけど、でも7日間の話は面白かった。最初から結末が分かってるとはいえ、最後は「なんでよ?」だったんですけどね。これはシリーズ物になるのかな。楽しみになっちゃう。

「扉守」光原百合

瀬戸内の町の高校に通う林雪乃は、その日の朝、ふと通りがかった路地で小さな店に気付きます。その日の放課後、雪乃は早速「セルベル」というその雑貨店に行くことにするのですが...。
冒頭の、雪乃のシーンでびっくり。「雪乃」という名前も「子ウサギ」もどちらも白いイメージだから、その変化がまた強烈で。一体何があるんだろうと思ったら... なるほど! 子犬のエピソードが重なってくるのが、何とも言えずいいなあ。ミステリアスな雰囲気がとても素敵なファンタジーでした。ええと、これもシリーズ物ってことでいいのかな? 光原さんの作品って、どれもこれもシリーズ化して長く続けてもらいたくなっちゃうんですけど。(笑)


他にもいくつか読んだんだけど、感想はこのぐらいで。
それと「小説NON」は、昨日行った本屋には置いてなかったので、また明日にでも大きな本屋に行ってきまーす。


+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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12人の女性作家によるアンソロジー。この1冊の中に、色んな「あのころ」が入っていて、どの「あのころ」も切なくて痛くて、でも優しくて、どこか懐かしい感じ。読みながら、やっぱり「今」があるからこそ、「あのころ」があるんだよねえ、としみじみとしてみたり。(あ、本当は、「あのころ」があるからこそ、「今」があるんだよね 笑) この中で私が特に好きだったのは、加納朋子さんの「モノレールねこ」、中山可穂さんの「光の毛布」、光原百合さんの「届いた絵本」の3作かな。「モノレールねこ」の「タカキ」、最高! 「光の毛布」は、主人公の咲もいいけど、この毛布がいいんですよねえ。「届いた絵本」は、最後の最後で決定的に幸せな気持ちになれるのが好き。
近藤史恵さんの「窓の下には」の、あのどこかこわーい雰囲気も近藤さんならではだし、狗飼恭子さんの「町が雪白に覆われたなら」の独特の雰囲気もいい感じだったし、久美沙織さんの「賢者のオークション」も何気に可愛かったし、どれもそれぞれに良かったです。お初の作家さんも5人いて、新しい出会いにもなりました。(ダ・ヴィンチブックス)


+シリーズ既刊の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編

+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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ということで、読み終わりました、「蒼穹の昴」!
面白かったですー、一気に読んでしまいました。...でもすごく面白かったんだけど、後半は新聞記者とかの視点に移り変わってしまって、主役2人の比重がかなり小さくなってしまったのは残念だったな。前半は史実以外の物語の部分が大きくふくらまされてて、そういう肉付けの部分が凄く面白かったのに、後半は史実に負けてしまったような... 主役の2人は、もちろん光緒帝派と西太后派として重要な役回りなんだけど、でももう既に個人のドラマというレベルではなくなってしまったから。それはこの作品の良い面でもあるんでしょうけど、でも1巻2巻を読み終わった時点で、少し違う方向性を期待してしまったんですよねえ。(^^ゞ
とは言え、それでもやっぱり面白かったです。普段中国物を読んでいると、私が好きなのはもっと古い時代のせいか、他の国との交流があまり出てこなくて、中国だけで完結していることがほとんどなんですよね。それがこういう清の時代、それも末期の話ともなると、日本を含めた諸外国の存在も無視できなくなってきていて、それが中国物としてまたすごく新鮮でした。ここから今の時代に繋がるんだなあって実感。現代に通じるマスコミのペンの力みたいなものも良く分かりますしね。実在を実感できる歴史というか何というか。...で、まずはここから「ラスト・エンペラー」に繋がるのね。(笑)
でも西太后って、本当の本当のところは、どういう女性だったんだろう?? どんな人だったのか、歴史を遡って覗き見てみたい!!(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「蒼穹の昴」1・2 浅田次郎
「蒼穹の昴」3・4 浅田次郎
「珍妃の井戸」浅田次郎

+既読の浅田次郎作品の感想+
Livreにきんぴかシリーズ、「プリズン・ホテル」「天切松闇がたり」1の感想があります)

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ということで、2巻まで読了。ハードカバーは全2巻ですが、文庫は全4巻となっているので、丁度半分読んだことになります。いやー、面白いっ。中国物好きとは言っても、清の時代に関してはあまり詳しくない私なんですが、去年陳瞬臣氏の「阿片戦争」や「太平天国」を読み、今年になって井上祐美子さんの「雅歌」を読んで、自分の中でだんだん歴史が繋がってきました。こうやって徐々に繋がっていくのが、歴史物の醍醐味ですよねえ(^^)。
ええと、中心となる人物2人は架空の人物なんですが、西太后、光緒帝、袁世凱ら歴史上の有名人物も登場してて、で、この中でびっくりしたのが西太后の描かれ方!「有名」というよりも「悪名高い」と言った方がぴったりの西太后なんですが、こんな風に描かれてるなんて面白いなあ。しかも彼女の祖父に当たる乾隆帝とカスチリョーネ(郎世寧ですね)のエピソードがすごくいいのです。あと、科挙や宦官についてもかなり詳しく書いてあって、その辺りも興味深いですね。特に科挙。これまでも色々読んで、大変だったんだなあとは思ってたんですど、本当に途轍もなく凄まじい試験だったんですね...。日本の受験戦争なんて、これに比べたら甘い甘い。日本の受験は、試験会場で気が狂ったりなんてしないですもんね。
今のところ一番好きな場面は、主人公の春児が、宮廷を出た老宦官たちの住む老公胡同に一緒に暮らしているところです♪ (講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「蒼穹の昴」1・2 浅田次郎
「蒼穹の昴」3・4 浅田次郎
「珍妃の井戸」浅田次郎

+既読の浅田次郎作品の感想+
Livreにきんぴかシリーズ、「プリズン・ホテル」「天切松闇がたり」1の感想があります)

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国立公園の山の奥に建てられた、一軒クラシックホテルで繰り広げられる物語。アラン・レネ監督のフランス映画「去年マリエンバードで」をモチーフに、ホテルに滞在していた6人の視点から語られていきます。この「去年マリエンバードで」という映画は、確か高校生の頃に観たことがあるんですけど、なんとも不可解で不思議な映画だったんですよね。メビウスの輪みたいな印象で。で、この作品もまさしくそのメビウスの輪のような作品でした。しかもこの作品は「第一章」「第二章」ではなくて、「第一変奏」「第二変奏」という言葉が使われてるんですけど、これがまたぴったりなんですよー。変奏曲というのは、1つの主題があって、確かにその同じ主題が元でありながらも、少しずつ姿を変えていく感じ... でいいんでしょうかね? 第一変奏から第二変奏へ、そして第三変奏へ、そして第六変奏まで、それぞれに少しずつ重なりながらも、どんどん姿を変貌させていきます。いやー、こういう雰囲気はほんと大好き。...って、恩田さんの作品を読むたびに言ってるような気がするんですけど(笑)、でもほんと良かったです。なんとも美しくて濃厚で、でも毒があって。いいですねえ。
...でもこの本の画像のためにAmazonを検索してみたら、あまり好意的な評がされてなくてびっくり。もしかして好き嫌いが分かれる作品なのかしら。私はこういうの大好きなんだけどなあ。(文藝春秋)


+既読の恩田陸作品の感想+
「夏の名残りの薔薇」恩田陸
「小説以外」恩田陸
「ユージニア」恩田陸
「蒲公英草紙」「光の帝国」恩田陸
「酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記」恩田陸
「ネクロポリス」上下 恩田陸
「エンド・ゲーム」恩田陸
「チョコレートコスモス」恩田陸
「中庭の出来事」恩田陸
「朝日のようにさわやかに」恩田陸
「木洩れ日に泳ぐ魚」恩田陸
「いのちのパレード」恩田陸
「猫と針」恩田陸
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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