Catégories:“2004年”

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明治維新によって江戸時代が終わりを告げ、新政府が発足。まだその体制が整いきっていない頃、腐敗した役人を裁くための役所「弾正台」が作られます。その弾正台で大巡察として活躍するのが香月経四郎と、後に初代警視総監となった川路利良。そして2人は様々な犯罪に出会うことに。
伝奇小説で有名な山田風太郎氏によるミステリ作品。最初は長編のように始まるのですが、3章以降は連作短編集のような作りになっています。...実はこの最初の2章がどうも退屈で... 何度読み返しても頭に入ってこなくて困ってしまいました。ほとんど挫折しそうになったほど。でもここで諦めちゃダメ。3章からはずんずんと面白くなります! 奇怪な不可能犯罪の目白押し。で、このトリックにもびっくりなんだけど、作品最後の真相にはボーゼン。いやー、そういうことだったのね。これは驚いた。
謎解きをするのは、香月経四郎の愛人のフランス女性・エスメラルダ。彼女の推理部分が全部カタカナで読みにくいのだけはネックなんですけど、でもこれは頑張って読むべし!(ちくま文庫「山田風太郎明治小説全集7」)


+既読の山田風太郎作品の感想+
「明治断頭台」山田風太郎
「警視庁草子」上下 山田風太郎
Livreに「魔界転生」の感想があります)

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たらいまわし・本のTB企画「第5回 あなたが感銘を受けた本は?」で、せいこさんがあげてらした本。...この企画のおかげで、私の「読みたい本リスト」は、以前よりも一層長くなってます。(笑)
そしてこの「体の贈り物」は、「汗の贈り物」に始まる11の連作短編集。死期が迫り、自分の身の回りのことが上手くできなくなったエイズ患者たちを訪ねるホームケア・ワーカーが主人公。週に何度か訪問し、家を掃除し、料理を作り、入浴させ、話し相手となり、時には患者を抱きしめる...。そんな日々が、とてもシンプルな文章で淡々と描かれています。...とは言っても、「エイズ」という言葉から想像するような、普通の闘病記とはまた全然違うのです。本当に、信じられないぐらいシンプル。余分な情報がすっかりそぎ落とされている状態で、あまりに情報がなさすぎて、最初は主人公が男性なのか女性なのか分からなかったぐらい。主人公がホームケア・ワーカーとして働くようになったきっかけの話なども、まるでないんですよね。でもそれが逆に、「今」を鮮やかに浮かび上がらせているようで、すごく胸に迫ってきます。これは感銘を受けるというのも良く分かるなあ、という作品でした。(新潮文庫)

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200歳とも300歳とも言われるすっぽんの徐庚先生に師事している、県令の1人息子・趙昭之。今日も2人で香山の照月亭へと赴き、街を見下ろしながら世の中のことについて学んでいます。
森福さんお得意の、中国を舞台にしたミステリ風味の連作短編集。「森福版"聊斎志異"」という言葉にも納得の少し不思議な雰囲気が漂います。すっぽんの徐庚先生は、本当に「すっぽん」の化身だし、その他にも幽霊や人面瘡が当たり前のように登場。でもそんな妖異が登場しても素朴でのんびりとしていて、こういう雰囲気は大好き。
でも、とても面白いんだけど、どこか決め手に欠ける気もするんですよね。短編同士の繋がりが薄いからかなあ。キャラクターのインパクトが弱いのかなあ。(昭之のお父さんとお母さんは好きなんだけど!)それにいくら社会勉強と言っても、他人の生活を勝手に覗き見してるというのがちょっとね。しかも高みの見物だし...。この部分でもう少し説得力があれば良かったのになあ。(光文社)


+既読の森福都作品の感想+
「琥珀枕」森福都
「漆黒泉」森福都
「狐弟子」森福都
「楽昌珠」森福都
「肉屏風の密室」森福都
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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「南ドイツ新聞マガジン」に連載している(どうやら現在も継続中みたいです)という、アクセル・ハッケのコラムを本にまとめたもの。なかなかシュールでウィットが効いてて、面白かったです。特に面白いのは、冷蔵庫との対話シリーズ。「捨てられるのではないか」と常に怯えてる、ちょっぴり古い型の冷蔵庫の名前はボッシュ。彼がなんとも言えないいい味を出しています。で、ビール片手のハッケとボッシュの会話は、完全におやじのぼやきなんですよね。(笑)
でもハッケときたら優柔不断だし、要らない物も捨てられないし、冒険心がまるでない小心者だし、新しい物、特に機械関係は大の苦手だし、奥さんのパオラにやり込められるのももっともだーって感じ。私だって、これじゃあやり込めたくなっちゃいますよぅ。それでもハッケとパオラはやっぱりいいコンビだし、2人の息子のルイスも合わせて、とってもいい家族なんですけどね。
いつもコンビを組んでいるミヒャエル・ゾーヴァのイラストが今回は表紙しかないのは残念でしたが、でもこの話にゾーヴァだったらどんな絵をつけるのかな、と想像するのも楽しいです。(三修社)


+既読のアクセル・ハッケ作品の感想+
「キリンと暮らす クジラと眠る」アクセル・ハッケ ミヒャエル・ゾーヴァ
「冷蔵庫との対話」アクセル・ハッケ

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平らな地球シリーズの第2弾。平たい地球シリーズ第2弾。こちらは「闇の公子」のようなオムニバス形式ではなく、普通の長編でした。まあ、それはそれでいいんですけど、やっぱり訳者さんが違うという違和感がありますねー。室住信子さんの訳も決して悪くないんだけど、やっぱり1作目の浅羽莢子さんの訳のインパクトが強かったし。
物語の中心となるのは、人間の永遠のテーマでもある「不死」。この「不死」をめぐって、地上の人間が、死の王・ウールムと闇の公子・アズュラーンの争いに巻き込まれていきます。ある意味、「闇の公子」以上に夢のような情景が繰り広げられるんですけど、いざ手に入れてしまった「不死」は、それまで思い描いていたような素敵なものではなくて...。夢のような情景は、所詮虚像。甘さの中にほんのり苦味のある話でした。それでも、例え虚像だと分かってても、それでもやっぱりこの世界には憧れてしまうのね。(ハヤカワ文庫FT)


+シリーズ既刊の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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「都会のトム&ソーヤ」第2巻。前回に引き続き、謎の天才ゲームクリエイター・栗井栄太を追う内人と創也。相変わらずの内人のサバイバル能力もいいし、創也の冷静な頭脳派でありながら、意外と考えなしに行動しちゃうとこもお茶目で良かったです。内人の「おばあちゃん」もいい味出してる! でも話としては、1巻の方が面白かったかな。こちらは栗井栄太の正体が明かされるという大イベントがありながらも、どこかこじんまりとしてたような気がします。(講談社Ya!Entertainment)


+シリーズ既刊の感想+
「都会のトム&ソーヤ1」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「都会のトム&ソーヤ2 乱!RUN!ラン!」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ3 いつになったら作戦(ミッション)終了?」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ4 四重奏(カルテット)」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ5 IN塀戸(VADE)」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ6 ぼくの家へおいで」はやみねかおる

+既読のはやみねかおる作品の感想+
「虹北恭助のハイスクール・アドベンチャー」「笛吹き男とサクセス塾の秘密」はやみねかおる
「オリエント急行とパンドラの匣」はやみねかおる
「卒業 開かずの教室を開けるとき」はやみねかおる
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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15歳の誕生日に家出をした「田村カフカ少年」と、猫の言葉が分かる「ナカタさん」、それぞれの視点から進行していく物語。最初はなかなか波に乗れなかったんだけど、1巻の後半からは一気に面白くなりました。でもねー、確かに面白かったんだけど、ちゃんと理解してるかと言われると不安なものが...(^^;。古今東西の文学や哲学からの引用がやたらと多いし、色々なモチーフが凄く暗示的なのです。プラトンの「男男・男女・女女」の話とか、面白かったですけどね。図書館館長の佐伯さんやナカタさんは、神様にすぱっと割られちゃった人たちなのかなー、とか考えたりして。
2人の人物の視点から語られていくところとか、図書館や森が重要なモチーフとなってるところが、まるで「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」。あれをもっとシュールにした感じ。でもやっぱり私は、「世界の終わり~」の方が好きだなあ。「海辺のカフカ」には、「世界の終わり~」を読んだ時ほどののめり込み感はなかったし、あの作品ほど何度も読み返したくはならないと思うし。あ、でも「世界の終わり~」もしばらく読んでいないので、頭の中で勝手に美化してる可能性がありますけどね。(笑)(新潮社)


+既読の村上春樹作品の感想+
「海辺のカフカ」上下 村上春樹
「雨天炎天」村上春樹
他の作品に関してはほとんど感想を書いていませんが、Livreに「村上ラヂオ」の感想があります

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