Catégories:“2004年”

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私の大好きな!クレイグ・ライスの作品を訳してらっしゃる小泉喜美子さん。でもこの方が小説も書いてらっしゃるというのは、若竹七海さんの「スクランブル」を読むまで知らなかったんですよね。で、ずっと読んでみたかったんですが、作品はほぼ全て絶版。
これは、進駐軍時代に日本語ペラペラになった私立探偵・ガイ・ロガートが、再び日本にやってきて繰り広げるユーモアたっぷりのハードボイルド。あとがきに、クレイグ・ライスやカーター・ブラウンのような明るく楽しいハードボイルドを書こうと思ったとある通りの、本当にまるでそのままライス作品を読んでいるような楽しい作品でした。それでもって、正統派ハードボイルドをちょっとパロディにしたような感じでもあるんですよね。登場する女性はあくまでも女性らしく(笑)、探偵役のガイ・ロガート自身は、フィリップ・マーロウやリュウ・アーチャーをもーっとずーっと愛嬌たっぷりにして、ずっこけさせたようなタイプ。(笑) まあ、犯人と結末に関しては予想がつきますが、それはご愛嬌。最後まで楽しく読める作品でした。(徳間文庫)


小泉喜美子さんを続けていこうかとも思ったんだけど、やっぱり次は画像が出る本を読もう...。あと、カーター・ブラウンって読んだことないんですよね。こちらも要チェックだな。


+既読の小泉喜美子作品の感想+
「殺人はお好き?」小泉喜美子
「メインディッシュはミステリー」小泉喜美子
「弁護側の証人」小泉喜美子

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各国の移民たちの吹き溜まりの街、モントリオールのザ・メインで起きた殺人事件。この街を知り尽くし、街の法律でもあるラポワント警部補は、押し付けられた新人刑事と共に事件を調べ始めます。
ミステリというよりもハードボイルド。でもこれはもう既にそういう範疇を超えてる作品かも。主人公は確かにラポワント警部補なんだけど、本当の主人公はこのザ・メインという街に違いないです。移民だの売春婦だの浮浪者だのがうろつく猥雑な街が濃やかに描かれていて、ものすごい存在感なんですもん。もうほんと、凄いんですよ。上手く説明できませんが、もうほんと「いぶし銀」という言葉がぴったりくるような作品で、すっごく良かった!! この作品だけ見ると、原尞さんに近い雰囲気かな。2人とも寡作なところも共通してるし。(笑) でも以前に読んだ「バスク、真夏の死」(これも良かった)は、また全然違う作品なんですよね。そして「アイガー・サンクション」「ルー・サンクション」「シブミ」、15年ぶりに出た新作「ワイオミングの惨劇」(そういえば、原さんも今度10年ぶりの新作が!)といった他の作品も、また違う雰囲気らしい...。ぜひとも全作品制覇したくなる作家さんです。(角川文庫)


それにしても、画像の出ない本ばかり。画像がないと地味だなー。で、次の本も画像が出ないんだよね(^^;。


+既読のトレヴェニアン作品の感想+
「夢果つる街」トレヴェニアン
「シブミ」上下 トレヴェニアン
「ワイオミングの惨劇」トレヴェニアン
Livreに「バスク、真夏の死」の感想があります)

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古い劇場のバルコニーが落ち、その下敷きになった22人の児童が亡くなるという惨事。16歳のジョン・ポール・コルバートは、その時丁度バルコニーにいたことから、そして暗闇の中でマッチを擦ったことから、25年経った今でも電話や手紙、そして新聞記事に「人殺し」と責められながら、ひっそりと暮らしていました。
ということで、昨日に引き続きコーミア。前回のサスペンスから一転して、今回はホラーでした。劇場のバルコニーが落ちたのは、劇場主が老朽化を知ってて放っておいたから。でもその劇場主が自殺しちゃうから、遺族のやり場のない怒りは、ジョン・ポールにぶつけられるんですよね。遺族のやるせない気持ちも、25年経っても遺族にとっては事件は風化しないというのも分かるんですけど... それで25年を費やしてしまうってどうなんだろう? ジョン・ポールだってまるで責任がないわけじゃないけど、でもだからってどうすればいいの?
あ、でもこの作品の主人公はジョン・ポールではなく、実は息子のデニー。彼もまた、「人殺しの息子」とののしられたり白い目で見られたりしてるんですよね。彼自身には、何も係わり合いのないことなのに。
...そしてそんな恨みの1つが息子の方に向かった時...
実はそっちがメインです。ということで、すっかりズレたことを書いてますが、でも昨日の「僕が死んだ朝」よりも良かったな。(扶桑社文庫)


+既読のロバート・コーミア作品の感想+
「ぼくが死んだ朝」ロバート・コーミア
「真夜中の電話」ロバート・コーミア
Livreに「チョコレート・ウォー」「フェイド」の感想があります)

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5?6歳の子供ばかり十数人を乗せたバスが、4人のテロリストにジャックされます。しかし、その日初めての殺人を犯すことになっていたミロ・シャンタスにとって計算外だったのは、そのバスの運転手が女性だったこと。金髪の女子高校生ケイトが、病気のおじの代わりに運転していたのです。
以前「チョコレート・ウォー」と「フェイド」を読んで、「チョコレート・ウォー」は今ひとつピンと来なかったんですが、「フェイド」がとても良かったコーミア。その後古本屋で、「ぼくが死んだ朝」と「真夜中の電話」を入手してたのですが、それっきりになってたんですよね。で、積読本リストを作った時に出てきたので、久々に読みたくなったんですが... この作品もあまりピンと来なかったかな。
でも後味はあまり良くないのに、何か後を引くんですよね、コーミアって。普段ならピンと来なかった作品のことなんてすぐに忘れてしまうのに、「チョコレート・ウォー」のことは、なぜかすごく覚えてるし、この作品もそんな存在になるのかもしれません。ちなみにサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」も、私にとってはそんな作品。ということでワケ分からん感想ですが、続けて「真夜中の電話」に行きまーす。(扶桑社文庫)


+既読のロバート・コーミア作品の感想+
「ぼくが死んだ朝」ロバート・コーミア
「真夜中の電話」ロバート・コーミア
Livreに「チョコレート・ウォー」「フェイド」の感想があります)

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下町を舞台にした、ユーモアミステリ。犯人は怪我人が出ないように十分気を付けてるようだし、何か起きるたびに濃い~い町内の人々がわさわさと首を突っ込んでくるので、事件が立て続けに起きても、ほのぼのしたドタバタ。まるで緊張感がありません。はやみねかおるさんの虹北恭助シリーズに、ちょっと雰囲気が似てるかな... 特に、あの中の映画好きの若旦那の出てくる短編ね。(笑)
主人公の3人が町内の人々の濃さに負けてるし、犯人に「そんなことのために、そこまでやるか?!」って言いたくなったりするし、ツッコミ所は色々と。でも細かい部分を気にしなければ、ドタバタぶりがまずまず楽しい作品でした。(創元推理文庫)

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副題は「ヒッチコックのお気に入り」。その名の通り、あのアルフレッド・ヒッチコックが選んだ短編集です。ヘンリイ・スレッサーというのは、「アルフレッド・ヒッチコック劇場」で脚本家をしていた人だそうで、この17編も全て実際にテレビドラマ化されてるんですって。いかにもヒッチコックが選びそうな、遊び心満載で洒脱で、皮肉がたっぷりと利いた作品ばかり。オチも鮮やかです。この本の題名もいいですよねえ。この題名で、ずっと読んでみたかったんですよー。ちなみに原題は、「A BOUQUET OF CLEAN CRIMES AND NEAT MURDERS」。前書きを読むと、これもヒッチコックの命名みたいな感じを受けるんですが、本当にそうなのかな?
アルフレッド・ヒッチコック劇場かー。一度(じゃなくても)観てみたかったなあ。(ハヤカワ文庫HM)

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31人の選りすぐりの若者たちがメンバーとなる「三十一人の会」。毎年1回集まって食事をすることだけが会の規則であり、そして最後の1人となった人間が次の31人を選ぶことによって、会は何世紀もの間続いていました。しかし今のメンバーが初めて顔を合わせてから32年後、会員は既に半数の14人に。死亡率が高過ぎることを気にした会員の1人が、マット・スカダーに調査を依頼します。
マット・スカダーシリーズ12冊目。今回はいつも以上にミステリ物だったんだけど、ちょっと地味だったかな。マットもなんだかんだ言って、「探偵」になってきちゃってるし、既に55歳というのには驚いちゃった。あと、作中に世界貿易センタービルが登場して、どっきり。1994年に書かれた作品だったのね。あの事件は、このシリーズにどんな影響を与えるんだろう...。(二見文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「過去からの弔鐘」「冬を怖れた女」「一ドル銀貨の遺言」「暗闇にひと突き」「八百万の死にざま」「聖なる酒場の挽歌」「慈悲深い死」「墓場への切符」「倒錯の舞踏」「獣たちの墓」「死者との誓い」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「死者の長い列」ローレンス・ブロック
「処刑宣告」ローレンス・ブロック

+既読のローレンス・ブロック作品の感想+
「殺しのリスト」ローレンス・ブロック
「砕かれた街」上下 ローレンス・ブロック
Livreに「泥棒は野球カードを集める」「殺し屋」の感想があります)

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