Catégories:“2004年”

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他のサイトさんよりも既にかなり遅いんですけど、こんなに早くランキングを決めたのは実は初めて! いやー、その年が終わってからじゃないと、ランキングって考えられないんですよね。...なーんて言っても言い訳に聞こえますね。去年も確か春頃にようやくだったし...(^^;。(自分の中で1つのイベントとして確立してないせいかと・笑)

ということで、2004年に読んだ本のうち、一番印象に残った作品はコレ!
タニス・リーの「闇の公子」です。なんともゴージャスなファンタジー。同じタニス・リーの、「白馬の王子」や「ドラゴン探索号の冒険」といったコミカルな作品もとても楽しかったんですが、やっぱり一番は平たい地球のシリーズ。もう本当にこの耽美で絢爛なこの世界には圧倒されました。久々に全作品を制覇したいと思わせてくれた作家さんでもあります。でも絶版が多くてなかなか入手が難しいんですよね...。出し惜しみしながら読んでるんですけど、手元にあと3冊しかなくてカナシイです。

そして2位から5位は、下記の通りです。
2位 「夜のピクニック」(恩田陸)
3位 「アヴァロンの霧」全4巻(マリオン・ジマー・ブラッドリー)
4位 「ツ、イ、ラ、ク」(姫野カオルコ)
5位 「彩雲国物語」(雪乃紗衣)
 

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取り上げられているのは、ルドヴィヒ2世、ゲオルギー・イヴァーノヴィッチ・グルジエフ、ロベール・ド・モンテスキュー、ウィリアム・ベックフォード、ジル・ド・レエ、サンジュスト、ヘリオガバルスという、3世紀から20世紀までの異端とされる7人の人物。同じ澁澤氏による「世界悪女物語」の男性版といったところでしょうか。ヴィスコンティ監督の映画で有名になったルドヴィヒ2世なんかは結構知ってたんですけど、全然名前を聞いたこともない人もいて、でもなかなか面白い人物が揃っていて楽しかったです。それぞれに写真や肖像画、彫像などが掲載されているというのも嬉しいところ。素直にハンサムだなあと思う人もいるんですけど、「えっ、この顔でそんなにモテたのかっ」なんて思っちゃう人も...。(殴)(河出文庫)


+既読の澁澤龍彦作品の感想+
「私のプリニウス」澁澤龍彦
「異端の肖像」澁澤龍彦
「夢のある部屋」澁澤龍彦
「澁澤龍彦初期小説集」澁澤龍彦
「夢のかたち」「オブジェを求めて」「天使から怪物まで」澁澤龍彦
「高丘親王航海記」澁澤龍彦
「東西不思議物語」澁澤龍彦
Livreに「世界悪女物語」「幻想博物誌」「夢の宇宙誌」「フローラ逍遥」の感想があります)

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2000年も昔に、古代ローマの博物学者プリニウスが記した「博物誌」全37巻。その「博物誌」から、澁澤龍彦氏が興味のある部分をランダムに紹介していった本。
この本で一番可笑しかったのは、プリニウスのことを引用魔だと言ってる割に、澁澤氏の引用も相当なこと。アリストテレスやヘロドトスの丸写しだと言いながら、澁澤氏も「博物誌」を丸写ししてたりしませんか...?(笑) とは言っても、引用するだけでなく、それらの引用に対するツッコミも充実。「博物誌」は読んでみたいけど、本格的に読もうと思ったら物凄く大変だし、これは丁度いい入門編にもなりますね。それにしても、絶対存在しないと思えるようなものでも、まことしやかに語られてるのって、ほんと面白いなあ。
で、この中に、一本脚でぴょんぴょん飛んで移動するという単脚族の話が登場するんですよね。暑くてたまらない時には地面に仰向けになって寝て、足で影を作って涼むって... これはどこかで読んだことが! しかも挿絵もあったはず。やっぱりナルニア? だとしたら、「朝びらき丸東の海へ」かしら? 手元に本がないから確認できなーい。(河出文庫)


+既読の澁澤龍彦作品の感想+
「私のプリニウス」澁澤龍彦
「異端の肖像」澁澤龍彦
「夢のある部屋」澁澤龍彦
「澁澤龍彦初期小説集」澁澤龍彦
「夢のかたち」「オブジェを求めて」「天使から怪物まで」澁澤龍彦
「高丘親王航海記」澁澤龍彦
「東西不思議物語」澁澤龍彦
Livreに「世界悪女物語」「幻想博物誌」「夢の宇宙誌」「フローラ逍遥」の感想があります)

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44歳にして突然スノーボードを始めた「おっさんスノーボーダー」こと東野圭吾さんのエッセイ集。もうほんと、スノーボードに始まりスノーボードに終わるんですけど(途中、サッカーのワールドカップ観戦やカーリング奮闘記なんかもあるんですけどね)、いや、楽しいです。まあ、こんなにハマちゃって... と読んでいて微笑ましくなってしまうほど。それに、作家東野圭吾とは、こんな人だったのか!というのも楽しめます。まあ、今までにも「あの頃ぼくらはアホでした」みたいなエッセイ作品はあったので、楽しい方だというのは分かっていたのですが♪ 読みながら、やっぱり大阪人のノリだなあと嬉しくなってみたり。(笑)
それにしても、巻末の写真、かっこいい! 2年でこんなに滑れるようになるのかー。さすが仕事そっちの(以下略)。...あ、黒田研二さん、二階堂さん、貫井さん、笠井さん、京極さんなど、作家さんの名前が登場するのも楽しいです。(実業之日本社)


+既読の東野圭吾作品の感想+
「ちゃれんじ?」東野圭吾
「さまよう刃」東野圭吾
「黒笑小説」東野圭吾
「容疑者Xの献身」東野圭吾
「さいえんす?」東野圭吾
「夢はトリノをかけめぐる」東野圭吾
「赤い指」東野圭吾
「たぶん最後の御挨拶」東野圭吾
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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副題通りの、幻獣をモチーフとした短編集。寓話っぽいのから現代小説風、SFまで幅広いです。タニス・リーなら、私はやっぱり現代風の作品よりも、寓話っぽいのとかファンタジー色の強いのが好きだなあ。でもユニコーンやゴルゴン、ドラゴンといった本当の幻獣も登場するんですけど、猫やカラス、猿といった普通にいるような動物も登場するんですよね。で、そちらの方が、むしろ幻想味が強いようなのが不思議。や、猫は分かるんですけどね。猿がね。(笑)
で、この本、クリムトを彷彿とさせる表紙も綺麗なんだけど、中のモノクロームのイラストがまた物凄く綺麗なんですよー。これを描いてらっしゃるのは、加藤俊章さんという方なんですね。公式サイトはこちら。ここのWorkのコーナーの白黒の女性のイラストみたいなの、大好き! 他のイラストも色々と見てみたいなあ。(ハヤカワ文庫FT)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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サラ金の借金が膨れ上がって取立屋に追われるようになり、勤め先の親方を殴って金と車を持ち出した主人公。最早自分に残されているのは自殺しかないと思いつめるのですが、ことごとく失敗。そして、知らない間に車に乗り込んでいた少年の家が金持ちらしいと知って、突発的に誘拐を企てるのですが、実はその子供の親は... という話。自殺をしようとしながら失敗ばかりしてるところは、なんだか吉本新喜劇的な面白さ。これは楽しくなりそうだー、と期待したのですが... うーん、期待したほどではなかったなあ。きっと主人公と少年のほのぼのぶりや、ドタバタ劇が魅力なんでしょうけどね。主人公と少年の2人よりも、やくざの場面の方が面白かったし。「仲良し小鳩組」もそうだったけど、この人の書くやくざっていい味出してますね。(双葉文庫)


+既読の荻原浩作品の感想+
「誘拐ラプソディー」荻原浩
「母恋旅烏」荻原浩
「神様からのひと言」荻原浩
Livreに「オロロ畑でつかまえて」「なかよし小鳩組」「ハードボイルド・エッグ」の感想があります)

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コピーライターを目指していたアサグレ青年の猫との同居生活を描いたファンタジックな自伝的青春小説。思いがけず猫の「お父さん」にされてしまったアサグレ青年の、ほのぼのほんわかした猫との生活が、何とも言えずいい感じなのです。もうほんと、猫たちが可愛いし♪ (最初の太った猫は、「耳をすませば」のムーンかと思いましたが... 笑)
笑いあり涙あり... というより、にっこりしたりしんみりしたり、って感じで、なかなか良かったです(^^)。でもこの本は一応フィクション。どこからどこまでが本当なのかな? 猫に関する部分は、かなりの比率で本当なのではないかと思うのですが~。


+既読の浅暮三文作品の感想+
「ラストホープ」浅暮三文
「嘘猫」浅暮三文
「実験小説 ぬ」「石の中の蜘蛛」浅暮三文
「夜聖の少年」浅暮三文
Livreに「ダブ(エ)ストン街道」の感想があります)

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自分へのクリスマスプレゼント2冊目。装丁がとても美しい本で、汚したりしないように普段以上に気を使ってしまいました。青のクロス張りにパラフィン紙。さらに函。クロスの青は、ラピスラズリというよりはむしろトルコ石という感じの明るい青なんだけど(ここの画像の色は函の色で、クロスはもっと明るい色)、表紙に飾られたG.F.ウォッツの「希望」という絵が、この明るい青色と良く合っていて、また素敵なんですよねえ。で、よくよく見たら、函の「Lapislazuli」の文字がラピスラズリ色でした。(笑) 
全部で5章に分かれていて、最初の「銅版」で見た銅版画の情景が、次章以降で物語として展開していきます。すごく静かなのに、なんとも言えない雰囲気があって、イメージを喚起させる文章。絵画的というか、時には手触りや匂いを感じるような気がするほど。一読して、まだあまり理解していない部分もあるんですが、でもそういうのは、これからゆっくり理解していけばいいんでしょうね、きっと。キリスト教的な死と再生を強く感じる作品でした。最終章の「青金石」みたいな話が最後に来るところがまた嬉しいのだわ。(国書刊行会)

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Merry Christmas!
今年はほんととんでもない暖冬だと思ってたんですが、昨日から急に風が冷たくなりました。とは言っても、まだまだホワイトクリスマスには程遠いですが...(^^;。 えーと、世間は昨日からすっかりクリスマスモードなんでしょうね。という私は、昨日は年賀状に大掃除。どちらも着々と進行しております♪(でもなんか悲しいゾ!)
ということで、先日、自分へのクリスマスプレゼントとして買った本のうちの1冊です。タイトル通り、そのまんま料理店のメニューみたい。「切ない気持ち」と「ダイヤモンド・ダスト」をシェイクして、冷やした水晶のグラスに注ぐ「ミラージュ・ボール」という食前酒からはじまり、「朝の光」と「苦笑い」、そしてトッピングとして「古いシャンソン」が添えられた、食後の「苦笑い付きコーヒー」までのフルコース・ディナー、追憶のスペシャル・メニュー。ああ、本当になんて素敵。なんとも妖しくてゴージャスな大人の世界でした。うっとり。(小学館)

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時効が迫った夜間銀行詐欺で奪われた1億円を巡るコン・ゲーム。いかにもドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダーシリーズに触発されているというピカレスク小説。同じようにドートマンダーシリーズに触発されているという、伊坂幸太郎さんの「陽気なギャングが地球を回す」の同系の作品ですね。
でも、テンポはいいし、それぞれのキャラクターは立っているはずなのに、前半は何とも言えず読みにくかったです...。登場人物が、かつての泥棒3人組、婆さん3人組、そして現在の宝石強盗3兄弟と、3つの3人組があるんですけど、そういう情報がロクに説明されないまま、視点がどんどん入れ替わるんですもん。もう、何が何やら...。その辺りをもっと整理して書いてくれれば、きっともっと楽しめたのに残念。でもほんとテンポがいいので、前半さえクリアできれば後半はすごく楽しいです。
それにしても浅暮さんって、本当に釣りがお好きな方なんですね。釣りのシーンになると、いきなり力が入ってるし! 釣り(フライフィッシング)好きの人にはいいかも。(笑)(創元推理文庫)


+既読の浅暮三文作品の感想+
「ラストホープ」浅暮三文
「嘘猫」浅暮三文
「実験小説 ぬ」「石の中の蜘蛛」浅暮三文
「夜聖の少年」浅暮三文
Livreに「ダブ(エ)ストン街道」の感想があります)

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稲垣足穂さんの作品に、たむらしげるさんがイラストをつけた絵本。絵本とは言っても、稲垣足穂さんのショートショートが70編ほど収められているので、あまり小さな子供用とは言えないんですけどね。ちょっと前にこの本を戴いて、たむらしげるさんのイラストがとても素敵だったので、しばらく絵ばかり眺めていたのですが、ようやく読みましたー。表紙もちょっとクリスマスっぽいでしょう?(笑)


+既読の稲垣足穂作品の感想+
「一千一秒物語」稲垣足穂・たむらしげる
「一千一秒物語」稲垣足穂

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偶然手元に回ってきたものの、実は読もうかどうしようかかなり迷った作品。お正月までには返す約束なので、もうあんまり時間がなかったんだけど、どうも気分が乗らなくて...。本当は気分が乗らない本を読むのって凄く嫌なんですよね。でも図書館でも予約がいっぱい入ってるような本がせっかく手元に来てるのに、読まないで返すのも勿体無い気もするし... と、結局読んでしまったわ。うーん、私ってば貧乏性。(溜息)
...で、実際読んでみて。読みやすいですね。本多孝好さんらしくない、という話も聞いていたんですが、私はこれまで「MISSING」しか読んでないので、それについては何とも。でも、普通... かな。悪くはないし、すいすいと読めるんですけどねー。
でも、いくらそっくりの一卵性双生児でも、親にも恋人にも見分けがつかないなんてことあるのでしょうか? しかもこの2人の場合、見分けるための凄く有効な方法があるのにねえ。それと5分遅れの時計のエピソードは、一体何だったんでしょ。もっと重要なポイントかと思ったのに、それだけはなんだかちょっと拍子抜けでした。(新潮社)

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「夏期休暇」の方は、画像がでませんが、これはとても長野まゆみさんらしい少年たちの物語。確かに夏なのに、暑苦しいじっとりとする空気じゃなくて、高原のようなからりと乾いた空気を感じるんですよね。...あれれ、舞台は海なのに変かしら(^^;。でも遠雷の響きがすごく似合っていて、なんとも切なくて良かったなあ。
「遊覧旅行」は、JR西日本の「三都物語」のキャンペーンのために書かれたという短編集。京都・大阪・神戸という「三都物語」は関西の人間にとってはお馴染みなんですけど、長野まゆみさんがPR誌に連載してたとは全然知りませんでしたー。最初は普通の旅行エッセイなのかと思ったら、ふとした拍子に幻想的な展開に。なかなか良かったです。1編ずつが5ページぐらいとごく短いので、本当に三都を訪れる旅先で読むにも良さそうな感じ。
...と長野まゆみさんが続いてますが、これでデビュー作の「少年アリス」から「雨更紗」まで通して読めたみたいなので、ひとまずオシマイです。あー、読んだ読んだ。おなかいっぱい。(河出文庫)


+既読の長野まゆみ作品の感想+
「螺子式少年」「夏至南風」「行ってみたいな、童話の国」長野まゆみ
「夏期休暇」「遊覧旅行」長野まゆみ
「夏至祭」「綺羅星波止場」長野まゆみ
「耳猫風信社」「月の船でゆく」長野まゆみ
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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長野まゆみさん3冊。
えーと、「螺子式少年(レプリカキット)」だけ画像が出ませんね。これは映画の「ブレードランナー」みたいな感じです。あまりにも精巧なレプリカントを前に、その存在意義を問うような話。まあ、本物かレプリカかっていうのは、実際には器だけの問題で、中身の人格さえちゃんとしてればいいと思うんですけど... でも知らない間に入れ替わってたりしたら、やっぱり困るなあ。...という、いつもの長野まゆみさんらしい世界に比べて、「夏至南風(カーチィベイ)」は、読んでびっくり。中国っぽい舞台にも驚いたんだけど(イメージ的には上海辺り?)、それまで思わせぶりな描写のまま抑えられてきた部分が、突然全開に! 女の人もたくさん登場するし、なんだかすごくえげつない部分ばかり強調されてるような...。もしやこれはターニングポイント的な作品だったのでしょうかー。やー、ほんとにびっくりだ。
そしてその世界にかなり近かったのが、「行ってみたいな、童話(よそ)の国」。「ハンメルンの笛吹き」「ピノッキオ」「にんじん」という童話の長野さん風アレンジです。元々童話って残酷で性的だったりするものなんでしょうけど、何もここまで全てを性的にしなくてもいいのに... とフロイトの夢判断に似た物を感じてしまったわ。(笑)(河出文庫)


+既読の長野まゆみ作品の感想+
「螺子式少年」「夏至南風」「行ってみたいな、童話の国」長野まゆみ
「夏期休暇」「遊覧旅行」長野まゆみ
「夏至祭」「綺羅星波止場」長野まゆみ
「耳猫風信社」「月の船でゆく」長野まゆみ
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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博物館を作るために、ある老婆に雇われた若い博物館技師は、採用されて、その村に住むことに。老婆が作りたいのは、この世のどこを探しても見つからない、それでいて絶対必要な博物館。老婆が少女の頃からずっと集めてきたのは、死んだ村の人間の形見だったのです... ということで、「沈黙博物館」、ようやく読めました。
形見とは言っても普通の形見ではなくて、娼婦の避妊リングだったり犬の死骸だったりするんですよね。ほのぼのとするような田園の情景に、時々物凄いモチーフが混ざってくるからびっくり。でも話が進むにつれて、そういう「形見の品」の持っている狂気が昇華されていくような感じが良かったなあ。
それにしても、この舞台になる村はどこなんでしょう。日本... ではないでしょうね。でもそれほどかけ離れた場所とも思えないし。もしかして、先日読んだ「寡黙な死骸 みだらな弔い」も、これと同じような場所だったのかしら? すっきりしないまま終わってしまって、気になる部分もあるんだけど、でも全体の雰囲気がとても良かったです。(ちくま文庫)


+既読の小川洋子作品の感想+
「寡黙な死骸 みだらな弔い」小川洋子
「沈黙博物館」小川洋子
「心と響き合う読書案内」小川洋子
Livreに「偶然の祝福」「博士の愛した数式」の感想があります)

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4150201218.jpg 4150201226.jpg [amazon] [amazon]
平たい地球のシリーズの4作目。昨日読んだ「惑乱の公子」の直後の話。
読み始めた時は、「なんかこれまでと雰囲気がちょっと違う...?」と、なかなか話の中に入れず、冒頭50ページを3回ほど読み返してしまいましたが(笑)、やっぱり煌びやかな世界は相変わらずでした~。これまでの3作に登場した人物が沢山登場して、オールキャスト的な楽しみもあるし、新しく登場する人たちがまた凄いんです。でもこの作品の主人公はあくまでも、闇の公子・アズュラーンの娘、アズュリアズ。このアズュリアズの変遷を描く大河ドラマのような作品でした。後半のこの展開も、やっぱりいつもとちょっぴり雰囲気が違う? でも最後のアズュラーンのシーンも良かったなあ。闇の公子も、こうなっちゃあ形無しだなあとも思いましたが。(笑)(ハヤカワ文庫FT)

この本が読めたのは七生子さんのおかげ。七生子さん、ありがとう!!


+シリーズ既刊の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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平たい地球3作目。これまで、闇の公子・アズュラーン、死の王・ウールムときて、今度は惑乱の公子・チャズが主人公なのね... と読み始めたんですけど、あれれチャズって意外と出番が少ない... むしろ全編に渡って登場しているのはアズュラーンのような。いえ、アズュラーンはとても好きなので、それもまた嬉しいんですけどね♪ でも、そうかといって、チャズの存在感があまりなかったわけではないのです。むしろこれだけの登場で、ここまでインパクトが強いというのも結構凄いかも。...ということで今回は、なんだかアズュラーンとチャズの対決といった感じでした。でもアズュラーンはチャズのこと嫌ってるんだけど、チャズはアズュラーンに対して、なんだか屈折した愛情を持ってるみたいなんですよねえ。
以前にも増して麗しい作品で、すっかり堪能しちゃいました。やっぱり浅羽莢子さんの訳は最高だわー。さて、次はどうなるんでしょう! 続けて「熱夢の女王」にいきまーす。(ハヤカワ文庫FT)


+シリーズ既刊の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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服部真澄さんの国際謀略小説第2弾。前回の「龍」の中国の次は、「鷲」のアメリカ。特許制度問題にハッカーを絡めて描いたスケールの大きな作品です。でも、こっちもすごく読み応えがあって面白かったんだけど、私としては1作目の方が好きだったな。登場人物も、もうちょっと整理できそうな気がしちゃったし...。凄い人数がちゃんと書き分けられているのは、さすがなのですが。
それにしても、服部真澄さんの作品というのは、リアルタイムで読まないと辛い作品が多いのでしょうか。前作は香港返還が絡んでいたから仕方ないと思うんですけど、今回はそれほどでもないと思うのに、ふと、ウィンドウズ95が時代の最先端、みたいな文章が登場すると、ちょっと興醒め。それまでのハッカーの場面では、今読んでも古さを感じないような記述をしていたのに、なんだか勿体無いなーって思っちゃった。(祥伝社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「龍の契り」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「鷲の驕り」服部真澄

+既読の服部真澄作品の感想+
「清談 佛々堂先生」服部真澄

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ほんのりブラック風味の、不思議な連作短編集。それぞれの短編が、何かしらのキーワードで次の話と繋がっています。キーワードは人間であったり物であったりと色々。でも、すんなりと素直に繋がっていくのではなくて、ちょっとずつ捩れているんですよね。最後には、どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが幻想なのかが分からなくなっちゃって、メビウスの輪状態。この繋がり方も面白いし、この雰囲気は好きだなあ。全部が繋がった途端、バラバラに壊れてしまいそうな危うさも。(中公文庫)


+既読の小川洋子作品の感想+
「寡黙な死骸 みだらな弔い」小川洋子
「沈黙博物館」小川洋子
「心と響き合う読書案内」小川洋子
Livreに「偶然の祝福」「博士の愛した数式」の感想があります)

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「闇から来た少女」「闇から覗く顔」に続く、ドールズシリーズ3作目。今回は冒頭から血塗れのバラバラ死体が登場、かなりのスプラッタぶりです。駆けつけた警官は、その血の海の中で転んでしまうし、その拍子に、切り取られてた耳が口に入っちゃったり、首が膝の上に落ちてきたりとお気の毒...。そういうのに弱い人は、最初の3ページで既にアウトかも? (でも逆にスプラッタ好きだからといって、シリーズ1作目2作目を飛ばして読んじゃダメですよー)
で、今回の犯人とその正体はかなり早めに想像がついてしまったので、「まさか、そんなことありえない」という登場人物の言葉が空々しく響いたんですけど(今回は次から次へと新しい推理が登場して、そのほとんどに「まさか」「ありえない」という反応があったんですけどね・笑)、でもやっぱり面白かった。目吉センセー、好きだわあ。(角川文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「闇から来た少女」「闇から覗く顔」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「闇から招く声」高橋克彦

+既読の高橋克彦作品の感想+
「白妖鬼」高橋克彦
「鬼」高橋克彦
「火怨 北の燿星アテルイ」上下 高橋克彦
「空中鬼」高橋克彦
「天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実」1~3 高橋克彦
「炎立つ」1~5 高橋克彦
「風の陣」1~3 高橋克彦
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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1963年発表ということで、なんと40年以上前の作品。元はストリッパー、しかし見初められて現在は富豪夫人に納まっている主人公の一人称で語られていきます。作中でも引き合いに出されてるんだけど、まるでダフネ・デュ・モーリアの「レベッカ」みたいな舞台設定。でもこの彼女の語り口があまり好きじゃなくて、ちょっと読みにくくて、で、そっちに気を取られてたら、すっかり騙されてました...。
いや、もう、上手すぎ。何かあるんだろうとは思ってたんですけど、途中で一瞬、ワケが分からなくなりましたもん。これがデビュー作だなんて凄いなあ。名作といわれるのも納得です。...でも見事に騙されたんだけど、個人的なの好みとしては、「殺人はお好き?」みたいなユーモアタッチの作風の方が好きかな。あっちは予想がつく結末なんですけどね。でもやっぱり楽しいんですもん♪(集英社文庫)


+既読の小泉喜美子作品の感想+
「殺人はお好き?」小泉喜美子
「メインディッシュはミステリー」小泉喜美子
「弁護側の証人」小泉喜美子

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9編が収められた短編集。私は見てないのですが、表題作は映画化もされましたねー。
先日の「残花亭日暦」で、久しぶりに田辺聖子さんの小説を読みたくなって、積んでた本の中から引っ張り出してきたのですが、でもこれはそれほどでもありませんでした...。以前大好きだった作品では、もっと女性たちに惹き込まれたのに、今回はそれがほとんどなくて。なんで? 短編のせい? それとも自分がトシを取ったせい? でも9編のうち、「恋の棺」だけは、「コレだ!!」と思える作品でした。この話、ダントツで好きだなあ。でもそう思えたのが1編だけとは、やっぱりちょっとサビシイなあ。(角川文庫)


+既読の田辺聖子作品の感想+
「残花亭日暦」田辺聖子
「ジョゼと虎と魚たち」田辺聖子

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平安時代を舞台にした、陰陽寮きっての術士・弓削是雄の物語。陰陽師といえば、これまで安倍晴明の話しか読んだことがなくて、弓削是雄? えーと、「弓削」は知ってるけど、本当に「是雄」って名前だっけ...? 程度だったんですが (注:レッキとした実在の人物です)、や、想像以上に面白かったです。文庫にして218ページという短い作品なんですけど、その短さを感じさせないというか、この長さに不足を感じさせない起承転結というか、これはいいですねえ。弓削是雄を主人公にした鬼シリーズというのがあるらしくて、これはぜひとも読んで見たくなっちゃった。薄い本だし、ものすごーく期待してたわけじゃなかったのに(分厚い本好き)、なんだか得した気分だわ!(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「白妖鬼」高橋克彦
「鬼」高橋克彦
「空中鬼」高橋克彦

+既読の高橋克彦作品の感想+
「闇から招く声」高橋克彦
「火怨 北の燿星アテルイ」上下 高橋克彦
「天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実」1~3 高橋克彦
「炎立つ」1~5 高橋克彦
「風の陣」1~3 高橋克彦
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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くまのパディントンのシリーズの作者のパンプルムース氏シリーズ第2弾。1作目「パンプルムース氏のおすすめ料理」と一緒に買っていたのに、1作目を読んでから丸3年も間があいてしまいました... というのは、ひとえに1作目がパディントンの可愛らしさからは想像もつかないほど、アダルト~な場面満載だったせい...。(しかもあまり上品とは)
ずっと積みっ放しだし、そろそろ読まなくちゃ、と読み始めたんですが、今回もそういうアダルト~な場面が...? と、最初はかなりの警戒態勢。話としては、フランスのグルメ雑誌の覆面調査員をしているパンプルムース氏が、編集長直々の頼みで、編集長夫人の叔母の経営してるホテルを立て直しに行くことになるのですが... えっ、ホテルの料理に媚薬が?! そしてその媚薬がまず効いてしまったのは、なんと同行していた犬のポムフリット!? ひええええ。(ポムフリットは、パンプルムース氏が食事をする時、いつもテーブルの下で食事を分けてもらっているのです)
でも読み終わってみると、今回は十分許容範囲でした。良かったー。これなら楽しく読めます。必要以上のアダルト~な場面さえなければ、フランスのロワール地方のガイド&グルメな料理とワインがたっぷりですからね。シトロエンの2CV、さぞかしこの風景に似合うんだろうな。ということで、やっぱり艶っぽい場面は、今後もこの程度でさらっと流してくれるととってもありがたいな。(創元推理文庫)

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殺し屋ケラーシリーズの長編。前回は連作短編で、殺しをするために新しい土地に行くたびに、その土地が気に入って不動産屋めぐりをしてしまうケラーが可笑しかったんですが、今回はそういうのはありませんでした。でもやっぱり変なキャラクターです、ケラーって。普段はごくごく常識的な生活を送っている普通の人だし、目下の趣味は切手蒐集。仕事が入ると、まるで普通の出張に行くみたいに出かけていくんですもん。でもその仕事ぶりを見てると、殺し屋という仕事はやっぱり天職なんですよね。一体この造形ってリアリティがあるのかないのか... いや、きっと本物の殺し屋もこんな人物に違いない。じゃなくて、こういう殺し屋もいるに違いない。(笑)
前作の「殺し屋」の方が良かったような気もするし、マット・スカダーや泥棒バーニーに比べると負けてる気はするんだけど、でもやっぱり面白かった。仕事を回してくれるドットとの会話も楽しいんですよね。で、前半、まるで連作短編集のようだなーと思ったら、本当に短編として雑誌に掲載されてたんですね。そういえばジャーロにも載ってた気がするなあ。(二見文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「殺し屋」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「殺しのリスト」ローレンス・ブロック

+既読のローレンス・ブロック作品の感想+
「死者の長い列」ローレンス・ブロック
「処刑宣告」ローレンス・ブロック
「砕かれた街」上下 ローレンス・ブロック
Livreにマット・スカダーシリーズ、「泥棒は野球カードを集める」の感想があります)

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ある朝気がついてみたら、頭のてっぺんに芽が出ていた女の子の話。最初は友達の反応を楽しみにちょっとウキウキしてたのに、誰にも見えないと知ってガッカリ。嫌になってプチンと抜いても、後から後から生えてきちゃう... という、話。10分ぐらいで読めてしまう、絵本のような1冊です。女の子の、ウキウキしたりしょぼんとしたりする姿が可愛いんですよね。こういう本は疲れてる時にもぴったり。なんだかほっとするなあ。(新潮文庫)

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お久しぶりの田辺聖子さん。以前は大好きでよく読んでたのに、気がついたらいつの間にか、あまり手に取らなくなってました。もう、何を読んだのかも良く分からなくなってるんですけど、その中でも特に「私的生活」「苺をつぶしながら」「日毎の美女」は大好きで、表紙が擦り切れるぐらい読んでたんですよねー。独特のほんわりした大阪弁も大好きで。
この本は、田辺聖子さん初の日記。「これ、なかなか良かったよ」とポンと渡されたので、最初はそれしか知らなかったんです。前半は、仕事のことと家族のことが中心。執筆に対談に講演会に文学賞の選考員にと、言わば分刻みのスケジュールをこなしてらっしゃる田辺さんですが、ご主人は車椅子生活だし、お母様も100歳近いから大変そう。でも常に前向きだし、楽しいこと明るいことを大切にしているのが、田辺さんらしくって素敵。で、田辺さんが小説を書き続けているのは、好きなタイプの男性や女性を書きたいからだというクダリで、「おお、なるほど?」と、好きな登場人物たちを思い出してみたり。
後半は、なんとご主人の介護日記でした。わー、吸入とか吸引とか、懐かしい言葉。という私も、そういえば、ほんの数年前は介護に明け暮れてたのでした... や、別に1人でやってたわけじゃないし、仕事もフルでしてたので、明け暮れてたわけではないんですけど(笑)、なんか遠い昔のことみたい。でもこの雰囲気はすごく分かります。周囲の人たちに助けられながら、時には飲みにも行きながら、仕事量を減らしたりすることもなく頑張ってらっしゃる田辺さん。きっとここで「せめてもうちょっと仕事量を減らせば...」と感じる方もいるんじゃないかと思うんですが... でも本人の体力さえもつのなら、この方が絶対いいよ。(と思う)
この本のはじめに、日記というのは、楽しいことはほんの2?3行しか書かないのに、楽しくないことを書く時は熱が入るものだ、というような趣旨のことが書かれていて、なるほどそんなものかもしれないなあ、とちょっと可笑しかったです。楽しい時も悲しい時も、田辺聖子さんはあくまでも田辺聖子さん。この日記から見えてくる姿は、私の思い描いていた田辺聖子さんの姿とぴったり重なってくれて、なんだか嬉しかったな。(角川書店)


+既読の田辺聖子作品の感想+
「残花亭日暦」田辺聖子
「ジョゼと虎と魚たち」田辺聖子

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修道士カドフェルシリーズ7作目と8作目。
7冊目は昨日読み終わってたんですけど、だんだん書きにくくなってきたので一緒に。(シリーズ物ってムズカシイー)
ええと、この2冊は女性がすごく印象的でした。家を守り、夫に仕え、子供を育てるのが女性の最大の仕事だったこの時代、それでも自分の運命を勝ち取るためにあがいている女性たちもいたというのが、なんか嬉しい。カドフェルがいる地方はかなり平穏なんですが、時代もかなり動いているようです。でも私、この頃のイギリスの歴史ってあんまり知らないんですよね。それってやっぱりちょっと勿体無いかも... と思い始めたので、シリーズの次の本に行く前に、軽くおさらいしておこうと思います。まあ、5冊立て続けに読んだことだし、ここらでちょっと一休み。そろそろ違う本に行ってみようっと。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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綺麗な表紙に惹かれて、衝動買い。インターネット古本書店さんの海月(くらげ)書林の市川慎子さんが出された本です... って、私はまだ古本屋を利用させて頂いたことはないし、そもそも名前にぼんやりと聞き覚えがあった程度なのですが、でもこの本が素敵なのです!
もう何ていうか、見てるだけでうっとり。本作り心も刺激されるし(最近全然作ってませんが...)、装幀好き心も刺激されるし(これは本作り心と一緒かしら)、とにかくツボ。昭和20年辺りからの本を中心に、写真が沢山収められてるんですが、眺めてるだけで幸せになっちゃう。この頃の本って、今とはまた違う味わいがあっていいですよね。「大正ロマン」に対して、「昭和モダン」。いいなあ。もうほんと、どれも読みたくなっちゃいます。そうそう、両親祖父母の本棚を見てると奥付に著者印と検印紙がついてる本がよくあるんですが、そういうのも子供の頃から大好きだったんですよね。
森茉莉さんの「マドモワゼル ルウルウ」も素敵だし、内藤ルネさんの本も独特の雰囲気だし、先日「たらいまわし企画」に出した宇野亜喜良さんの名前も登場してるし... これが昭和43年発行という「宝石泥棒」(立原えりか著)なんですけど、古新しくてかっこイイ! 歴代の「暮しの手帖」の表紙も凄いなあ。いいなあ。花森安冶さんの装幀本というのも、素敵すぎです...。手芸本には、母が持ってる本も。小さい頃、母が刺繍とか編み物をする傍らで、そういう本を眺めていたのも懐かしい。それと「洋酒マメ天国」、可愛い! これ好き!
とまあ、1人で興奮してますが、とにかく素敵な本です。本好きさんは(というより装幀好きさんかな)、一度ぜひ手に取ってみて下さいませ♪(PIE BOOKS)

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修道士カドフェルシリーズ6作目。イングランドでの政権争いがまたもや激しくなり、女帝モード攻撃を受けたウスターの町から、カドフェルのいるシュルーズベリへも人々が逃げてきます。そんな中で行方不明になってしまった2人の子供の行方が、今回の物語の焦点。夜盗が登場して話がすっかりややこしくなり、なかなかのサスペンス味たっぷりの展開を見せてくれました。そして気になる存在が登場! この彼(ハイ、男性です)、今後もどんどん出てくれればいいんですけど~。そして色々と語ってくれるといいんですけど~。(光文社文庫)

ということで、カドフェルシリーズ3冊読了。さて、まだあと5冊積んでるんだけど、どうしようかな。本当は今度のお正月休みのお楽しみにしようかと思ってたのに、読み始めたら止まらなくなってきちゃった。(笑)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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修道士カドフェルシリーズ5作目。今回は政略結婚のお話。高慢な領主の花嫁は、まだ18歳。亡くなった両親から広大な土地を受け継いでいるため、後見人に勝手に結婚を決められてしまいます。でもこの彼女、実は好きな人がいて... とまあ良くあるパターンなんですけど、この時代背景に良く似合うからオッケー。(笑)
で、このシリーズで何がいいって、やっぱり人物造形がすごくいいです。特に今回は、それぞれの人物の、隠された意外な素顔が見えてくるんですよね。意外な人物が意外と人間的だったということが見えてきたりなんかして、なかなか深かったです(^^)。(光文社文庫)


この本の解説に、「『カドフェル修道士の薔薇』という品種も...」という文章があってびっくり。そういえば、イングリッシュローズにそういう名前の薔薇あります! 調べてみると、確かにこのシリーズから名前がついたとありましたよ。そうかー、そうだったのかー。ということで、Green Valleyという園芸店での、この薔薇のページはコチラ。綺麗ですよー。ここでは、「ブラザー・カドファイル」になってますが、「ブラザーカドフィール」「ブラザーカドフェル」など、日本語での名称は一定してないみたいです。


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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とーっても久しぶりの修道士カドフェルシリーズ4作目。3巻を読んでから、なんと1年半もあいちゃいました。その間、一度読もうとしたことがあったんですけど、その時は翻訳物の気分じゃなくて、途中でやめちゃったんですよね。
で、今回久しぶりに読むんですが、やっぱりこのシリーズは、読みやすくていいです! 花園大学での、篠田真由美さんと近藤史恵さんの講演会でも、翻訳物の入門編に向いている作品としてカドフェルシリーズの名前が挙がっていましたが(確か篠田真由美さんだったかと)、それも納得できるような作品。舞台は12世紀のイギリス。でも歴史物にありがちな、難しーいとっつきにくい感じはありません。今回はちょっと犯人がバレバレでしたけど、それもご愛嬌。このシリーズで面白いのは、ミステリ部分だけじゃないですし♪(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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色んな方にオススメされたこの本、評判にたがわず面白かった! 読み終わりたくないーって思ったのは久しぶり。
主人公は、弱小茶道家元の18歳の跡取り息子。受験勉強をしてるはずが、いつの間にか教習所に通ってるし、京都の大学を受験する当日は横浜にライブ! それがバレて怒られて、結局家出することになってしまいます。京都なんて絶対近寄りたくないと思ってるのに、なぜか京都に行く羽目になるし、茶道なんて嫌いだと思ってるのに、なぜかお茶の先生の家に居候することになるし、しかも見るからにロック少年で髪の毛も青いのに、ひょんなことから育ちの良さが垣間見えてしまうこの主人公。お茶から逃げようとしてるのに、後から後から追いかけられてるのが可笑しい♪ でも、小さい頃からちゃんと躾けられてるのって、やっぱりいいですね。ちょっと羨ましくなっちゃうな。
茶道のことはいっぱい出てくるけど、全然知らなくても大丈夫。むしろ全然知らない方が、新しい世界が見えて楽しいかもしれないですね。という私も、久々にお茶室のあの空間を体験したくなりました。きりっとしたあの空気、大好きなのです。お正月に祖母の家に行ったら、久々にやってみようかしら。(うちの祖母もお茶の先生)
テンポが良くて軽快で、脇役陣も個性たっぷりで、とっても楽しい作品でした。松村栄子さんがこういう作品も書いてらっしゃるとは、びっくりです。以前「紫の砂漠」「詩人の夢」というファンタジーを読んだことがあるんですが、もう全然雰囲気が違うんですもん。もしかしてこっちが本来の松村さんなのかな。それに松村さんって、実は芥川賞作家さんだったんですね。それもびっくり。(マガジンハウス)

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映画の「フィールド・オブ・ドリームス」の原作。本の表紙の画像はなかったので、映画のDVDの方を使ってます。あ、でも右横のamazonとbk1は、本の方にリンクしています... ややこしいっすね(^^;。
ええと、普段は、映画の原作を読むことって滅多にしないんです。ノベライズは論外ですしね。でも何かの話の流れで、なんとなく買って、そのまま何年か積みっ放しだったのでした。いやあ、本も良かったです。とても。登場人物に多少の違いがあるとはいえ、かなり原作に忠実な映画化だったようで、読んでると映画の色んなシーンを思い出しちゃいました。特に印象に残ってるのは、野球場の向こう側のとうもろこし畑から選手たちが出入りするシーンとか、ムーンライト・グラハムが戻ってしまうシーン。「見えない」人たちがグラウンドに入り込んで、選手たちが礼儀正しく場所をあけるシーンも...。やっぱり読んで良かったなあ。純粋で爽やかで、すごく透明感のある作品でした。こんな作品をあそこまで映画化できたっていうのは、実は凄いことだったのかも。映画の方も、久しぶりに観たくなっちゃいました。
映画では架空の黒人作家になってたはずなんだけど、原作で主人公が呼んで来る作家ってサリンジャーだったんですね。これにはちょっとびっくりでした。(文春文庫)

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ウェストレイクの作品はドートマンダーシリーズしか読んだことがないので、これが初の単発物。生まれてこの方、ありとあらゆる詐欺師に騙されてきたフレッドは、会ったこともない叔父から30万ドルもの遺産を贈られると聞いてびっくり。てっきり新手の詐欺かと思いきや、それはれっきとした事実でした。でもあっという間に周囲は金の無心の人々でいっぱいになり、しかも命まで狙われる羽目になって... と、主人公がちょっぴり気の毒になっちゃうような、コミカルミステリ。面白かったことは面白かったんだけど、なんていうか、いかにもアメリカのコメディって感じで、今ひとつピンとこなかったかなあ。ドートマンダーシリーズの方が浪花節が入ってるし(?)、分かりやすい面白さなんですよね。(ハヤカワミステリアスプレス)


+既読のドナルド・E・ウェストレイク作品の感想+
「我輩はカモである」ドナルド・E・ウェストレイク
「バッド・ニュース」ドナルド・E・ウェストレイク
Livreにドートマンダーシリーズの感想があります)

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吸血鬼物。英国幻想文学賞、ブラム・ストーカー賞受賞作。最初はすごいスピード感があっていい感じだったんだけど、回想シーンに入ったころから失速しちゃった。amazonの書評に「菊池秀行氏の著作が好きな人なら」ってあったんだけど、それも納得。バイオレンス部分なんて丁度そんな感じですね。あそこまで艶っぽくはないですけど、でもやっぱりエログロ。続編2つと外伝もあるらしいんですけど、とりあえずそっちはいいや...。(ハヤカワ文庫FT)

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小学校の時に、図書館で「霧のむこうのふしぎな町」の表紙に惹かれて思わず手に取って以来、大好きな柏葉幸子さん。でも作品は案外読んでなくて、これで4作目でした。「霧のむこうのふしぎな町」を何度も何度も読んでるから、沢山読んでるような気がしちゃった。(^^ゞ
懐かしい雰囲気の12の物語の入った短編集。どの物語にも「おばあちゃん」が出てきて、その「おばあちゃん」と一緒にいる子供たちは、ちょっぴり不思議な体験をすることになります。でも不思議なことを起こすのは、おばあちゃんというよりも、その場所だったり町だったりするんですけどね。読んでいると、どこかは分からないんだけど、田舎の鄙びた町の情景が浮かんできます。古さと新しさが同居していて、すごく暖かくて懐かしい雰囲気。これが柏葉さんの魅力なんだなあ。(講談社文庫)

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本当は海外物が絶好調なんですが、そっちは一休み。原りょうさんがほぼ10年ぶりに新作を出して、今度サイン会があるとのことで、行けるかどうかもまだ分からないっていうのに、本を買って整理券ももらってきてしまいましたー。ま、行けるかどうかはともかく、原さんの新作とくればやっぱり読まずにはいられないっしょ。
ということで、新・沢崎シリーズ第1弾。早速読みましたー。いやあ、この雰囲気ですよ。渋いなあ。なんだかもう、この雰囲気だけで酔えるって感じなんですよね。くうぅ。芳醇な香りと熟成したまろやかな味わい。今回の沢崎は完全に巻き込まれ型で... まあ、巻き込まれ型というのはいつものことなんですけど、今回は特にやる気がなかったようなのが、アレレ。で、その割にいつの間にか全て分かっちゃってるのはナゼ。...とか言いつつも、やっぱり良かったです。そうそう、この会話なんだよね、とか読みながら思っちゃいました。サイン会、行けるといいなー。(早川書房)


+シリーズ既刊の感想+
「そして夜は甦る」「私が殺した少女」「天使たちの探偵」「さらば長き眠り」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「愚か者死すべし」原りょう

+既読の原尞作品の感想+
「ミステリオーソ」「ハードボイルド」原りょう

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テキサスの田舎町の図書館長が、図書館で死体を発見。死亡推定時刻のアリバイもないし、被害者とは前日ひどい口論をしてたということで、警察に疑われちゃう。で、自分で犯人探しに乗り出す... という話なんですけど、いやー、面白かった。読んでる途中も、翻訳物らしいクセがなくてすごく読みやすくて良かったんだけど、止まらなくなるほどではなかったんですよね。でもラストスパートが凄かった! いやあ、びっくりびっくり。実は本筋とは関係ない主人公の人となりにちょっとひっかかってたんだけど(母親の介護に関してちょっと異議アリ)、それも忘れちゃったぐらい。とりあえずこの1冊だけのつもりだったんだけど、やっぱりもう1冊ぐらいは読まなくちゃだわ!(シリーズ物で、「図書館の美女」「図書館の親子」「図書館長の休暇」と続くそうです)(ハヤカワミステリアスプレス文庫)

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雑誌に載っている、光原百合さんの作品3つ。

「1-1=1」 小説推理1月号(双葉社)
「人気作家競作! モンキー・パンチの名作『ルパン三世』の世界に挑戦!」ということで、大沢在昌氏との競作。実はルパン三世って、あんまり良く知らないんですよね。もちろん名場面は見たことがあるし、山田康雄さんの声も印象に残ってるんですけど、ちゃんと通して観たことって1回もないかも...。元の話を全然知らないでこの作品を読むというのは、きっとすごく勿体無いんでしょうね。でもこれだけ読んでもすごく雰囲気があって楽しかったです。特にあの錠太郎の秘策ってば最高。思わず噴出しそうになりましたよ。確かにこれは有効だー。(喜)
で、ラストにかけては、しんみりしたりほのぼのとしたり。うわあ、いい話だなあ。


「クリスマスの夜に」 オール讀物12月号(文芸春秋)
「すばらしい赤ちゃん」と「森のクリスマスツリー」「森の郵便屋さん」の3編。可愛らしいクリスマスの童話は、この季節にぴったりですね。光原さんでクリスマスといえば、「ほしのおくりもの」という絵本もありますが、これもそのうちに絵本になったりしないのかな?(「ほしのおくりもの」は、表題作の、金色の星の咲く木のとこが大好きなのだ) 私はこの3作の中では「森の郵便屋さん」が一番好きだな。なんて可愛いの!木彫りというところが、またあったかくて素敵。


「オー・シャンゼリゼ」 星星峡(幻冬舎)
星星峡は、幻冬舎から出ているPR誌。大きな書店にしかないんですけど、カウンターに置いてあって、ただでもらえます。前回光原さんの作品が載ってた時は、なかなか書店に行く時間が作れなくて、その間になくなってしまったんですが、今回はちゃんともらえました♪
ということで、沢渡颯月先生の登場する短編。なんて爽やかで可愛い話なんでしょう。いやあ、若いっていいですなあ... なんておばさんくさいことを言いたくなったのですが(笑)、でも金管楽器ってなんだかエロティックなイメージですね。少女から大人の女へ... というこの時期に、ぴったりだなあって思っちゃった。


+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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ステファニー・プラムシリーズ4作目。またしても今回、強烈なキャラクターが登場です。身長が2メーター近い、大きくて超ド派手なドラッグクイーン(でも一応ノーマル)のサリー。強烈なキャラで売ってるこのシリーズでも1、2を争う凄まじさ。(笑)
今回は、ステファニーが捕まえようとする女性が別れた男にいくつも暗号文を送りつけてきて、それをタイトル通り、このサリーに解いてもらうことになります。でも普通のミステリなら、ここで何らかの具体的な暗号が出てくるとこなんですけど、この本では全然登場しないんですよね。「支離滅裂なアルファベットが並んでいた」っていうだけ。これがちょっと物足りない... 読みながら解く努力をするかどうかはともかくとして(少なくとも私はしない←断言するなッ)、やっぱりちょっと見てみたくなるじゃないですかー。...とは言っても、そんな風に暗号なんか登場させちゃったら、作風が変わっちゃうから仕方ないんでしょうね。脳みそも筋肉でできてるような男に、こんな難しそうな暗号送りつけても仕方ないのに... というのも言いっこなしですな。(笑) あ、今回は、ステファニーの恋愛面も大発展。凄いですよ!相変わらずの賑やかで楽しい作品になってます(^^)。 (扶桑社文庫)


このシリーズは、全部で9作出てるみたいなんですが、私が持ってるのはここまで。タニス・リーに戻りたい気もするんだけど、せっかくだから、もうちょっと海外ミステリを続けてみよう。


+シリーズ既刊の感想+
「あたしにしかできない職業」ジャネット・イヴァノヴィッチ
「モーおじさんの失踪」ジャネット・イヴァノヴィッチ
「サリーは謎解き名人」ジャネット・イヴァノヴィッチ

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ステファニー・プラムシリーズ3作目。今回ステファニーは、街の人気者・モーおじさんを捕まえなくちゃいけなくなります。このモーおじさん、ほんとにものすごい人気なんですよね。聞く人聞く人みんな、口を揃えて「モーは絶対に間違ったことはしない」って言うし、そんなモーおじさんを捕まえようとするステファニーは総スカン状態。そんな風に万人に評判がいい人ってどうよ?って思っちゃうし、なんでみんなにそこまで信頼されてるのか、その辺りにもうちょっと説得力が欲しかったんですが、でもそんなのはこの展開の前には些細なことなのかな。やっぱり面白かったです。行く先々で死体を見つけちゃう暴走ステファニーと、その後始末をやらされる羽目になるモレリもいいコンビ。それに今回はメイザおばあちゃんはあまり前面に出てこなかったんですけど、その代わりに体重104キロの黒人の元娼婦・ルーラがいい味を出していました。
でもこの作品に出てくる人たちって、なんでこんなにカロリー高いものばっかり食べてるんだろう。ドーナッツも必ず12個単位で買ってるし。そんなのばっかり食べて、気持ち悪くならないのかしら。(笑)(扶桑社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「あたしにしかできない職業」ジャネット・イヴァノヴィッチ
「モーおじさんの失踪」ジャネット・イヴァノヴィッチ
「サリーは謎解き名人」ジャネット・イヴァノヴィッチ

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ファンタジーが続いてるので、ここらでちょっとミステリなど。ちょっとブレーキかけておかないと、手持ちのタニス・リーを全部読み終わってしまいそうだし。(笑)
ということで、「私が愛したリボルバー」に続く、ステファニー・プラムシリーズ2作目。どうも世間一般的には2作目の方が断然面白いという評判みたいなんですが、でも私は1作目の方が楽しめたような... な、なぜだろう(^^;。や、こっちも面白かったんですよ。でもね、1作目の方が、なんていうか、五里霧中の手探り状態の面白さがあったような気がするんですよねえ。誰が味方で誰が敵なのか分からない中を主人公が1人暴走する、みたいな。今回はちょっと安定感が出てきて、そんながむしゃらぶりがあまり感じられなかったような...。
とは言え、今回もステファニーの家族がいい味を出していました。特にメイザおばあちゃん、かっこいいよぅ。ダーティ・ハリーも真っ青だ!(扶桑社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「あたしにしかできない職業」ジャネット・イヴァノヴィッチ
「モーおじさんの失踪」ジャネット・イヴァノヴィッチ
「サリーは謎解き名人」ジャネット・イヴァノヴィッチ

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久々に読破したい心を刺激しまくってくれてるタニス・リー。なかなか手に入らない本も多いので、固め読みはしたくないんですけど、今丁度ファンタジーモードに入ってることもあって、読みたくて読みたくて。もちろんミステリも大好きなんだけど、本質的には、実はファンタジー者なのかもしれないなあ。
ということで、タニス・リーの「白馬の王子」。気がついたら異世界にいた王子が、化け物退治しなくちゃいけない羽目になる話。魔女だの竜だの巨人だのがいて、思いっきりファンタジーの異世界なんですけど、この王子、とにかくやる気がないんです。あっちに危険があると聞けば、こっちに行きたくなるし、危険が近づいてきたら本気でボヤいちゃう。そんな人が、「待たれていた救世主」。普通なら、分からないなりにも、やってるうちにちょっとはその気になる人が多いでしょうに、この王子に限っては全然なんですよねえ。周囲の盛り上がりぶりに、ヤケクソになってるみたい。白馬とのやりとりなんて、まるで漫才だし、ほんと笑っちゃう。(やっぱりこの辺りは、ナルニアの「馬と少年」のシャスタとブレーが元になってるんでしょうね) 内容を知ってみると、この題名からして人を食ってるわ!(笑)(ハヤカワ文庫FT)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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実はちょっと前から読み始めてたんですけど、なかなか話に入れず、他の本に浮気ばかりしてました。(^^ゞ
というのも、一度ブラッドリーの「アヴァロンの霧」を読んでしまったら、もうそれが私の中でのアーサー王伝説の基本になってしまったみたいで、どうも他の作品は難しいんですよね。それにこの作品、なんていうか、すごいパロディ小説なんですよ! 最初のうちなんてまるっきりのドタバタ。一体これっていつの時代の話よ...?!って感じだし、一時はどうしようかと思いました...。蜂蜜酒を飲んでるなら、そう書いてくれた方が、私としてはありがたいのになあ。←今時の人にはこっちの方が分かりやすいだろうからって、ポートワインを飲んでることになってるんです。作者の注釈つきで。
でも、時間を逆に生きているというマーリンの設定は面白いし、その独特な教育ぶりもユニーク。この作品に現代的なユーモアが散りばめてあるのは、きっとアーサー王伝説に対する新しい解釈を打ち出すためなんですね。この作風に一旦慣れてしまいさえすれば、この意欲的な解釈はなかなか凄いです。ほんと斬新だし強烈。でも、いくらアーサーが現代的な思想で頑張ったとしても、最後の結末は変わらないわけで...。そこがとっても切ないところでした。(創元推理文庫)

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アーサー王ゆかりの地への旅行記。ちょっと作者の準備不足が目につくかなー。それにアーサー王伝説自体をあまり良く知らない人のためには、この程度の説明は必要なんでしょうけど、でも「紀行」と言うからには、やっぱもっと旅行記の部分に比重を置いて欲しかった。...とは言え、やっぱり読みやすかったし、面白かったです。読んでいると、実際にこの本を持ってイギリスに行きたくなっちゃいます。アヴァロンの湖と思しき場所の写真にはちょっとがっかりしたんですけど(これじゃあ、普通の川じゃん)、でもウィンチェスター城に置かれているという円卓は見てみたいぞ!!(中公新書)


右は、RoxyMusicの「Avalon」です。いやあ、懐かしいなー。(脈絡ナシ)

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「夢織り女」「月のリボン」「百番目の鳩」という3つの妖精物語集を1冊にまとめたという本。この1冊に、20の短編が収められています。ジェイン・ヨーレンは、「20世紀のアンデルセン」とも言われる作家さんなんだそうですが、それも納得、まるでヨーロッパに古く伝わる民話を読んでるみたいなんですよー。懐かしくて、ちょっと残酷なおとぎ話。でも苦いラストになっても、それが苦いだけで終わらないんですよね。この辺りは、タニス・リーと通じるような気が。でもヨーレンってアメリカ人だったんですね。この名前から、てっきり北欧系の人かと...。(^^ゞ (ハヤカワ文庫FT)

またしても画像がない本ばかり続いちゃった。...自分で撮ってみる?(笑)
と思ったら、bk1にあったのね。sa-kiっち、ありがとう!


+既読のジェイン・ヨーレン作品の感想+
「夢織り女」ジェイン・ヨーレン
「水晶の涙」ジェイン・ヨーレン
「三つの魔法」ジェイン・ヨーレン
「光と闇の姉妹」「白い女神」ジェイン・ヨーレン
「月夜のみみずく」ジェイン・ヨーレン ショーエンヘール

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誕生日の宴に招かれなかったことを魔女が、双子の王子と王女に魔法をかけてしまう... というまるで「眠り姫」のようなエピソードから始まるおとぎ話。「眠り姫」以外にも、「白雪姫」みたいだったり、アラビアン・ナイトみたいだったり、中心となる冒険は、まるでギリシャ神話のアルゴ号の話みたいだったり。色んな物語がミックスして、なんともユーモラスな物語になっています。耽美派タニス・リーが、こんな作品を書いていたとは...! これはタニス・リーの処女作なんだそうですが、それにしてもびっくり。
基本的には、王子がドラゴンの守っている宝を探しに行くという物語なんですが、そこに魔女があれやこれやと邪魔を入れるんです。口では勇ましそうなことを言いながら、王子たちが怪物退治をお互いに譲り合ってるところが面白かったな。魔女に入れ知恵された王女が、色々と難題をふっかけるところなんて、まるでおとぎ話の裏話をこっそり覗いてるような感覚もあったりして。でも意地悪な魔女も、どこか憎めないのがいいんですよねえ。(現代教養文庫)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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小泉喜美子さんによる、海外ミステリガイドブック。本格物、変格物、ハードボイルド、クライム・ストーリィ、警察小説、スパイ小説、ユーモア・ミステリー...と、様々なミステリ作品が紹介されていきます。
元々は雑誌の連載で、実に30年近く前に書かれた文章なんですが、今読んでも全然古くないどころか、歯切れが良ければテンポも良くって読んでいて楽しい本。で、小泉さんならではのミステリに対する美学というか拘りがふんだんに入っていて、それがとてもいいんですよね。なんせ初っ端から、「殺人をテーマに好んで扱うジャンルだけに、ミステリーは美しく、洗練されていなければならない」ですよー。小泉さんご自身の洒落たミステリ作品は、こういったとこから生まれてきたんでしょうね。で、読んでいると色々と「なるほど」と思う部分があったんですが、その中で一番「おお」と思ったのは、ミステリ作品が歌舞伎や浄瑠璃みたいな江戸文芸の「お約束ごと」と通じるという部分。これは小泉さんご自身も感じてらしたところに、都筑道夫さんが書いてらしたんだそうです。「マンネリズムを逆手にとることによって、成立する芸術形式」ですって。ほおぉ、なるほど。
それにしても、こういう本を読むと、読みたい本がどんどん増えちゃうのがコマリモノ。でも海外ミステリガイドブックとしても貴重な1冊でした。(既に絶版ですが...)(新潮文庫)


+既読の小泉喜美子作品の感想+
「殺人はお好き?」小泉喜美子
「メインディッシュはミステリー」小泉喜美子
「弁護側の証人」小泉喜美子

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まるっきり初めての藤堂志津子さん。この間なぜか突然貸してもらった本。よく知らない作家さんだし、借り物でもなかったら、きっと自分からは読まなかっただろうなあと思うんですけど、「ジェーン・エア」を書いたシャーロット・ブロンテ、「嵐が丘」を書いたエミリー・ブロンテ、末っ子のアン・ブロンテ、そしてシャーロットとエミリーの間にいた男の子・ブランウェルという、4人の「ブロンテきょうだい」が重要なモチーフとなっているようだったので、ちょっと楽しみに読み始めました。
...で、読んでみて。
ちょっぴりほろ苦さの残る、恋愛小説でした。肝心のブロンテきょうだいに関しては、それほどでもなかったのが残念でしたが、でもむしろもっとストレートに、主人公の気持ちとか行動がどれも凄く分かるなあって、そっちがなかなか良かったです。(文春文庫)

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魔法の国ザンスシリーズの1作目。前々から名前は知ってたんですけど、ようやく読みました。いやあ、この世界は凄いなあ。普通ファンタジーに出てくる魔法使いといえば、1人で色んな魔法が使えるのが普通ですよね。でもこの作品にはそういう万能な魔法使いはいなくて、基本的に1人につき1種類。でも住人全員が魔法の力を持ってるんです。しかも人間だけでなく、ザンスに住んでいる動物や昆虫、木や草といった植物から、岩や水といった無生物に至るまで魔法の力を持ってるんですよー。迂闊に行動できません。うっかり腰を下ろした草むらが、肉食草だったりするんですもん。怖い怖い。
基本的には、主人公の成長物語なんですけど、善悪がそんなに単純には分けられないというのもいいし、明るくて楽しい雰囲気も良かったです。これは続きも読んでみたくなりました。...んー、でもまだ絶版でもないのに、amazonでもbk1でも画像が出ませんね... もしかして、入手ができなくなる日も近いのかしら?(ハヤカワ文庫FT)


+シリーズ既刊の感想+
「カメレオンの呪文 魔法の国ザンス1」ピアズ・アンソニイ
「カメレオンの呪文」「魔王の聖域」「ルーグナ城の秘密」ピアズ・アンソニイ
「魔法の通廊」「人喰い鬼の探索」ピアズ・アンソニイ
「夢馬の使命」「王女とドラゴン」ピアズ・アンソニイ

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プテステ2の同名のゲームのノベライズ作品。 R.P.G.的な冒険ファンタジー「ブレイブ・ストーリー」はとても面白かったし、この作品を読むのも楽しみにしていたのですが、ちょっと勝手が違ったかな...。ICOというゲームを知らないせい? んんー、それだけじゃないような気がする。なんだか登場人物や舞台の情景が、ものすごく遠くに感じられてしまったんですよね。ファンタジー好きなんだけどなー。残念だなー。ゲームを知ってる人の感想が聞いてみたいな。(講談社)


+既読の宮部みゆき作品の感想+
「ICO 霧の城」宮部みゆき
「あかんべえ」上下 宮部みゆき
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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この作品の探偵となるのは、南美希風。南美希風といえば、「OZの迷宮」にもちらりと登場していた彼ですね! ページ数にして230ページ足らずという短い作品ながらも、なかなか小気味の良い本格ミステリだったと思います。警察が最初に疑う人物に関しては「えーっ」って感じでしたけど(だってまるで、時代劇で、殺された人物のそばに手ぬぐいが落ちてたから、その手ぬぐいの持ち主が犯人って感じなんだもの・笑)、でも、いささか冷たすぎるぐらいの推理によって、可能性が1つずつ着実に潰されていくところも良かったかと。登場人物たちのアリバイがそれぞれに関連していて、容易には崩せないというのも。
あとがきによると、火だけでなく、今後水や地、風の神にも登場してもらうようなことが書いてありました。その時は南美希風のシリーズ物になるのかな? 南美希風という人物に関しては、まだまだ実体を掴めないでいるんですが、でも楽しみ。(光文社)


+既読の柄刀一作品の感想+
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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いしいしんじさんの本は4冊目。それぞれにとても良い作品なんですが、でもこれが一番素直に良かったです。するんと入り込んできて、暖かくて、懐かしくて、まるで子供の頃好きだった海外物のファンタジーを読んでるみたいな感覚。で、読みながらなぜかずっと思い浮かべていたのは、カレル・チャペックの「長い長いお医者さんの話」なのでした。特に似てるわけでもないのになんでだろう。(笑)
この物語の主人公は、トリツカレ男というあだ名のジュゼッペ。なんでトリツカレ男かといえば、何かに取り付かれては、尋常ではないハマり方をしてしまうから。ある春の朝ラジオから流れてきたオペラにハマって一日中オペラ調に歌い続けていたかと思うと、今度は夏の終わり、空き地にいたバッタを見て三段跳びに取り付かれて、世界新記録を出しちゃったりします。その他にも探偵ごっこや昆虫採集、外国語、なぞなぞ、潮干狩り、綱渡り...  と、取り付かれるものは様々。そんな彼がある日取り付かれたのは、公園で風船売りをしていた少女・ペチカ。
いや、もうほんと、純粋で真っ直ぐなジュゼッペの姿が、見てると切なくて苦しくなっちゃうんだけど、でもそれ以上に、すごく温かくて幸せな気持ちになれるお話なんですよ、ほんと。これはいいなあ。好きだなあ。(ビリケン出版)


+既読のいしいしんじ作品の感想+
「トリツカレ男」いしいしんじ
「絵描きの植田さん」いしいしんじ・植田真
Livreに 「ぶらんこ乗り」「麦ふみクーツェ」「プラネタリウムのふたご」の感想があります)

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建築探偵シリーズの14作目。今回は、神代教授の視点が中心。時系列的には、「綺羅の柩」の終わり頃から始まって、「Ave Maria」とすっぽり重なる感じ。今回面白かったのは、何といっても同潤会アパートに関する部分ですね。実は、私が生まれて最初に住んでいたのが、表参道の同潤会アパートなんですよー。だからやっぱり興味もあるし、その辺りの話がすごく面白かったです。...で、肝心のストーリーの方は、それに比べると少しボヤけてるような感じだったかな...。それにイズミとミズキがね... 水戸黄門の「もういいでしょう」という気持ち。(謎)
この作品で、シリーズ第2部完結編なんですって。調べてみると、「原罪の庭」で第1部が終わっていたんですね。もちろんここで区切りっていうのもいいんだけど、むしろ「Ave Maria」で区切ったら良かったのに。で、実は主役は蒼だったのだ...!とか。ダメかしら。(笑)(講談社ノベルス)


+シリーズ既刊の感想+
「仮面の島」「センティメンタル・ブルー」「月蝕の窓」「綺羅の柩」「angels」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「Ave Maria」篠田真由美
「失楽の街」篠田真由美

+既読の篠田真由美作品の感想+
Livreに「幻想建築術」「魔女の死んだ家」龍緋比古シリーズの感想があります)

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建築探偵シリーズの13作目。今回は蒼の話。薬師寺家事件の時効を目前に、ちょっと周囲が騒がしくなってきてます。冒頭にも明記されてるんですけど、シリーズ5作目の「原罪の庭」のネタバレになってるので、これだけを単独で読んじゃダメという作品。
蒼が年齢の割に子供っぽいという指摘は多かったようだし、まあ、確かに私もそう思ってたんですけど、あれは個性(もしくは作者の好み)かと思ってました...(^^;。「原罪の庭」は、シリーズの中でも特に好きな作品なんですが、それ以上あまりいじって欲しくないという気持ちも凄くあって、最初これが蒼の話と知った時は、あまり読みたくなくなっちゃったんですよね。でもいざ読んでみたら、思っていたよりもずっと良かったです。
でもねー、あの翳くんとの友情表現がコッパズカシすぎる...!それに、あとがきで、同人誌に書いた話(もちろんこのシリーズで、でもノベルスや文庫には収録されない話)について触れるのって... どうなんでしょう? 前から分かってることとは言え、ちょっと反則じゃないかなあって思っちゃうんですけど。(講談社ノベルス)


+シリーズ既刊の感想+
「仮面の島」「センティメンタル・ブルー」「月蝕の窓」「綺羅の柩」「angels」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「Ave Maria」篠田真由美
「失楽の街」篠田真由美

+既読の篠田真由美作品の感想+
Livreに「幻想建築術」「魔女の死んだ家」龍緋比古シリーズの感想があります)

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私の大好きな!クレイグ・ライスの作品を訳してらっしゃる小泉喜美子さん。でもこの方が小説も書いてらっしゃるというのは、若竹七海さんの「スクランブル」を読むまで知らなかったんですよね。で、ずっと読んでみたかったんですが、作品はほぼ全て絶版。
これは、進駐軍時代に日本語ペラペラになった私立探偵・ガイ・ロガートが、再び日本にやってきて繰り広げるユーモアたっぷりのハードボイルド。あとがきに、クレイグ・ライスやカーター・ブラウンのような明るく楽しいハードボイルドを書こうと思ったとある通りの、本当にまるでそのままライス作品を読んでいるような楽しい作品でした。それでもって、正統派ハードボイルドをちょっとパロディにしたような感じでもあるんですよね。登場する女性はあくまでも女性らしく(笑)、探偵役のガイ・ロガート自身は、フィリップ・マーロウやリュウ・アーチャーをもーっとずーっと愛嬌たっぷりにして、ずっこけさせたようなタイプ。(笑) まあ、犯人と結末に関しては予想がつきますが、それはご愛嬌。最後まで楽しく読める作品でした。(徳間文庫)


小泉喜美子さんを続けていこうかとも思ったんだけど、やっぱり次は画像が出る本を読もう...。あと、カーター・ブラウンって読んだことないんですよね。こちらも要チェックだな。


+既読の小泉喜美子作品の感想+
「殺人はお好き?」小泉喜美子
「メインディッシュはミステリー」小泉喜美子
「弁護側の証人」小泉喜美子

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各国の移民たちの吹き溜まりの街、モントリオールのザ・メインで起きた殺人事件。この街を知り尽くし、街の法律でもあるラポワント警部補は、押し付けられた新人刑事と共に事件を調べ始めます。
ミステリというよりもハードボイルド。でもこれはもう既にそういう範疇を超えてる作品かも。主人公は確かにラポワント警部補なんだけど、本当の主人公はこのザ・メインという街に違いないです。移民だの売春婦だの浮浪者だのがうろつく猥雑な街が濃やかに描かれていて、ものすごい存在感なんですもん。もうほんと、凄いんですよ。上手く説明できませんが、もうほんと「いぶし銀」という言葉がぴったりくるような作品で、すっごく良かった!! この作品だけ見ると、原尞さんに近い雰囲気かな。2人とも寡作なところも共通してるし。(笑) でも以前に読んだ「バスク、真夏の死」(これも良かった)は、また全然違う作品なんですよね。そして「アイガー・サンクション」「ルー・サンクション」「シブミ」、15年ぶりに出た新作「ワイオミングの惨劇」(そういえば、原さんも今度10年ぶりの新作が!)といった他の作品も、また違う雰囲気らしい...。ぜひとも全作品制覇したくなる作家さんです。(角川文庫)


それにしても、画像の出ない本ばかり。画像がないと地味だなー。で、次の本も画像が出ないんだよね(^^;。


+既読のトレヴェニアン作品の感想+
「夢果つる街」トレヴェニアン
「シブミ」上下 トレヴェニアン
「ワイオミングの惨劇」トレヴェニアン
Livreに「バスク、真夏の死」の感想があります)

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古い劇場のバルコニーが落ち、その下敷きになった22人の児童が亡くなるという惨事。16歳のジョン・ポール・コルバートは、その時丁度バルコニーにいたことから、そして暗闇の中でマッチを擦ったことから、25年経った今でも電話や手紙、そして新聞記事に「人殺し」と責められながら、ひっそりと暮らしていました。
ということで、昨日に引き続きコーミア。前回のサスペンスから一転して、今回はホラーでした。劇場のバルコニーが落ちたのは、劇場主が老朽化を知ってて放っておいたから。でもその劇場主が自殺しちゃうから、遺族のやり場のない怒りは、ジョン・ポールにぶつけられるんですよね。遺族のやるせない気持ちも、25年経っても遺族にとっては事件は風化しないというのも分かるんですけど... それで25年を費やしてしまうってどうなんだろう? ジョン・ポールだってまるで責任がないわけじゃないけど、でもだからってどうすればいいの?
あ、でもこの作品の主人公はジョン・ポールではなく、実は息子のデニー。彼もまた、「人殺しの息子」とののしられたり白い目で見られたりしてるんですよね。彼自身には、何も係わり合いのないことなのに。
...そしてそんな恨みの1つが息子の方に向かった時...
実はそっちがメインです。ということで、すっかりズレたことを書いてますが、でも昨日の「僕が死んだ朝」よりも良かったな。(扶桑社文庫)


+既読のロバート・コーミア作品の感想+
「ぼくが死んだ朝」ロバート・コーミア
「真夜中の電話」ロバート・コーミア
Livreに「チョコレート・ウォー」「フェイド」の感想があります)

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5?6歳の子供ばかり十数人を乗せたバスが、4人のテロリストにジャックされます。しかし、その日初めての殺人を犯すことになっていたミロ・シャンタスにとって計算外だったのは、そのバスの運転手が女性だったこと。金髪の女子高校生ケイトが、病気のおじの代わりに運転していたのです。
以前「チョコレート・ウォー」と「フェイド」を読んで、「チョコレート・ウォー」は今ひとつピンと来なかったんですが、「フェイド」がとても良かったコーミア。その後古本屋で、「ぼくが死んだ朝」と「真夜中の電話」を入手してたのですが、それっきりになってたんですよね。で、積読本リストを作った時に出てきたので、久々に読みたくなったんですが... この作品もあまりピンと来なかったかな。
でも後味はあまり良くないのに、何か後を引くんですよね、コーミアって。普段ならピンと来なかった作品のことなんてすぐに忘れてしまうのに、「チョコレート・ウォー」のことは、なぜかすごく覚えてるし、この作品もそんな存在になるのかもしれません。ちなみにサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」も、私にとってはそんな作品。ということでワケ分からん感想ですが、続けて「真夜中の電話」に行きまーす。(扶桑社文庫)


+既読のロバート・コーミア作品の感想+
「ぼくが死んだ朝」ロバート・コーミア
「真夜中の電話」ロバート・コーミア
Livreに「チョコレート・ウォー」「フェイド」の感想があります)

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下町を舞台にした、ユーモアミステリ。犯人は怪我人が出ないように十分気を付けてるようだし、何か起きるたびに濃い~い町内の人々がわさわさと首を突っ込んでくるので、事件が立て続けに起きても、ほのぼのしたドタバタ。まるで緊張感がありません。はやみねかおるさんの虹北恭助シリーズに、ちょっと雰囲気が似てるかな... 特に、あの中の映画好きの若旦那の出てくる短編ね。(笑)
主人公の3人が町内の人々の濃さに負けてるし、犯人に「そんなことのために、そこまでやるか?!」って言いたくなったりするし、ツッコミ所は色々と。でも細かい部分を気にしなければ、ドタバタぶりがまずまず楽しい作品でした。(創元推理文庫)

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副題は「ヒッチコックのお気に入り」。その名の通り、あのアルフレッド・ヒッチコックが選んだ短編集です。ヘンリイ・スレッサーというのは、「アルフレッド・ヒッチコック劇場」で脚本家をしていた人だそうで、この17編も全て実際にテレビドラマ化されてるんですって。いかにもヒッチコックが選びそうな、遊び心満載で洒脱で、皮肉がたっぷりと利いた作品ばかり。オチも鮮やかです。この本の題名もいいですよねえ。この題名で、ずっと読んでみたかったんですよー。ちなみに原題は、「A BOUQUET OF CLEAN CRIMES AND NEAT MURDERS」。前書きを読むと、これもヒッチコックの命名みたいな感じを受けるんですが、本当にそうなのかな?
アルフレッド・ヒッチコック劇場かー。一度(じゃなくても)観てみたかったなあ。(ハヤカワ文庫HM)

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31人の選りすぐりの若者たちがメンバーとなる「三十一人の会」。毎年1回集まって食事をすることだけが会の規則であり、そして最後の1人となった人間が次の31人を選ぶことによって、会は何世紀もの間続いていました。しかし今のメンバーが初めて顔を合わせてから32年後、会員は既に半数の14人に。死亡率が高過ぎることを気にした会員の1人が、マット・スカダーに調査を依頼します。
マット・スカダーシリーズ12冊目。今回はいつも以上にミステリ物だったんだけど、ちょっと地味だったかな。マットもなんだかんだ言って、「探偵」になってきちゃってるし、既に55歳というのには驚いちゃった。あと、作中に世界貿易センタービルが登場して、どっきり。1994年に書かれた作品だったのね。あの事件は、このシリーズにどんな影響を与えるんだろう...。(二見文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「過去からの弔鐘」「冬を怖れた女」「一ドル銀貨の遺言」「暗闇にひと突き」「八百万の死にざま」「聖なる酒場の挽歌」「慈悲深い死」「墓場への切符」「倒錯の舞踏」「獣たちの墓」「死者との誓い」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「死者の長い列」ローレンス・ブロック
「処刑宣告」ローレンス・ブロック

+既読のローレンス・ブロック作品の感想+
「殺しのリスト」ローレンス・ブロック
「砕かれた街」上下 ローレンス・ブロック
Livreに「泥棒は野球カードを集める」「殺し屋」の感想があります)

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「秘の巻」に続き、「戯の巻」。「秘の巻」の作品は、発表年が大体1980年代前半なんだけど、「戯の巻」は1980年から2000年まで色々。(とは言っても1993年から2000年まで7年のブランクがあるのですが) どうやら私は古い作品の方が好きみたいです。これいいなあと思った作品は1980年からの2~3年に集中してるんですもん。これって単に作風の変化ってこと...?
それにしてもシリーズ最後の作品は意外な展開でした。こんな風に幕を閉じるとは思ってもみなかったー。個人的にはあまり好きな幕切れじゃないんだけど... でも曾我佳城という人物にはとても似合ってるのかもしれないなあ。(講談社文庫)


+既読の泡坂妻夫作品の感想+
「11枚のとらんぷ」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 秘の巻」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 戯の巻」泡坂妻夫
Livreに亜愛一郎シリーズ、ヨギ・ガンジーシリーズ、「乱れからくり」「煙の殺意」「毒薬の輪舞」の感想があります)

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20年の時を経て完結したという「奇術探偵曾我佳城全集」。秘の巻と戯の巻に分かれていて、こちらは1冊目の秘の巻。11の短編が収められていて、美貌の女性奇術師・曾我佳城が謎解きに活躍します。
決して派手ではないものの、泡坂さんの奇術に対する思いが伝わってくるような短編集ですね。舞台を見に来ていた少年に曾我佳城が語った言葉にはぐっときちゃいました。奇術師の技量を試すような行動によって、その奇術師がせっかく用意してきた楽しい奇術を観れなくなるかもしれない。その場をより楽しむために、奇術師に協力して雰囲気を盛り上げるのが一番。そんな意味合いの言葉。これは奇術の舞台だけでなく、エンターテイメントの舞台全般に言えることなんだろうな。
奇術や事件のトリックも楽しみましたが、一番好きなのは一作目の「空中朝顔」。曾我佳城はほとんど出てこないんですけどね。この朝顔の情景がなんとも綺麗でいいなあ。あとはやっぱり曾我佳城、謎の多い彼女自身のことが気になります。(講談社文庫)


+既読の泡坂妻夫作品の感想+
「11枚のとらんぷ」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 秘の巻」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 戯の巻」泡坂妻夫
Livreに亜愛一郎シリーズ、ヨギ・ガンジーシリーズ、「乱れからくり」「煙の殺意」「毒薬の輪舞」の感想があります)

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大隈半島の先端近くにある竹茂という集落で竹の花が満開と聞き、その集落を訪れることにしたカメラマンの猫田夏海と、彼女の大学時代の先輩・鳶山久志。そこはわずか7世帯、12人の人間しかないという小さな村。荘子の思想を大切にしている一種のユートピアなのですが、しかし竹の花に誘われるように凄惨な事件が起きることに...
設定こそ横溝正史作品のようで(第21回横溝正史ミステリ大賞優秀作なんですって)、結構どろどろとした雰囲気になりそうなあらすじなんですが、中身は意外に飄々と軽かったです。これは主人公である猫田夏海のキャラクターですね。必要以上に陰惨な雰囲気にならなかったのはいいんですけど、でも彼女のキャラクターにあまり馴染めないまま終わってしまったかも...。軽妙というよりも、なんだか浮いているような気がしちゃって。それにあまりにあからさまにワトソン役すぎて、逆に気の毒というか。
でも竹はいいですね。中空についての話も面白かったし、やっぱり竹の花! 竹はイネ科なので、1つ1つは地味な花なんだけど、沢山集まると竹林全体に霞をかけたような幻想的な風景になるんですって。これが見てみたかったなあ。(角川文庫)

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「私」は38歳の画家。結婚はしていないのですが、妻子のいる恋人とは6年ごしの付き合い。そんな「私」の日常が淡々と綴られていきます。
一昨日、エッセイの「泣く大人」を読んだばかりのせいか、この作品の主人公が思いっきり江國さんと重なってしまいました。この主人公の気持ち、すっごく良く分かるなあ...。私なら、きっと怖くてなかなか行動には起こせないと思うんだけど、でもそれが逆に溜まってしまって、「いっそのこと...!」になってしまいそうでもあるわけで。自分で作り出したもの、育てあげたものを壊してしまいたい衝動って、いつだってあるんだよね。恋愛に限らず。たとえばこのサイトとかでも。(ハルキ文庫)


+既読の江國香織作品の感想+
「泣く大人」江國香織
「ウエハースの椅子」江國香織
「泳ぐのに安全でも適切でもありません」江國香織
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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有名な彫刻家・川島伊作が癌のため逝去。その遺作となったのは、1人娘の江知佳を形どった石膏像でした。しかし家人が伊作を救急車で病院に連れて行っている間、無人となったアトリエに何者かが忍び込み、その首を切断して持ち去っていたのです。その死の前日、偶然、江知佳と知り合いになっていた法月綸太郎は、その事件に巻き込まれることに。
いやー、「二の悲劇」から実に10年ぶりの長編なんだそうです。力作ですね! これぞまさに本格ミステリといった感じの、とても端整な作品。(だと思う) この物語の舞台となるのが、今から5年ぐらい前、まだ20世紀の頃というのが、執筆に相当時間がかかったんだなあと、ちょっぴり哀愁を漂わせてますが...。(笑)
彫刻に関する話はとても面白かったし、久々の探偵・法月綸太郎も相変わらずで、なんだか嬉しくなっちゃう。伏線の張り方も、いかにも法月さんーっ。最後の解決編がちょっと唐突だったり、「それ、本当にバレなかったの...?」って部分もあったんだけど、でもやっぱり面白かったです。いい作品を読んだなーって感じ。(角川書店)

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「泣かない子供」と対になるようなエッセイ集。あとがきにも、「泣かない子供」だった江國さんが、5年経って「泣く大人」になったのだと書いてありました。でもむしろ、その2つのエッセイの間に書かれた「いくつもの週末」と、すごく好対照になってるような。「いくつもの週末」は、江國さんが結婚2~3年目頃に書かれたというエッセイ集なんですけど、ものすごーく尖っていて、読んでいて凄く痛かったんですよね。この人はなんで結婚なんてしたんだろう?って思ってしまったほど。でもこっちの「泣く大人」の江國さんは、もっと穏やかで落ち着いていて幸せそう。やっぱり自分自身の場所を見つけたっていうのが大きいんだろうなあー。「分かる分かる!」ではなく、静かに「分かるなあ」と思う部分が多かったです。
で、最後の4章は読書日記になってるんですけど、江國さんの紹介を読んでいると、どれも読みたくなって困っちゃいます。特にA.A.ミルンの「幸せなダイアナ」。うー、これはほんと読んでみたい。それと月が欲しいと思いつめてまわりを困らせる王女さまの童話。ファージョンの「ムギと王様」の中に入ってる話でも、そういうのがあったなあ。ジェームズ・サーバーで検索してみると... きっとこれでしょうね、「たくさんのお月さま」。これも読んでみたいな。あと、先日読んだばかりの「体の贈り物」が載ってたのが妙に嬉しかったり♪ や、ほんと良かったですもんね、この本は。(角川文庫)


+既読の江國香織作品の感想+
「泣く大人」江國香織
「ウエハースの椅子」江國香織
「泳ぐのに安全でも適切でもありません」江國香織
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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アーサー王伝説の解説書としては名著と名高い本(らしいです)。 でも、本当はかなり前に読み始めてたのに、マリオン・ジマー・ブラッドリーの「アヴァロンの霧」を読んでしまった後は、読むのをすっかり忘れてしまっていていました。(汗)
「アヴァロンの霧」を読む前は、結構楽しく読んでたと思うんですけどねー。一旦あれを読んでしまったらダメですね。先日むつぞーさんが、「アヴァロンの霧」の後に読んだら、トマス・マロリーの「アーサー王の死」は、「まるで記事を読んでる感じだった」というようなことを仰ってましたが、まさしくその通りでした。ほんと、あの生き生きとしていた人たちはどこに行っちゃったの?って感じ。それだけ「アヴァロンの霧」が凄かったってことなんでしょうねー、きっと。
ということで、感想としては「良く分かりませんでした」、です(^^;。(晶文社)

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ビルの最上階で、社長が殺されていた! 暗証番号を打ち込まないと最上階には止まらないエレベーター、社長室の前の廊下の監視カメラ、オートロック式非常階段の扉などによって警備は万全。誰も侵入していない密室状態の社長室で、一体何があったのか。
貴志さん初の本格ミステリという作品。いやあ、面白かったです。こういう不可能状況って、なんだかワクワクしてきてしまいます。しかも密室のための密室って感じの突飛な設定じゃなくて、普通のオフィスビルの中っていうのがまたいいんですよねー。
探偵役となるのは、弁護士の青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径。女弁護士先生の方はちょっと薄味なんですけど、この榎本径がいいんですよ。叩けば埃がいっぱい出てきてゲホゲホしてしまいそうな人物で、なんか味があるのです。で、弁護士先生も頑張って推理しちゃったりなんかして(この発想も良かったな)、盛り上がってきたところで第2部へ。今度は犯人からの視点で語られる倒叙形式。本格ミステリというよりも、サスペンス物のような雰囲気になります。本当はこちらの第2部の方が、おそらく貴志さんの本領発揮なんでしょうね。...でも私は1部の方が面白かったなあ。あの盛り上がりを分断されてしまったし、最終的な謎解きが唐突な気がしちゃって、それだけはちょっと残念でした。とは言っても、これが犯人の心情を描くには一番なんでしょうし、それがなかったら全然説得力がなくなっちゃうんですよね。
これはぜひシリーズ化して欲しいな。で、榎本径の過去の話なんぞも読んでみたいものです。ふふっ、これは楽しそう♪(角川書店)


+既読の貴志祐介作品の感想+
「硝子のハンマー」貴志祐介
Livreに「青の炎」の感想があります)

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インドを舞台にした短編集。古い時代のインドから未来のインドまで、舞台となる時代は様々なんですが、でもどれもインドならではのエキゾチックで妖しい雰囲気がたっぷり。こういうのやっぱり好きだなあ。タニス・リーの耽美な作風にもぴったり。
「龍(ナーガ)の都」「炎の虎」「月の詩(チャーンド・ヴェーダ)」「運命の手」「象牙の職人」「輝く星」「タマスターラー」という7編が収められているのですが、この中で私が特に好きだったのは、幻想的な「龍の都」と、意外なほど暖かいラストが待っていた「月の詩」。まだタニス・リーは3冊目だけど、タニス・リーってもっと何ていうか、救いがない話を書く人だと思ってたんですよね。なので、この「月の詩」の暖かさにはびっくりしちゃいました。こういうのもいいなあ。...でも救いがない話って本当は苦手な私なのに、タニス・リーだと全然大丈夫で、むしろ逆にその世界にくらくらしてしまうというのがまた凄いところなんですよね。(ハヤカワ文庫FT)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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決して吉兆は占わず、人の不幸だけを恐るべき的中率で当て、多くの自殺者を生み、ついには書店から姿を消したという占い書「フォーチュンブック」。松本市内の書店の倉庫に残っていたこのフォーチュンブック6冊と、その本を巡る人々。そして昭和の歴史に残る数々の大事件が繋がり合っていきます。
最後もびっくりしたし、何とも上手いとしか言いようがないなあ。でもね、雰囲気が暗いんですよー。そのフォーチュンブックのせいなのか何なのか、一種異様な雰囲気。精神状態があまり良くない時に読んだら、引きずり込まれちゃいそうな感じ。
でもやっぱり上手いんですよねえ。(ほおぉっ)(徳間文庫)


+既読の北森鴻作品の感想+
「共犯マジック」北森鴻
「蜻蛉始末」北森鴻
「親不孝通りディテクティブ」北森鴻
「螢坂」北森鴻
「瑠璃の契り」北森鴻
「写楽・考」北森鴻
「暁の密使」北森鴻
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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先日行った花園大学公開講座「ミステリーの魅力」で、近藤史恵さんが海外ミステリ入門編として薦められてた本。近藤史恵さん大好きだし、すっごくキャラ立ちしててフランスでもブレイク中のシリーズということで、とても読みたかった本。
でも... いえ、キャラ立ちは凄いのです、確かに。これでもかこれでもかと個性的な人物が登場。ストーリーはユーモアたっぷりで、テンポも良くて面白い。でもね、読んでても人間関係がなかなか分からないんですよー。その辺りの説明が極めてあっさりしているので、「えっ、これは誰? どういう関係?!」の繰り返し。独身で、たんまりいる弟妹と一緒に暮らしているという主人公の家庭環境を飲み込むだけで、凄く時間がかかってしまいました...。「人間関係が全然ワカラナイー。でもなんだか面白いー」状態。結局なんとか理解したのは、後半に入ってからでしょうか... いえ、一旦分かってしまえば、全然なんてことないんですけどね。でも、こんなに掴みにくくて、それでも面白かったっていう作品も珍しいです、ほんと。やっぱりフランスの作品... だからなのでしょうか...?(笑)
これで人間関係は掴めたから、シリーズ次作はずっと楽しく読めると思います。なんかね、後を引くんですよね、この感じ。うーん、やっぱり面白かったんだな。不思議だなあ)(白水社)


+シリーズ既刊の感想+
「人喰い鬼のお愉しみ」D.ペナック
「人喰い鬼のお愉しみ」「カービン銃の妖精」ダニエル・ペナック
「散文売りの少女」ダニエル・ペナック
「ムッシュ・マロセーヌ」ダニエル・ペナック

+既読のダニエル・ぺナック作品の感想+
「片目のオオカミ」ダニエル・ペナック
「カモ少年と謎のペンフレンド」ダニエル・ペナック
「奔放な読書」ダニエル・ぺナック

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「風流冷飯伝」「退屈姫君伝」「面影小町伝」でこのシリーズは終わりなのかと思っていたら、いつの間にか「あんみつ蜜姫」と、この「退屈姫君 海を渡る」が出ていました。「あんみつ蜜姫」は、どうやら先々代のお殿様(例の光猶院様)の話のようですね。で、こちらの「退屈姫君 海を渡る」には、あのめだか姫が再登場!時系列的には、「退屈姫君伝」の直後のようです。
「海を渡る」という題名から、もしや外国に行ってしまうのか...?!と思ったのですが、そうではありませんでした。参勤交代で国許に帰った夫の直重が失踪してしまって、めだか姫が海路風見藩へ...という意味の「海を渡る」。そりゃそうですよね、鎖国の時代なんですから!いくらめだか姫でも、海外には行かないですよね。(笑) ...や、江戸にいる正室が国許に行くこと自体、実際にはすごいご法度なわけなんですが。(笑)
これまで「風流冷飯伝」と「退屈姫君伝」では、同じ風見藩の話でありながら、舞台が国許と江戸とに分かれて、直接的な接点がなかったのですが、今回はどちらのこの2つの作品の登場人物たちの競演が見られるのが嬉しいところ。講談調の軽妙な語り口も相まって、賑やかで楽しい作品となっています。このシリーズは、まだまだ続きそうですね。(新潮文庫)


+既読の米村圭伍作品の感想+
「退屈姫君 海を渡る」米村圭伍
「おんみつ蜜姫」「退屈姫君恋に燃える」米村圭伍
「紀文大尽舞」米村圭伍
Livreに「風流冷飯伝」「退屈姫君伝」「面影小町伝」の感想があります)

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たらいまわし企画第5回「あなたが感銘を受けた本は?」で、picoさんが挙げてらした本。白洲正子さんの本は、「西行」を積んでいたんだけど、そちらはすっかり忘れてました...(^^;。
picoさんの紹介を見た時に、何を考える間もなく、志村ふくみさんの「一色一生」「色を奏でる」を連想したんですが、本当にこの本の中で志村ふくみさんが紹介されていたのでびっくり!picoさんは、「プロじゃない人は嫌いです。贋作師話に特に感銘しました。」と書かれてただけだったのに...。何か通じるものがあったのでしょうか♪ (というか、見当違いのことを書き込んでなくて良かったーと安心したのですが・笑)

で、この本なんですが、「藝術新潮」に1年半に渡って連載されていたというもの。18章の中で、扇や染色、石積み、焼きもの、木工... と、様々な分野の職人さんたちが紹介されていきます。この中で一番印象に残ったのは、砥石のくだり。「良質の仕上げ砥石になればなる程、刃物を選び、悪い刃物を砥ぐと、血の匂いがするが、よい刃物を合わせると、忽ち吸いついて、香のような芳香を放つ」ですって。ここで砥いでるのは、木工用の道具なんですよー。日本刀の話じゃないのに、なんだかびっくりしてしまいます。というか、ちと怖い...。あと、ジュエリー・デザイナーの朝山早苗さんが載ってたのには驚きました。前の仕事柄、朝山さんのデザインもよく扱ってたんですけど、この本に載るほどの方だったとは... いやん、失礼(^^;。
様々な職人さんたちのそれぞれの拘りの姿を見ていると、「なるほどなあ...」がいっぱいあって、なんだかまるで目の前が開けるような気が。いや、ほんと「感銘を受けた本」に選ばれるのも納得の1冊でした。(新潮文庫)


+既読の白洲正子作品の感想+
「日本のたくみ」白洲正子
「西行」白洲正子
「遊鬼」白洲正子

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「希望の形」光原百合

見ず知らずの女の子に、突然彼氏になって欲しいと言われた「俺」。10万円というバイト料につられて、オーケーするのですが...。
わー、いつもと雰囲気が違うんですね。えええ、そっちの展開になっちゃうの...?と思ったら、最後はちゃんと収まるところに収まってくれて、ほっ。...なんだか、違う意味で、とってもスリリングな短編でした。(?)
一矢と正憲、案外いいコンビかもしれないなあ。正憲の最後の台詞、なんかいいし♪ で、この頑固オヤジは、まるで「みんなの家」の田中邦衛みたいだなー。(笑)


+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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江戸末期。上野の端にある小さな神社の禰宜を務める弓月の元を訪れたのは、由緒正しい大神社の権宮司・佐伯彰彦。彰彦は、弓月の夢告(ゆめつげ)の能力で、神社の氏子である蔵前の札差・青戸屋の1人息子の行方を占って欲しいと言うのです。
畠中さんの江戸時代物!やっぱりこの方は、江戸時代が合ってるんでしょうねー。どうしても若旦那のシリーズのインパクトが強いので、同じ江戸時代が舞台となると、どんな風に特徴を出すんだろう... とちょっぴり心配していたのですが、心配無用でした。こちらは妖怪こそ出ませんが、主人公の弓月もいい味出してますし、ほのぼのとして暖かくて、やっぱりこの雰囲気は大好きです(^^)。...ちょっと頼りなくて、でもやる時はやるゾ!って弓月のキャラクターは、若旦那と少しかぶってるんですけどね。(笑)
青戸屋の1人息子は一体誰なのか、神社に集まった彼らを狙うのは誰なのか、という謎が中心にあるし、弓月のゆめつげの能力が、本人にもなかなか意味が解けない謎の情景ということで、立派にミステリ仕立てと言える作品なんですが、でもミステリという以前に1つの物語として面白かったです。シリーズ化して欲しいような作品だけど、でもこれはもうこれでお仕舞いかなあ。ちょっともったいないような気がするけど、これは仕方ないかなあ。(角川書店)


+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「おまけのこ」
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
「いっちばん」畠中恵
Livreに「しゃばけ」「ぬしさまへ」「百万の手」「ねこのばば」の感想があります)

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真敷市の公民館創立20周年記念ショウが行われることになり、地元のアマチュア奇術師たちの集団・マジキクラブも出演することに。数々のハプニングに悩まされながらも、なんとか迎えたフィナーレ。しかしその頃、メンバーの1人は自宅で殺されていたのです。
うわあ、面白かった! こんなに楽しい作品を今まで読まずにいたなんて勿体なかった!
ええと、作品は3部構成となっていて、まず第1部はマジックショウですね。ここでのエピソードもすごく楽しいんですが、この作品で何といっても特筆すべきなのは第2部。ここでは、第1部で起きた殺人の見立てに使われた、「11のとらんぷ」という短編集が読めるんですよー。これがもう独立した1つの作品として読んでもいいぐらいの面白い作品。こんな作品を作中作に使っちゃうなんて、勿体ないんじゃ... と他人事ながら心配してしまうほど。いや、すごいですね。さすが短編の名手・泡坂氏。そして第3部は解決編。ここでも、あーんな所にもこーんな所にも伏線が張ってあったことが分かって、もうびっくり。
いやー、ほんと隅々まで気の行き届いた作品だったんですね。まるで本物のマジックショウを見てたみたいに気持ち良く騙してくれて、すっごく面白かったです。これが長編デビュー作だっただなんて凄いわあ。と、大絶賛なのでした。読んで良かった♪ (画像は創元推理文庫ですが、読んだのは双葉社文庫です)


+既読の泡坂妻夫作品の感想+
「11枚のとらんぷ」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 秘の巻」泡坂妻夫
「奇術探偵曾我佳城全集 戯の巻」泡坂妻夫
Livreに亜愛一郎シリーズ、ヨギ・ガンジーシリーズ、「乱れからくり」「煙の殺意」「毒薬の輪舞」の感想があります)

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「長い影」有栖川有栖

既に閉鎖されていた工場から死体が発見され、アリスと火村、そして鮫山警部補は、深夜の工場から人影が出てくるのを目撃したという夫婦の家を訪れます。
作家アリスシリーズの短編。この人が犯人なんだろうなという人物はいて、実際その通りだったんだけど、その人物が犯人だと断定されるまでの過程が緊迫感たっぷりで面白かった! 丁度刑事コロンボが犯人を追い詰めていく感じですね。あ、今はコロンボよりも古畑任三郎を引き合いに出す方がいいのかしら。(笑)

「恋愛で死神」伊坂幸太郎

7日間ある人間を調査し、その人間が死ぬべきだと判断すれば「可」と報告、死ぬ必要がないと考えれば「見送り」と伝える、調査部の死神たち。その日も死神の「千葉」は、対象となった荻原が死んでいるのを確認していました。
「死神」というのがある種の比喩的表現なのかと思ってたら、これが本当の死神でびっくり!(笑) なんで「荻原」が調査対象になったのかが良く分からないし、死神たちの世界のこともシステムのことも全然分からなかったんだけど、でも7日間の話は面白かった。最初から結末が分かってるとはいえ、最後は「なんでよ?」だったんですけどね。これはシリーズ物になるのかな。楽しみになっちゃう。

「扉守」光原百合

瀬戸内の町の高校に通う林雪乃は、その日の朝、ふと通りがかった路地で小さな店に気付きます。その日の放課後、雪乃は早速「セルベル」というその雑貨店に行くことにするのですが...。
冒頭の、雪乃のシーンでびっくり。「雪乃」という名前も「子ウサギ」もどちらも白いイメージだから、その変化がまた強烈で。一体何があるんだろうと思ったら... なるほど! 子犬のエピソードが重なってくるのが、何とも言えずいいなあ。ミステリアスな雰囲気がとても素敵なファンタジーでした。ええと、これもシリーズ物ってことでいいのかな? 光原さんの作品って、どれもこれもシリーズ化して長く続けてもらいたくなっちゃうんですけど。(笑)


他にもいくつか読んだんだけど、感想はこのぐらいで。
それと「小説NON」は、昨日行った本屋には置いてなかったので、また明日にでも大きな本屋に行ってきまーす。


+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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12人の女性作家によるアンソロジー。この1冊の中に、色んな「あのころ」が入っていて、どの「あのころ」も切なくて痛くて、でも優しくて、どこか懐かしい感じ。読みながら、やっぱり「今」があるからこそ、「あのころ」があるんだよねえ、としみじみとしてみたり。(あ、本当は、「あのころ」があるからこそ、「今」があるんだよね 笑) この中で私が特に好きだったのは、加納朋子さんの「モノレールねこ」、中山可穂さんの「光の毛布」、光原百合さんの「届いた絵本」の3作かな。「モノレールねこ」の「タカキ」、最高! 「光の毛布」は、主人公の咲もいいけど、この毛布がいいんですよねえ。「届いた絵本」は、最後の最後で決定的に幸せな気持ちになれるのが好き。
近藤史恵さんの「窓の下には」の、あのどこかこわーい雰囲気も近藤さんならではだし、狗飼恭子さんの「町が雪白に覆われたなら」の独特の雰囲気もいい感じだったし、久美沙織さんの「賢者のオークション」も何気に可愛かったし、どれもそれぞれに良かったです。お初の作家さんも5人いて、新しい出会いにもなりました。(ダ・ヴィンチブックス)


+シリーズ既刊の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編

+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
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ということで、読み終わりました、「蒼穹の昴」!
面白かったですー、一気に読んでしまいました。...でもすごく面白かったんだけど、後半は新聞記者とかの視点に移り変わってしまって、主役2人の比重がかなり小さくなってしまったのは残念だったな。前半は史実以外の物語の部分が大きくふくらまされてて、そういう肉付けの部分が凄く面白かったのに、後半は史実に負けてしまったような... 主役の2人は、もちろん光緒帝派と西太后派として重要な役回りなんだけど、でももう既に個人のドラマというレベルではなくなってしまったから。それはこの作品の良い面でもあるんでしょうけど、でも1巻2巻を読み終わった時点で、少し違う方向性を期待してしまったんですよねえ。(^^ゞ
とは言え、それでもやっぱり面白かったです。普段中国物を読んでいると、私が好きなのはもっと古い時代のせいか、他の国との交流があまり出てこなくて、中国だけで完結していることがほとんどなんですよね。それがこういう清の時代、それも末期の話ともなると、日本を含めた諸外国の存在も無視できなくなってきていて、それが中国物としてまたすごく新鮮でした。ここから今の時代に繋がるんだなあって実感。現代に通じるマスコミのペンの力みたいなものも良く分かりますしね。実在を実感できる歴史というか何というか。...で、まずはここから「ラスト・エンペラー」に繋がるのね。(笑)
でも西太后って、本当の本当のところは、どういう女性だったんだろう?? どんな人だったのか、歴史を遡って覗き見てみたい!!(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「蒼穹の昴」1・2 浅田次郎
「蒼穹の昴」3・4 浅田次郎
「珍妃の井戸」浅田次郎

+既読の浅田次郎作品の感想+
Livreにきんぴかシリーズ、「プリズン・ホテル」「天切松闇がたり」1の感想があります)

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ということで、2巻まで読了。ハードカバーは全2巻ですが、文庫は全4巻となっているので、丁度半分読んだことになります。いやー、面白いっ。中国物好きとは言っても、清の時代に関してはあまり詳しくない私なんですが、去年陳瞬臣氏の「阿片戦争」や「太平天国」を読み、今年になって井上祐美子さんの「雅歌」を読んで、自分の中でだんだん歴史が繋がってきました。こうやって徐々に繋がっていくのが、歴史物の醍醐味ですよねえ(^^)。
ええと、中心となる人物2人は架空の人物なんですが、西太后、光緒帝、袁世凱ら歴史上の有名人物も登場してて、で、この中でびっくりしたのが西太后の描かれ方!「有名」というよりも「悪名高い」と言った方がぴったりの西太后なんですが、こんな風に描かれてるなんて面白いなあ。しかも彼女の祖父に当たる乾隆帝とカスチリョーネ(郎世寧ですね)のエピソードがすごくいいのです。あと、科挙や宦官についてもかなり詳しく書いてあって、その辺りも興味深いですね。特に科挙。これまでも色々読んで、大変だったんだなあとは思ってたんですど、本当に途轍もなく凄まじい試験だったんですね...。日本の受験戦争なんて、これに比べたら甘い甘い。日本の受験は、試験会場で気が狂ったりなんてしないですもんね。
今のところ一番好きな場面は、主人公の春児が、宮廷を出た老宦官たちの住む老公胡同に一緒に暮らしているところです♪ (講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「蒼穹の昴」1・2 浅田次郎
「蒼穹の昴」3・4 浅田次郎
「珍妃の井戸」浅田次郎

+既読の浅田次郎作品の感想+
Livreにきんぴかシリーズ、「プリズン・ホテル」「天切松闇がたり」1の感想があります)

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国立公園の山の奥に建てられた、一軒クラシックホテルで繰り広げられる物語。アラン・レネ監督のフランス映画「去年マリエンバードで」をモチーフに、ホテルに滞在していた6人の視点から語られていきます。この「去年マリエンバードで」という映画は、確か高校生の頃に観たことがあるんですけど、なんとも不可解で不思議な映画だったんですよね。メビウスの輪みたいな印象で。で、この作品もまさしくそのメビウスの輪のような作品でした。しかもこの作品は「第一章」「第二章」ではなくて、「第一変奏」「第二変奏」という言葉が使われてるんですけど、これがまたぴったりなんですよー。変奏曲というのは、1つの主題があって、確かにその同じ主題が元でありながらも、少しずつ姿を変えていく感じ... でいいんでしょうかね? 第一変奏から第二変奏へ、そして第三変奏へ、そして第六変奏まで、それぞれに少しずつ重なりながらも、どんどん姿を変貌させていきます。いやー、こういう雰囲気はほんと大好き。...って、恩田さんの作品を読むたびに言ってるような気がするんですけど(笑)、でもほんと良かったです。なんとも美しくて濃厚で、でも毒があって。いいですねえ。
...でもこの本の画像のためにAmazonを検索してみたら、あまり好意的な評がされてなくてびっくり。もしかして好き嫌いが分かれる作品なのかしら。私はこういうの大好きなんだけどなあ。(文藝春秋)


+既読の恩田陸作品の感想+
「夏の名残りの薔薇」恩田陸
「小説以外」恩田陸
「ユージニア」恩田陸
「蒲公英草紙」「光の帝国」恩田陸
「酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記」恩田陸
「ネクロポリス」上下 恩田陸
「エンド・ゲーム」恩田陸
「チョコレートコスモス」恩田陸
「中庭の出来事」恩田陸
「朝日のようにさわやかに」恩田陸
「木洩れ日に泳ぐ魚」恩田陸
「いのちのパレード」恩田陸
「猫と針」恩田陸
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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明治維新によって江戸時代が終わりを告げ、新政府が発足。まだその体制が整いきっていない頃、腐敗した役人を裁くための役所「弾正台」が作られます。その弾正台で大巡察として活躍するのが香月経四郎と、後に初代警視総監となった川路利良。そして2人は様々な犯罪に出会うことに。
伝奇小説で有名な山田風太郎氏によるミステリ作品。最初は長編のように始まるのですが、3章以降は連作短編集のような作りになっています。...実はこの最初の2章がどうも退屈で... 何度読み返しても頭に入ってこなくて困ってしまいました。ほとんど挫折しそうになったほど。でもここで諦めちゃダメ。3章からはずんずんと面白くなります! 奇怪な不可能犯罪の目白押し。で、このトリックにもびっくりなんだけど、作品最後の真相にはボーゼン。いやー、そういうことだったのね。これは驚いた。
謎解きをするのは、香月経四郎の愛人のフランス女性・エスメラルダ。彼女の推理部分が全部カタカナで読みにくいのだけはネックなんですけど、でもこれは頑張って読むべし!(ちくま文庫「山田風太郎明治小説全集7」)


+既読の山田風太郎作品の感想+
「明治断頭台」山田風太郎
「警視庁草子」上下 山田風太郎
Livreに「魔界転生」の感想があります)

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たらいまわし・本のTB企画「第5回 あなたが感銘を受けた本は?」で、せいこさんがあげてらした本。...この企画のおかげで、私の「読みたい本リスト」は、以前よりも一層長くなってます。(笑)
そしてこの「体の贈り物」は、「汗の贈り物」に始まる11の連作短編集。死期が迫り、自分の身の回りのことが上手くできなくなったエイズ患者たちを訪ねるホームケア・ワーカーが主人公。週に何度か訪問し、家を掃除し、料理を作り、入浴させ、話し相手となり、時には患者を抱きしめる...。そんな日々が、とてもシンプルな文章で淡々と描かれています。...とは言っても、「エイズ」という言葉から想像するような、普通の闘病記とはまた全然違うのです。本当に、信じられないぐらいシンプル。余分な情報がすっかりそぎ落とされている状態で、あまりに情報がなさすぎて、最初は主人公が男性なのか女性なのか分からなかったぐらい。主人公がホームケア・ワーカーとして働くようになったきっかけの話なども、まるでないんですよね。でもそれが逆に、「今」を鮮やかに浮かび上がらせているようで、すごく胸に迫ってきます。これは感銘を受けるというのも良く分かるなあ、という作品でした。(新潮文庫)

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200歳とも300歳とも言われるすっぽんの徐庚先生に師事している、県令の1人息子・趙昭之。今日も2人で香山の照月亭へと赴き、街を見下ろしながら世の中のことについて学んでいます。
森福さんお得意の、中国を舞台にしたミステリ風味の連作短編集。「森福版"聊斎志異"」という言葉にも納得の少し不思議な雰囲気が漂います。すっぽんの徐庚先生は、本当に「すっぽん」の化身だし、その他にも幽霊や人面瘡が当たり前のように登場。でもそんな妖異が登場しても素朴でのんびりとしていて、こういう雰囲気は大好き。
でも、とても面白いんだけど、どこか決め手に欠ける気もするんですよね。短編同士の繋がりが薄いからかなあ。キャラクターのインパクトが弱いのかなあ。(昭之のお父さんとお母さんは好きなんだけど!)それにいくら社会勉強と言っても、他人の生活を勝手に覗き見してるというのがちょっとね。しかも高みの見物だし...。この部分でもう少し説得力があれば良かったのになあ。(光文社)


+既読の森福都作品の感想+
「琥珀枕」森福都
「漆黒泉」森福都
「狐弟子」森福都
「楽昌珠」森福都
「肉屏風の密室」森福都
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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「南ドイツ新聞マガジン」に連載している(どうやら現在も継続中みたいです)という、アクセル・ハッケのコラムを本にまとめたもの。なかなかシュールでウィットが効いてて、面白かったです。特に面白いのは、冷蔵庫との対話シリーズ。「捨てられるのではないか」と常に怯えてる、ちょっぴり古い型の冷蔵庫の名前はボッシュ。彼がなんとも言えないいい味を出しています。で、ビール片手のハッケとボッシュの会話は、完全におやじのぼやきなんですよね。(笑)
でもハッケときたら優柔不断だし、要らない物も捨てられないし、冒険心がまるでない小心者だし、新しい物、特に機械関係は大の苦手だし、奥さんのパオラにやり込められるのももっともだーって感じ。私だって、これじゃあやり込めたくなっちゃいますよぅ。それでもハッケとパオラはやっぱりいいコンビだし、2人の息子のルイスも合わせて、とってもいい家族なんですけどね。
いつもコンビを組んでいるミヒャエル・ゾーヴァのイラストが今回は表紙しかないのは残念でしたが、でもこの話にゾーヴァだったらどんな絵をつけるのかな、と想像するのも楽しいです。(三修社)


+既読のアクセル・ハッケ作品の感想+
「キリンと暮らす クジラと眠る」アクセル・ハッケ ミヒャエル・ゾーヴァ
「冷蔵庫との対話」アクセル・ハッケ

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平らな地球シリーズの第2弾。平たい地球シリーズ第2弾。こちらは「闇の公子」のようなオムニバス形式ではなく、普通の長編でした。まあ、それはそれでいいんですけど、やっぱり訳者さんが違うという違和感がありますねー。室住信子さんの訳も決して悪くないんだけど、やっぱり1作目の浅羽莢子さんの訳のインパクトが強かったし。
物語の中心となるのは、人間の永遠のテーマでもある「不死」。この「不死」をめぐって、地上の人間が、死の王・ウールムと闇の公子・アズュラーンの争いに巻き込まれていきます。ある意味、「闇の公子」以上に夢のような情景が繰り広げられるんですけど、いざ手に入れてしまった「不死」は、それまで思い描いていたような素敵なものではなくて...。夢のような情景は、所詮虚像。甘さの中にほんのり苦味のある話でした。それでも、例え虚像だと分かってても、それでもやっぱりこの世界には憧れてしまうのね。(ハヤカワ文庫FT)


+シリーズ既刊の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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「都会のトム&ソーヤ」第2巻。前回に引き続き、謎の天才ゲームクリエイター・栗井栄太を追う内人と創也。相変わらずの内人のサバイバル能力もいいし、創也の冷静な頭脳派でありながら、意外と考えなしに行動しちゃうとこもお茶目で良かったです。内人の「おばあちゃん」もいい味出してる! でも話としては、1巻の方が面白かったかな。こちらは栗井栄太の正体が明かされるという大イベントがありながらも、どこかこじんまりとしてたような気がします。(講談社Ya!Entertainment)


+シリーズ既刊の感想+
「都会のトム&ソーヤ1」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「都会のトム&ソーヤ2 乱!RUN!ラン!」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ3 いつになったら作戦(ミッション)終了?」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ4 四重奏(カルテット)」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ5 IN塀戸(VADE)」はやみねかおる
「都会のトム&ソーヤ6 ぼくの家へおいで」はやみねかおる

+既読のはやみねかおる作品の感想+
「虹北恭助のハイスクール・アドベンチャー」「笛吹き男とサクセス塾の秘密」はやみねかおる
「オリエント急行とパンドラの匣」はやみねかおる
「卒業 開かずの教室を開けるとき」はやみねかおる
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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15歳の誕生日に家出をした「田村カフカ少年」と、猫の言葉が分かる「ナカタさん」、それぞれの視点から進行していく物語。最初はなかなか波に乗れなかったんだけど、1巻の後半からは一気に面白くなりました。でもねー、確かに面白かったんだけど、ちゃんと理解してるかと言われると不安なものが...(^^;。古今東西の文学や哲学からの引用がやたらと多いし、色々なモチーフが凄く暗示的なのです。プラトンの「男男・男女・女女」の話とか、面白かったですけどね。図書館館長の佐伯さんやナカタさんは、神様にすぱっと割られちゃった人たちなのかなー、とか考えたりして。
2人の人物の視点から語られていくところとか、図書館や森が重要なモチーフとなってるところが、まるで「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」。あれをもっとシュールにした感じ。でもやっぱり私は、「世界の終わり~」の方が好きだなあ。「海辺のカフカ」には、「世界の終わり~」を読んだ時ほどののめり込み感はなかったし、あの作品ほど何度も読み返したくはならないと思うし。あ、でも「世界の終わり~」もしばらく読んでいないので、頭の中で勝手に美化してる可能性がありますけどね。(笑)(新潮社)


+既読の村上春樹作品の感想+
「海辺のカフカ」上下 村上春樹
「雨天炎天」村上春樹
他の作品に関してはほとんど感想を書いていませんが、Livreに「村上ラヂオ」の感想があります

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彩雲国初の女性官吏となった秀麗は、茶州に赴任することに。
ということで、彩雲国物語第4弾、副題は「想いは遙かなる茶都へ」。自分で買った本は積んでしまいがちな私には珍しく、昨日買ってきて今日にはもう読んでしまいました。秀麗は茶州に行っちゃうし、劉輝の出番もあんまりないだろうしなー、ってそれほど期待してなかったのに、今回も面白かったわー。前回みたいなしんみりとする場面こそあまりないものの、今回は活劇的な面白さ。秀麗の護衛の2人の男性の過去も見えてくるし! またしてもいい男が1人増えちゃうし! でもこの新しい彼は、ちょっと... いや、かなり危険な香り。だめよっ、秀麗! 頑張れ、静蘭!!
...でもね、実は挿絵を見るたびに思うんですけど... 静蘭と劉輝、絵を逆にした方がしっくりくるような気がしませんか? 由羅カイリさんのこの挿絵は凄く好きなんですけどね。静蘭だけはいつもちょっぴり違和感なのです(^^;。(角川ビーンズ文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「彩雲国物語 はじまりの風は紅く」「彩雲国物語 黄金の約束」雪野紗衣
「彩雲国物語 花は紫宮に咲く」雪乃紗衣
「彩雲国物語 想いは遙かなる茶都へ」雪乃紗衣
「彩雲国物語 漆黒の月の宴」雪乃紗衣
「彩雲国物語 朱にまじわれば紅」雪乃紗衣
「彩雲国物語 欠けゆく白銀の砂時計」雪乃紗衣
「彩雲国物語 心は藍よりも深く」雪乃彩衣
「彩雲国物語 光降る碧の大地」雪乃紗衣
「彩雲国物語 藍より出でて青」雪乃紗衣
「彩雲国物語 紅梅は夜に香る」雪乃紗衣

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闇の公子・アズュラーンと地底の都・ドルーヒム・ヴァナーシュタ、そして地上の人間たちの物語。青味を帯びた黒髪と魔力に富んだ瞳を持つ美しく、すらりとした長身のアズュラーンが、気まぐれに人間の世界に出向いては蒔く災いの数々が描かれていきます。
これは「平たい地球シリーズ」の1作目なのだそう。私にとっては、初タニス・リー作品。いやもう凄いですね、これは。読み始めて最初に浮かんだ言葉は「耽美」「絢爛」。凄まじいまでに妖しく美しいです。しかもこの訳文がなんて素晴らしい!なんとも格調高い日本語で、読んでいてこんな風に心地いい感覚は久しぶりかも...。もちろんアズュラーンはあくまでも「妖魔」なので、人間側からすれば相当酷いことも平気で行われるし、しかも何も救いがないまま流れていったりするんですけどね。幸せな恋人たちは引き裂かれるし、憎しみや欲望は際限なくかきたてられていくし、アズュラーンを裏切った人間には恐ろしい仕打ちが待っているし。でもそのアズュラーンの邪悪さすら美しいんですよ。これが凄い。
1つの小さな物語が次の物語に繋がり、それがさらにまた次の物語へと... というオムニバス形式もいいし、しかも最後には大きな1つの世界を見せてくれるという構成も私好み。屈折してはいるけれど、確かな愛情を感じることができるラストも良かったなあ...。「千夜一夜物語」を意識して書かれたらしいのですが、それも納得の大人のためのお伽話、大人のためのファンタジーでした。エロティシズムも美しい。なんとも夜の闇が似合います。これはぜひとも他の作品も読んでみなくては~。と、大絶賛。(ハヤカワ文庫FT)


+シリーズ既刊の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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探そうとしても、見つからない。いつかどこかに現れる、「ふしぎな名画座」。そこでは、ただ一人のためだけに、懐かしい映画が上映される...。「(逢びき)のあとで」「(天使の詩)が聞こえる」「(ローマの休日)届」など、名画をモチーフにした、ファンタジックな連作短編集。
...と、珍しく文庫本の裏から写してみました。一体何年ぶりなのか分からない赤川作品。このあらすじ、なかなかそそられますよね。実際読んでみても、名画座で出会った女性との恋は、その時2人が観ていた映画そのままだったり、映画を観ることによって自分の非を悟って人生をやり直すことができたり、はたまた映画とは全く逆の皮肉な結果を見せられたり、となかなか凝ってるんです。でもね、最初の3編ぐらいは良かったんだけど、あとの作品はやや単調。せっかくの映画や名画座があまり生かされてなかったようで、それが残念でした。最後の「〔ローマの休日〕届」なんて、結構期待してたんだけどなー。でも9編中、私が観てる映画が2作だけっていうのも、問題だったのかもしれないな。(角川文庫)

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「垂里冴子のお見合いと推理」の続編。登場人物たちの個性もそれぞれにくっきりとしてきたようで、冴子はもちろんのこと、派手好きな空美やシスコン気味の京一もいい味を出してます。すっかりホームドラマ化してて楽しいなあ。こういうパターン物は、安心して読めますね。パターン物だからといって、ワンパターンってわけじゃないし。でも今回の冴子のお見合い相手がどうもイマイチな人ばかりだったのだけは、ちょっと残念。前回の最後の彼のような人がいると、冴子の受けるダメージが大きくなってしまうので、それも可哀想なんですけどね。(あれは上手くいって欲しかった!) 冴子には幸せになって欲しいし、でもお見合いが上手くいってしまうとシリーズが終わってしまうというジレンマ。でもラストの冴子を見てると、このシリーズ自体が変貌していきそうな予感もありますね。次、どうなるのか楽しみです。(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「垂里冴子のお見合いと推理」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「続・垂里冴子のお見合いと推理」山口雅也

+既読の山口雅也作品の感想+
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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結構早くに買ってたのに、なかなか読む気になれなくて、今日ようやく読みました。
「百器徒然袋-雨」に続く、榎さん大活躍の連作3編。ちょっぴり失速気味の本編に比べて、やっぱりこっちは楽しい! 語り手となっているのは、平凡で地味で不運な配線技師。これが一見関口君を彷彿とさせるような人なんですけど、でもやっぱり視線が関口くんとはまた違うというところがポイントですね。京極堂も、ただの不機嫌なだけの薀蓄親父じゃないし。(笑)
もう今回は、とにかく榎さんのお馬鹿ぶりに笑えて笑えて、電車の中でもあやうく吹き出すところでした。面白すぎるーっ。「にゃんこ!」(←別にネタバレではないけど、見たい方は反転して下さい)も良かったけど、「ぐう。」(←コレもね)も良かったけど、最初に笑ってしまったのが「僕が仕切るからへいき」(←コレもです)ってあの言葉。(笑) でも、京極堂に「京極」って呼びかけるのはどうなんでしょうねー。みんな、「京極堂」とか「中禅寺」とか言って欲しいな。でないと作家・京極夏彦との区別がつかなくなっちゃうもの。(既に区別はついてないかのか?)
登場メンバーは豪華だし(いさま屋は出ないけど)、くすくすニヤニヤの楽しい作品。でも最後に意外な暖かさが待っていて、それもまたとても良かったです。んんー、なかなか深いなあ。(講談社ノベルス)


+シリーズ既刊の感想+
ほとんど感想が残ってませんが、Livreに「狂骨の夢」「陰摩羅鬼の瑕」の感想があります。
「百器徒然袋-風」京極夏彦

+既読の京極夏彦作品の感想+
「続巷説百物語」京極夏彦
「後巷説百物語」京極夏彦
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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「架空の絵本のエディトリアルデザイン集」 まず寺田順三さんのイラストが可愛い! なんとも言えないノスタルジックな柔らかい色調の、絵本の表紙が30冊分。これがまるで古いポスターを見てるみたいでいいんですよねえ。そしてそのそれぞれの絵本の表紙に、横山犬男さんの書いた文章が添えられているんですけど、これがまたなんとも音楽を感じさせる文章なのです。帯に「古ぼけたレコード盤から、ノイズ混じりに広がるイメージ」という言葉がありましたが、うん、これはまさにレコード盤ですね! CDじゃないです。CDのクリアな音はもちろん綺麗だけど、レコード盤のパチパチというノイズには、何とも言えない味があるでしょう? そんな感じ。表紙の絵に惹かれた方、「レコード盤」という言葉に惹かれた方はぜひ一度手に取ってみて下さいませ♪ (帯には、チチ松村氏の推薦文もありましてよ!>某I嬢)
うわーん、これは続きが読みたくなっちゃうよう。「架空」だなんて殺生な。
ちなみに寺田順三さんのサイトCOMES MARTはコチラ。...わ、南船場にお店があるんだ!一度見に行ってみたいなあ。(ワールドコム)


+既読の寺田順三作品の感想+
「本の本」横山犬男・寺田順三
「タビの雑貨屋」「本の本」寺田順三

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義母の代わりにエッセイ教室に通うことになった、ピンク色のぶたのぬいぐるみ・山崎ぶたぶた。今回はここのエッセイ教室の生徒たちとの交流のお話です。
ぶたぶたシリーズの最新刊。ちょっぴりパワーダウンしたような気はしないでもないんだけど、やっぱりぶたぶたは可愛いですねえ。今回はぶたぶたの書いたエッセイが読めて、そこでぶたぶたのプライベートな面を垣間見れるのが楽しかったです。それと、徳間デュアル文庫から出てる3冊では、ぶたぶたを見ても驚かない人が多くて不思議だったんですけど、今回はぶたぶたの姿を見てみんな一様に驚いていたので、ちょっとほっとしたりして。でも確かに大阪は他の地方に比べたら、「私のようなぬいぐるみを見てもそんなにびっくりしない街」かもしれないですが、でもやっぱりびっくりするのはびっくりするってば! ただ、いくらびっくりしても、次の瞬間には思いっきりツッコミを入れてそうですけどね。(笑)
ここに出てくる紅茶専門店って、MUSICAのことですよね? そば粉のパンケーキ、美味しそう。食べてみたいな。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「ぶたぶた」「刑事ぶたぶた」「ぶたぶたの休日」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「ぶたぶた日記」矢崎存美
「ぶたぶたの食卓」矢崎存美

+既読の矢崎存美作品の感想+
Livreに「幽霊は行方不明」「幽霊は身元不明」の感想があります)

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6年勤めた会社をやめた十和人は、ハローワークの外で声をかけてきた男の依頼を聞いて驚きます。1ヶ月間、日本国内のとある別荘に滞在するだけで、莫大な報酬を受け取ることができるというのです。
わーい、面白かった! 偽装結婚物とか偽装家族物って時々見かけるけど、やっぱり西澤さんにかかると一味違いますね。小さな謎や大きな謎もあるんだけど、ミステリというよりはSFの方に重点が置かれてるというか、これはもっと違う要素の方がさらに大きいかな。この雰囲気は、初期の作品の雰囲気に近いかも。この偽装家族生活、しかも盗聴器や隠しカメラが仕掛けられてる家で過ごすなんて、ほんと神経が疲れそうー、なんて思いながら読んでたのですが、対外的には新婚気分の抜け切れない夫婦、しかしその実態は赤の他人同士という2人が、自分たち自身の話をし始めるところが好きだわあ。後味も爽やかで良かったです。ふふふ。(カッパノベルス)


+既読の西澤保彦作品の感想+
「方舟は冬の国へ」西澤保彦
「生贄を抱く夜」西澤保彦
「腕貫探偵 市民サーヴィス課出張所事件簿」西澤保彦
「フェティッシュ」西澤保彦
「キス」西澤保彦
「春の魔法のおすそわけ」西澤保彦
「ソフトタッチ・オペレーション」西澤保彦
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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幼い頃、一番の仲良しだったクマのぬいぐるみのことを思い出し、今あのクマちゃんに会ったらどんな挨拶をすればいいだろう... と悩む著者。しかし図書館で借りた「人とクマ/そのフェアな共存のための入門書」にあったのは、「落ち着いてじっとしていれば、クマのほうが、あなたから逃げていくでしょう」という言葉だったのです!
帯にある言葉は、「ひとと動物たちとのパートナー学」。キリンやペンギンのようなメジャーな動物から、ミミズやゴキブリ、ヒキガエルのようなあまり人気があるとは思えない生き物にまでスポットが当てられて、考察されていきます。嘘か本当か分からないようなことがまことしやかに書かれていて、そのちょっと斜めの視線がいいのです?。動物ごとのサブタイトルも面白いし! ゴキブリなんて、「命がけの片思い」ですよ。「ゴキブリほど人間に近づこうと絶望的な努力を試みてきた生き物がほかにいただろうか?」ですって!(笑) あ、でも私が好きだったのはゴキブリのページよりも(笑)、「スーパーモデルたちの孤独」フラミンゴの話だったんですけどね。美にこだわりを持つフラミンゴは、「ヴォーグ」や「エル」みたいなファッション誌を持っていくと喜ぶし、はげたおじさんを見かけると、そっと顔をそむけるのです。(笑)(講談社)


+既読のアクセル・ハッケ作品の感想+
「キリンと暮らす クジラと眠る」アクセル・ハッケ ミヒャエル・ゾーヴァ
「冷蔵庫との対話」アクセル・ハッケ

+既読のミヒャエル・ゾーヴァ作品の感想+
「キリンと暮らす クジラと眠る」アクセル・ハッケ ミヒャエル・ゾーヴァ
「ミヒャエル・ゾーヴァの世界」ミヒャエル・ゾーヴァ

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中国四大奇書の1つとも言われる「紅楼夢」を元に書き上げられたミステリ作品。栄華を極めた賈家の作った人口楽園「大観園」で繰り広げられる連続殺人事件。
ここで起きる事件は、どれもこれも不可能犯罪。衆人環視の中で犯人が消えうせてしまったり、被害者の衣類だけが空を飛んでいたり、密室状態の現場にある遺体は、空から落ちてきたとしか思えなかったり。そんな事件ばかりが次々と起こります。そういう不可能犯罪って、「なぜそのような状況にしなければならなかったのか」という部分がポイントですよね。ただ単に「密室が作ってみたかったから」という理由では、読者は納得しないもの。この作品では、それが綺麗にクリアされていました。そして、なぜ大観園が舞台じゃなきゃいけなかったのかという理由も最後の最後に明らかになります。その理由自体は、正直それほど意外とは思わなかったんだけど、でもここでは全てが連動してて、そうなるとやっぱりもう、「そうだったのか!」。いやー、お見事です。
芦辺さんが「紅楼夢」を十分読み込んでらっしゃるのが分かりますね。完全にこの世界を自分のものにしてるもの。それがやっぱりスバラシイー。(文藝春秋)


+既読の芦辺拓作品の感想+
「紅楼夢の殺人」芦辺拓
Livreに「十三番目の陪審員」「真説 ルパン対ホ-ムズ-名探偵博覧会」の感想があります)

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奇襲攻撃として大きな成功を収めたかのように見えた1941年12月7日の真珠湾攻撃。しかし完全に機密事項となっていたこの攻撃は、実は事前に米国側に漏れていた...? という物語。スパイ小説です。
山本周五郎賞だの日本推理作家協会賞だの、日本冒険小説協会大賞だのを受賞している凄い作品。実際、それも良く分かる読み応えのある大作です。でも私としては、前作の「ベルリン飛行指令」の方が面白かったかな...。何というか、前作は戦闘機乗りが命をかけてゼロ戦を飛ばすという、どこかロマンティックな冒険譚的な部分があったんですけど、今回は真珠湾攻撃が前面に出てきて、すごく「戦争物」だったんですよね。...スパイ小説はとても好きなんですけど、さすがにちょっとつらかった! それに登場人物も、前作の方が惹かれるものがあって。や、世間一般的には、こちらの方が評価が高そうですけどね。うーん、丁度「亡国のイージス」と「終戦のローレライ」みたいな感じかと。...って、なんとなーくの雰囲気は伝わるかしら?(笑)(新潮文庫)


+既読の佐々木譲作品の感想+
「ベルリン飛行指令」佐々木譲
「エトロフ発緊急電」佐々木譲

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時代は1940年。ドイツの戦闘機部隊に配備されていたBf109の可能飛行時間がせいぜい80分、行動半径は約120マイルというこの時代に、イギリスやロシアといった敵国の目をかいくぐって、日本からドイツに飛んだゼロ戦があったというのは本当か?!という疑問を元に作られた大型冒険小説。いやー、これは面白いです。佐々木譲さんの作品は初めてだったんですけど、これはいいですねえ。最後、ちょっと盛り上がりに欠けるかなーって部分はありますが、登場人物もいいし、重厚だし、例えば五條瑛さんとか服部真澄さんの作品が好きな方は、きっとこれも気に入るのではないかと! 結構分厚いんですけど、一旦読み始めたら、もう止まりませんでした。
これは第二次世界大戦3部作の1作目なのだそう。2作目の「エトロフ発緊急電」も手元にあるので、続けていきまーす。でも3作目の「ストックホルムの密使」は絶版なんですって。3作目の出来栄えは知りませんが、この調子でいったら、相当面白いはず。なんでこんな面白いシリーズを絶版にしちゃうのか、解せないわ!!(しかもAmazonには表紙の画像がないんですよー。もしや、これも絶版になる日が近いのか...?)(新潮文庫)


+既読の佐々木譲作品の感想+
「ベルリン飛行指令」佐々木譲
「エトロフ発緊急電」佐々木譲

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昨日に引き続き、「彩雲国物語」3冊目、副題は「花は紫宮に咲く」。うひゃー、こんなに感情移入しちゃっていいんでしょうかってなぐらい、もう目茶目茶ハマってしまってます、私。主人公の女の子の健気さに涙し、彼女を見守る人々の優しさに涙し... あ、それだと涙してばかりですね。途中ですかさず(?)吹き出す場面も挿入されていて、もう至れり尽くせり。この感覚は、もしかしたら「デルフィニア戦記」以来かも! いい男揃いってとこも似てるんですよねー。(ちなみに私が一番好きなのは、やっぱり黄奇人だわ♪)4冊目は来月発売とのこと、すごく待ち遠しいな。(角川ビーンズ文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「彩雲国物語 はじまりの風は紅く」「彩雲国物語 黄金の約束」雪野紗衣
「彩雲国物語 花は紫宮に咲く」雪乃紗衣
「彩雲国物語 想いは遙かなる茶都へ」雪乃紗衣
「彩雲国物語 漆黒の月の宴」雪乃紗衣
「彩雲国物語 朱にまじわれば紅」雪乃紗衣
「彩雲国物語 欠けゆく白銀の砂時計」雪乃紗衣
「彩雲国物語 心は藍よりも深く」雪乃彩衣
「彩雲国物語 光降る碧の大地」雪乃紗衣
「彩雲国物語 藍より出でて青」雪乃紗衣
「彩雲国物語 紅梅は夜に香る」雪乃紗衣

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読んだのは、副題が「はじまりの風は紅く」「黄金の約束」となっている最初の2冊。彩雲国という架空の国を舞台にした中華風ファンタジー。私にとっては、これが初の角川ビーンズ文庫で、一体どんな感じなんだろうと思いながら読み始めたんですが、文体こそさくさくと読める軽さを持っているものの、思いの他しっかりとした作品でした。いかにも少女小説らしい、恋愛がメインの物語なのかと思ってたんですけど、意外と深い部分もあるのですねー。しかもこれがデビュー作だというのにはびっくり。これは、かーなり将来有望な作家さんなのでは?
主人公の努力家の女の子と、彼女を取り囲むいい男たち、魅力的なおじさま、そしてお茶目なおじーさまたち、登場人物が皆それぞれにとても魅力的。「はじまりの風は紅く」では、ちょっと主人公の女の子が話の展開に取り残されたような感じもあったのですが、「黄金の約束」ではそんなこともなく一安心。後半、もっと佳境で盛り上がって欲しかったんですけどね。これは3冊目を読むのも楽しみです。主人公の女の子には、まだまだ誰ともくっついて欲しくないなあ。仔犬のように人懐こい、でも世間知らずの彼のことを考えると、ちょっと気の毒にもなるんですけどねー。(角川ビーンズ文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「彩雲国物語 はじまりの風は紅く」「彩雲国物語 黄金の約束」雪野紗衣
「彩雲国物語 花は紫宮に咲く」雪乃紗衣
「彩雲国物語 想いは遙かなる茶都へ」雪乃紗衣
「彩雲国物語 漆黒の月の宴」雪乃紗衣
「彩雲国物語 朱にまじわれば紅」雪乃紗衣
「彩雲国物語 欠けゆく白銀の砂時計」雪乃紗衣
「彩雲国物語 心は藍よりも深く」雪乃彩衣
「彩雲国物語 光降る碧の大地」雪乃紗衣
「彩雲国物語 藍より出でて青」雪乃紗衣
「彩雲国物語 紅梅は夜に香る」雪乃紗衣

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「西遊記」でお馴染みの三蔵法師が、長安を出発して天竺に向かう物語。以前、中国物のアンソロジー「チャイナドリーム」1~3で、最初の3章は読んでたんです。で、その時は連作短編集なのかと思ってたんだけど、改めて通して読んでみると普通の長編でした。(笑)

「西遊記」での三蔵法師といえば、すぐ魔物とか悪者にさらわれてしまって、いちいち孫悟空が助けに走らなくちゃいけなくて、とっても手間のかかるヒト。孫悟空が悪者を早めに倒してしまうと、自分が危なかったことも信じないで、「慈悲」を言い出す困ったちゃん。しかも孫悟空の言うことはあまり信用しようとしないくせに、猪八戒の言うことはすぐに鵜呑みにしてしまったり、どちらかといえば頭の悪い印象だったんですよね。でもここでの玄奘は、意思の強い天才青年でした。天竺に行きたいという奏上が太宗皇帝自らの勅によって却下されると、なんと実力行使で密出国してしまうのです!
この作品って、きっと本当は大長編になるはずだったんでしょうね。たった200ページ強のノベルス1冊で終わらせてしまうのは、あまりに中途半端。でもその後続編が書かれることもなく、10年ぐらい経っているので、もう書かれることもないのでしょうね。これから面白くなりそうなところなのに、勿体無いなあ。(トクマノベルズ)

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