Catégories:“2005年”

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<湿地>を舞台にした人間とドリグ、そして巨人の物語。いつもの畳み掛けるような勢いのあるダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品とは、また全然違う雰囲気でびっくり。
水の中に住み、変身が得意なドリグ、嵐のような音を立てる巨人、そして人間。いざ話してみると、話す言葉はお互いに共通しているのに、お互いに相手のことを良く知らないまま、昔からそうだからというだけで対立してるんですよね。なんだか現代の人種差別みたい。でもドリグの呪われた首環が人間の手に渡り、色んな状況がどんどん悪くなっていったのがきっかけで、3つの種族がお互いをきちんと認識して、呪いを解くために協力し合うことになります。<太陽>、<月>、<大地>の力とは? 呪いを解くために必要な<古き力>、<今の力>、<新しき力>とは? そんなところもワクワクしちゃうし、主人公の男の子の成長物語としても面白いです。
冒頭の雰囲気が好きだったので、途中で実態が分かった時は(ある程度予想していただけに)がっかりしたんですけど、でも最後まで読むとやっぱり良かった。ここに登場する首環は、ケルトのトルクにそっくり。ケルト独特の神秘的な雰囲気もあって素敵でした。(徳間書店)


+既読のダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品の感想+
「魔法使いハウルと火の悪魔」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「アブダラの空飛ぶ絨毯」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「デイルマーク王国史」1~4 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「わたしが幽霊だった時」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法使いはだれだ」「クリストファーの魔法の旅」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔女と暮らせば」「トニーノの歌う魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法がいっぱい」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
留守中に読んだ本(18冊)(「マライアおばさん」「七人の魔法使い」「時の町の伝説」の感想)
「呪われた首環の物語」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「花の魔法、白のドラゴン」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「いたずらロバート」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バウンダーズ」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「星空から来た犬」「魔空の森ヘックスウッド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バビロンまでは何マイル」上下 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ウィルキンズの歯と呪いの魔法」「海駆ける騎士の伝説」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「うちの一階には鬼がいる!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法!魔法!魔法!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ぼくとルークの一週間と一日」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「牢の中の貴婦人」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法の館にやとわれて」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「キャットと魔法の卵」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
Livreに「ダークホルムの闇の君」「グリフィンの年」「九年目の魔法」の感想があります)

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南フランスに住む8歳の女の子・セシルと、てんじくねずみのジャン=ピエールの4つの物語。
セシルとジャン=ピエールはまるで恋人同士のよう。一目合ったその日から、ってヤツですね。もうこの2人の心が通じ合ってる場面は、傍で見ててもドキドキしちゃうぐらい。でもそんな風に心が通じ合っている場面があるのは、1話目だけなんですよね。この1話目はとっても素敵なファンタジーなんですが、それ以降は、比較的普通の話になっちゃうんですよ。それがちょっと残念。まあ、普通とは言っても、世界中を旅することになってしまったり、サーカスに入ってしまったりとワクワクの冒険話なんですが。
そしてジャン=ピエールの視点が減った代わりに、ぐんと増えるのは大人たちの存在。セシルの両親やジャン=ピエールを巡って知り合う人々。セシルの両親を始めとして、ほんと良い人たちばっかりなんですが、4話目で登場するフィリポだけはかなり異色でびっくり。すごい大人の身勝手さを前面に出してきてます。「セシル、ちょっといい子すぎるよ...!」と、読んでいてちょっと辛かったんですが、それでも最後の展開には「ほっ」。あのままいくはずはないと思ったけど、心配しちゃったわ。...1話目が書かれてから4話目まで7年かけて執筆されてるそうなんですが、これはポール・ギャリコの意識の変化ではなく、セシルの年齢に作風を合わせてるってことなんでしょうね。きっと。
ちなみにてんじくねずみは英語で「guinea-pig」。原題で「Kidnapped(誘拐)」という単語が「Pignapped」と変えられているのも楽しいです。(福音館書店)


+既読のポール・ギャリコ作品の感想+
「トマシーナ」ポール・ギャリコ
「セシルの魔法の友だち」ポール・ギャリコ
「マチルダ ボクシング・カンガルーの冒険」ポール・ギャリコ
「われらが英雄スクラッフィ」ポール・ギャリコ
「幽霊が多すぎる」ポール・ギャリコ
「猫語の教科書」ポール・ギャリコ
「ハリスおばさんパリへ行く」「ハリスおばさんニューヨークへ行く」他2冊 ポール・ギャリコ
「七つの人形の恋物語」「スノーグース」ポール・ギャリコ
「トンデモネズミ大活躍」「ほんものの魔法使」ポール・ギャリコ
「ポセイドン」上下 ポール・ギャリコ
「ザ・ロンリー」ポール・ギャリコ
「「きよしこの夜」が生まれた日」ポール・ギャリコ
Livreに「ジェニィ」の感想があります)

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実は丁度1年前の第4回たらいまわし「秋の夜長は長編小説!」 の時に、主催者だったちょろいもさんが挙げてらした本。(その時の記事はコチラ) それ以来ずっと気になってたんですが、ようやく読めましたー。や、父が買うっていうから楽しみに待ってたのに、かーなり待たされちゃって... って人のせいにしちゃいけませんね(^^;。
これは作者の水村美苗さんが天啓を受けて書き始めた小説、という体裁。なので、前置きがすごく長いんですけど、でもその前置きすら面白くて、本題に入ってからはさらに面白くて、本当に夢中になって一気読み。読みながら、「そうそう、こういう作品を読みたかったのよー!!」って感じでした。読みながらこんな風に嬉しくて堪らなくなった作品って久しぶりかも。
肝心の作品の中身といえば、「嵐が丘」を下敷きにしたという大河小説という言葉がぴったりの作品です。そしてこの本が読みたいと思ったのは、この「嵐が丘」によるところが大きいのです。最初は「いつになったら嵐が丘になるんだ?」だったんですが、でも読み終えてみると、確かに「嵐が丘」でした。日本を舞台にして、ここまで描ききってしまうなんて凄いです。戦前から戦後にかけての富裕な名家の3姉妹を中心にした華やかな生活やその斜陽ぶりもとてもリアルに描かれていて、まるで目の前にその情景を見ているようだったし、「嵐が丘」のヒースクリフに当たる彼の受ける差別や、彼自身の捨身で一途な恋心もとても切なくて... 少し古めかしい作風がまたとても良く合ってるんですね。しかも、1つの物語が終わってみると、そこにまた突然違った様相が...。
いやあ、ほんと最後までドキドキでした。こういう作品が読めるとほんと幸せになっちゃいます♪ (新潮社)


+既読の水村美苗作品の感想+
「本格小説」上下 水村美苗
「私小説 from left to right」水村美苗
「手紙、栞を添えて」辻邦生・水村美苗
「明暗」夏目漱石・「続明暗」水村美苗
「日本語が亡びるとき」水村美苗

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文芸ポストに連載されていたという竹内真さんのお笑い論。爆笑問題やルミネtheよしもと、テツandトモや高山アナ、伊東四朗や三谷幸喜といった面々の「笑い」について切り込んでいきます。

私は普段ほとんどテレビを見てないので、相当の売れっ子の芸人さんも良く知らなかったりするんですけど、テレビでそういう番組を見てる時って、面白いか面白くないかが全てで、面白ければ反射的に笑うだけですよね。しかもその場だけで、すぐ流れちゃう。でもその「笑い」をきちんと分析すると、こういう姿が見えてくるのかーというのがすごく新鮮でした。例えば爆笑問題とツービートを対比させて。同じ「毒舌」でも、その根底にあるものは全然違っていて、はっきりと社会批判をしているツービートに対して、爆笑問題の笑いは、竹内さんいわく、風刺ではなく「物語」への笑い。偶然同じように2001年のえひめ丸沈没事件を扱ってるのがあるんですが、比べてみると実はものすごーく違うのが分かって面白いです。(ここでは具体的な違いについては書けないけど...)
ただ漫然とテレビを見て笑ってるだけでは、なかなか気付かない部分なんじゃないかと思いますが、読んでるともう本当に納得。いやー、目からウロコが落ちました。(小学館)


+既読の竹内真作品の感想+
「図書館の水脈」竹内真
「真夏の島の夢」竹内真
「じーさん武勇伝」竹内真
「自転車少年記」竹内真
「笑うカドには お笑い巡礼マルコポーロ」竹内真
「オアシス」竹内真
「ワンダー・ドッグ」竹内真
「ビールボーイズ」竹内真
「シチュエーションパズルの攻防」竹内真
Livreに「粗忽拳銃」「カレーライフ」「風に桜の舞う道で」の感想があります)

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シャンソン歌手の石井好子さんが、昭和38年に出されたという料理エッセイ「巴里の下オムレツのにおいは流れる」と、去年出たそのレシピ版。画像はレシピ版の方なんですけど、この表紙を見てるだけでもそそられませんか~?(でもちょっと色が暗いですね... 本物の方がずっと素敵です) エッセイ本の方は、Amazonでもbk-1でも画像がなくて残念。こちらもとっても可愛いのです。
白系ロシア人のマダムのアパートに住んでた頃に食べたというオムレツや、アメリカで食べたスパニッシュ・オムレツ、ロシアふうの卵「エフ・ア・ラ・リュス」、パリのヴェベールという店で食べた「ヴェベールの卵」、女優トルーデ・フォン・モロの家で食べた半熟卵と油で揚げた食パンのミミ... 卵料理だけをとっても次から次へと登場。どれもそれほど凝ったものじゃなくて、むしろ日常生活の中で簡単に作れるような気軽なお料理がほとんどなのに、そこにほんの一手間かけるだけで、おもてなし料理としても通用するようになるんですね。私の場合、いつもなら直接写真を見るよりも、美味しそうな文章を読んでいる方が想像がどんどん膨らんで好きなんですが、でも今回2冊合わせて見るのもすごく楽しかったです。レシピ版の写真に写ってるお料理の小物なんかもすごく素敵だし。そしてお料理と共に語られる、石井さんのパリにいた頃の思い出話も楽しいんですよー。60年代の巴里の街角の雰囲気が感じられます。「巴里の屋根の下」の歌が聞こえてきそう。(あれは1930年の映画ですが)
今度スタッフ・ド・トマトとレタススープを作ってみようかな♪

これは、先日のたらいまわし企画第16回「美味しそうな食べ物が出てくる本は?」で、Cross-Roadの瑛里さんが出してらした本。(瑛里さんのその時の記事はコチラ) いやー、ほんと美味しそうな本でした!(暮らしの手帖社・扶桑社)

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クラフト・エヴィング商會の吉田篤弘さんによる、ちょっと不思議な3つの物語。「フィンガーボウルの話のつづき」や「つむじ風食堂の夜」も良かったけど、この「百鼠」が一番好きかも!
「一角獣」「百鼠」「到来」という3編の中で一番印象に残ったのは、表題作の「百鼠」でした。
これは天上界に住んでいる<朗読鼠>たちの物語。朗読鼠たちはそれぞれに下界の作家を担当していて、その作家が執筆する時に側で物語を朗読していくのがお仕事。作家は実は天上の力を借りて小説を書いてるんだというお話です。でも確かに、何事においても創作にはどこか別次元の神がかり的な部分が必要なんじゃないかなと思うし、こりゃ本当にありえるぞ... なーんて、読んでると思えてきちゃう。となると、ライターズハイと呼ばれる状態は、やはり鼠の朗読が乗ってきたという証拠なのでしょうか?(笑)
こういう話を吉田篤弘さんが書かれるというのが面白いなあ。
ちなみに「百鼠」とは、動物の鼠ではなくて鼠色のことです。銀鼠や桜鼠、鉄鼠、鳩羽鼠など、江戸時代の粋人たちが作り出した様々な色合いの鼠色のこと。朗読鼠たちは、チョコレートとミルクでこの鼠色を身体の中に作り出すんですけど、その<鼠>を作り出す過程も楽しいし、この物語の中で使われている色んな言葉も、視覚から想像力が膨らんでいくような言葉でとっても素敵。
この3編は、一見バラバラのように見えて、でも確かに繋がってるんですね。「一角獣」の主人公は元々校正者だし、「到来」の主人公は、その母親の書く小説にいつも分身が登場しているし、みんな物語に繋がりがあるんだなあ。でもって、「百鼠」があるからこそ、「到来」の最後の一節が意味深長で、それがまたいいんですよねえ♪ (筑摩書房)


+既読の吉田篤弘作品の感想+
「百鼠」吉田篤弘
「78」「十字路のあるところ」吉田篤弘
「という、はなし」吉田篤弘
「空ばかり見ていた」吉田篤弘
「それからはスープのことばかり考えて暮らした」吉田篤弘
「小さな男*静かな声」吉田篤弘
Livreに「フィンガーボウルの話のつづき」「つむじ風食堂の夜」「針がとぶ」の感想があります)

+既読のクラフト・エヴィング商會の感想+
「アナ・トレントの鞄」クラフト・エヴィング商會
「犬」「猫」クラフト・エヴィング商會プレゼンツ
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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「結構元気に病人をやっている」(笑)若だんなのシリーズ第4弾。やっぱり畠中さんはこのシリーズが一番好き! そりゃ4作目ですから「しゃばけ」や「ぬしさまへ」の頃の新鮮味は薄れてしまってるし、若だんなのお兄さんの話がすっかり落ち着いて以来、特に大きな波風も立たないんですけど、でもマンネリ化を恐れずにこの路線を追求していって欲しいなあ。
今回は屏風のぞきや鳴家といった、今まで脇でいい味を出していた妖(あやかし)が中心となった話があったり、5歳の頃の若だんなのエピソードなんかもあったりして、相変わらずのほのぼのぶり。でも突然、「吉原の禿を足抜けさせて一緒に逃げることにしたよ」などと爆弾発言をしてくれたりします。若だんなが駆け落ち? しかも吉原の... ええっ?!
そんな中で、今回一番気になってしまったのは、初登場の妖(あやかし)「狐者異(こわい)」。他の妖とは違って、人間はもちろんのこと、妖ともまじわらない狐者異は、仏すらも厭い恐れたという妖なんですよね。それがなぜなのか誰も教えてくれないし、生れ落ちた瞬間から、他の者たちのつまはじきとなる運命。受け止めきれた者がいないというこの狐者異に、若だんなが手を差し伸べるのですが...
一応今回の話はこれで終わりなんだけど、この狐者異、また登場しそうな気がします。そしてその話こそが、このシリーズ全体の山場となりそうな予感...。(新潮社)


+シリーズ既読の感想+
「しゃばけ」「ぬしさまへ」「ねこのばば」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「おまけのこ」
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「いっちばん」畠中恵

+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
Livreに「百万の手」の感想があります)

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