Catégories:“2005年”

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マット・スカダーシリーズ13作目。このシリーズにもIT化の波が来ていて、マット・スカダーもTJという助手にしきりとパソコン導入を勧められてます。
今読むと、「まだパソコン使ってないの?」「やっぱりマット・スカダーも新しい物は苦手なのねー」って感じだったんですけど、でもよく考えてみると、この文庫が出たのは今年なんですけど、単行本で出たのって1996年なんですよね。1996年でパソコンがまだでも、それって全然遅くないんじゃ... てか、3作前の「獣たちの墓」で、ハッカー少年たちが大活躍するんですけど、この作品が日本に発表されたのが1993年。まだWindows3.1の時代じゃん!(日本語版でも、それほどタイムラグがないはず) それ以前の作品でも、警察のコンピューターで情報を調べてたような気がするし、実は結構時代を先取りしてる作品だったんですねー。今まではどちらかと言えばアナログなイメージを持ってたシリーズだけにびっくりです。だって、マット・スカダーは「足で稼ぐ」タイプの探偵なんですもん...。この作品でも、マット・スカダーがTJをポケベルで呼び出してるのが違和感だったんですが、1996年頃だとそっちの方が普通ですものね... ほんとびっくり。

でもこういう最先端技術を本に取り入れるのって難しいですね。いくら新しいこと書いても、出た時すぐに読まなかったらどんどん古くなっちゃうんですもん。最先端技術だけでなく、時事的な問題も。例えば、服部真澄さんの作品は、「龍の契り」と「鷲の驕り」しか読んでませんが、どちらもとても読み応えがあったし、出てすぐ読めばものすごーく旬な作品だったはずなのに、3~4年遅れて読んだ私にとってはちょっぴりツラかったんですよね。(「龍の契り」は、香港返還の直前に読みたかった!) でも井上夢人さんの、コンピューターウィルスを扱った「パワー・オフ」は、1996年に出た作品で読んだのが2002年。まだフロッピーディスクしかないような時代の話なのに、全然古く感じなかったんです。川端裕人さんの、クラッカー集団のサイバーテロの話「The S.O.U.P.」も夢中になって読んだし、他にも全然古く感じなかった作品は思い出せば色々とあるはず。
一体どこにその差があるのかしら?

...と思いつつ。
別にこの作品が古臭く感じられたという話じゃないんですけどね。この作品の中では、そういう電子機器はあくまでもメインじゃないし。でもそろそろポケベルの代わりに携帯電話が登場して、パソコンが活躍する頃かもしれないなー。(二見文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「過去からの弔鐘」「冬を怖れた女」「一ドル銀貨の遺言」「暗闇にひと突き」「八百万の死にざま」「聖なる酒場の挽歌」「慈悲深い死」「墓場への切符」「倒錯の舞踏」「獣たちの墓」「死者との誓い」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「死者の長い列」ローレンス・ブロック
「処刑宣告」ローレンス・ブロック

+既読のローレンス・ブロック作品の感想+
「殺しのリスト」ローレンス・ブロック
「砕かれた街」上下 ローレンス・ブロック
Livreに「泥棒は野球カードを集める」「殺し屋」の感想があります)

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久々の猫の事件簿シリーズ。
「猫が消える町」の方は、ナンシー・ピカードの表題作が一番面白かったです。このシリーズでナンシー・ピカードの作品は2作目。やっぱり短編もなかなかいい感じ。短いのに、町の情景やそこに住む人々の明るい雰囲気が伝わってきました。他の作品は、まずまずってとこかな... 本としては「in ハリウッド」の方がずっと面白かったです。こちらはハリウッドが舞台となっているだけあって華やか。懐かしい有名スターの名前も登場するし、映画や舞台を巡る人々の人間ドラマみたいなのも面白かったし。(そういえば、メガンという名の女性がやけに登場するんですけど、女優や歌手に向いてる名前なんでしょうか...?)
でも「猫が消える町」には9編なんですが、「in ハリウッド」には17編も入ってるんです。合計26編。これだけ短編が続くとちょっとツライものが...。短編集を読んでるといつも、無性にずっしりした長編が読みたくなってくるんですよね、私(^^;。(二見文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「猫の事件簿」ピーター・ラヴゼイ他
「貴婦人のペルシャ猫」エドワード・D・ホック他
「魔女のオレンジ猫」シャーロット・マクラウド他
「宝石商の猫」ウィリアム・L・デアンドリア他
「猫が消える町」「inハリウッド 猫の事件簿」ナンシー・ピカード他

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コバルト文庫から出ていた「かぜ江」シリーズの続編が、角川ビーンズ文庫から出てました。これは三国志を、孫策と周瑜の友情を中心に描いたシリーズ。コバルト文庫で三国志っていうのもすごいと思うんですが、これが意外としっかりとした作品なんですよね。しかも私の好きな周瑜が主役級で出てくるとあれば、やっぱりこれは読むしかないでしょう♪
ということで、2年半ぶりぐらいに読んだんですが... んんー、ちょっとパワーダウンかしら。話としては、コバルトの「約束の時」の直後から「旋風は江を駆ける」の直前辺りまで。あとがきを読むと、出版社を移して完全な続編を書くということで、かなり苦労されたみたいですね。確かにシリーズ物とはいえ、やっぱり角川ビーンズから出るのは初めてだから(しかもコバルトの方は絶版)、登場人物の紹介も最初からやりなおさなくちゃいけないし、シリーズのファンにもそれなりに読ませなくちゃいけないし、色々と大変なんでしょうね。でも、そういう迷いが作品に出てきてしまっているような...。直情型の孫策と冷静沈着な周瑜は相変わらずなんだけど、以前の熱さが感じられなかったのがちょっと残念。まだ本調子じゃないだけで、これからガンガン書いて下さるといいのですが!

この朝香さんの三国志は正史ベース。私が好きな北方三国志も正史ベース。「三国志演義」は実はそれほど好きじゃないし、やっぱりこれは、いつかはちゃんと正史を読んでみなくちゃいけないなあ。でも、正史はちくま学芸文庫から出てるんですけど、文庫なのに1冊1500円ぐらいするんですよね。しかも全8巻... うーん...(^^;。(角川ビーンズ文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「運命の輪が廻るとき」朝香祥
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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10歳の時に母を失った瓔国公主・香月は、16歳の時に閃王・巴翔鳳に嫁ぐことになります。しかしそれは香月にとって、母の命を奪った巴翔鳳を暗殺するためだったのです...。

「雄飛の花嫁」(感想)で登場した新興国・閃もこの物語の頃には建国50周年。初代閃王・巴飛鷹も代替わりして今は2代目の巴翔凰の治世。2代目とは言っても、息子ではなく孫なんですが。
あらすじを読んだ時は、てっきり「雄飛の花嫁」と同様に、敵同士の2人が徐々に惹かれあうパターンかと思ったんですが、また違う展開でした。痛くて切ない系のお話。でも意外性を突こうとしてるのはいいんですけど、これは奇をてらいすぎたという気も... これなら、ありきたりでも王道の物語を気持ち良く読ませてもらった方が良かったような...(しかも特に驚かなかったし) 覇気のない王がかっこよく見えたのは最後の一瞬だけ。ヒロインには、最後まで感情移入できず... うーん。しかも彼の出奔の話はどうなったんでしょ。その辺りもきっちりと説明して欲しかったなあ。それがまた別の物語になるのなら、いいんですけど。
なんだか3作で徐々にパワーダウンしていってるような気も... 雰囲気作りはすごくいいのに勿体ないわー。(講談社X文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「雄飛の花嫁」「天の階」森崎朝香
「翔佯の花嫁 片月放浪」森崎朝香
「鳳挙の花嫁」森崎朝香

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「にぎやかな眠り」に続く、シャンディ教授シリーズの2作目。今回は強盗とか殺人事件とか、バラクラヴァ農業大学畜産学部の大切な大切な豚のベリンダが誘拐されたりとか(表紙の彼女です←天野喜孝さんのイラスト、可愛い!)、年に1度の馬の競技会に対する邪魔工作があったりと盛りだくさん。
やっぱりこのシリーズ、登場人物がすっごくいいです。特に今回はイデューナという女性がいいんですよー。この女性に対するシャンディ教授の第一印象は、「グッドイヤーの気球そっくりの体形」の「人間ツェッペリン」。このグッドイヤーの気球というのが分からなかったので検索してみたらこんなのが出てきました。ひ、ひどい...(^^;。 歩き方も、「七月四日の独立記念日のパレードで子供が持っているピンクの風船のように、元気よくはずむ感じでただよって」いるですって。すごい言われようですね。でも、彼女がにっこりすると、誰もが笑顔を返さずにはいられないし、男性陣はみんな彼女が気になって仕方ないのです。そして豚のベリンダの世話をしている畜産学部長のダニエル・ストット教授もかなりいい恰幅なんですが、「ストット教授が豚に生まれていたら、きっとこのうえなくすばらしい豚になっていたことだろう」という表現をされてて、なんか可笑しい。農業大学を中心とした町なので、普通の都会的なスレンダーな美女やハンサムさんには用がないみたいです。(笑)
盛りだくさんな出来事が綺麗にパタパタと解決していくのも気持ちいいし、しかも思わぬところに伏線が潜んでいてびっくり。同僚のエイムズ教授の家に、おっそろしい家政婦さんが来てしまったので(ものすごい掃除魔で、家の前を通るだけで漂白剤の匂いがする始末...)、シャンディ教授はイデューナをエイムズ教授の奥さんにして、その恐ろしい家政婦を追い出そうなんて言ってたりするんですけど、その辺りの展開も楽しいところ。殺人は起きるんですが、それでもやっぱりほのぼのした魅力が失われなくて素敵。続きも読みたいんだけど、次の「ヴァイキング、ヴァイキング」は未入手。積読本がもう少し減ったら買って来ようっと。(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「にぎやかな眠り」シャーロット・マクラウド
「蹄鉄ころんだ」シャーロット・マクラウド
「ヴァイキング、ヴァイキング」「猫が死体を連れてきた」シャーロット・マクラウド

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クリスマスのイルミネーションの時期だけ、見物人で賑わうバラクラヴァ。その中でただ1人協力せず、毎年グランド・イルミネーション委員会にせっつかれていたシャンディ教授、今年は悪戯心を出してしまいます。専門業者に悪趣味な飾りつけと大音響のクリスマスソングを頼み、ちょっとやそっとじゃスイッチを切れないようにして、そのまま船旅に出かけてしまったのです。しかし船のエンジン・トラブルで、すぐに自宅に戻ることになった教授を待っていたのは、暗くひっそりと静まり返った家。そしてイルミネーション委員会のジェマイマの死体でした。

ずっと気になってたシャンディ教授シリーズの第1作。ようやく読めました。
大学教授が探偵役で、その専門知識を生かして推理というミステリは結構ありますし、比較的最近読んだ中では、アーロン・エルキンズのスケルトン探偵・ギデオン・オリヴァー博士のシリーズが印象に残ってるんですが(「古い骨」「暗い森」の感想)、こちらのシャンディ教授は、応用土壌学が専門。また変わったものを持ってきてますねー。(笑) 応用土壌学と言われても正直ピンと来ないんですけど、どうやら土というよりも、植物の品種改良がメインみたいです。巨大なカブを作り出していて、その特許料が毎年結構入ってきてるみたいだし、毒性を持つ植物なんかにも詳しいみたいだし。とは言っても、この1作目ではその知識がそれほど生かされていないようだったのが、少し残念だったのですが。これからのシリーズで、もっとそういう部分が前面に出てくるといいな。
殺人は起きるんだけど、基本的にほのぼのとしたミステリ。同僚のエイムズ教授やその親戚のヘレン・マーシュ、そして大学の学長夫妻など、周囲の登場人物がすごく個性的で楽しかったし、これは続きも読んでみたいな。これから先の展開も楽しみです。(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「にぎやかな眠り」シャーロット・マクラウド
「蹄鉄ころんだ」シャーロット・マクラウド
「ヴァイキング、ヴァイキング」「猫が死体を連れてきた」シャーロット・マクラウド

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アナ・トレントというのは、スペインの女優さん。アナ・トレントの鞄とは、彼女がヴィクトル・エリセ監督の「ミツバチのささやき」という映画に出演した時に手にしていた鞄のこと。これがクラフト・エヴィング商會は気になって仕方なくて、仕入れの旅に出ることになります。そして途中で様々な一品物の商品を手に入れることに...。

せっかく「ミツバチのささやき」を引き合いに出しているからには、もっとあの映画の雰囲気を思い出させてくれるような商品を揃えて欲しかった気もするのですが... 映画に繋がりが感じられるのって、せいぜい最初に登場する携帯用のシガレット・ムービーや、「ひとりになりたいミツバチのための家」ぐらいなんですよね。それが少し残念。でも「どこかにいってしまったものたち」のような系統の、とてもクラフト・エヴィング商會らしい本です。(装幀の色も良く似てますねー)
私が惹かれたのは、携帯用のシガレット・ムービー、稲妻の先のところ、古代エジプト人が魂の重さを量るときに使った羽・Maat にちなんだ、羽のような有るか無きかのはかないお菓子・マアト。あと、分かる人には分かると思いますが(笑)、どうしても気になってしまうのが「F」の小包み... この「F」ってどこから出てきたのかしら! それがすっごく気になります。しかも他の商品を見てると、もしやこれはあの本がヒントになって...? というのがちらほらあったりして、商品そのものよりも、クラフト・エヴィング商會さんの読書傾向がものすごーく気になってしまう私なのでした。(^^ゞ (新潮社)


+既読のクラフト・エヴィング商會の感想+
「アナ・トレントの鞄」クラフト・エヴィング商會
「犬」「猫」クラフト・エヴィング商會プレゼンツ
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

+既読の吉田篤弘作品の感想+
「百鼠」吉田篤弘
「78」「十字路のあるところ」吉田篤弘
「という、はなし」吉田篤弘
「空ばかり見ていた」吉田篤弘
「それからはスープのことばかり考えて暮らした」吉田篤弘
「小さな男*静かな声」吉田篤弘
Livreに「フィンガーボウルの話のつづき」「つむじ風食堂の夜」「針がとぶ」の感想があります)

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