Catégories:“2005年”

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「長い長いお医者さんの話」で有名なチェコの作家、カレル・チャペック。この中では「ダーシェンカ」を最初に読んだんですけど、全編これ犬の話。「ダーシェンカ」とは、フォックステリアの子犬の名前で、チャペックがもうほんとべた惚れになってるのが可笑しいのです。子犬を大人しくさせるためにお伽話を作ってみたり、「子犬の写真をうまく撮るには」では、なかなか大人しく写真を撮られてくれない子犬のことが面白可笑しく書いてたり。...でも続けて「チャペックの犬と猫のお話」を読んだら、「ダーシェンカ」の内容もそっくりそのまま入ってました(^^;。 とは言っても、「ダーシェンカ」の方が余裕たっぷりのページ作りがされてるので、同じ部分を読むなら「ダーシェンカ」の方がオススメかも。
「チャペックの犬と猫のお話」は、内容的には「ダーシェンカ」の倍以上あって、こちらは犬だけでなく猫の話も色々と入ってます。日本では犬派と猫派に分かれちゃうことが多いですけど、海外だとどちらも飼ってる人って結構多いですよね。チャペックもそう。でもどっちも雌だから、どんどん子供を産んで、どんどん増えていっちゃう。周囲の人にあげまくってるようですが、「じきに、みんなが私のことを避けているような気がし始めた」というのが可笑しいです。 
「園芸家12ヶ月」では、そんな犬猫を溺愛するのとはまた違って、園芸マニアなチャペックの一面を見ることができます。私みたいに普段は水遣りをするだけの怠慢ガーデナーからすると、もうほんと黙って尊敬するしかないマニアックぶり。でも気持ちは分かるんですよね~。雨が降っても風が吹いても、晴れの日が続いても苦労が絶えないチャペック。読みながら、思わずニヤニヤしてしまう方も多いのでは。ほんとチャペックのマニアックぶりが可笑しいです♪(新潮社文庫・河出文庫・中公文庫)


+既読のカレル・チャペック作品の感想+
「ダーシェンカ」「チャペックの犬と猫のお話」「園芸家12ヶ月」カレル・チャペック
「イギリスだより」「スペイン旅行記」カレル・チャペック
「ロボット」チャペック
「チェコスロヴァキアめぐり」カレル・チャペック
「北欧の旅」カレル・チャペック

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唐の時代、李世民(太宗皇帝)の姪として生まれながらも、諸事情から母方の祖父母の家で商家の跡取り娘として育てられていた翠蘭は、突然皇帝の命令で吐蕃(チベット)へと嫁ぐことに...。

これはBlue windのmakiさんに教えて頂いた本です。コバルト文庫とかX文庫とか角川ビーンズ文庫とか電撃文庫とか、なかなか自分からは開拓できないんですけど、オススメされて読んでみると結構面白いのが潜んでますね。これもなかなか面白かったです。まず、中国物というところで私のハートをギュッと鷲掴みなんですが(笑)、メインの舞台はチベット。チベットを舞台にした作品というのが珍しくて、またしてもギュギュッと。(笑) 皇帝に命じられて辺境の地にお嫁入りしちゃうといえば、まるで王昭君(前漢時代)のような設定だなあ、やっぱり乙女心をくすぐる設定なのかなあなんて思ってたんですけど、実は史実に基づいた話なのだそうです。
展開は思いっきり王道。どこからどこをとっても王道。主人公が恋に落ちて、その相手と少しずつ距離を縮めていって、でも風習も民族も違う2人だから色々な問題は山積み、彼のことを奪おうとする女なんかも出てきて大変なわけです。だけどなんだかとっても和むんですよねえ。ラブラブになっても、文章がからっとしてるからかしら。ちょっと突き放した位置からの心理描写が濃やかだからかも。彼との間の邪魔者がやりすぎないというのも、きっとポイントですね。チベットの歴史や風物なんかもさりげなく紹介されて、ちょっと興味が広がっちゃいそうです。(コバルト文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「風の王国」1~4 毛利志生子
「風の王国5 月神の爪」毛利志生子
「風の王国6 河辺情話」毛利志生子
「風の王国7 朱玉翠華伝」毛利志生子・増田メグミ
「風の王国8 目容の毒」毛利志生子
「風の王国9 臥虎の森」毛利志生子
「風の王国 花陰の鳥」毛利志生子
「風の王国 波斯の姫君」毛利志生子・増田メグミ
「風の王国 初冬の宴・金の鈴」毛利志生子
「風の王国 嵐の夜」上下 毛利志生子
「風の王国 星の宿る湖」毛利志生子

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これは「蒼穹の昴」(感想1感想2)の続編。というか後日談。2年前の義和団事件の混乱のさなかに、光緒帝の寵妃・珍妃が井戸に投げ込まれて殺されたという話から、英・独・露・日の高官らが調べ始めるという物語。4人は、ニューヨーク・タイムズ駐在員や、宦官の蘭琴、袁世凱、光緒帝の側室・瑾妃などに話を聞いていきます。でも一体どこからどこまでが本当の話なのやら、それぞれの話は見事に食い違って、色んな人に話を聞けば聞くほど糸はからまっていっちゃうんです。珍妃を殺したのは西太后だというのが、歴史上の通説らしいんですが、ここではそうではないらしく。
「蒼穹の昴」は面白いけどこっちはイマイチだとか、いややっぱりこっちもオモシロイとか、色んな情報があって一体どっちなんだろうと思ってたんですけど、これも結構面白かったです。こんな風に色んな証言を集めていく話って好きなんですよー。解説には芥川龍之介の「藪の中」が引き合いに出されてましたが、それこそ先日読んだばかりの「ユージニア」とかね。登場人物は「蒼穹の昴」とかなり共通してて、でも作風がまた全然違うっていうのも良かったような。歴史ミステリなんだなあと思いながら読んでいたんですが、結局光緒帝と珍妃の恋愛物だったような気がします。
でもでも、最後のあの話だけは全部本当なのかしら? 本当だったら、なぜ彼らはこんなことしたの?
...ちょっと良く分からなくなってしまって混乱中...(恩田さんのもやもやには対応できるんだけど、浅田次郎さんのもやもやにはなぜか対応できない私です(^^;) (講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「蒼穹の昴」1・2 浅田次郎
「蒼穹の昴」3・4 浅田次郎
「珍妃の井戸」浅田次郎

+既読の浅田次郎作品の感想+
Livreにきんぴかシリーズ、「プリズン・ホテル」「天切松闇がたり」1の感想があります)

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「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」という、何ともインパクトの強い言葉で始まる物語。
主人公は中学三年生の佐和子。「幸福な食卓」というのは、一家揃っての朝食の情景のことなんでしょうね。読み進めていると家族の色々な問題が見えてくるんですけど、それでもやっぱり私の目に映る一家はとても幸せそう。砂上の楼閣のような幸せなのかもしれないんですが、それでもやっぱり何気ないやり取りに和むし、そんな中で家族に見守られながら成長していく佐和子の姿が微笑ましかったんです。家族の数だけ幸せがあるはずだから、これがこの家族の幸せの形だとも思えたし。
でもね、でもですよ、そんな幸せな日常に、なぜこんな出来事が...! これには本当に驚いたし、ラストの辺りでは思わず号泣。なんでこんなことになるの! というより、瀬尾さんは、なぜここまでしなければならなかったの? ここまでの展開を持ってくるからには、それ相応の理由が欲しいところだし、このままではテレビドラマにわざと波風を立ててるみたいに感じられてしまうんだけど... と言いつつ号泣してしまったというのは、自分で思ってた以上に物語に入り込んでいたんだろうなあ。読み終えて少し経った今でも、「何もそこまでしなくても」「幸せそうな家族に何か恨みでも?」なんて思ってしまうのだけど...。
それでも好きなんですけどね、この物語。ほんと引き込まれて読んだし。でも、やっぱり「卵の緒」の方が好きだなあ。(講談社)


+既読の瀬尾まいこ作品の感想+
「幸福な食卓」瀬尾まいこ
「優しい音楽」瀬尾まいこ
「温室デイズ」瀬尾まいこ
Livreに「卵の緒」「図書館の神様」「天国はまだ遠く」の感想があります)

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ささらさや」の姉妹編。 「ささらさや」と同じく佐々良という小さな町が舞台で、登場人物も共通しているのですが、こちらの主人公は照代という15歳の女の子。せっかく希望の高校に受かったのに、浪費家の両親のせいで借金取りに追われることになり、会ったこともない遠縁の親戚「鈴木久代」を訪ねて1人で佐々良へ来るところから物語は始まります。
主人公の照代は全然可愛げのない生意気な女の子。でも両親からされた仕打ちを考えれば、ある程度は仕方ないですよね。彼女の尖った部分が、彼女の寂しさや哀しさをそのまま表しているようで切なかったです。でもそれも佐々良にやって来て色んな人と出会うちに少しずつ柔らかくほぐれていくことになるわけで... まあ、言ってしまえばとっても分かりやすい展開なんですが(笑)、でも加納さんらしく柔らかくて暖かくて、でもドキッとさせられる部分もあって良かったです。
「ささらさや」と同じように不思議なことが起こるのですが、こちらの出来事は「ささらさや」の時ほど物語を左右するものではなくて、言ってしまえばスパイス程度。でもそのスパイスのおかげで、重くなりすぎずに読めたような気がします。それにやっぱりこの佐々良という町がいいんですよねえ。なんだか久しぶりの友達にばったり会えた気分です♪(幻冬舎)


+シリーズ既刊の感想+
「ささらさや」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「てるてるあした」加納朋子

+既読の加納朋子作品の感想+
「ななつのこものがたり」加納朋子
「モノレールねこ」加納朋子
「ぐるぐる猿と歌う鳥」加納朋子
Livreに、これ以前の全作品の感想があります。

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20年前、古都・K市で起きた陰惨な殺人事件。それは、地元の名家の祝いの席に届けられた酒とジュースに青酸系化合物が混入されており、子供6人を含む17人もの人間が亡くなるというものでした。そしてその10年後、その出来事は本として出版されます。事件当時中学生だった雑賀満喜子が、大学の卒論のために当時の関係者に話を聞いて回りまとめたものが、「失われた祝祭」という本として出版されることになったのです。そしてさらに20年後。

事件に関わった人物1人ずつの証言を元に、過去の事件を浮き上がっていくという形態。「Q&A」と似たような手法なんですね。ただしこちらは基本的にQはなくてAだけ。
もちろん事件そのものも浮き上がってくるんですけど、むしろ事件から10年経ってそれぞれの当事者たちの想いが浮き上がってくるというのがポイントなのかもしれないですね。はっきりと質問者が存在していた「Q&A」と違って聞き手の言葉が直接的に登場しないので、まるで自分もその場にいて話を聞いているみたい。そしてなんだか話を聞いてるというよりも、なんだかそこにある混沌とした深淵を覗き込んでいるような気分... 不気味。もちろんそれらの話の中には真実ではないことも含まれているかもしれないし、明らかに事件当日のことを書きながらも、固有名詞が微妙に変えられている部分もあります。巧妙にはぐらかされながら、それ少しずつ核心に近づいていく感覚が堪らない! ...そしてまた最初に戻るのですね。うーん、素敵だわ。恩田さんの作品って最後に近づくと、普通とは違った意味で(笑)ドキドキするんですけど、今回はこの曖昧さがすごくいい方に出てるような気がします。恩田節全開。...と言いつつ、インタビュワーの存在とか、他にも気になってしまう部分もいくつかあったのだけど...(笑) そしてこの本、装幀が凄いんですね。中身も素敵ですが、外側のカバーも。薄い紗のようなグレーで全て塗り込めてしまうような装幀です。(角川書店)

ということでようやくユージニアを読了したので、先日書いていた通りMy Best Books!の恩田陸Best3に参加しますね。しかしこれが迷うんですよねー。どうしよう?


+既読の恩田陸作品の感想+
「夏の名残りの薔薇」恩田陸
「小説以外」恩田陸
「ユージニア」恩田陸
「蒲公英草紙」「光の帝国」恩田陸
「酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記」恩田陸
「ネクロポリス」上下 恩田陸
「エンド・ゲーム」恩田陸
「チョコレートコスモス」恩田陸
「中庭の出来事」恩田陸
「朝日のようにさわやかに」恩田陸
「木洩れ日に泳ぐ魚」恩田陸
「いのちのパレード」恩田陸
「猫と針」恩田陸
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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宙の本棚の小葉さんに「ほんのり中華風のファンタジー」と教えていただいた作品。この作品は2003年度の第9回電撃ゲーム小説大賞の金賞受賞作品なのだそうです。...いえ、そういう賞もあるのね。という程度の認識しかないのですが(^^;。
最初のページを開いてみた時の雰囲気で、ネットでオリジナルの長編小説を書いてらっしゃる方の作品を思い出してしまって、なんだかびっくり。5行ぐらいしか読んでない時点での話なので、似てるとか似てないとかそういうの以前の話なんですけど、作者さんのプロフィールを探してしまったわー。結局年齢が全然違っていたので残念。

これは架空の東和という地方の7つの都市が、それぞれ先王の遺児だという姫君を祭り上げて、覇権争いをする物語。この物語の主人公、12歳の空澄(からすみ)がいるのは7番目の都市なんですよね。だから「七姫」。もっとも、空澄は施設育ちの孤児で全然王の血なんて継いでないのですが... だから他のお姫さまも本物かもしれないし、偽者かもしれないし、微妙なところ。
この雰囲気は確かに中華風。そして大陸風でもあります。あくまでも主人公の空澄の視点で展開していくので、乱世の覇権争いの話の割には重厚さや緊張感みたいなのはなくて、あくまでもまったりほんわりとしてるんです。これって結構珍しいパターンかもー。最初は世界観がなかなか掴めなかったし、最後まであんまりほのぼのしてるんで、ちょっと物足りない部分もあったんだけど、でもなかなか楽しかったです。キャラクターがいいんでしょうね。私が一番気になるのは、衣装役さん。名前も分らないキャラなんですけど、彼女、いいわあ♪
そしてお姫さまたちの名前は、それぞれ「黒曜」「翡翠」「常盤」「琥珀」「浅葱」「萌黄」「空」という色の名前になってるんですが、物語全体を通して感じたのはとにかく晴れ渡った空の色。主人公以外のお姫さまが登場しても、そのイメージはあまり変わらなかったな。でもねー、このお姫さまに「空澄」という名前はとてもよく似合ってると思うんですけど... でも「カラスミ」なんですよ、「カラスミ」。どうしても酒の肴のイメージが!(笑) 「空澄」と書けば綺麗なのにねえ。漢字とカタカナじゃ、受けるイメージがほんと全然違いますね。(笑)

あと、この作者さんはきっと紫堂恭子さんのファンなんだろうな... そんな感じです。(電撃文庫)

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Note


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