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津原泰水まつりエントリ第3弾です。本当は刊行順に読もうと思ってたんですけど、「ペニス」は今回こそゆっくりと読もうと決心してるし(ということで、まだ125ページ)、丁度こちらの本が入手できてしまったので、先に読んでしまいましたー。津原さん単独作品で最後の未読本。(...と思ったらキム・ギドク監督の映画のノベライゼーション「悪い男」もあったんだっけ。でもノベライゼーションっていうのは、あまり食指が動かないなあ)

というのはともかく、「赤い竪琴」。
祖母の遺品をきっかけに、耿介という楽器職人と知り合った暁子の物語。純愛小説だというのだけは聞いてたんですけど、それでも実際に読んでみてかなり驚きました...。明らかに津原泰水さんの文章なんですが、でも本当に?って感じ。とは言ってもやはり津原泰水さんだから、一筋縄ではいかないのですが...。
うわーん、良かったです。なんて素敵。なんて美しい...。これは本当に大人の恋愛小説ですね。今にもほとばしり出しそうな、抑えられた情熱にドキドキ。耿介と暁子の一言一言にドキドキ。そして最後の一言...。未読の最後にこんな作品が残っていたなんて幸せだー♪

津原泰水まつりのバナーは、OverQさんが作って下さったんですが、この「赤い竪琴」と同じ色だったのですねえ。この書体(康印体?)がまた、津原作品に似合ってますね(^^)。

赤い竪琴かあ... 私も膝の上に抱いて爪弾いてみたい。音色を聴いてみたいなあ。(集英社)


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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ケストナーは子供の頃から大好き。中でも一番好きなのは「飛ぶ教室」なのですが、この「点子ちゃんとアントン」も大好き。あと「五月三十五日」みたいな作品も大好き。とにかくハズレがない作家さんですね。この作品は、元気でやんちゃなお金持ちの少女・点子と、性格が良くて勇気のある貧乏な少年・アントンの物語。ケストナーの作品の登場人物って、かなり類型的ではあるんですけど、でもやっぱりいいんですよね。人間として大切にしなくちゃいけないことがいっぱい詰まっていて。
実は、森谷明子さんの「れんげ野原のまんなかで」(感想)に登場する能勢夫人の言ってる本はこれかも、と思って読んでみたんです。でもやっぱり違ったみたい。ケストナーが書きそうな文章だなあって思ったんですけどねえ。能勢夫人は「富豪」「女性」と言ってたし、「富豪」というのも「女性」というのも、点子とはまたちょっと違うんだけど...(富豪なのかもしれないけど、まだまだ女の子だし) 他の作品にも富豪の女性なんて出てこなかったと思うし、やっぱりケストナーではないのかしら。(あと富豪といって思い出すのは、「小公女」ぐらい... 「あしながおじさん」のジュディの友達・ジューリアも富豪のはずだけど、彼女はそういうタイプじゃないしねえ)

これは一応岩波少年文庫再読計画の第8弾のつもりだったのですが、実は私が読んだのは岩波少年文庫版じゃなくて、ケストナー少年文学全集の方。同じ岩波書店だからきっと同じだと思っていたのに、なんと訳者が違ってました! 私が読んだのは高橋健二さん訳で、岩波少年文庫の方は池田香代子さん訳。うわー、迂闊。どんな風に違うんだろう。子供の頃から全集の方を何度も読み返してるし、高橋健二さんの訳にすっかり馴染んでるから、今更他の人の訳に馴染めるとは思えないんだけど、でもやっぱり気になります。まさかそのせいで能勢夫人の覚えているようなクダリがなくなってるわけではないでしょうけれど...。(岩波書店)


+既読のエーリヒ・ケストナー作品の感想+
「点子ちゃんとアントン」エーリヒ・ケストナー
「ケストナーの『ほらふき男爵』」E・ケストナー
Livreに「雪の中の三人男・ガス屋クニッテル」「消え失せた密画」「一杯の珈琲から」の感想があります)

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津原泰水まつりエントリ第2弾。これも好きなんですよー、「蘆屋家の崩壊」。このタイトルは、言うまでもなくエドガー・アラン・ポーの「アッシャー家の崩壊」からですね。30を過ぎても未だ定職についていない猿渡という男と、怪奇小説家、通称「伯爵」の連作短編集。豆腐好きで、美味しい豆腐が食べられると聞けば、日本中遠征してしまう2人の物語。豆腐ですよ、豆腐。出てくる豆腐料理がまた美味しそう。それにこの2人のやり取りも楽しいのです。でもね、そんな風に一見ごく普通の雰囲気かと思えば、実はそこには僅かな歪みが...。何かがおかしいと思ってる間に、いつの間にかその歪みに捕らえられて、落とされてしまうのですねえ。
今回再読して驚いたのは、冒頭の句読点の少なさ。句読点が少なくても全然読みにくくならなくて、むしろそのせいか、最初の短編なんてたった6ページなのにとっても濃いです。独特の濃密さを醸し出しているのですね。これで引きずり込まれちゃう。で、気がついたら句読点は普通になっているのだけど、最初のその効果が持続して勝手に増幅しているのか、もう離してくれないのです。...句読点が少ないといえば、舞城王太郎さんの文章もそうですよね。句読点が少ないというよりはほとんどなくて、独特のリズムとパワーのある文章。でも同じように句読点の打ち方に特徴があるとはいっても、そこにある雰囲気は全くの別物で、なんだか不思議。
でも、確かに句読点の打ち方って重要ですよね。妙に読みにくいと思ったら句読点のせいだったり。...そうか、私も句読点次第で文章の雰囲気を変えられるのか、なんて思ったんですけど、例えば私の文章から句読点を減らしても、ただ単に読みにくくなるだけなんだろうな。

この作品、どうやら猿渡は津原氏本人、伯爵は井上雅彦氏がモデルのようです。この井上雅彦という方も、どんな方なのかとっても気になります。実は未だに読んだことがないので...。(ホラー系は苦手だし←本当か?)(集英社文庫)


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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岩波少年文庫再読計画第7弾。
大好きな「時の旅人」のアリソン・アトリーの書いた童話集。それぞれに6編ずつ収められています。この2冊は今回初読。読んでいると、まるでファージョンの作品みたいなので驚きました。昔懐かしいお伽話の雰囲気。この2冊の中では、私は南国の香りのする「幻のスパイス売り」(「西風のくれた鍵」)が一番好きかな。でも雪や氷の情景もとても良かったです。「雪むすめ」(「西風のくれた鍵」)もいいし、あと「氷の花たば」の表題作! これが素敵なんですよ。どこかで聞いたことのあるようなお話なのに、読後感がとても良いのです。ひんやりとした情景なのに、読み終わるとなんだか暖かくて♪ (読後感が暖かいのは、「雪むすめ」もですが~)
ピクシーを始めとして、それぞれのお話に不思議な存在も色々と登場します。異形の存在って、異形というだけで警戒されちゃったりするけど、本当はそんな悪いことばかりしてるわけじゃないんですよね。でも人間の娘に真剣に恋をしてても、そうは見てもらえないことも多いし、色々苦労が多いのです。なんとか上手くやろうと水面下の工作をしてみても、その水面下の工作のせいで、逆に真意を疑われてしまったり。なかなか大変なんですねえ。...って、お話の中ではピクシーでも、人間にも十分当てはまりますね。(岩波少年文庫)


+既読のアリソン・アトリー作品の感想+
「西風のくれた鍵」「氷の花たば」アリソン・アトリー
「グレイ・ラビットのおはなし」アリソン・アトリー

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津原泰水まつりエントリ第1弾として選んだのは、この「妖都」。本当は、ブログには「ペニス」「少年トレチア」「綺譚集」の感想を書いているし、サイトの方には他の作品の感想もアップしてるので、エントリしようと思えば一気にできるんですが... いい機会だし順番に再読していくことにしました。(少なくとも手元にある本は) ...あ、でも再読しても、前に書いた記事をそのままエントリしちゃう可能性大です。(と、「妖都」を読了した時点で思いました。)

この「妖都」は、人間でも幽霊でもない、「死者」たちが徘徊する東京が舞台。「死者」の姿を見れるのは、雛子や馨などごくわずかな人間のみ。2人は先日自殺した人気ヴォーカリスト、両性具有と噂された美貌の「チェシャ」の書いた歌詞に暗示的なものを見つけ、調べ始めることに... という物語。綾辻行人さん、小野不由美さん、井上雅彦さん、菊地秀行さんが絶賛したという作品です。(ココで見れます)
今回読むのは丁度3年ぶりの再読なんですが、もう、読み始めた瞬間のめり込んでしまいました。やっぱり、この作品好きだー!! 半陰陽、両性具有、近親相姦... といったものをモチーフに、ねっとりとした夜の闇とエロティシズムが迫ってきます。(「綺譚集」とはまたちょっと違うのですが) 先日のたらいまわし企画「美しく妖しく... 夜の文学」でも、これか「蘆屋家の崩壊」を入れたくて、最後まで迷ったんですよね。やっぱり入れておけば良かったかな。好き嫌いは、ハッキリ分かれそうなんですけどね。
なーんて全然感想にも何もなってないですね。でもね、やっぱりこの方の作品の感想を書くのってとっても難しいです...。好きだというだけで、もう十分のような気もするのですが、それってただの「書けない言い訳」なのでしょうか?(笑)(講談社文庫)


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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岩波少年文庫再読計画第6弾。今回はアジアの物語。「けものたちのないしょ話」は中国民話選、「ネギをうえた人」は朝鮮民話選です。
それぞれに30編ぐらいの物語が収められているのですが、どちらを読んでも、どこかで読んだような話ばかり。世界中、ほんと似たような話が多いものだなーと感心してしまいます。特に「けものたちのないしょ話」の方は、イソップ物語やグリム童話、ペロー童話、アラビアン・ナイト、そして日本の「因幡の白兎」、羽衣伝説、「聞き耳頭巾」、「こぶとりじいさん」、「ねずみの嫁入り」などなど...。「ブルータス、ここでもか」状態。(←まるっきり間違ってます) 「ネギをうえた人」の方は、もう少し朝鮮独自の物語が多いかな。天地創造の神話に繋がるような物語もいくつかあって面白かったです。

ところで、「ネギをうえた人」の表題作は、昔々、人間と牛の見分けがつかなくて、自分の身内も牛だと思って食べてしまっていた頃の話。親兄弟も自分の子供も、みんな牛に見えちゃう。だから間違えて食べちゃう... これはかなり怖いですよね。この本は小さい頃に読んだっきりなので、忘れてる話も多かったんですが、この「ネギをうえた人」の話はしっかり記憶に残ってました。さすがに子供心にも強烈だったんでしょう。...でも今読んでみると、牛と間違えちゃうんだったら、牛を食べなきゃいいのに、なんて思っちゃう。そこまでして牛が食べたかったのか? それとも牛しか食べるものがなかったのか...?
でもなぜここで「牛」なんでしょうねー。牛といえば、ヒンズー教では神様のお使いだし、ギリシャ神話ではゼウスが牛になったりもするのに(ミノタウロスなんかもいるけど)、スペインでは闘牛で殺されちゃう。(闘牛の由来って何なのかしら?) でも牛が鬼と結びついてることも多いですよね。全ては身体が大きいところに通じてるのかな。でも、牛って一体... 何なんでしょう?(岩波少年文庫)

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同じく姫野カオルコさんの「ツ、イ、ラ、ク」と対になるような短編集。今年の3月末に出た時から読みたくて仕方なかったんですが、ようやく読めました! いやー、やっぱり良いですね...。「ツ、イ、ラ、ク」ほどではないんだけど、あの雰囲気を肌の感覚で覚えているだけに、これを読んでいると「ツ、イ、ラ、ク」の世界が鮮やかに蘇ってきます。特に「高瀬川、それから」が良かったな。あとは表題作の「桃」かしら。そしてこれを読んだら無性に「ツ、イ、ラ、ク」が読みたくなっちゃって、またしても読み返してしまうことに...。
「ツ、イ、ラ、ク」は、去年の自分のマイベスト本で4位にした作品でもあります。やっぱり良かった! 今回、読んでる途中で、「キスするよりも抱き合うよりも熱かった時間」という言葉にドキッとしたんですけど、前読んだ時の感想を見たら、その時もやっぱりその言葉がとても気になってたらしいです。またいつか読み返したら、そのことをすっかり忘れて、またこの言葉のところで目が止まっちゃうのかしら?(笑) そして今回は、小山内先生にものすごーーく惹かれました。(前読んだ時も惹かれたと思うんだけど、こちらは自分の感想には特に何も書いてありませんでした...)

「桃」のあとがきに、「長編小説のほうを読んでいなくても、それと対になっていると知らなくてもかまわない。長編未読の人を読者と想定して書きました。」とありました。もちろん「桃」だけでもいいんだけど... でもやっぱり「ツ、イ、ラ、ク」があってこその作品なんじゃないかと思います。あの世界を知ってるからこそ、無性に痛くて切なくてエロティックなのではないかと。(角川書店)

久しぶりに2004年のマイベスト本の記事を見たら、「夜のピクニック」の画像だけが大きくなっててびっくり。本屋大賞を取ったから? 何も大きくしなくても... と思うのだけど、画像としては左端の1つ目なのでバランス的には悪くなくて、それがなんだか可笑しーい。


+既読の姫野カオルコ作品の感想+
「桃」姫野カオルコ
「受難」姫野カオルコ
「変奏曲」姫野カオルコ
Livreに「ツ、イ、ラ、ク」の感想があります)

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