Catégories:“2005年”

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海外物が続いてたので、このまま海外物強化月間にしてしまおうかとも思ったんですが、図書館でこの本を借りてしまいました。図書館、久々ーっ。読みたかったんですよねえ、コレ。
まず本を手に取って... 装丁が美しいです。表紙の女性は生きているのでしょうか、それとも...? 本の奥付には「津原やすみ」の著者検印付き、ハトロン紙まで貼られてるんですよー。凄いなあ。これは図書館で借りるよりも購入向きの本だったかも。(^^ゞ
中身の方は、「異形コレクション」に発表された作品を中心にした短編集。ここに収められた15作品のうち2編が既読だったんですけど、でも本来バラバラだったはずの短編なのに、こうして1つにまとめてしまうと、なんて違和感がないんでしょう。艶やかで美しくて妖しくて、そしてエロティック。何も知らずに読んでいたら、別々に書かれた作品とは思わなかったかも。1つ1つは全然違う世界なのに、ごく自然に滑らかに繋がっていくんです。
この中で一番印象的だったのは「聖戦」という作品だったんですが、これは先日読んだ長編作品の「ペニス」にそっくり。この作品をふくらまして書いたのが「ペニス」だったのかな? あちらを読んだ時は、実はものすごーく苦労したんですけど、でも今読み返したら最初に読んだ時よりもずっと理解できるかもしれないなあ...。あれはもしかしたら、短編集のような気持ちで読むべき作品だったのかも、なんて思ってみたり。全体を通して、「正気」と「狂気」の境目が曖昧というか... 「生」と「死」でも良さそうですね。普段なら両極にありそうなものが違和感なく隣り合わせに共存していて、しかもふとした拍子にどちらにもなり得るような、そんな不思議な感じでした。(集英社)


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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本当はエルキンズを続けていきたいところなんですが、まだ4冊しか買ってなかったので、一時中断。早く買って来なくっちゃ! ということで、今日読んだのは怪盗ニック・ヴェルベットシリーズ4作目。今回は「白の女王」ことサンドラ・パリスが登場した10の短編が収められています。
このサンドラのモットーは「不可能を朝食前に」。ニックと同様、不可能なことをやってのける怪盗なんですが、ニックと違う点は盗む物にこだわらないということ。ニックは取るに足らない詰まらない物、どう考えても無価値な物しか盗まないんですが、サンドラはどんな高級品でも依頼があれば引き受けちゃう。最初はそんなサンドラの登場に、自分の縄張りを割り込んできたのかと警戒するニックなんですが、徐々に助けたり助けられたり協力したり競争したりという関係になっていきます。10編の短編は時系列的にはそれほど接近してないらしくて、ニックと会うのが1年ぶりとか2年ぶりとか、そういう記述は多いんですけど、でもニックの手数料がインフレで2万5千円から5万円に値上げするほど時間が経っても、ずーっと30代後半のままの美女です。(笑)
このシリーズは、ニックがいかにして不可能に見える盗みを実行するか、そして依頼人の本当の目的は、というのが一番の興味なんですが、サンドラが加わったことによって、サンドラとの協力体制や、逆に泥棒競争みたいな楽しみも加わります。でも確かにサンドラもすごい泥棒なんですけど、でもやっぱりニックの方が一枚上手って感じ。そんなニックのプロぶりを見せ付けてる「白の女王のメニューを盗め」が一番のお気に入りです。(ハヤカワ文庫HM)


+シリーズ既刊の感想+
「怪盗ニック登場」「怪盗ニックを盗め」「怪盗ニックの事件簿」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「怪盗ニック対女怪盗サンドラ」エドワード・D・ホック

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昨日に引き続き、スケルトン探偵ことギデオン・オリヴァー博士のシリーズ。日本での出版順だと、「古い骨」→「呪い!」→「暗い森」→「断崖の骨」となるんですが、とりあえず書かれた順は「断崖の骨」の方が早いんで、その順番で読むことに。どっちも表紙の画像が出てこなくてざんねーん。
まず「断崖の骨」は、「暗い森」で出会ったジュリーとのハネムーン先のイギリスでの物語。長閑な田園地帯の描写が素敵。でも当然のように2人は... というかギデオンはトラブルに巻き込まれることになります。ギデオンは白骨が専門なのに、腐乱死体の検死をやらされることになっちゃうし! いくら白骨に慣れてても、やっぱり普通の死体はダメなんですね。死体を目の前にした時のギデオンの反応にちょっとほっとしたりして。(笑) そして「呪い!」は、結婚から2年経過、時系列的に「古い骨」の次の物語。この2年間、ギデオンはフィールドワークに全然出てなかったらしくて、恩師エイブからの誘いを受けて、嬉々としてユカタン半島のマヤの遺跡に飛ぶことになります。この遺跡からマヤの呪いの書なんてものが出土してしまって、その書に書かれた通りのことが発掘チームを襲うんですが... これがなかなか可笑しいのです。もう思わず笑っちゃうようなこともあれば、「なるほど、そう来たかー」っていうのもあったりして。いかにも超常現象的な「呪い」というのとはまたちょっと違うんですが、でもこっちの方が人間の悪意がひしひしと伝わっていいかもしれないですね。で、2作ともこの恩師のエイブが登場して凄くいい味出してるんですけど、私が気になってるFBI捜査官ジョン・ロウが登場してなくてちょっと残念。別にいつもそっちの筋で動くわけじゃないのね。(当たり前か) でも各作品ほんと世界中各地が舞台になってて、特にマヤ遺跡なんてなかなか実物を見る機会がなさそうだし、そういう意味でもとても楽しかったです。あと、「断崖の骨」ではちょっと洒落た会話なんかも楽しめて、デイヴィッド・ハンドラーのホーギーシリーズを思い出しちゃった。(ハヤカワミステリアス・プレス文庫)


+既読のアーロン・エルキンズ作品の感想+
「古い骨」「暗い森」アーロン・エルキンズ
「断崖の骨」「呪い!」アーロン・エルキンズ
「氷の眠り」「遺骨」アーロン・エルキンズ
「死者の心臓」アーロン・エルキンズ
「楽園の骨」「洞窟の骨」アーロン・エルキンズ

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スケルトン探偵ことギデオン・オリヴァー博士のシリーズ。私が読んだのは、どちらもハヤカワのミステリアス・プレス版なんですけど、どちらも画像が出ないのでハヤカワの新しく出た版を。ほんとはシリーズ物の順番を飛ばして読むのって嫌なんですけど、このシリーズ、1作目は訳されてないんですね。日本で最初に紹介されたのは「古い骨」で、これは4作目。「暗い森」は日本では3番目に紹介されたけど、実は2作目。どっちを先に読むか、迷ってしまったわ...。実際、ストーリー的には、どちらを先に読んでも不都合はなかったんですけど、でもやっぱり書かれた順に読んだ方が良かったかな。だって「古い骨」を先に読んじゃうと、「暗い森」での馴れ初め話にドキドキ感がなくなっちゃって勿体ないんですもんっ。(まあ、それはそれで微笑ましくていいんですけどねー)
ええと、ミステリ界広しと言えども他に類を見ない「スケルトン探偵」なんですけが、これがなかなか面白かったです。たった一片の骨からでも、人種、性別、身長体重、体格、病歴など色々なことが分かっちゃうものなんですね。骨の薀蓄というのも面白いものなんだなあと感心。色んなことを見事に言い当てていく、その言い当て方がまるでシャーロック・ホームズみたい!と思ってたら、「暗い森」の中にもそんな意見が。(笑) でもでも、最愛の奥様に対する言葉が、「きみの長く、愛らしい、見事な仙骨脊椎内溝が...」って何なんですか、一体!(爆笑)
2冊読んで思ったのは、登場人物がそれぞれにいい味を出してることと(私が気になってるのはFBI捜査官のジョン・ロウ。彼との出会いの話も知りたいなー)、情景描写がなかなか凄いということ。「古い骨」のモン・サン・ミッシェル湾の上げ潮の場面もすごい迫力だったし、「暗い森」のオリンピック国立公園の雨林の描写もとても良かったです。でもここに登場する森は、先日のエリス・ピーターズの「アイトン・フォレストの隠者」に出てくるイギリスの森とはまた全然違うんですね。原生林って感じで、こっちの森の方が普段持ってる森のイメージに近いです。なかなか凄まじい所のようですが...。(笑)(ハヤカワミステリアス・プレス文庫)


+既読のアーロン・エルキンズ作品の感想+
「古い骨」「暗い森」アーロン・エルキンズ
「断崖の骨」「呪い!」アーロン・エルキンズ
「氷の眠り」「遺骨」アーロン・エルキンズ
「死者の心臓」アーロン・エルキンズ
「楽園の骨」「洞窟の骨」アーロン・エルキンズ

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修道士カドフェルシリーズ14冊目。今回は、5歳の頃から修道院で育てられてきたリチャードの父親が死んだ所から話が始まります。イートンの荘園主だった父親の死で、自動的に荘園主の地位を引き継ぐことになったリチャード。ルドルファス院長は父親の遺志を尊重して、成人するまではリチャードの教育を修道院で引き受けようと考えていたのですが、リチャードの祖母は、まだ10歳のリチャードを22歳の近隣の荘園主の娘と結婚させて領地を広げようと考えていて...。

この時代のことだから年齢の釣り合わない政略結婚っていうのも多かったんでしょうけど、でも10歳の少年に22歳の娘さんとはね...。(これが逆に、22歳の若者に10歳の少女だったら、あんまり違和感を感じなかっただろうなと思ってしまうのが嫌ですなー) でもこの娘さん、いざ登場してみるとこのシリーズに登場するのに相応しい、自分をしっかりと持った賢い女性でした。父親に逆らうなんてとんでもないって感じだったんですけど、いざ決意するとなかなかの芯の強さを見せてくれて素敵。そしてリチャード自身も、この出来事を通してきっと大きく成長したんだろうな。いくら利発でも、こんなことに巻き込まれてしまったら自分のことで精一杯。会ったこともない相手の感情まで推し量れるものじゃないですもんね。
あと、今回は森の描写がとても印象的でした。イギリスの森って日本の森とはやっぱり根本的にイメージが違うのかもしれないですね。私は森といえば鬱蒼とした深い森を思い浮かべちゃうんですけど、ここの描写を見てると案外明るい空間を持つ雑木林という感じ。...と、ここで思い浮かべたのが、梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」。あれも確か明るいイメージでしたよね? そういえば「ロード・オブ・ザ・リング」のエントもあんなんだったし... あの映画では、エントだけは凄く違和感だったんですけど、やっぱりあれがイギリスの森なのかもしれないですね。ロビン・フッドもそんな明るい森に住んでたのかな。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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「老人たちの生活と推理」に引き続き、「海の上のカムデン」シリーズの2作目と3作目。こちらも楽しかったです。2作目のマーティネス警部補は、好奇心旺盛な老女たちにダミーの任務を与えて事件から遠ざけようとするけど失敗。3作目は、老人ホームで起きた殺人事件の担当は、いつものマーティネス警部補ではなくて、ごく事務的なベンソン部長刑事だった...と、変化を作り出そうとする苦心のあとが?(笑) 老人ホームの厨房にいるシュミット夫人の料理も、ますます豪華になって美味しそうだし。でも私に限っていえば、アンジェラやキャレドニアといった元気なおばあちゃんたちと、若くてハンサムなマーティネス警部補の会話が楽しめれば十分。やっぱりこのシリーズは登場人物たちのやりとりがとても楽しいです。でもね、マーティネス警部補がギルバート・ローランドという映画俳優の若い頃に似てるそうなんですけど、その顔写真が検索しても全然見つからないんです! メキシコ系で口髭を生やしてるそうなので、なんだか想像がつく気はするのですが...。ああ、気になる~。(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「老人たちの生活と推理」コリン・ホルト・ソーヤー
「氷の女王が死んだ」「フクロウは夜ふかしをする」コリン・ホルト・ソーヤー
「ピーナッツバター殺人事件」コリン・ホルト・ソーヤー

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サンディエゴから北に20マイルのところにある超高級老人ホーム、海の上のカムデン。ここの建物から浜に下りる階段の下で、入居者のうちでも最も大人しく、最も人畜無害な女性が死んでいるのが発見されます。なかなか進まない警察の捜査に業を煮やした4人の元気なおばあちゃんたちが、推理に乗り出すのですが...。

ということで、「海の上のカムデン」シリーズの1作目。老人ホームが舞台の作品といえば、やっぱり島田荘司氏の「ひらけ!勝鬨橋」を思い出すなー。で、あちらの息詰まるゲートボール勝負(笑)とカーチェイスが楽しかったんですけど、こちらのおばあちゃんたちもすっごく元気で楽しい! 4人のおばあちゃんたちが探偵ごっこの相談をしているところなんて、まるで女学生みたいで可愛いのです♪ それにこの老人ホームに捜査にやってきたマーティネス警部補の、老人たちとのユーモアたっぷりの応酬ってば。でもそういうユーモラスなドタバタミステリかと思いきや、その奥にはなかなか深いものも含まれていました。それぞれの老人たちが積み重ねてきた人生の歴史の重みもあるし、「老い」ならではの問題も無視できないし、人の死が決して珍しいことではない老人ホームでの殺人事件って、普通のミステリ作品とはまたちょっと違うんですね。そんな風に、ユーモアの奥に内包している深みと切なさが、またとても良かったです。
このシリーズは今3作目までが訳されているんですけど、もう既に9作目まで書かれているようですね。近々発刊予定の4巻は光原百合さんが解説をされるそうなので、それも楽しみ。続けて2巻3巻にいきまーす。(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「老人たちの生活と推理」コリン・ホルト・ソーヤー
「氷の女王が死んだ」「フクロウは夜ふかしをする」コリン・ホルト・ソーヤー
「ピーナッツバター殺人事件」コリン・ホルト・ソーヤー

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