Catégories:“2005年”

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引きこもりのはずの幼馴染の五郎丸が、スポーツバッグに猟銃を入れて東京へ?! 瓜生は五郎丸の妹に頼み込まれて、東京行きの電車に飛び乗ることに...。ということで、高校2年生の男の子2人の夏休みの冒険譚です。
登場人物たちが地元・高崎(群馬)にいた時はのんびりとした青春小説だったのに、東京に出てきた途端、冒険小説ノワール風味。走り回ってるのは上野とか本郷とか御茶ノ水辺りなんですけど、もうすっかり不夜城の世界になっちゃいました。時間の流れも一気に速くなって、すごいスピード感。でもねー、とみなが貴和さんにしては今ひとつ切れが足りなかったような気もするんですよね。心理描写が上手いのがとみなが貴和さんの持ち味なのに、家出した五郎丸の切迫した心理があまり伝わってこなくて...。可愛い女の子の頼みを断りきれなくてついつい東京まで行ってしまうお人よしの瓜生の方は、なんだか分かるんですけどね。...そしてラストは何ともダークな予感。どうも座りの悪さを感じます。これは単発? それとも続編もあるのでしょうか? (角川スニーカー文庫)


+既読のとみなが貴和作品の感想+
「EDGE」「EDGE2 三月の誘拐者」とみなが貴和
「EDGE3 毒の夏」「EDGE4 檻のない虜囚」とみなが貴和
「セレーネ・セイレーン」とみなが貴和
「夏休みは命がけ!」とみなが貴和
「EDGE5 ロスト・チルドレン」とみなが貴和

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辣腕弁護士のベンは、2年前に妻を亡くして以来、自分の殻に閉じこもりがち。そんなある日、亡き妻宛てに有名デパートのクリスマスカタログが届きます。何とはなしに見ていたベンの目に飛びこんできたのは、「魔法の王国売ります」の文字でした。値段は100万ドル。

ということで、ランドオーヴァーシリーズの1作目。思いっきりファンタジーなんですけど、これが結構現実的なんです。まず、主人公が中年の弁護士。でもって「魔法の王国」が通販のカタログでが買えてしまう。それも10日以内ならクーリングオフが適用が!(笑)
こんなの児童書のファンタジーではまず見られない展開ですよね。しかも主人公は自分の仕事とか顧客とか同僚とか、自分で全部ケリをつけてから、自分の意志で魔法の世界に飛び込むんですよ。異世界物ファンタジーで、巻き込まれ型じゃなくて、こんな風に自ら飛び込んでいくのって珍しいかもー。まあ、こんな風に100万ドルがポンと出せる金持ちぶりがちょっとイヤ~ンな感じなんだけど、腐っても「辣腕」弁護士だしね...。(腐ってません!) でも、いざ着いてみると、その魔法の王国はボロボロのヨレヨレ。魔法の力は失われかけてるし、お城はオバケ屋敷みたいだし、家来はたったの4人。戴冠式を見に来た国民もほんの数人。誰もベンのことを本当に王様だなんて思ってないわけです。そんな中で、法律の知識と法廷で鍛えた話術でなんとか道を切り拓いていこうとする主人公。1つイベントをこなしたらまた1つ次のイベントに向かう辺り、RPGみたい。いわゆる「勇者」からはほど遠い主人公なんですけどね。
このシリーズは、全部で5冊出ているようですね。次も次も!ってとこまではいかなかったんだけど、でもやっぱり面白かったし、この後どうなるのか気になるなー。キャラクターも個性的だしね。手持ちの本がもうちょっと減ったら探しに行こう。(ハヤカワ文庫FT)


+シリーズ既刊の感想+
「魔法の王国売ります!」テリー・ブルックス
「魔法の王国売ります!」「黒いユニコーン」「魔術師の大失敗」テリー・ブルックス
「大魔王の逆襲」「見習い魔女にご用心」テリー・ブルックス

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陸奥の奥にひっそりと暮らしていたため、朝廷から特に干渉を受けることもなかった蝦夷たち。しかし陸奥から黄金が産出することが分かり、事態は急転。陸奥の土地、そして人々の心を守るために立ち上がったのは、蝦夷の若き長となった阿弖流為(アテルイ)。

いやー、本当にいい作品でした...。「男が泣ける」小説とは聞いていたんですけど、まさにそんな感じ。これほどの作品だったとは。や、これは読まなくちゃいけません。面白いとか感動したとか、そんな言葉では言い表せないぐらい、もう心底良かったです。
この作品の主人公はアテルイという若き蝦夷。18歳にして蝦夷たちのリーダーとなった人物です。若いからちょっと血の気が多いんだけど、でもみんなその熱さに魅せられちゃうほどの男気のある人物。このアテルイが表に出てきて初めて、それまでバラバラだった蝦夷たちが1つにまとまることになります。アテルイの腹心となる飛良手(ひらて)や参謀の母礼(もれ)、幼馴染の伊佐西古(いさしこ)... もうみんなアテルイに男惚れしてるし、彼ら自身もいい男揃いなんですよね。朝廷軍との戦いっぷりもお見事。そして後半になると、坂上田村麻呂が登場します。アテルイを知らなくても、坂上田村麻呂という名前には聞き覚えのある人も多いでしょうね。この田村麻呂がまた男気がある人物なんだ! もうほんと敵ながら天晴れというか何ていうか、なんでアテルイと坂上田村麻呂は違う側に生まれてしまったんだろう... と哀しくなってしまうほど。でもアテルイたちと田村麻呂の、お互いに対する信頼が、またいいんですよねえ。
で、ここまでくると、大体の筋書きは想像がつくよっていう人もいるかもしれないし、かく言う私もある程度は予想してたんですが... もうそんなの途中で吹っ飛んじゃいました。後半4分の1は予想を遥かに上回る展開。物凄く良かったです。最後の100ページなんて、ティッシュと大の仲良し。涙で目が霞んで文字も読めなくなっちゃったほどでしたもん。目も鼻も真っ赤っ赤。...私がそんな風に泣くのって、ものすごーーーく珍しいんですよ! しかも100ページずっと涙が止まらないなんて、我ながらびっくり。
ということで、皆様ぜひ読みましょう。文句なしの傑作です。(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「火怨 北の燿星アテルイ」上下 高橋克彦
「天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実」1~3 高橋克彦
「炎立つ」1~5 高橋克彦
「風の陣」1~3 高橋克彦

+既読の高橋克彦作品の感想+
「白妖鬼」高橋克彦
「闇から招く声」高橋克彦
「鬼」高橋克彦
「空中鬼」高橋克彦
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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第5回ホワイトハート大賞佳作受賞作。「EDGE」もそうだったんですが、これもホワイトハートという枠組みが勿体無く感じられる作品でした! ハヤカワ文庫が似合いそうな、本格的なSF作品。いやー、これがデビュー作とは凄いなあ。きっと結構色々と調べた上で書かれてるんだろうなという感じ。ロボットのことや何かも結構きちんと書き込まれてました。ええと物語としては、ごくごく簡単に書いてしまえば、ロボットと人間の恋物語。読みながら、清水玲子さんの初期の作品の作品を思い浮かべてました。「ノアの宇宙船」とか「もうひとつの神話」とか、あと「天女来襲」とか「ミルキーウェイ」ですね。この頃の清水玲子さん、もうほんと大好きだったんですよね~。(でもあんなに好きだったのに、なぜか「竜の眠る星」以降は未読...)
...というのはともかく。ソフトウェアロボットとして開発された人工知能が人間型ロボットに移されることになって(でも、まずはスター・ウォーズのC3POみたいな感じね)、そこからさらに人間そっくりの身体に変更されてという過程... 本人はもちろんのこと、周囲の反応なんかも凄くいいのです。しかもそこには、きちんとアシモフのロボット三原則が!この三原則がいわば、ロボットと人間の境界線となるわけですね。ロボット側の1人称なんで、人間側の感情とか行動には、ちょっと唐突に感じられちゃう部分もあるんですけど、でもやっぱり面白かったです。この作品、続きは書かれないのかなー。もし出たら読みたいなー。(講談社X文庫)


+既読のとみなが貴和作品の感想+
「EDGE」「EDGE2 三月の誘拐者」とみなが貴和
「EDGE3 毒の夏」「EDGE4 檻のない虜囚」とみなが貴和
「セレーネ・セイレーン」とみなが貴和
「夏休みは命がけ!」とみなが貴和
「EDGE5 ロスト・チルドレン」とみなが貴和

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「ケルトの神話」の方は画像は出ませんね。ええと、ケルトの神話というのは、アイルランドに残っている神話。amazonのレビューでは絶賛されてるんですが、私にはちょっと読みにくかったです...。ちょっと気を抜いた途端に分からなくなるので、何度も何度も前に戻って読み返してしまったわ。アーサー王伝説になっていった部分とか、ギリシャ神話や北欧神話を思い起こさせる部分も色々とあって、そういうのは興味深かったんですけどね。1つ「おっ」と思ったのは、「昼と夜」が「永遠」という意味だというクダリ。ジャズのスタンダードナンバーの「Night and Day」にも、実はそういう意味があったのかしら。昼も夜も... ぐらいにしか思ってなかったです(^^;。(それが続くと永遠なのね)
「妖精とその仲間たち」の方は、妖精の案内本。本には妖精の挿絵も沢山入っていて、特に巻頭のカラーの絵がとても綺麗なんですが(本文中に入ってる白黒のもカラーで見たかった)、読んでる間に頭をずっとちらちらしてたのが、エリナー・ファージョンの「ヒナギク野のマーティン・ピピン」。ここでその本の表紙を出したかったんですが、今の本は私が持ってるのと装丁が変わっちゃってるみたいで残念。代わりに、その中に登場する話の1つを絵本にした「エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする」を出してみました。(これも絵は違うんですけどね) あと、妖精の出てくるお話の簡単な紹介も色々とあって、やっぱりどこの国にも似たような民話があるものなんだなーと改めて感心しちゃいました。(羽衣伝説とか浦島太郎とかね) 
日本では黒猫が不吉とされてたりするけど、イギリスでは黒猫の方が縁起が良くて、白猫の方が不吉なんですってー。その割に黒猫は魔女の変身だと信じられてたって... それって本当に縁起いいの?(笑) あと、元々妖精は巨人だったのに、戦いで敗れて海の彼方に逃れたり地下に潜ったりして、そのうちに崇められなくなり供物を捧げられなくなると、だんだん背が低くなって小さな妖精になったんだそうです。スコットランドでは緑が妖精の色だから不吉だとか(ケルト民族は緑を死の色としてたそうな)、青は永遠の冷たさ、赤は地獄の炎を意味するとか、色のイメージもまた全然違う! 知らないことが色々あって、こちらは結構面白かったな。あと、福島県に井村君江妖精美術館があって、妖精絵画コレクションが展示されてるとか。行ってみたーい。(ちくま文庫)


+既読の井村君江作品の感想+
「ケルトの神話」「妖精とその仲間たち」井村君江
「妖精学入門」「ケルト妖精学」井村君江
Livreに「アーサー王ロマンス」の感想があります)

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初めての島本理生さんの作品。実は芥川賞の候補になった時点で(綿矢りささんと金原ひとみさんが受賞の時ですね)すっかり興味を失っていたのですが(なんて失礼なヤツだー)、今回本を頂いたので、良い機会と早速読んでみることに。
いやー、良かったです! 興味ないなんて思ってたのがほんと申し訳ないぐらい。純粋な恋愛小説だし、展開自体はとても普通なんだけど、でも淡々としていながら、しみじみと切なくて。ぶっきらぼうとも言えそうな主人公が思わず心情を吐露してしまうところなんて、思いの深さがすごく伝わってくるし。相手の男性については、ちょっと言いたいことがあるし、もうちょっと突っ込んで書いて欲しかったな、というのがあるんですけどね。でもこういう人いるよなー。淡々としたラストも、何とも良かったです。何が良かったって、このラストが一番かも。
島本さんの作品は今回初めてなので、他の作品に比べてどうなのかは良く分からないんだけど、でも他の作品もぜひ読んでみたくなりました。作品数の少ない今が狙い目?(笑)(角川書店)


+既読の島本理生作品の感想+
「ナラタージュ」島本理生
「シルエット」島本理生
「リトル・バイ・リトル」島本理生
「生まれる森」島本理生
「一千一秒の日々」島木理生

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タニス・リー版「白雪姫」。ギリシャ神話のモチーフも色濃く出てきます。死者の王・ハデスと、彼の妃となるペルセフォネ。あと、キリスト教の7つの大罪とかも。でもね、こういう使い方ってどうなんでしょう。私には、どうにも中途半端に感じられちゃったんですが...。融合させるならするでいいんだけど、その上で、もっとタニス・リーらしい新たな世界を見せて欲しかったです。これでは融合どころか、ただ都合良く並べただけに見えてしまって、ちょーっと欲求不満。それにタニス・リーらしい色彩美も、ほとんど楽しめなかったんですよね。確かに色んな色は出てくるんだけど、あんまり煌いて感じられないんだもの。これなら、同じように童話からモチーフをとった短編集「血のごとく赤く」の方が余程迫力があっていい作品だったような。とは言っても、詰まらなくて投げ出しちゃうほどではなかったんですけどね... うーん、あんまり楽しめなくて残念っ。
この作品の原題は、"White as Snow"。これはきっと「血のごとく赤く」の"Red as Blood"と対比してるんですね。ということは、今度は黒が出るんでしょうか。この作品からすると「森のように黒く」"Black as the Wood"?それとも「黒檀のように黒く」で"Black as Ebony"? この「白」も相当暗い作品だったけど、そうなると「黒」は一体どうなることやら...。逆手を取って、妙に明るいファンタジーになったりしてぇ。っていうのはなさそうですが(笑)、「白」がタニス・リーにあまり向いてなかっただけのような気もしますね。「黒」ならきっと本領発揮!
...と思ってたら、「血のごとく赤く」の中に、"Black as Ink"という作品がありました。なぁんだー。(産業編集センター)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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