Catégories:“2005年”

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遥かな未来、砂漠の中にそびえる巨大ドームの中で、擬似型ロボット(アンドロイド)たちに守られ管理されながら、永遠の命を生きる人間たちの物語。そこでは人は決して本当の意味で死ぬことがなく、たとえ死んでも、すぐに次の身体が与えられます。しかもその都度、好みの性別や外見を選び放題。必要なことは全てロボットがやるため、人間は特にやるべきこともなく、ただ自分の快楽を追求するのみ。...そんな人工的楽園に嫌気がさした1人の少女が、自分を取り戻すために行動し始める... というそんな話です。日本では去年刊行されたんですが、元々は1970年半ばに書かれた作品なんですって。道理で、その頃の世情を反映してるような... って良く知らずに言ってますけど(笑)、ええと、ヒッピーとか、フラワー・チルドレンとか、そういうのですね。そんなイメージ。
で、この世界で凄いのは、死ぬことが許されていないことなんです。犯罪も病気も既に存在してないし、たとえ事故で死んでも自殺しても、強制的に生き返らされてしまうんです。それを逆手にとって、新しい身体を手に入れるために自殺する人間も後を絶たないほど。新しい身体になって30日待てばまた自由に変えられるっていうのに、その30日が待てないのね。で、特に何もすることがないから、みんなただ享楽的な生活を送るだけ。...でも、そんな世界に永遠に生き続けなくちゃいけないのって、逆に怖いのでは...。楽園という形をした、永遠の退屈かも。
巻頭に用語解説が載ってるほど、全然馴染みのない特殊な用語が沢山出てきて、最初は読むのが大変。話に入り込むまでが一苦労でした。タニス・リーらしさもなかなか感じられなかったですしね。でも読んでるうちにだんだんと~。予定調和ではあるんだけど、面白かったです。(産業編集センター)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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彩雲国物語第5弾! もうこの面々に会えるだけで満足しちゃってるような気もするんですけど(笑)、今回も面白かったです。既に登場人物の名前を忘れかけていたので(4巻を読んで、まだ半年ぐらいしか経たないのに!)、最初の方はちょっとノリが悪かったんですけどね。登場人物も多いことだし、もうそろそろ、ちょっと詳細な登場人物表をつけて欲しい気が。
さて、茶州には辿りついてるものの、まだまだ道のりは長い秀麗たち。シリーズ途中なんで、細かい出来事に関しては触れないでおきますが、私が気に入ってるアノヒトが出てこないのはまあ仕方ないとしても、藍龍蓮があんまり登場しなかったのがさびしーい。や、ほんのちょっとの登場でも存在感がある人だし、出てきたとこは十分好きな場面だったんですけどね。あと好きな場面といえば、最初の方の静蘭がお茶を飲むとこと、後でお酒を飲むとこが... って書くと、なんだか飲んでばっかりなんですが...(笑) でも、今回場をさらったのは、完全に朔洵でしたね。実は今までそれほど好きじゃなかったんですけど(だって黒髪じゃないし... っておぃ!)、彼が「......いいな」と言った辺りから、妙に気持ちがいってしまったわ。
「ひゅるるるる~」の意味、分かりましたよ。それと「ドナドナ」ってこういう意味だったのね... ふえーん。>sa-kiっち
あとがきに、「残る色は三色」ってあったんですけど、それって全部で8巻になるってことなのかな? それとも、少なくとも8巻になるってことなのかな? 紅、黄、紫、茶、黒。あとは白と藍と碧。そういや彩八仙についてもそのうち明かされるのかな...? それはともかく、次はもっと王都がクローズアップされそうで、それも楽しみです。(角川ビーンズ文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「彩雲国物語 はじまりの風は紅く」「彩雲国物語 黄金の約束」雪野紗衣
「彩雲国物語 花は紫宮に咲く」雪乃紗衣
「彩雲国物語 想いは遙かなる茶都へ」雪乃紗衣
「彩雲国物語 漆黒の月の宴」雪乃紗衣
「彩雲国物語 朱にまじわれば紅」雪乃紗衣
「彩雲国物語 欠けゆく白銀の砂時計」雪乃紗衣
「彩雲国物語 心は藍よりも深く」雪乃彩衣
「彩雲国物語 光降る碧の大地」雪乃紗衣
「彩雲国物語 藍より出でて青」雪乃紗衣
「彩雲国物語 紅梅は夜に香る」雪乃紗衣

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新しく自分の劇団を立ち上げようとしている度会恭平と、その度会恭平に、「この人しかいない」と思わせた風見爽馬。"劇団φ"のための納得のいくメンバーを探すために、2人は日々走りまわることに...。

全部で7章から成っている作品。そのうちのいくつかの章は、ジャーロに連載されていた時にも読んでいたんですが、今回最初から通して読んでみると、その時の印象とはまた全然違っていたのでびっくり。ジャーロで読んでいた時は、それぞれに独立した1つの短編のように読んでたんですけど、全体を通して読むと、これは連作短編集というよりもむしろ、1つの長編だったんですね! で、1つの章に1つずつ謎が含まれていて、度会さんと風見さんがその謎に関わり合っていくんですが、でも謎解きをするというよりも、むしろ彼らが関わった人間1人1人の心のしこりやわだかまりを解きほぐしていっているような感じ。単に「謎」というよりも、もっと深いものを感じました。そして最初の6章のそれぞれの物語が少しずつ他の章と重なって1つの世界を作り上げていき、最後の「...そして、開幕」にそれぞれの思いが流れ込み、昇華されていくような印象。
いやー、本当に良かったです。光原さんの作品はどれも好きで、新しい作品を読むたびに「この作品が一番好き!」と思ってしまうんですけど、またしても「一番」の作品が!(笑) 最後まで読んで、また最初に戻ったり、今度は途中のところ読んでみたり、ずーっと余韻を楽しんでましたもん。(出先で読んでいたので、特に最後の章を読んだ時は涙腺が緩んでしまってすごーく困ったのですが...) 一瞬で印象をまるで変えてしまう度会さんもとても魅力的だし(特に、うかつに触ったら手が切れそうな時の度会さんが堪らないっ)、度会さんと風見さんのコンビも楽しいし、この2人にスカウトされたシロちゃんこと吉井志朗さんも、またいい味出してるし...! 彼の「シロちゃんと呼ばんでくださいっ」を聞くたびに和んじゃいます。でもでも、やっぱり私は風見さんが一番好きだーっ...! ジャーロで読んでた時も惚れ込んでたんですが、またしても惚れ直してしまいました。やっぱりあの目はポイントですね...っ >光原先生
ああっ、彼が主演を演じたという例の舞台、観てみたいっ。あ、もちろん劇団φの旗揚げ公演も見てみたいです。これは果たしてどんな話なんでしょう。想像(妄想?)がふくらみます。これからの劇団φがどうなっていくのかも、とっても楽しみ。...その時は、「Oさん」も登場するのかな? あ、しないのかな?(笑)(光文社)


+既読の光原百合作品の感想+
「ありがと。 あのころの宝もの十二話」ダ・ヴィンチ編集部編(「届いた絵本」)
オール讀物11月号(文藝春秋)(「扉守」)
小説NON 11月号(祥伝社)(「希望の形」)
小説推理・オール讀物・星星峡(「1-1=1」「クリスマスの夜に」「オー・シャンゼリゼ」)
「最後の願い」光原百合
光原百合ベスト3@My Best Books!
「尾道草紙」尾道大学 創作民話の会
「銀の犬」「親切な海賊」光原百合
オール讀物 2007年10月号(「写想家」)
「嘘つき。 やさしい嘘十話」ダ・ヴィンチ編集部編(「木漏れ陽色の酒」)
オール讀物 2008年11月号(「旅の編み人」)
「新・本格推理 不可能犯罪の饗宴」二階堂黎人編・オール讀物 2009年8月号(「花散る夜に」「ピアニシモより小さな祈り」)
「イオニアの風」光原百合
「扉守 潮ノ道の旅人」光原百合
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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渡邉良重さんの絵に、内田也哉子さんの言葉が添えられた絵本。お父さんが内田裕也さん、お母さんが樹木希林さんという内田也哉子さんのことは、本木雅弘さんと結婚した時に初めて知って、なんだか不思議な魅力のある人だなあと思っていたんですが、こんな絵本を作ってらしたとは! この表紙もとても綺麗なんですけど、中のページがね、全部薄紙なんですよー。繊細な薄紙をそーっと1ページずつめくっていくと、明るくてはっきりとしていて、それでいて優しい色合いの絵に、ほんの少しの言葉。薄紙なので次のページの絵や文字がうっすら見えて、絵はまた違った表情を見せてくれるし、言葉が向こうからこちらにやってきてくれる感じ。とても素敵なんです。この週末、私は朝から晩までずっと出かけていて、ほとんど本を読む気をなくしてしまうほど疲れていたんですが、そんな今の私の気分にぴったり。ゆっくりゆっくりとページをめくっているうちに、なんだか凝り固まっていた疲れが溶けていってくれるみたい。
これは宗さんに教えて頂いた本。書店に行くまではそれほど買うつもりはなかったのに、実物を見た瞬間しっかり握ってました。(笑) この本と出会えて良かったなあって素直に思える本です(^^)。(リトルモア)

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えっと、これは何をどう書けばいいんでしょう... 幻想小説って言えばいいんでしょうか。ええと、はっきり分かってるのは、主人公は中年の公園管理人だということ。そして最初のページにあるように、舞台が「井の頭恩賜公園とその周辺、および管理人の記憶と夢想」ということ。なんだか、特に筋書きのないオムニバス映画を観ているような印象でした。現実と虚構、現在と過去が入り乱れて描かれていて、それぞれの場面はすごく濃厚でくっきりとしてるんだけど、でもなんだか希薄。不安定でとりとめがなくて、混乱してて... でもその核には何かあるような感じ。生きてる人間の思考の中を覗き込んだら、こんな感じなのかしら、なんて思ったり...。これは頭で理解するような作品じゃないんだろうな。「ルピナス探偵団の当惑」みたいな、分かりやすくて楽しい作品とはまた全然違うんだけど、きっとこっちの方が津原さんの本質なんでしょうね。私は、本当は「妖都」や「蘆屋家の崩壊」みたいな作品の方が好きなんですけど、そこから更に一歩踏み出したって感じ。でもワケわかんないとこもあるんですけど、吸引力は凄いんですよ。なんだか息をつめて読んじゃってたので、読み終わった後はぐったり。
去年各所で話題になってた「綺譚集」もすごく読みたいんだけど、次は文庫になった「少年トレチア」を読む予定。でもこの作品を読むのに力を使い果たしちゃった感じなので、その前に何かもっと優しいものを読もうっと。(双葉文庫)


6月27日+追記+
津原泰水まつりエントリ第4弾のために再読してみました。ゆっくりゆっくり何日もかけて読んで、最初に読んだ時よりもずっと堪能できたし、少しは理解もできたと思います。でも少しはマシなことを書けるかと思ったんですが、どうやら書けそうになく... ダメじゃん。結局過去記事をそのままエントリしちゃいます。(^^ゞ


+既読の津原泰水作品の感想+
「ペニス」津原泰水
「少年トレチア」津原泰水
「綺譚集」津原泰水
「妖都」津原泰水
「蘆屋家の崩壊」津原泰水
「赤い竪琴」津原泰水
「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水

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14歳の頃は毎日のように一緒に過ごしていた智史と佑司と花梨も、親の転勤や引越しによって連絡が途絶え、15年後、智史はアクアショップの店長になっていました。今は結婚相談所で知り合った女性とお付き合い中。その彼女に、少年時代の懐かしい話をすることになって... ということで、聖月さんの「2005年版聖月大賞」受賞作品です。(笑) もう聖月さんが読むべし読むべしと何度も言いに来るので仕方なく、というわけではありませんが(笑)、そこまでプッシュされたら、やっぱり読んでみないとね!
で、読んでみて。いやー、あったかい! 男女の愛情とか親子の愛情とか友達同士の愛情とか、そういう暖かい感情がいっぱい詰まった作品でした。人と人との心の繋がりを信じさせてくれるというか、気持ちがちゃんと繋がっていさえすれば離れていても大丈夫ということを教えてくれるというか... で、なんとなく感じたんですけど、ノスタルジックな情景がセピア色じゃなくて透明な印象なんですよね。透明なんだけど、冷たい透明じゃなくて、暖かみのある透明。その透明感にアクアショップの情景が重なってとても綺麗なのです。それに、ウィットが利いた会話が心地よくて。登場人物も、みんなそれぞれにいい味を出してました。不器用で真っ直ぐで、少年の部分を残した主人公も、その一枚上手って感じのお父さんも、バイトの夏目くんとか花梨もすごく好き。ラスト近くの展開にはちょっとびっくりしたし、これだけはちょっと気に食わない部分なんだけど... でも、これはこれで良かったのかもしれないなあ。
ということで、聖月さん大プッシュの理由がよーく分かった作品なのでした。聖月さん、ありがとうございます(^^)。(小学館)


+既読の市川拓司作品の感想+
「そのときは彼によろしく」市川拓司
Livreに「いま、会いにゆきます」の感想があります)

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「天使はモップを持って」の続編。明るくキュートな清掃員・キリコちゃんのシリーズ第2弾です。仕事で色んなテナントに出入りするキリコは、そこで関わった人の悩みを解決したり、社内での謎を解明したりしていきます。
やっぱりキリコちゃんは可愛ーい。何かに悩んでいる当人には、物事の全体像はなかなか見えてこないものだし、少し離れたキリコの立場だからこそ見えてくるものもあると思うんですけど、やっぱりそういうのをちゃんとキャッチしているのは、キリコの素直さとか気配りとか、そういうのがあってこそなんですよねー。読んでいて、キリコの言葉には何度もはっとさせられちゃいました。や、ほんとに。
近藤史恵さんがあとがきで、キリコをずっと天使のままにしておくこともできるけれど、それが嫌で敢えて彼女の「羽衣を隠した」と書いてらっしゃるんですが、その「羽衣を隠した」ことがこのシリーズに、深みを出しているような。普段はキリコの明るく頭の回転の早い面が全面に出ているけど、ふとした時に、隠された心の一面が垣間見られるのがやっぱり魅力的だし、それが読後感を暖かいものにしているんじゃないかと。やっぱりこのシリーズは大好きです。(ジョイノベルス)


+シリーズ既刊の感想+
「天使はモップを持って」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「モップの精は深夜現れる」近藤史恵
「モップの魔女は呪文を知ってる」近藤史恵

+既読の近藤史恵作品の感想+
「賢者はベンチで思索する」近藤史恵
「南方署強行犯係 黄泉路の犬」近藤史恵
「にわか大根」近藤史恵
「ふたつめの月」近藤史恵
「サクリファイス」近藤史恵
「タルト・タタンの夢」近藤史恵
「ヴァン・ショーをあなたに」近藤史恵
「寒椿ゆれる」近藤史恵
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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