Catégories:“2005年”

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クリスマスの時期に読もうと思っていたのに、今頃になってしまいましたー。でも実際にはあんまりクリスマスは関係なかったですね。帯の「ビートルズが死んだ1970年。すべてはそこから始まった」というのも、まあその通りなんですけど、ジョンだのポールだのの名前がちらっと登場するだけです。(笑)
クリスマスの夜に人身事故を起こしてしまった4人の20歳の若者。警察には行かずに、その事故を隠すことを決意したのですが、その10年後の同じクリスマスの夜、4人の前にあの時死んだはずの男が現れて... という話。話は1970に始まり、10年ごとのクリスマスということで視点を変えて描かれていきます。導入はそれほど珍しくないパターンだし、オチはオチで、これは賛否両論なんじゃないかなあって思うんですけど(私は楽しめたけど←何でもアリ人間) でもこの10年ごとの描写が、ごくさりげないんだけど、なんかいいんです。新入社員の月給が3万7千円だった(!)という1970年に始まり、インベーダーゲーム全盛期(?)の1980年、バブル景気のの1990年、ほとんど現代の2000年。この登場人物たちと同年代の読者なら、もっとノスタルジーを感じられるんじゃないかなあ。んでもって、この4人はいくつになっても変わんないなーって感じなんですけど、でも学生時代の仲間って、ものすごーく久しぶりに会っても、会った瞬間昔の仲間に戻っちゃいますもんね。そんなことを思うと、なんだか微笑ましかったです。(光文社文庫)


でもこの作品の死体遺棄部分を読んで、先日読んだ雑誌の記事を思い出しちゃいました。その記事のタイトルは、「人は土に返れなくなっちゃったのよ」。自然食品の記事のようだったので、てっきり比喩的な意味だと思っていたら、そうじゃなくて本当に土に返れなくなってるという話でした。その理由は、食品と一緒に体内に入り、そして蓄積されていった防腐剤。日本では火葬がほとんどですけど、土葬のアメリカでは、遺骸の内臓がなかなか腐らないのが問題になってるんですって。も、もしや頭とか身体の表面とかはでろでろ~んと腐ってきてるのに、内臓だけはツヤツヤのピカピカ...? これは怖い! で、そういう防腐剤などの有害な添加物を腸から押し出して洗い流すことができるのは、玄米だけなんですって。そうだったんだー!!
玄米、食べましょうねっ。腐らない内臓、怖いです...(^^;。


+既読の井上夢人作品の感想+
「オルファクトグラム」上下 井上夢人
「クリスマスの4人」井上夢人
「the TEAM」井上夢人
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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姉が殺人鬼に襲われている現場に居合わせることになってしまい、自分も頭を強打された主人公。1ヵ月後、昏睡状態から醒めた彼は、世界が一変しているのに驚きます。彼の嗅覚は並の犬以上になってしまっていたのです...

ということで。読む前は、またまたすごい設定だなあと思ったんですけど、読んでみるとこれがすっごく面白くてびっくり。いやー、やっぱり井上夢人さんは凄いわ。話自体も勿論面白いんだけど、こんな風に匂いを表現してしまうとはー。主人公は匂いを「嗅ぐ」のではなく、「目で見る」ことになるんですけど、その匂いの情景がすっごく綺麗なんです。こんな嗅覚にはなりたくないけど、でもこの匂いの結晶は見てみたいぞー! それに途中でテレビ局が入ってきた辺りから、これはもしかしたらあんまり好きじゃない展開になるかも、とちょっと構えたんですけど、全くの杞憂でした。いやー、面白かったです。やっぱり井上夢人さんの作品は好きだー!(講談社文庫)


+既読の井上夢人作品の感想+
「オルファクトグラム」上下 井上夢人
「クリスマスの4人」井上夢人
「the TEAM」井上夢人
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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先日読んだ「論語」と同じ、角川文庫の「ビギナーズ・クラシックス」のシリーズの1冊。以前OverQさんがたらいまわし企画の棺桶本に挙げてらした陶淵明です。私も漢詩は読んでみたいなと思っていたんですが、どこから入っていいものやらさっぱり状態。OverQさんに、陶淵明は漢文に慣れてない人間にも入りやすいと伺って、いつかは~と思ってたんです。「桃源郷」の言葉の語源となってる「桃花源記」も、原文を読んでみたかったし。...そんなところに初心者向けのこのシリーズが! なんともいいタイミングじゃありませんか。
漢文と書き下し文と訳文を行ったり来たりするので、この1冊を読み終えるのに、ものすごーーーく時間がかかっちゃいましたが... しかも時間がかかった割に、自分がどれだけ理解できたのか、自分の中にどれだけ蓄積されたのか不明なんですが... っていうか、ほとんど残ってない気もするんですが...(ダメじゃん) でも田園詩人と呼ばれる陶淵明の雰囲気はなんとなく掴めたような気が。山海経を主題にした詩を読んでると山海経が読みたくなるし、あと詩の中に「昭昭」とか「皛皛」(「白」が3つ、丁度「晶」みたいな感じで並んでる字です)という言葉が出てきたんですけど、「昭昭」が「月の光が空全体に広がった明るさ」で、「皛皛」が「白い月の光が川の水面のさざ波に反射した明るさ」なんですって。こういうのも全然知らなかったので面白かったです。
こういうのは繰り返し読むほど味わいが深くなるそうなので、また折りに触れてじっくりと読み返してみたいと思ってます... が、次はとりあえずこのシリーズの「李白」を読む予定。さて今度はどのぐらい時間がかかるんでしょ。忘れた頃にでも感想をアップできれば、御の字です。(角川ソフィア文庫)


+関連シリーズ作品の感想+
「論語 ビギナーズ・クラシックス中国の古典」加地伸行
「陶淵明 ビギナーズ・クラシックス中国の古典」釜谷武志
「李白 ビギナーズ・クラシックス中国の古典」筧久美子
「老子・荘子 ビギナーズ・クラシックス中国の古典」野村茂夫
「紫式部日記 ビギナーズ・クラシックス日本の古典」紫式部・山本淳子編

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漫画家の喜国雅彦さんによる、古本蒐集にまつわるエッセイ。山口雅也さんや京極夏彦さん、奥様の国樹由香さんと共に江戸川乱歩邸を訪問した話に始まり、デパートの古書市でのエピソード、古本集めの先生・二階堂黎人さんとの古本屋巡り、我孫子武丸さんの家の書庫整理の話、函欠け本の函作成、いつ開いているのか分からない「幻影古書店」の話、1日でどれだけのポケミスを見つけられるかに挑戦したポケミスマラソン、豆本作成、有栖川有栖さんの「鮎川哲也本棚」に刺激を受けるオンリー本棚の話題などなど。巻末には古書友達との座談会、そして出久根達郎さんや北村薫さんとの対談も。
これは面白いですっ。漫画家としての喜国さんは勿論知ってましたが、これほどの古書マニアとは全然知りませんでしたー。
稀覯本収集家のマニアっぷりについては、紀田順一郎さんの小説「古本屋探偵の事件簿」で初めて読んでびっくりしたんですけど、やっぱりあれは真実だったんですねえ。いやー、私も相当本の多い家庭に生まれ育ってるし(大地震が来たら真剣に危ないと言われてたんですが、母の地震対策のおかげで震度5でもなんとか無事でした)、古本もよく買いますけど、もう全然世界が違うんですね。私が古本を買うのは、基本的に絶版本など手に入りにくい本を探すため。あくまでも読むためのもの。でも古書マニアにとって本とは読むものではなく、ただ所持するべきものだったとは。買っても全然読まないなんて! 空気にも触れさせたくないほどの人もいるなんて!
いやー、本当にディープでマニアックな世界なんですねー。(感心)
色んなエピソードが面白おかしく書かれていて、ほんと読んでて楽しいです。でもこれを読んで、私なんて単なる平凡な本読みに過ぎないってことをしみじみと実感いたしました。(うちの家族もね・笑) あ、でも祖母の家には、ここに登場してるような本が結構あるんです。夢野久作とか乱歩の函入りの全集とか。ここには登場しないけど、1960~70年代ぐらいのSFマガジンが揃ってたり。あれって売れば結構な値段になるのかも... なんて思ってしまいました。や、売りませんけどね。少なくとも私が読むまでは。(笑)
この本と合わせてココを見るとさらに楽しいです。(双葉文庫)

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「僕」と「ちーちゃん」とは家が隣同士の幼馴染。小さい頃は、家に突然やってきては押入れの中で臨場感たっぷりに怖い話を聞かせる、幽霊や妖怪が大好きな「ちーちゃん」に閉口していた「僕」なのですが、そんな2人も高校生に。そしてちーちゃんは、オカルト研究会に入部。学校の七不思議を自分で解明すると意気込むのですが... ということで、お初の作家さんです。「日日日」と書いて「あきら」と読むんですって。そしてこの作品は、第4回新風舎文庫大賞受賞らしいです。この本の帯にも「天才高校生デビュー」とあるように、作者はまだ高校3年生。どうやら一部では既にかなり話題になってるようですね。
...なーんていう予備知識も全くなく、裏表紙のあらすじすら読まずに読み始めたんですけど...

読んでみてもうびっくり。この題名だとか表紙だとかにすっかり騙されたわっ。や、これは凄い。何が凄いって、この歪みっぷりというか壊れっぷりというか何というか。(謎) 高校生でこんなの書いちゃうって、これは乙一さんに比べられるというのも納得です。でも西尾維新さん風でもありますね。だってこの主人公、なんだか「いーちゃん」みたいなんだもの。(笑)
あ、でも文章はすごく読みやすいと思うんですが、作品自体の好みは分かれそう。このオチも賛否両論かもしれないですね。という私は結構好きなんですけど、読後感がいいとはお世辞にも言えず。「なんなんだ、コレは!」と思う人も多そう。でもどちらにしても、今後が楽しみな作家さんが1人増えました。これからどんな感じに化けてくれるのか楽しみです。(化けるのか? てか、化けなくちゃいけないのか?) (新風舎文庫)

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猫の事件簿シリーズ4冊目。今回知ってたのは、ウィリアム・L・デアンドリア。(やっぱり1人しか知らないのね...) 今回はちょっと低調だったかなあ。バーバラ・コリンズ&マックス・アラン・コリンズの「どうして黙ってるの」は、なかなか良かったんですけどね。でもバーバラ・コリンズは1巻にも作品を書いてるんですけど、1巻の17編を書いた作家の中で唯一の猫嫌い人間だって、解説に書いてあったぞー。(笑)
デローリス・スタントン・フォーブズの「もの言わぬ動物たち」とジャン・グレープの「どっちつかず」は、まあまあ。悪くはないんだけど、他の作品も読みたいというほどではなかったような。そして、「夢の扉」のジョン・ラッツは、映画「ルームメイト」で有名になった人なのだそうです。それも納得のホラーぶりでした。...でも、今回低調に感じたのは、そろそろ短編に飽きてきたというのもあるのかも。こっちはちょっと一休みして、次は普通の本を読もうっと。(二見文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「猫の事件簿」ピーター・ラヴゼイ他
「貴婦人のペルシャ猫」エドワード・D・ホック他
「魔女のオレンジ猫」シャーロット・マクラウド他
「宝石商の猫」ウィリアム・L・デアンドリア他
「猫が消える町」「inハリウッド 猫の事件簿」ナンシー・ピカード他

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猫の事件簿シリーズ3冊目。今回知ってたのは、ナンシー・ピカードだけです。なんで各巻1人ずつしか知らないんだろう...?(それは単に海外物に詳しくないから・笑)
ええと、ナンシー・ピカードは、サイトを開く前にジェニー・ケインシリーズを7冊ぐらい読んでるので、今回の短編はとってもお久しぶり。彼女の「水曜日の女(長編風短編の試み)」は、なかなか面白かったです。20ページほどの短編なんですけど、その内容というのが、「全18章+エピローグ」という長編のプロットだけなんですよ。でもプロットだけでも登場人物の人となりは伝わってくるし、その場の情景も浮かんでくるんですよねえ。こういうアイディアって面白ーい。(こんな作品を書く人と思ってなかったのも大きいかな)
そして今回一番面白かったのは、表題作の「魔女のオレンジ猫」。これはミステリというよりファンタジーですね。案外ブラックな話が多いこのアンソロジー集なんですけど、これは読後感も良かったなあ。こういう話は大好き。シャーロット・マクラウドは、他の作品もぜひ読んでみなくっちゃ! この人の作品は色々と翻訳されてるようで嬉しいな。...というよりむしろ、作品数が多くてどれから読んだらいいのやらだったりして...。(アリサ・クレイグ名義の作品もあるらしい) とりあえずデビュー作は「にぎやかな眠り」のようですね。
あと他の作品では、マーガレット・マロンの「内なる獣」も良かったです。ちょっぴりブラックなんだけど、でも爽快なのだ。(二見文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「猫の事件簿」ピーター・ラヴゼイ他
「貴婦人のペルシャ猫」エドワード・D・ホック他
「魔女のオレンジ猫」シャーロット・マクラウド他
「宝石商の猫」ウィリアム・L・デアンドリア他
「猫が消える町」「inハリウッド 猫の事件簿」ナンシー・ピカード他

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