Catégories:“2005年”

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中山可穂さんの本は、これで6冊。常に女性同士の恋愛を核に描いてる方なので、これだけ読むと、いくら設定が違っていても徐々に同じ部分が見えてきちゃいますね。芝居をする女性が出てくると、「猫背の王子」「天使の骨」を思い出してしまうし、しかもこの2冊は、どちらもフリーの女性と主婦との恋愛の物語なんです。恋愛部分の描写では、どちらの作品にも「旦那と寝なかった?」と問い詰める場面があって、家庭を捨てたい主婦が子供をどうするかという悩む場面があって。そこから出てくる結果はまた違うんですけど、ああー、いくら枝葉が違っていても、やっぱり核心部分では一緒になっちゃうんだなあという印象。この「感情教育」と「深爪」は、半年を置いて続けて出版された作品だし、中山可穂さんご自身が、その頃そういう恋愛をしてらしたんでしょうね。もちろん、それぞれに読めば、「感情教育」では2人の女性のそれぞれの生い立ちの話の部分がすごく良かったし、「深爪」では、恋人同士になってしまう女性2人と旦那という3人の視点から描かれているのが面白かったし、特に「深爪」に登場する普通とはちょっと違う感覚を持つ旦那像を、私はかなり気に入ってたのですが。

中山可穂さんの作品は、あんまり沢山読まない方が、1つの作品の印象が強く残りそうな気がしてきました。6冊読んでも、最初に読んだ「サグラダ・ファミリア-聖家族」の印象が一番強烈だったし。...あ、でも続けて読んだのが間違いだっただけなのかもしれないですね。次に読む時は、まとめ読みしないで1冊ずつ読むことにします。(講談社文庫・新潮文庫)


+既読の中山可穂作品の感想+
「白い薔薇の淵まで」中山可穂
「猫背の王子」「天使の骨」中山可穂
「感情教育」「深爪」中山可穂
Livreに「サグラダ・ファミリア-聖家族」の感想があります)

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ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる、ファンタジー用語ガイドブック。ダイアナ・ウィン・ジョーンズ流の皮肉混じりの解釈が面白いのですが、その中でも特に可笑しかったのが「行方不明の世継」について。

驚くべき頻度で出現する。どんなときでも、ファンタジーランドの国々の半分は、自国の世継の王子/王女を見失っている。もっとも、<規定>によれば、行方不明の世継は、ひとつのツアーにつきひとりしか参加できないことになっている。(中略) そして、その人物に自分の王国を取り戻させることが、あなたの探索の一部なのである。これは迷惑以外の何物でもない。行方不明の世継は皆、輝くばかりに純真で(まぶしさにめまいがしそうな相手もいる)、大部分は分別というものをほとんど持っていない。それはつまり、自分の本当の身分についてのヒントを出されても、まったく気づかないということである。そういうわけで、代わりにあなたが気づいてやらなければならない。(以下略)

そして「指輪」。「剣と同じぐらい魔術的に危険な品」だそうで、まず色んな石がはめられている場合の説明があるんですが、最後に

内側にルーン文字の刻まれた、なんの飾り気もない指輪。このたぐいの指輪は、疫病のごとく避けること。<規定>によれば、飾り気がなければないほど、指輪の魔法の力も呪われている度合いも増すのである。

これって、指輪物語のあの指輪のことですか?(笑)

物語ではないし、母(D.W.J.ファン)からまわってきたんじゃなければ読まなかっただろうって本なんですが、思ったより楽しめました。まあ、やっぱりファン向けの本だとは思うんですけどね。という私は、本当は特にファンというわけじゃないのに(失礼)、あと3冊でコンプリートしてしまいそうです。でもこの人の本って、当たり外れが激しいからなあ。あと3冊、面白ければいいんだけど... (東洋書林)


+既読のダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品の感想+
「魔法使いハウルと火の悪魔」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「アブダラの空飛ぶ絨毯」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「デイルマーク王国史」1~4 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「わたしが幽霊だった時」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法使いはだれだ」「クリストファーの魔法の旅」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔女と暮らせば」「トニーノの歌う魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法がいっぱい」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
留守中に読んだ本(18冊)(「マライアおばさん」「七人の魔法使い」「時の町の伝説」の感想)
「呪われた首環の物語」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「花の魔法、白のドラゴン」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「いたずらロバート」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バウンダーズ」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「星空から来た犬」「魔空の森ヘックスウッド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バビロンまでは何マイル」上下 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ウィルキンズの歯と呪いの魔法」「海駆ける騎士の伝説」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「うちの一階には鬼がいる!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法!魔法!魔法!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ぼくとルークの一週間と一日」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「牢の中の貴婦人」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法の館にやとわれて」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「キャットと魔法の卵」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
Livreに「ダークホルムの闇の君」「グリフィンの年」「九年目の魔法」の感想があります)

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福岡に働くイソ弁を主人公にした連作短編集。ええと、イソ弁というのは、「居候中の弁護士」の略でしたっけ? 弁護士事務所に勤めている弁護士のことですね。そのイソ弁として働いている新人弁護士「剣持鷹士」が関わった件を、高校時代からの親友・コーキが鮮やかに解いてしまうというパターン。

いやあ、これはまさに推理パズルですね。特に表題作「あきらめのよい相談者」の解決は、まるでハリイ・ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」みたい! いくつか提示されていた事実が思いがけない状態で見事に繋がってびっくり~。いや、本当は多少強引なのかもしれないんですけど、こういう作品に弱いんですよね、私。(^^ゞ
作者の剣持鷹士さんご自身が弁護士だそうで、法律的な薀蓄や、裁判にまつわるエピソードも楽しいです。「裁判ってのは、こちらの主張が正しいと裁判所に思わせること、あるいは相手の主張が正しくないと思わせることなんやから、実際に起こったことは何かって考えてもしょうがなかよ」という言葉で、ああやっぱり弁護士にとっては、真相よりも依頼人を守ることが大切なんだなあと実感。あまり正義感の強い人には向かない仕事なんでしょうね。なんだか苦労が多そうです。

さて、この剣持鷹士さんというのは、「五十円玉二十枚の謎」の一般公募で最優秀賞だった高橋謙一氏。このまま書き続けていればきっと人気作家さんになれたでしょうに、この1冊しか本になってないんですよね。なんだか勿体ないなあ。本業の方がお忙しいのかしら?(創元推理文庫)

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そのお人好しぶりのせいで、いつも事件に巻き込まれてしまう白戸修の連作短編集。1作目の「ツール&ストール」は、第20回小説推理新人賞受賞のデビュー作品。

ミステリ作品、特にシリーズ物は主人公がどうやって事件に絡んでいくかというのが大きなポイントだと思うし、わざとらしくならないようにするのって結構難しいと思うんですけど、この作品の巻き込まれっぷりは、ほんとお見事。しかも白戸修が必ずしも探偵役というわけでもなくて、巻き込まれているうちに何となく解決してしまうという感じなんですよね。もちろん彼自身が何かに気づいてそれが解決に繋がることもあるんですけど、周囲の助けも大きくて。脇役もいい味出してます。
それぞれの短編では、スリとかストーカーとか万引きとか、そういう犯罪がクローズアップされるんですけど、例えばそういうスリの実態とか、ストーカーに対する対処法とか、それぞれの犯罪に関する薀蓄も楽しいんですよね。ちょっぴりピカレスクっぽい雰囲気。で、そういうのに感心しながら読んでたら、突然真相が現れて意表を突かれたり。事件が起きて探偵役が推理するっていう、普通のミステリとはちょっと角度が違うのも楽しいところ。主人公の抜け具合に愛嬌があるせいか、どの作品も後味が良くほのぼのとしています。これはぜひ続編も書いて頂きたいな。(双葉文庫)

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菊地秀行さんといえば、まず新宿を舞台とした例のシリーズのイメージだったので、これは意外でした! こういった時代小説も書いてらしたのですねー。そっちの作品に比べたら、官能的な描写なんてないも同然の硬派な時代小説。時代小説と言うより、怪談と言う方が相応しいかも。全部で9編入っていて、それぞれに幽霊が出てきたり、不思議な出来事が起きたり。

この中で一番好きだったのは、最初に入っていた「影女房」。辻斬りに殺された小夜という町娘の幽霊が、何も関係ないはずの久馬の家に乗り込んで仇討ちを頼むんですけど、久馬が諦めろと言うと、その前に断った侍を半病人にしたことを告げて、「あなたには、もっと酷い運命を与えて差し上げます」と脅すし、久馬の母親が女の噂を聞きつけて家に乗り込んでくると、誤魔化そうとする久馬を尻目に、「だって口惜しいじゃありませんか」と自ら名乗り出るし、挙句の果てに「私、負けません」なんて宣言しちゃう気の強さ。気の強い幽霊というのも結構いると思いますが、ここまで来ると逆に気持ちいいです。(笑)

それとこの短編集で面白かったのが、それぞれの短編によって幽霊の有り様が違うこと。例えば「影女房」の小夜は、幽霊なのに身体は暖かくて足もきちんとあるし、人間のできることは普通にこなすんです。辻斬りに斬られた傷口からは未だに血が溢れて出るんですけど、それが畳などに付くことはありません。でも他の作品に登場する幽霊は、また違うんですよね。手が氷のように冷たくて、血の跡を残していたり。例えば「足がないから幽霊」とかそんな風に決め付けられないんです。血を流してるから人間だ、という発言にも、「死人が、霊が血を流さぬと、誰が決めまして?」 確かにそうかもしれないですねー。日本の幽霊に足がないのが普通になったのも、そもそも丸山応挙がそういう絵を描いたせいですもんね。(笑) (角川文庫)


+既読の菊地秀行作品の感想+
「幽剣抄」菊池秀行
お正月休みの間に読んだ本(7冊)

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ペギー・スーのパパの新しい仕事は、砂漠のはずれにある、使われていない飛行場を警備すること。しかしその砂漠に着いた途端、青い犬は、目に見えない子供たちがそこら中にいて泣き声を立てていると言い、地元に住む老人は、この砂漠にできる蜃気楼は非常に危険で、今までにも多くの人々がその蜃気楼に足を踏み入れ、そのまま帰ってこなくなったと言います。そしてペギー・スーの両親や姉も、その蜃気楼の中に攫われてしまうのです。

「ペギー・スー i 魔法の瞳をもつ少女」(感想)に続く、ペギー・スーシリーズの2作目。
1巻を読了した時に予想した通り、2巻の方がずっと面白かったです。1巻ではペギー・スーは完全に孤立していたし、相当ブラック風味だったんですけど、今回は仲間が出来たせいか、そのブラックさがかなり緩和されてました。1巻で出会った青い犬はペギー・スーを守ってくれようとする頼もしい存在だし、今回は蜃気楼の国から逃げてきたセバスチャンという少年も仲間入り。

恐ろしい恐ろしいと散々脅かされた蜃気楼の国は、一見子供の楽園。通りに立ち並ぶケーキ屋ではケーキやキャンディが無料で配られているし、魔法の丸薬を飲めば何でも希望通りの姿に変身できるし、雲の上でスキーもできるし... 何でも希望が叶えられる場所。でもそれらは全て落とし穴なんですね。
両親と姉を救い出すためには、まずその蜃気楼を作り出している悪魔の目を覚まさせなければならないと聞き、青い犬やセバスチャンと一緒に悪魔の庭園に乗り込むペギー・スー。でも野菜や果物に変身してしまいそうになったり、果物が我慢できないぐらい美味しそうなお菓子の香りを漂わせて誘惑してきたり、さらにはお菓子に変身してしまった仲間を食べたくて仕方がなくなったり...!(これ、結構凄いです) 負けそうになりながらも、仲間と一緒に頑張るペギー・スーの姿がなかなか良かったです。畳み掛けるような展開に引き込まれて、一気に読み終えてしまいました。フランスで人気があるというのも、ようやく納得。(角川文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「ペギー・スーi  魔法の瞳をもつ少女」セルジュ・ブリュソロ
「ペギー・スーii  蜃気楼の国へ飛ぶ」セルジュ・ブリュソロ
「ペギー・スーiii 幸福を運ぶ魔法の蝶」セルジュ・ブリュソロ
「ペギー・スーiv 魔法にかけられた動物園」「ペギー・スーv 黒い城の恐ろしい謎」セルジュ・ブリュソロ

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Boiled Eggs Onlineで連載中だという三浦しをんさんのエッセイ集。三浦しをんさんの本を読むのは初めてです。以前から時々名前を見かけて気になっていたところ、かなめさんが、すごい勢いで読み進めてる! と思ったら、先日のたらいまわし企画「心やすらぐ本」でも、LINさんが「しをんのしおり」を出してらっしゃるし、ざれこさんのところにも「桃色トワイライト」が! そして「しをんのしおり」を早速読まれたというBryumさんからの強力プッシュが...! なんだかすっごく面白そう。ということで、即入手、早速読ませていただきました。(笑)

いやあ、面白かった。読んでいると、なんだか最初、ネットのお友達Hちゃんの文章(大好き!)みたいな雰囲気で、思わずしをんさんのプロフィールをチェックしてしまいましたが...。(^^ゞ 
中でも一番可笑しかったのが、「人生劇場 あんちゃんと俺」の章。友人の「あんちゃん(仮名)」と青山に出かけたしをんさん、表参道のフランス料理店の厨房で働く4人の男を見て、妄想話を繰り広げるんですが、最初は普通に男の職場的なリアルさを出していた会話は、気づけばカ○ネタへと...。それ自体も面白いのに、さらに「あらら、AとDが実はデキてるんだ」「そういうことになりましたね。もう一緒に住んでるみたいだ」という部分に、うぷぷぷぷっ。しかもなぜかそれが「妄想抑止ヘッドギア」の話まで発展してしまうんです。いやーん、可笑しすぎる! あと、「超戦隊ボンサイダー」の章の、京都でいきなりボンザイダーの設定を考えるところも面白かったなあ。これも気づけばカ○ネタへといっちゃうんですよね(^^;。
漫画ネタは、半分ぐらいしか分からなかったのが少し残念だったんですが(こういうのって、元ネタが分からないとちょっとツライですね)、でも面白かったので、ぜひ他の本も読んでみようと思います。次は古本屋の話という「月魚」かな。あ、でも年内は積読本消化に勤しむ予定なので、来年にでも。(新潮文庫)


+既読の三浦しをん作品の感想+
「しをんのしおり」三浦しをん
「月魚」三浦しをん

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Note


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