Catégories:“2005年”

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修道士カドフェルシリーズの17巻と18巻。現在発刊中なんですが、最終的に全21巻となることは既に決まっているので、これを読んでしまうと、あと3冊だけになっちゃうんですよねえ。なんか淋しいなあ。

さて、「陶工の畑」とは、聖書の「マタイによる福音」に登場する言葉。キリストを売って銀貨30枚を得たユダは、その後自分のしたことを後悔して首をつって死ぬのですが、その時にユダが神殿に投げ込んだ銀貨の扱いに困った祭司長たちは、「陶器職人の畑」を買って外国人の墓地にするんですよね。なのでキリスト教徒にとっては、どことなく不吉なイメージのある言葉。(陶工って、職人の中でも一番低く見られることがあるそうなんですが、きっとこの辺りが関係しているんでしょうね) そしてそんな題名が象徴するような事件が起こります。「陶工の畑」と呼ばれる土地に埋められていた女性の白骨死体は、一体誰の死体? 物語自体は、カドフェルシリーズらしいオーソドックスさなのに、謎の出し方がいつもとちょっと違っていて目新しい感じ。それぞれに愛する者たちを庇おうとするために、真実に辿り着くまでにかなり遠回りしてしまうことになります。
そして「デーン人の夏」は、「カドフェルまたしてもウェールズに行く」編。題名のデーン人というのは、平たく言えばデンマークから来たバイキングのこと。この頃にはアイルランドやスコットランド、ウェールズにも侵攻して、一大勢力となっていたようです。この作品では、3巻「修道士の頭巾」に登場した見習い修道士のマーク、9巻「死者の身代金」に登場したオエイン・グウィネズが再登場して嬉しい限り。終生住む場所はシュルーズベリの修道院と心を決めているカドフェルも、時々旅をしたくて堪らなくてうずうずするようで、ウェールズ旅行がもう楽しくて仕方ないみたい。今回は背景事情も人間関係も複雑で、冒頭で思わぬ苦戦をしてしまったんですが(3回も読み直す羽目に...)、途中からは面白くて止まりませんでしたー。そういえば「死者の身代金」もすごく面白かったし、エリス・ピーターズ自身、ウェールズとなると執筆にかなり力が入るのかも。(笑) (光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「聖女の遺骨求む」「死体が多すぎる」「修道士の頭巾」...ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「聖ペテロ祭殺人事件」エリス・ピーターズ
「死を呼ぶ婚礼」エリス・ピーターズ
「氷のなかの処女」エリス・ピーターズ
「聖域の雀」「悪魔の見習い修道士」エリス・ピーターズ
「死者の身代金」「憎しみの巡礼」エリス・ピーターズ
「秘跡」「門前通りのカラス」エリス・ピーターズ
「代価はバラ一輪」エリス・ピーターズ
「アイトン・フォレストの隠者」エリス・ピーターズ
「ハルイン修道士の告白」エリス・ピーターズ
「異端の徒弟」エリス・ピーターズ
「陶工の畑」「デーン人の夏」エリス・ピーターズ
「聖なる泥棒」「背教者カドフェル」エリス・ピータース
「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ

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「弟と暮らすのが夢だったの」と言う「姉」に拾われて、弟の「良」となった僕は、家から近いガソリンスタンドでの面接のために履歴書を書いていました。「適当はいいけど嘘はダメ。好きなことを好きなように、正直かつ大胆に書こう」という姉の言葉に、何も考えずに生年月日を書き、それに合わせて学歴を作り上げていきます。年齢は19歳。家族は姉だけ。性別は男。免許・資格はなし。趣味・特技は読書。書き終わった履歴書を愉快な気持ちで眺めた僕は、少しだけ物足りなく感じて、今度は「リレキショ」を書き始めます。

以前掲示板で教えて頂いていた中村航さんのデビュー作。文庫になっていたので、これは読んでみないと、と読み始めたのですが...
冒頭で、主人公はある日突然見知らぬ女性に拾われて同居することになったということが分かるんですけど、特に説明もないまま物語は進行。一体何があったんだ? どんな状況だったんだ? というのが気になって読み進めたんですが、その理由はほとんど説明されないままなんですよね。終盤、ちらりと良の過去を匂わせる部分が登場するんですけど、結局のところはそれだけ。うーん、これは一体どういうことだったんでしょう。記憶喪失になったのか、自分の意思だったのかも分からないんです。(文章から読み取れるのかもしれないけど、私には良く分からなかった) これって、要するに一種の現実逃避ですよね。それ自体はとても現代らしいテーマのような気がするのだけど... こんな風に全てが曖昧なままというのも、どうなのかしら?
登場人物はすごく少なくて、主に登場するのは主人公とその姉、姉の親友、良が働くガソリンスタンドの先輩、そしてウルシバラという少女だけ。姉と姉の親友と3人で飲んでる場面なんかとっても楽しそうだし、淡々とした雰囲気も良かったんですけど、それだけで終わってしまったような気がします...。(河出文庫)

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以前、「トリエステの坂道」を読んだ時に(感想)、OMBRE ET LUMIERE の37kwさんにお勧めということで教えて頂いたのが、この「ヴェネツィアの宿」。そして合わせて「コルシア書店の仲間たち」「ミラノ 霧の風景」「ユルスナールの靴」。すっかり遅くなってしまったんですけど、そのうちの2冊を読んでみました。

まず「ヴェネツィアの宿」は、日本にいた頃の生活や、須賀さんご自身の日本での家族での思い出を中心に、留学先のフランスやイタリアでのことを書き綴ったエッセイ。心に思い浮かぶまま自由に書きとめられたという感じで、時系列順に並んでいるわけではないのですが、全体としては大きなまとまりを感じさせる1冊。やっぱり須賀さんは、いいですねえ。良いことも悪いことも、真っ直ぐな視線で受け止めて、落ち着いた静かな文章で描き出していくという感じ。特に印象に残るのは、彼女の父親のこと。贅沢が好きで、仕事に身が入らず、家族を置いて1年間ヨーロッパとアメリカに行ってしまったという父親。後に家を出て愛人の元へと行ってしまった彼の姿は、最初は短気で身勝手なイメージばかりだったのですが、やはり父と娘の繋がりは濃かったのですね。最後の「オリエント・エクスプレス」の章でそのイメージが覆されるシーンが堪らなかったです。あと、時代はかなり違うんですが、私も須賀さんと同じ風景を見ていたことがあるので、その部分が特にものすごく懐かしかったし興味深かったです。

そして「コルシア書店の仲間たち」は、ローマに留学していた須賀さんが、コルシア・デイ・セルヴィ書店の一員として加わった頃のことを書いたエッセイ。コルシア・デイ・セルヴィ書店は、書店でありながらただの書店ではなく、左翼系のカトリックの活動の場なんですね。この書店に、階級も職業も人種も年齢も様々な人間が出入りしるんですが、この人々こそが、須賀さんがイタリアで得た初めての仲間。そしてこの書店こそが、イタリアで初めて得た自分自身の居場所。後に須賀さんが結婚するペッピーノ氏も、ここの一員です。このエッセイに登場する人々は、文章を読んでいるだけでも、それぞれに鮮やかに浮かび上がってくるんですが、その中でも一番印象が強かったのは創始者のダヴィデ・マリア・トゥロルド神父。爆撃で瓦礫の山となったミラノの都心を親友のカミッロと一緒にが颯爽と歩いている場面なんて、ほんと目の前に情景が浮かんでくるようでした。でも出会いもあれば別れもあり、須賀さんは最愛の夫を失い。書店の理念も徐々に形を変えて... コルシア・デイ・セルヴィ書店と共に、1つの時代終焉を見たような思いがして切なかったです。

次は「ミラノ 霧の風景」「ユルスナールの靴」を探してみよう。(文春文庫)


+既読の須賀敦子作品の感想+
「トリエステの坂道」須賀敦子
「本に読まれて」須賀敦子
「ヴェネツィアの宿」「コルシア書店の仲間たち」須賀敦子
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「須賀敦子全集1」須賀敦子
「須賀敦子全集2」須賀敦子
「須賀敦子全集3」須賀敦子
「須賀敦子全集4」須賀敦子
「須賀敦子全集5」須賀敦子
「須賀敦子全集6」須賀敦子
「須賀敦子全集7」須賀敦子
「須賀敦子全集8」須賀敦子

+既読の須賀敦子翻訳作品の感想+
「インド夜想曲」アントニオ・タブッキ
「なぜ古典を読むのか」イタロ・カルヴィーノ
「ある家族の会話」ナタリア・ギンズブルグ

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幼い頃から戒律厳しい修道院で育ち、出た後も清く正しい生活を送る彼女の渾名は「フランチェス子」。そのフランチェス子に、突然できものができます。最初は痣のようだったできものは徐々に盛り上がって人の顔のようになり、人面瘡へと変化。そして、ある日その人面瘡が話し始めたのです。どうやっても追い払えない人面瘡は、なんとフランチェス子の股間に移動。最初は取り乱すフランチェス子でしたが、いつしかうちとけてきて、その人面瘡を「古賀さん」と呼ぶように。

信兵衛の読書手帖の信兵衛さんに以前教えて頂いた本。最近、本を読む女。改訂版のざれこさんにも再プッシュされてたんですが...
うひゃひゃひゃひゃーっ、これは何なんですか! もう「フランチェス子」という名前からして笑わせてくれるですけど、その友達がアン子、ノン子、ウィズ美、モア代、オリ江、マルとクスの兄弟、朝志、読夫ですよ! しかも身体のどこかに人面瘡が出来るという話は時々ありますけど、なぜ股間に(^^;。フランチェス子はミロのビーナスを思い浮かべさせるような美女で、モデル経験もあるんですが、男性のその気を萎えさせてしまうという特殊体質。これまでもこれからも男性とつきあいそうにないので、どこに人面瘡が住み着いていても別段困るわけではないんですが... 純粋培養な育ちのはずなのに、なぜこんなに放送禁止用語に詳しいんですか! なぜそれを完璧に使いこなしてるんですか!(笑)
でもそれだけすごい表現が氾濫してる割には、全然いやらしくないんですよねえ... 不思議。
「古賀さん」は何かといえばフランチェス子のことをダメ女だって罵倒するし、フランチェス子は何を言われても素直に納得して反省しちゃう。何もそこまで素直に認めなくても... なんですが、「古賀さん」の言葉には確かに説得力があるんですよね。放送禁止用語や上辺の面白さにかまけて読んでいると、ふと深い言葉が飛び込んできて驚かされます。最初はフランチェス子も古賀さんもあまり好きじゃなかったのに、読んでるうちにだんだん可愛く見えてきて楽しかったです。
最後の展開には、結構度肝を抜かれます。この展開は私としてはあまり好みではなかったので、ちょっと残念だったんですが、でもこれだけの話を収拾させようとしたら、これで一番良かったのかもしれないですね。「ツ、イ、ラ、ク」と「桃」は万人にお薦めできるけど、この「受難」は恐る恐るお薦めする感じ... と、ざれこさんが仰ってたのも納得の作品です。(笑) (角川文庫)


+既読の姫野カオルコ作品の感想+
「桃」姫野カオルコ
「受難」姫野カオルコ
「変奏曲」姫野カオルコ
Livreに「ツ、イ、ラ、ク」の感想があります)

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ネコ6、ヒト2、イヌ1という家族構成の、米原万里さんの飼い犬、飼い猫エッセイ。
米原万里さんの本を読むのは初めてです。そもそもエッセイってあまり読まないですしね。エッセイも嫌いじゃないし、一時軽くハマってたこともあるんですけど、最近ではオススメされたり貸してもらったりしない限り、積極的には手に取らなくなっちゃいました。(これは!という作家さんのエッセイなら読みますが) というこの本は、母から回ってきた本。多分私が猫溺愛中だから貸してくれたんだろうと思うんですけど、母自身は動物と一線引くタイプ。なんでこんな動物大好き本を読んだのか不思議?。というのはともかく。
いやあ、面白かったです。この原稿を書いてる時の米原さんはロシア語会議通訳だったというのに、まるで本職のエッセイストみたい。嬉しくなったりワクワクしたり、ほろりとしてしまったり... 読みながら何度か吹き出しちゃいましたよ。読みながら思わず拳を握りしめてしまうオオバカ嫁の話(怒)のように胸が痛くなるような話もあるんですけど、最初に猫を拾った時の話や、そこに犬を連れ帰った時のこと、さらにモスクワ出張で一目惚れして連れ帰った猫のことなど、ほんといいんです。それにしても、モスクワの空港のあの愛想のカケラもないようなおねーさんたちが、別人のように愛想がよくなるなんて!(驚)
特に犬のゲンにまつわるエピソードもすごく良くて、もうゲンが大好きになっちゃいました。最初は誰が来ても吠えなかったゲンも、ある日を境に吠えるようになるんですよね。獣医さんの言うその理由がまたなかせるんです。
やっぱり動物はいいですね。という私も、今この文章を打ってる時点で猫が膝の上で寝ていて、しかも左手を枕にしてしまっているので、右手だけでタイピング中。普段よりも3倍ほど時間がかかります。でもいくら不便でも、追い払う気にはなれないんですよね。この温かさは何ものにも替えがたいです♪(文春文庫)


+既読の米原万里作品の感想+
「ヒトのオスは飼わないの?」米原万里
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」米原万里

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昨日に引き続きの泉鏡花。今度はSukuSukuPu-sanのmort_a_creditさんが、先日のたわいまわし企画「心やすらぐ本」で挙げてらした「二、三羽──十二、三羽」が入ってる本です。本当はこちらを先に読もうと思ってたんですけど、泉鏡花の本にしては少し厚いので(今時の本と比べたら全然ですが!)、先に薄い本から入ったという軟弱者の私です。(^^ゞ
まず読んだのは、その「二、三羽──十二、三羽」。これはエッセイ風の作品。ふと庭に遊びに来た雀が可愛らしいくて、奥さんと一緒になって飯粒をやったりするようになるんですが、その雀たちの様子がとてもいいんです。ことに、庭で雀が初めて見る花に驚いてご飯を食べに来るのを躊躇っちゃうところなんて、微笑ましくてほのぼの?。「心やすらぐ本」というお題にぴったり。でもそんな風に読み進めていると、ふと気がつけば鏡花版「雀のお宿」に招かれていてびっくり。やっぱり鏡花なんですね。

この本には9編が収められているのですが、私が一番好きだったのは「竜潭譚」と「薬草取」。これは2編とも神隠し譚で、満開の花の描写がすごいんです。「竜潭譚」は躑躅。「行(ゆ)く方(かた)も躑躅(つつじ)なり。来(こ)し方(かた)も躑躅(つつじ)なり」 あんまり咲いてるんで、土も赤く見えてくるほど。でもあんまり満開すぎると、逆にちょっと恐怖感もあるんですね。(満開の桜もそうですよね)
そして「薬草取」では、四季折々の花が一斉に咲き乱れています。躑躅に山吹、牡丹に芍薬、菊も桔梗も女郎花も朝顔も... 薬草を取りに行った山での話なので、全部野生のはず。どんな風に咲いてるのか見てみたい...。あ、でもこちらは怖くないです。やっぱり1種類ではないせいでしょうか。むしろ幻想的でした。
そして華麗な描写となると、「雛がたり」という作品。お雛様にまつわるエッセイといった感じの作品なんですけど、冒頭から過剰なほどの艶やかな色彩が乱舞しています。そして後半の、現実と幻想の一瞬の交錯... いやあ、すごいです。(お雛さまって、やっぱり人間がいない時はお互いにおしゃべりしてるんですかねえ? お雛様に限らず、人形ってそんなイメージがありますよね)

その他は紀行文など、比較的現実的な作品が多かったので、その分少し物足りなさもあったんですが、ふとした瞬間に見える幻想的な情景や、相変わらずの華麗な描写がやはり美しかったです。(岩波文庫)


+既読の泉鏡花作品の感想+
「夜叉ヶ池・天守物語」「高野聖・眉かくしの霊」泉鏡花
「泉鏡花短篇集」川村二郎編
「海神別荘」「春昼・春昼後刻」泉鏡花
「鏡花百物語集 文豪怪談傑作選・特別篇」東雅夫編

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泉鏡花、学生時代に少し読んだ覚えがあるんですが、それきり全然。ここのところずっと読みたいなあと思っていたんですが、ようやく読めました。「夜叉ヶ池」「天守物語」「高野聖」「眉かくしの霊」の4編の中では、「高野聖」だけが既読。

きっと相当時間がかかるんだろうな... と覚悟してたんですけど、これが全然。もう夢中になって読んでしまいましたー。特に良かったのが「夜叉ヶ池」。そして「天守物語」も。この2編は戯曲です。実際、映画やお芝居にもなってますね。(玉三郎のが観てみたいー) 戯曲を読むなんて、本当に久しぶり。子供の頃は、マルシャークの「森は生きている」とか大好きだったんですが、大人になってからはどうも読みづらくなってしまって敬遠してたんです。それがこんなにさらさらと読めるとは、びっくり。もしかしたら、泉鏡花に関しては、戯曲の方が普通の小説よりも入りやすいのでしょうか? 頭の中で台詞を音読するように読んでいると、泉鏡花ならではの艶やかな世界がぱあっと広がってすごく素敵でした。
「夜叉ヶ池」も「天守物語」も、人間だった時は痛ましい亡くなり方をした女性たちが、物の怪になってから幸せを掴むというのがポイント。それに物の怪の方が、人間よりも約束を律儀に守っているんですよね。夜叉ヶ池の主も、本当は剣ヶ峰千蛇ヶ池にいる恋する若君のところに行きたいのに、そんなことしたら大水になってしまうし、人間との昔からの約束もあるから「ええ、怨めしい...」と我慢しているのに、人間の方が浅はかな考えから約束を簡単に破ろうとしてます。醜い俗世と物の怪の美しい世界の対比?(雨乞いをする人間たちが妙なものを池に投げ込んで困る... と、渋い顔をしてる物の怪の姿が可笑しいです♪)
「高野聖」は、山で何度も遭遇する大蛇や、森の中で上から降ってくる蛭の場面がものすごくリアルで気色悪っ。その後のなまめかしい美女の場面が、余計に妖しく感じられました。川で水浴びをしている時、「うとうとする様子で、疵の痛みがなくなって気が遠くなって、ひたと附ついている婦人の身体で、私は花びらの中へ包まれたような工合」だなんて、イメージとしては恋人よりも母親のようだったけど...(笑)

泉鏡花の本は岩波文庫版が何冊か手元にあるので、ぼちぼちと読んでいくつもりです。(岩波文庫)


+既読の泉鏡花作品の感想+
「夜叉ヶ池・天守物語」「高野聖・眉かくしの霊」泉鏡花
「泉鏡花短篇集」川村二郎編
「海神別荘」「春昼・春昼後刻」泉鏡花
「鏡花百物語集 文豪怪談傑作選・特別篇」東雅夫編

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