Catégories:“2006年”

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先月出たばかりのチョーモンインシリーズ。これで8冊目かな? 今回は短編が5編収められていました。
もちろん神麻嗣子ちゃんも保科さんも登場するし、相変わらず楽しいんですけど... 聡子さんは? 能解警部は? レギュラー陣の登場があまりないのがちょっと寂しかったです。でもこのシリーズらしい作品も多かったし、安定してますねー。やっぱり先日読んだ「春の魔法のおすそわけ」とは全然違ーう。

5編の中で私が一番気に入ったのは、「捕食」という作品。これには大学時代の保科さんが登場します。仲間たちとスキーに行った時に、吹雪の中で道に迷った保科さんが辿り着いたのは、山の中に建つ屋敷。そこの主が語った奇妙な話とは... という物語。ちょっとホラータッチなんですけど、そこが良かった。でも、どうやらその仲間の中には聡子さんもいたようなのに、まるっきり登場しないなんて...!
表題作の「ソフトタッチ・オペレーション」は5編の中で一番長くて、このシリーズらしい(とは言っても、よくよく考えると、森奈津子さんが喜びそうなシチュエーションでもありますね)、とても西澤さんらしい作品。でもね、密室物を書くためには、密室を作り出すための状況を考えるというのが、まず最初の作業なんだろうとは思うんですが... これはあまりにも強引すぎるのでは。作中に登場する某ミステリ作品に対するオマージュだとしても、ちょっとツラいものがあるなあ。

でも、タックシリーズだけでなく、こっちのシリーズにも闇の部分があったはずなんですけど、あれは一体どうなったんでしょう。この作品では、全然気配すら匂わせてもいないし、前作も確か同じような感じだったかと。確かに、そこを書いてしまえばシリーズが終わってしまうのかもしれませんが... そろそろそちらの進展も気になるところです。その闇があるからこそ一層魅力的なんですしね。(講談社ノベルス)


+シリーズ既刊の感想+
「幻惑密室」「実況中死」「念力密室!」「夢幻巡礼」「転・送・密・室」「人形幻戯」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「生贄を抱く夜」西澤保彦
「ソフトタッチ・オペレーション」西澤保彦

+既読の西澤保彦作品の感想+
「方舟は冬の国へ」西澤保彦
「腕貫探偵 市民サーヴィス課出張所事件簿」西澤保彦
「フェティッシュ」西澤保彦
「キス」西澤保彦
「春の魔法のおすそわけ」西澤保彦
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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その仕事振りが新聞を賑わせない日はないほどの有名な大どろぼう、ホッツェンプロッツ。その日の獲物は、カスパールのおばあさんの新式のコーヒー挽き。カスパールが親友のゼッペルと一緒に、豆を挽くと歌を演奏するコーヒー挽きを作り、おばあさんに贈ったのです。2人はおばあさんのコーヒー挽きを取り返そうと、大活躍することに... という「大どろぼうホッツェンプロッツ」と、続編「大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる」「大どろぼうホッツェンプロッツみたびあらわる」の2編。

これは姪のためのクリスマスプレゼント用に買った本。私も子供の頃に大好きだったんですが、小学校の頃に図書館で借りて読んだっきりなんですよね。懐かしくて、思わずまた読んでしまいましたー。いやあ、思い出した思い出した。覚えてる通りです。一見怖ろしげな泥棒も肝心なところが抜けていて憎めないし、何よりユーモアたっぷり。とっても楽しい冒険談。そしてこれがずっと続いてたら飽きそうなところを、3巻できっちりシメてくれるのがまたニクイんですよねー。
喜んでもらえるといいなあ。(偕成社)


+既読のオトフリート・プロイスラー作品の感想+
「大どろぼうホッツェンプロッツ」3冊 プロイスラー
Livreに「クラバート」の感想があります)

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夫のスティーブを事故で亡くし、15歳のマイクを筆頭に13歳のケイト、10歳のトッドという3人の子供を抱えて毎日てんてこ舞いの専業主婦・ジェーンの素人探偵シリーズ。
隣人のシェリイの家で持ち寄りパーティが開かれる日、シェリイが空港に母親に会いに行っている間に、家の掃除をしていた掃除婦が殺されたという「ゴミと罰」、クリスマス間近のジェーンのうちにやって来たのは、昔馴染みのフィリス。でもフィリスと一緒にやって来たのは、フィリスが今の夫と結婚する前に産んで、最近再会したばかりという息子のボビー。これがとんでもない性悪で... という「毛糸よさらば」。

とても楽しいシリーズだとは聞いてたんですけど、読むのはこれが初めて。「ゴミと罰」「毛糸よさらば」という題名は、もちろん有名文学作品の題名のパロディ。このシリーズ、ずっとこんな調子の題名がついてるそうです。訳す方も大変そうですが、さすが浅羽莢子さん、ぴったりの題名になってますねー。
女手1つで子供を育てる主婦が活躍するという意味でも、その主婦が少々おっちょこちょいで、体当たり式に行動するという意味でも、周囲を巻き込みつつ賑やかに展開するところも、主人公の親友がとてもリッチという意味でも、捜査に来た刑事さん(ヴァンダイン刑事ですって!)とロマンスが発展しそうな辺りでも(笑)、ダイアン・デヴィッドソンのクッキング・ママシリーズとかなり雰囲気が似てますね。クッキング・ママシリーズの主人公・ゴルディは料理が大好きなのに対して、ジェーンはあまり好きではなさそうですが。(笑)
ジェーンが「あたし、推理小説をたくさん読んでるから、動機には詳しいの」と言っている割に、それはミステリの定石だろうって部分に気づかなくてアレレと思う部分もあるし、文章にちょっと三人称が揺れる感じがあってちょっと違和感も感じたんですが、でも楽しかったです。コージーミステリが好きな人にオススメの気楽に楽しめるシリーズ。また今度続編も読んでみようっと。(創元推理文庫)

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ツァシューへと向かう翠蘭は、途中、ロ・バクチェ・イーガンが治めるエウデ・ロガに滞在し、ここでリジムやラセル、朱瓔らと合流。毎年エウデ・ロガに薬草摘みにやって来るリュカも現れます。翠蘭やリジムを屋敷に残し、イーガンはリュカや朱瓔、サンボータらと薬草摘みに出かけるのですが、その帰り道に森の民に襲われ、朱瓔とサンボータは崖の下へと転落してしまい...。

「風の王国」シリーズ9冊目。
翠蘭は、今までのような無鉄砲な行動が許されなくなる体調なので、今回はじっと我慢。でも翠蘭が動かないおかげで、逆に周囲の人々の動きに焦点が当てられていて、いつもとは違う楽しみがありました。サンボータと朱瓔にスポットライトが当たっていますし、森の民ヴィンタク族の長・ホルクや巫子・ラミカも魅力的。エウデ・ロガの良民には優しい領主・イーガンの二面性やその原因も、今回は悪役は悪役と切って捨てられないところがいいですね。翠蘭とリジムの周囲で、様々なドラマが同時進行しているという印象でした。いつもみたいな、当時のチベットでの風習で「へええぇ~」と思う部分はあまりなくて残念だったんですが、やっぱり楽しかったです。 (コバルト文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「風の王国」1~4 毛利志生子
「風の王国 月神の爪」毛利志生子
「風の王国 河辺情話」毛利志生子
「風の王国 朱玉翠華伝」毛利志生子・増田メグミ
「風の王国 目容の毒」毛利志生子
「風の王国 臥虎の森」毛利志生子
「風の王国 花陰の鳥」毛利志生子
「風の王国 波斯の姫君」毛利志生子・増田メグミ
「風の王国 初冬の宴・金の鈴」毛利志生子
「風の王国 嵐の夜」上下 毛利志生子
「風の王国 星の宿る湖」毛利志生子

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ふとしたことでカヤックに乗ることになり、夢中になっていったという梨木香歩さん。琵琶湖や北海道、アイルランドやカナダの水辺にいる時に見えてきたことや感じたこと、そしてカヤックの上から見た水辺の風景などを綴る、Webちくまに連載されていたというエッセイです。

梨木さんがカヤックに乗られるとは、これを読むまで知りませんでした! 梨木さんの作品を読むたびに、自然やその中の生命の存在を感じていたし(特に植物)、「家守綺譚」や「沼地のある森を抜けて」では、特に水の存在がすごく感じられたんですけど、その裏には、こういう体験があって、こういう時間を大切に持っていらっしゃる方だったのですねー。カヤックに夢中になりながらも、梨木さんの目はとても冷静にその水辺の情景を捉えて、淡々と描き出していきます。まるで梨木さんご自身の思いが水鏡に映し出されていくよう。もしくは、梨木さんご自身の中に太古の海が存在しているよう。梨木さんはこのようにして、いつも「自然」や「生命」と通じ合ってらしたのですね。
とても静かで硬質、冷たい水の清冽さを感じさせるようなエッセイでした。でも、それだけだと少し距離の遠い物語になりそうなところだったのが、梨木さん言うところの「愚かな体験」のおかげで、ぐんと身近に感じられるのも嬉しいところです。ふふふ、意外な一面... でもなんとなく納得できますね。(笑)(筑摩書房)


+既読の梨木香歩作品の感想+
留守中に読んだ本(18冊)(「ぐるりのこと」の感想)
「沼地のある森を抜けて」梨木香歩
「水辺にて」梨木香歩
「ミケルの庭」「この庭に 黒いミンクの話」梨木香歩
Livreに、これ以前の全作品の感想があります。

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来週105歳になるというのに、未だに元気なミス・ヒルダ・ホースフォールとその82歳の甥のヘニーの農場には、ここ3ヶ月ほど悪質な嫌がらせが続いていました。そしてとうとう農場の作男・スパージ・ランプキンが命を落とすことに... という「ヴァイキング、ヴァイキング」。
床にモップをかけていたミセス・ローマックスは、下宿人のアングレー教授の赤毛のかつらを猫がくわえているのに気づきます。ミセス・ローマックスは、教授が寝ている間にこっそり部屋に戻そうと考えるのですが、ベッドには人が寝た形跡がなく、教授が裏庭で倒れて死んでいるのを発見して... という「猫が死体を連れてきた」。シャンディ教授シリーズの第3弾と第4弾です。

久しぶりにミステリが続いてますが、これは積読本消化のためもあります。年内にあと何冊読めるでしょうか? でももちろん、消化するためだけに読んでるわけじゃありません。1つ前のドートマンダーシリーズもとっても面白いんですけど、このシリーズも農業の町バラクラヴァを舞台にした、とっても賑やかで楽しいシリーズなのです。
シャンディ教授は50代半ば。周囲の人々もそれなりに年を取っています。3作目の「ヴァイキング、ヴァイキング」では、なんと105歳のミス・ヒルダと、102歳の学長のおじのスヴェンが大活躍! さらに平均年齢が上がってしまいました。でもみんなとってもパワフル。もちろん体力は若者には敵いませんが、気力では年なんて感じさせないですね。そういえば、コリン・ホルト・ソーヤーの「老人たちの生活と推理」のシリーズも、老人ホームが舞台で、おじいちゃんおばあちゃんが沢山登場するんですが、これがまた可愛くてパワフルで、しかも人生を重ねた重みがあるシリーズ。可愛いおじいちゃんおばあちゃん、好きかも♪

最初は偶然事件に巻き込まれていたシャンディ教授ですが、3作目4作目と進むに連れて、どんどん探偵業が板についてきています。3作目まで仲の悪かったオッターモール署長と、4作目では一緒に聞き込みなんてしてるし! でもそうやって一緒にいることで、あんまりよく思ってなかった署長の良さもだんだん分かっていくんですよね。このシリーズの大きな魅力の1つは、バラクラヴァの町の人たちがすごく身近に感じられること。3作目も4作目も、大学の学生たちが機転を利かして頑張ってたのが楽しかったし、スヴェンソン学長はやっぱりかっこよかった。学長はヴァイキングの末裔なんですよね。だから3巻があんな題名になってるんですが、ルーン文字の石碑の呪いの謎なんかもあって、北欧神話好き心も刺激されます。(まあ、それほど本格的なものではないのですが)(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「にぎやかな眠り」シャーロット・マクラウド
「蹄鉄ころんだ」シャーロット・マクラウド
「ヴァイキング、ヴァイキング」「猫が死体を連れてきた」シャーロット・マクラウド

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1000ドルの稼ぎになるはずだった盗みが失敗した翌日にアンディ・ケルプがジョン・ドートマンダーに持ち込んだのは、墓堀りの仕事でした。これはアンディがインターネットで知り合った、ギルダーポストという男に依頼された仕事。墓に埋められている棺桶を他の棺桶にすりかえて、また埋め直すのです。ギルダーポストには、アーウィン、そしてインディアン娘のリトル・フェザーという仲間がおり、今までにも他のちんぴらと組んで悪事を働き、仕事が終わった後は組んだ相手を始末していました。今回も仕事が無事終わった後は、アンディとドートマンダーを始末するつもりでいたのですが...。

伊坂幸太郎さんがお好きなことでも知られている、ドートマンダーシリーズ。本国では10作目だそうですが、日本に訳されたのは9作目。
既にワンパターンになってるとも言えるんですが、相変わらずのノリで安心して読めるシリーズですねー。今回はインディアン経営のカジノの利権をめぐる争い。相変わらずのドートマンダー一味に、小悪党3人組が加わって、でもお互いにいつ裏切られるか分からないというスリリングな状況。ドートマンダーは、相変わらず物事を深く考えてるし、いいところに気がつくんですが、その運のなさも相変わらず。ここまで苦労するぐらいなら、普通の生活を送った方が、いくらかなりとも効率が良いのではないかしら。(笑)
でも帯にも「ドートマンダー登場36周年(笑)記念 史上最も不運な泥棒が ついに完全犯罪に成功! (まったくの嘘ではありません。念のため)とあるんですが、今回はドートマンダーシリーズにしてはものすごーく珍しく、1つの試みがすんなりと成功します。もしやシリーズ初の快挙?! や、このシリーズは一応全部読んでますが、どうも犯罪に関する部分をあまり覚えてないんですよね。むしろ全然関係ない場面が、妙にくっきり印象に残っていたり...。(笑)(ハヤカワ文庫HM)


+シリーズ既刊の感想+
「ホット・ロック」「強盗プロフェッショナル」「ジミー・ザ・キッド」「悪党たちのジャムセッション」「天から降ってきた泥棒 」「逃げだした秘宝 」「最高の悪運」「骨まで盗んで」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「バッド・ニュース」ドナルド・E・ウェストレイク

+既読のドナルド・E・ウェストレイク作品の感想+
「我輩はカモである」ドナルド・E・ウェストレイク

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