Catégories:“2006年”

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以前書店で見かけて気になってたんですけど、私、吉野朔実さんのストーリー漫画を読んだことがないんですよね...。でもくるくる日記のkyokyomさんが読んでらして、やっぱり楽しそうなので読んでみました。「本の雑誌」に連載されていた書評漫画「吉野朔実劇場」が本にまとめられたもので、漫画だけでなく、沢田康彦さん、穂村弘さん、北上次郎さん、柴田元幸さんとの対談も収められています。

ええと、確かに書評といえば書評なんですけど、むしろ吉野朔実さんご自身や周囲の人々の本にまつわるエピソード集といった方が正しいかも。ご家族とのエピソードも面白いです。そしてこの読書の幅の広さが素晴らしい~。誰もが知っている有名な本やベストセラー本に混ざって、料理の本や病気の本、図鑑なども混ざっているのがまた楽しいところです。エピソードとしての面白さから言えば、「お父さんは時代小説が大好き」の方が上だったと思うんですけど(お友達との本のやり取りとか、「羊たちの沈黙」が3冊も集まってしまったエピソードとか)、「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」の方が頷けるような部分が多かったかな? 特に「いつも本が入っている」の章は、そのまま私に当てはまるので...! という私も、どんなに近所への外出の時でも鞄に本がないと不安だし、出先で上巻を読み終わってしまって、2冊目の下巻を買ってしまったこと、もちろんありますとも...(^^;。

「お父さんは時代小説が大好き」を読んでいて私も読みたくなったのは、斉須政雄「十皿の料理」、レオ・レオーニ「平行植物」、オリバー・サックス「妻を帽子とまちがえた男」、そして吉野朔実さんが子供の時に読みたかったというカート・ヴォネガットJr.の「猫のゆりかご」。(「飛ぶ教室」と一緒に挙げられてるとあれば、そりゃ読まなくちゃならないでしょう)
「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」では、やっぱりポール・オースターでしょうね。「つまらなくもないけど...」 と、新作が出るたびになんとなく買ってしまう気持ち、すごく分かります。吉野朔実さんの場合は、映画「スモーク」や「ブルー・イン・ザ・フェイス」を観てから本格的にファンになって、「偶然の音楽」を読んでから「幽霊たち」を再読すると、初回に比べてすごく面白く読めたのだそう。「どの作品もディテールには好きなところがあって、いつも気持ちはすんなり入れて楽しくはあったのですが、それだけで好きと言えなかったのは何故でしょう???」というのは、私にもそのまま当てはまる言葉。私も今度未読の「偶然の音楽」を読んでみようと思いますー。(角川文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き」「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」吉野朔実
「弟の家には本棚がない」「本を読む兄、読まぬ兄」吉野朔実
「犬は本よりも電信柱が好き」吉野朔実

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ノンシリーズの短編集。いつも不思議な世界を構築して読者を煙に巻いてくれる松尾さんですが、今回はちょっと珍しいテイスト。ややブラックな短編集です。
一旦ほっとさせておいて、最後にゾクリとさせてくれるかと思えば、当然あともう一つ来ると期待して読んでいたオチを見事にかわされてしまったり、一体その後どうなったんだ...? という話もあれば、意図的に何かをずらされてしまっているような話もあり。...当然来ると信じているものが来ないというのも、結構気持ち悪いものなんですね。それにその後の予感も何もない話というのも、案外後を引くものですね。
帯の「異世界への扉、ここにあります。ダーク・ファンタジーの傑作7編」という言葉はちょっと違うんじゃないかと思ったんですが、これらを映像化すれば、かなり不気味な作品になりそう。そのまんま「世にも奇妙な物語」になってしまいそうです。文章として読む限り、それほどホラーとは思えなかったんですけど、やっぱりホラーだったのかしら。そしてそんな作品集にこの表紙というのも、実はちょっと凄いかも。(光文社文庫)


+既読の松尾由美作品の感想+
「雨恋」松尾由美
「ハートブレイク・レストラン」松尾由美
「いつもの道、ちがう角」松尾由美
「安楽椅子探偵アーチー オランダ水牛の謎」松尾由美
「九月の恋と出会うまで」松尾由美
「人くい鬼モーリス」松尾由美
「フリッツと満月の夜」松尾由美
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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昨日に引き続きの神月摩由璃さん。
「花輪竜一郎さんの優雅な生活」は、ある時突然別の世界に放り込まれてしまった作家の花輪竜一郎さんのドタバタコメディ。交番ではケルベロスが居眠り中。牛丼の美濃屋では愛想の良いミノタウロスが牛丼を、隣の菓子屋には寡黙なゴーレムが人形焼を作っていて、ヒドラが交通整理をしてる交差点で信号代わりに出てくるのはチェシャ猫。ついふらふらと線路に飛び込みたくなるほど魅力的な、地下鉄の構内アナウンスは、おそらくセイレーン... となんだかもう笑っちゃうような世界。神話とかファンタジー作品のパロディになってるので、元ネタに詳しいほど楽しめそうな作品です♪
「リュスリナの剣」は、以前読んだ「幾千の夜を越えて」(感想)の中の物語をふくらませたもの。やっぱりこの世界は素敵です! 立て続けに4冊読んだ中では、やっぱりピカイチでした。ほんとこの世界観は素晴らしいー。でもこれも1巻だけで終わっちゃってて、この後は一体どうなったのやら、なんですよね。こんな世界を描けるのにそのまんまにしちゃうなんて勿体なさすぎ...。色々と事情はあるのかもしれませんけど、読者の立場から言わせてもらえれば、書くからにはどんなことをしてでも完結させて欲しいです。(ハヤカワ文庫ハィ!ブックス)

これで神月摩由璃さんの本は、「永遠(とこしえ)の護り」を残すだけ。でもまだ入手してないんですよね。異世界ファンタジーのようなので、ぜひ読みたいんですが... 古本屋を回って探さなくっちゃ。


+既読の神月摩由璃作品の感想+
「幾千の夜を超えて」神月摩由璃
「SF&ファンタジー・ガイド 摩由璃の本棚」神月摩由璃
「魔州奇譚」1・2 神月摩由璃
「花輪竜一郎さんの優雅な生活」「リュスリナの剣1」神月摩由璃

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もう絶版になってる本だというのに、amazonには表紙の画像があるんですねー。びっくり。
去年、「幾千の夜を超えて」で感動してしまった神月摩由璃さんの、現代日本を舞台としたファンタジー。様々な鉱石を操る家系に生まれ、でもそのことをまるで知らずに育ち、自分の才能に気づいていない少年が、事件に有無を言わさずに巻き込まれることによって才能や素質を開花させていくという、かなり王道の展開です。
主人公は動植物に無性に好かれるという「みどりの指」を持ってるんですけど(植物だけじゃないんです)、でもここに登場する2つの家系の人間が操るのは、本来無機質なはずの鉱物。(操る石の中には、琥珀のような有機質の宝石も含まれているようですが) その2つって両極端なんじゃ? なんでみどりの指が必要なの? それに宝石を使ったファンタジーは嫌いじゃないけど、パワーストーン的な説明が入ってるのがちょっと安っぽい感じ... (これは2巻ではほとんどなくなってたので、読者が入りやすくするためだったのかもしれないですが) なんてちょっと文句も言いつつ... 2つの家の設定とか、登場する小道具は面白かったです。
でもそれも物語が完結してこそ。これは全3巻になる予定だったようなんですが、2巻までしか出てないんですよね...。次に読む「リュスリナの剣」も1巻だけなんだもんなあ。一旦読み始めたからには、最後まで読みたいなあ。(小学館キャンバス文庫)


+既読の神月摩由璃作品の感想+
「幾千の夜を超えて」神月摩由璃
「SF&ファンタジー・ガイド 摩由璃の本棚」神月摩由璃
「魔州奇譚」1・2 神月摩由璃
「花輪竜一郎さんの優雅な生活」「リュスリナの剣1」神月摩由璃

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お正月に4冊読んだっきりと思われていそうなので、途中経過の報告などを。
ええと、移動生活のため続けて読めてはいないのですが(本は移動させてないので)、その後さらに4冊読みました。
いやー、やっぱり面白いです。常連の登場人物同士にもドラマがあるし、少しずつ新しい人が登場して、世界の奥行きが広がっていくのがすごく好み。斬った張ったな話なので、それほど急激に人間が増えるわけじゃないんですけどね。(「斬った張った」って、この字で合ってるのかしら) その中でも「おお!」となったのは6冊目の「新妻」。5冊目の終わりでそろそろかな... と思う展開があったので楽しみにしてたんですけど、やっぱりこの巻だったんですねー♪(謎)
登場人物では、今のところ秋山小兵衛と三冬さんが好み。小兵衛はいい年したおじいちゃんなんですけど、飄々としながら無敵。年輪を重ねてるだけあって、まだまだ真っ直ぐな大治郎(息子)が太刀打ちできないような懐の深さもあるし、かといって枯れきってるわけでもなく。(笑) 三冬さんは田沼意次の娘。初登場時は肩に力の入った男装の剣士だったんですけど、なんとも可愛いところを見せてくれるんですよねー。
田沼意次といえば、描かれ方はかなり違いますが、米村圭伍さんの退屈姫シリーズでも結構好きなキャラなんです。一般的に悪者扱いされてますけど、結構味のある人だったのではないかと勝手に思ってます。「白河の清き流れに住みかねて、元の濁りの田沼恋しき」という狂歌もありますしね。(というのは、解釈が違いすぎる気もしますが...) (新潮文庫)


+シリーズ既刊の感想+
お正月休みの間に読んだ本(7冊) (「剣客商売」1~4の感想)
「剣客商売」5~8 池波正太郎
「剣客商売」9~12 池波正太郎
「剣客商売」13~16+α 池波正太郎

+既読の池波正太郎作品の感想+
「殺しの四人」「梅安蟻地獄」池波正太郎
「梅安最合傘」「梅安針供養」池波正太郎
「梅安乱れ雲」「梅安影法師」池波正太郎
「梅安冬時雨」「梅安料理ごよみ」池波正太郎

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ハヤカワ文庫FTのファンタジイ傑作集1と2。
「五つの壷」には、M.R.ジェイムズの「五つの壷」、ジョージマクドナルドの「お目当てちがい」「城」の3作、「ビバ!ドラゴン」には、L・フランク・ボームの「王さまの首の不思議な冒険」「ムラサキ・ドラゴン退治」、E.ネズビットの「最後のドラゴン」、G.K.チェスタートン「竜とカクレンボ」、ロバート・ブロック「ドラゴンの執念」、L.P.ハートリイ「コンラッドと竜」の6作が収められています。

この中で一番気に入ったのは「五つの壷」。怪奇小説で名高いというM.R.ジェイムズなんですが、作品を読むのはこれが初めて。おじさんから姪への手紙という形なので、おとぎ話のようでもあるんですけど、とっても幻想的なファンタジーです。森の中で見つけた金属の箱の中には5つの小さな壷が入っていて、その中の液を指示通りに目や耳につけると、森の生き物の声が聞こえたり、不思議な存在を見ることができるようになるんです。この壷を見つけるまでや見つけてからのあれやこれやが楽しくて、でも壷を狙う妖精の一味の存在がちょっと不気味で、昼と夜がくっきりと分かれているような印象の作品。
あと、オズの魔法使いのシリーズで有名なL・フランク・ボームの2作は、オズの国にも通じそうな可愛らしいおとぎの国の物語。王様が竜に首を食いちぎられちゃうんですけど、代わりに砂糖菓子で作った頭や練り粉で作った頭をつけたりして、オズのシリーズにも、お姫さまが毎日日替わりで頭を付け替えるエピソードがあったなあと懐かしかったです。「最後のドラゴン」は、「砂の妖精」「宝さがしの子どもたち」のE.ネズビッドの作品で、これもネズビットらしいユーモアセンス。それと驚いたのがG.K.チェスタートン! ブラウン神父シリーズで有名なミステリ作家さんも、ファンタジー作品を書いてたんですねえ。結構ドタバタなコメディでした。(ハヤカワ文庫FT)

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「ダイヤモンドLOOP」や「本の旅人」に連載されていたというエッセイをまとめた本。この題名から、もっと理系よりの内容かと思っていたのですが、それほどでもないんですね。やっぱり「さいえんす」とひらがなだし、しかも「?」が付いてるだけあります。(笑) 気軽に楽しめるタイプのエッセイ。ダイエットやインターネットのような身近な話題から、科学技術の進歩がミステリにどのような影響を与えているのか、何のために数学を学ぶのかなど話題は様々。軽そうでいて意外と真面目な内容なんですけど、全然堅苦しくはありません。
その中で特に印象に残ったのは、「理系はメリットか」の章。ここでは理系人間であることに対するデメリットがいくつか挙げられているんですが、そのうちの1つは科学的整合性に囚われてしまい、大胆な発想ができなくなるということ。何にせよ得意分野を持っているというのは、作家さんにとってかなりの強みだろうと思っていたんですけど... へええ、違うんですか。そうですか。

出版事情を取り巻く問題のことなども書かれていました。東野さんご自身、デビュー当時は西村京太郎氏や赤川次郎氏の売り上げで育ててもらっていたとのことで、今は東野さんが後進の作家を育てる役回り。でも新刊本がなかなか売れなくなっている現在、それも厳しい状況になってきているとのこと。
確かに、図書館で何人に読んでもらっても作家や出版社には1冊分の利益しか入らないというのは良く分かるんですけど... でもそれは今の玉石混合状態の出版事情も大きいと思うんですよね。そもそも刊行される新刊の数が多すぎるし... 元々図書館派という場合はともかく、普段は新刊を買ってる人でも、面白くもない本をつかまされて、次は図書館で借りるか新古書店で購入しようと考えても不思議はないですもん。私としては、最初は図書館で借りたのがきっかけで読んだとしても、手元に置きたくなるような本は自分で購入することにしてるし、そういう本こそ世の中に出して頂きたいんですけど...!(例えば、前エントリの「夜市」のように、思わず本屋に走ってしまうとか) 
それに今の状態じゃあ絶版までのサイクルが早すぎて、自分が読みたい本を探すには新古書店に行くしかないという状況も多いんですよね。新刊本の波に押されて、こんな本が絶版に?!ってことも多いです。となると、新古書店を悪者扱いなんて私にはできません。でも本当に欲しい本は、なかなか新古書店には出なかったりするんですよぅ! やっぱり滅多に売りに出されない、手元に置いておきたいと思う人が多い本っていうのも絶対ありますよね。(角川文庫)


+既読の東野圭吾作品の感想+
「ちゃれんじ?」東野圭吾
「さまよう刃」東野圭吾
「黒笑小説」東野圭吾
「容疑者Xの献身」東野圭吾
「さいえんす?」東野圭吾
「夢はトリノをかけめぐる」東野圭吾
「赤い指」東野圭吾
「たぶん最後の御挨拶」東野圭吾
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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