Catégories:“2007年”

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墓職人ギルドの親方となったバルトロメが幼い頃に聞いたのは、ヴェヌスの名門貴族のスコルピア家とバルバロン家の確執の物語。両家はこの100年ほど反目しあっており、14年ほど前にも身の毛のよだつような事件があったのです。それは、婚約者のいたスコルピオ家の14歳のメラルダが、17歳の画工・ロレンツォと駆け落ちをしようとした事件。メラルダとロレンツォは、メラルダの侍女の密告によって宿敵・アンドレア・バルバロンに捕えられて、その婚約者に引き渡され、結局2人とも命を落とすことになったのです。それから24年後、アンドレア・バルバロンと5歳になるその娘・ベアトリクサの前に見知らぬ少年が現れて... という「土の褥に眠る者」と、シリーズ完結編の「復活のヴェヌス」。

「ヴェヌスの秘録」の3作目と4作目。1巻と2巻は、まあまあ... といったところだったんですが、3巻目の「土の褥に眠る者」は面白かった! 最初の方は「ロミオとジュリエット」みたいな感じなんですけど、もっとずっと複雑。そもそもタニス・リー版「ロミオとジュリエット」といえば、「影に歌えば」という作品もありますしね。これは「ロミオとジュリエット」だけで終わるのではなく、輪廻転生する魂の物語ともなっていました。とてもロマンティック。登場人物もそれぞれに魅力的だったし(特にベアトリクサ)、2巻のエピソードとも繋がっていたし、チェーザレ・ボルジアやその妹のルクレチアらしき人物も登場して、パラレルワールドらしさが濃く感じられるのも良かったです。
でも4巻の「復活のヴェヌス」は...。これまでの3冊で、17世紀のヴェヌス→中世のヴェヌス→ルネサンス期のヴェヌスと来て、今度はなんと未来に飛ぶんですけど... 今ひとつ物語の締めくくりらしく感じられなかったな。1巻とは密接に結び付いてるんですけど、2巻3巻はまるで無視されていたところも残念だったし。観念的に好きな部分はあったんだけど、話としてはあんまり面白く感じられませんでした。残念。(産業編集センター)


+シリーズ既刊の感想+
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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海の都・ヴェヌスで始まった秋の謝肉祭。その日、フリアンは舟を雇って、夜中の3時から運河や淵を巡って、シャーキン医師のために死体を捜していました。謝肉祭には死人がつきもの。しかし1年前は一晩で5つも遺体を見つけたフリアンも、その日は1つも死体を見つけられなかったのです。ようやく見つけたのは、謝肉祭の間、全ての人々がつけることを義務付けられている仮面を1つだけ。それは半顔で、古代ギリシャやローマの神々の彫像や彫刻を思わせる端整な目鼻立ちをした上等なもの。しかしその仮面には、剥ぎ取ろうともがいたような傷や、仮面が血を流したような鈍い錆色の切り傷が走っていたのです... という「水底の仮面」と、炎を作り出す力を持つ奴隷の少女ヴォルパの物語「炎の聖少女」。

今年はなぜかタニス・リーの未訳作品がどんどん訳されてるんですが、これもその一つ。「ヴェヌスの秘録」という4部作の最初の2巻です。私はてっきり話が続いてるのかと思って、4冊全部出揃うまで読むのを待っていたんですが、どうやら同じ主人公の話が続いていくというより、ヴェネチアのパラレルワールド、ヴェヌスの都という場所そのものが主役の話だったみたい。
これまで産業編集センターから出版されたタニス・リー作品はことごとくイマイチで(失礼)、それに比べると、このシリーズはタニス・リーらしさが出てるとも言えるのだけど... そうなったらそうなったで、やっぱり浅羽莢子さんの訳で読みたかったなーとか今更のことを思ってしまうんですよねえ。この作品の訳は柿沼瑛子さんという方で、この方の訳も悪くないんですけど、タニス・リーですし! なんせ私が最初に読んだリー作品が「闇の公子」ですから!
...というのはともかく、ヴェヌスを舞台を舞台に繰り広げられる1作目は、やや浅く感じられる部分はあるものの、妖しい雰囲気はいい感じ。2作目は、聖少女という設定がなんだかジャンヌ・ダルクっぽくて、ヴェヌスの必然性はあるのかしら?って感じもあったんですが、まあまあ。3・4作目に期待しようと思います。(産業編集センター)


+シリーズ既刊の感想+
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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スポーツクラブでフロア・スタッフのバイトをしている殿内亨は、インストラクターの芹香にときめき、遅番の仕事が終わった後、プールで一泳ぎをするのが楽しみな毎日。しかしそんなある日、プールの中で身体に熱いものがかかって火傷をしたという女性が現れて... という「水の中の悪意」他全4編。キリコちゃんのシリーズです。

このシリーズはキリコも可愛いし、読みやすくて好きなんだけど... 前の2作とはちょっと違ってたかな。事件の方は相変わらず、人間の暗部を覗き込むようなもので、でも最後にはちょっぴり救われて気分が上向きになるというパターン。今回の4編の視点は、全て事件の当事者の視点。そこまではいいんだけど... 謎解きこそキリコがするし、それぞれに意表を突いた結末が待ってるんだけど、キリコはあくまでも脇役って感じなんですよね。それが私としては物足りなかったかも。清掃業というキリコの仕事も、いつもほど生かされている感じがしなかったし。しかもキリコが脇役だから、キリコ側の人たち(大介とか)が全然登場しないんですよねえ。もっとキリコ自身の話を読みたかったので、ちょっと残念。
今回面白かったのは、スポーツクラブに通い始めたキリコの言葉。習い事をしている場合、同じクラスの人と自然に知り合いになって挨拶したり少し話したりするようになるけれど、毎朝駅で顔をあわせる人とは、仲良くなろうとも思わないし、挨拶もしないもの。「スポーツクラブはそれが入り混じっているような気がする」という観察が面白かったです。(ジョイ・ノベルス)


+シリーズ既刊の感想+
「天使はモップを持って」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「モップの精は深夜現れる」近藤史恵
「モップの魔女は呪文を知ってる」近藤史恵

+既読の近藤史恵作品の感想+
「賢者はベンチで思索する」近藤史恵
「南方署強行犯係 黄泉路の犬」近藤史恵
「にわか大根」近藤史恵
「ふたつめの月」近藤史恵
「サクリファイス」近藤史恵
「タルト・タタンの夢」近藤史恵
「ヴァン・ショーをあなたに」近藤史恵
「寒椿ゆれる」近藤史恵
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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即位の時に大々的な国勢調査実施を命じていた皇帝ウェスパシアヌス。その皇帝が、申告額を誤魔化しを発見し、査定のやり直しをさせるために雇ったのがファルコ。そしてまず査察の対象となったのは、剣闘技の訓練師や興業師(ラニスタ)たちでした。しかしそんな時、「水路の連続殺人」の犯人の処刑を担当するはずの人喰いライオン・レオニダスが何者かに殺されるという事件が... という「獅子の目覚め」と、神官の家の中のゴタゴタをめぐる「聖なる灯を守れ」。

密偵ファルコシリーズの10作目と11作目。9作目の「水路の連続殺人」から、ファルコのパートナー探し3連作となっています。随分意外な相手とも組むことになってびっくり。でもファルコを取り巻く環境が少しずつ変化してるので、それもまた自然な流れなのかもしれませんー。相手の意外な素顔が見れるところも楽しくて。

国勢調査といえば... そういや聖書の福音書にこんな文章がありました。「そのころ、全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出た。これは、クレニオがシリアの総督であった時に行われた最初の人口調査であった。」 キリストが生まれる直前の話で、この勅令が出たためにヨハネとマリアが故郷に向かって急ぐんですね。毎年クリスマスの頃になると暗誦させられていたので、今でも丸ごと覚えてたりします。(笑) 
アウグストというのは、初代ローマ皇帝のアウグストゥス。一応、キリストが生まれた年が紀元元年で(実際には若干ズレがあるそうですが)、キリストは30代半ばで亡くなってるので、それが紀元30年前後のはず。 密偵ファルコのこの時代は、紀元70年頃。ほんの40年前のことなんですねえ。しかも、「聖なる灯を守れ」にはベレニケというユダヤの王女が登場してるんです。この人の曾祖父が、イエス・キリストが生まれた頃に、救世主の到来を恐れて2歳以下の幼児を虐殺させたという噂のあるヘロデ王。ふと気づくと、ちょっとしたところで繋がってくるのが歴史物の面白いところですね。読んでるうちに点と点が繋がって線になっていくのって、嬉しいな。このまま線と線が繋がって面になっていく... といいのだけど。(笑)(光文社)


+シリーズ既刊の感想+
「密偵ファルコ 白銀の誓い」「密偵ファルコ 青銅の翳り」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 錆色の女神」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 鋼鉄の軍神」「密偵ファルコ 海神の黄金」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 砂漠の守護神」「密偵ファルコ 新たな旅立ち」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ オリーブの真実」「密偵ファルコ 水路の連続殺人」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 獅子の目覚め」「密偵ファルコ 聖なる灯を守れ」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 亡者を哀れむ詩」「疑惑の王宮建設」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 娘に語る神話」「密偵ファルコ 一人きりの法廷」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 地中海の海賊」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 最後の神託」リンゼイ・デイヴィス

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先日、「ザスーラ」のDVDを観たんです。これが結構面白くて(アマゾンのカスタマーレビューでは星1つでしたが!)、でも基本的な話は以前観た「ジュマンジ」と一緒なんですよね。「ジュマンジ」は、子供たちがゲームを始めた途端に家がジャングル状態になってしまう話で、「ザスーラ」は、その宇宙版。どういう関係なんだろう? 二番煎じ? なんて思っていたら、どちらもクリス・ヴァン・オールズバーグの絵本が原作だということが判明。早速図書館で借りてきました。

「ジュマンジ」の絵本が描かれて約20年後に「ザスーラ」が描かれたのだそう。実は話が続き物になっててびっくり。でも絵本になると、やっぱりかなりあっさりしてしまうものですね。そんなものかもしれないけど... というか、このぐらいの長さの話を膨らませる方が、映画を作るには向いてるのかもしれないですけど。少なくとも、長編小説を映画化するために、設定を色々変えて、しかも「あのシーンもない、このシーンもない」なんて言われちゃうよりも、作る人にとっては作りやすいかも? 映画のシナリオって、実際、びっくりするほど短かったりしますし。

それでもやっぱり、この絵本からあんな映画を作っちゃったのかというのが驚きです。特に「ジュマンジ」はスゴイです! あれは、迫力。私にとっては、ほとんどホラー映画状態。あまりに迫力だったので、最後までちゃんと観たのか定かではないほどですし... 結末とか全然覚えてないので、今度また借りてこなくっちゃ。そして、「ザスーラ」の方は、確かに「ジュマンジ」の二番煎じだし、「ジュマンジの方が映画として格上だった気もするんですが、お子様な私には、こちらも十分面白かったです。絵本よりも映画の方が、いがみ合ってる兄弟の気持ちが通じ合っていく過程が丁寧に描かれていたし、絵本よりも映画の方が好みだったかも。って、映像化にほとんど興味のない私にしては、ちょっと珍しい感想かも。でも絵本に出来ること、映画にできること、それぞれの特性がよく分かるような、映画とその原作でした。(ほるぷ出版)

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どちらも寺田順三さんの手がけた本。寺田順三さんの絵は、ノスタルジックな柔らかい色調がとても素敵なんです。「本の本」は、「架空の絵本のエディトリアルデザイン集」で、以前読んだ時にすごく素敵だったので自分でも購入したんですけど、「タビの雑貨屋」は今回初めて。掲示板で彩水仙さんに教えて頂いて、早速読んでみました。

「タビの雑貨屋」は、雑貨屋に住むタビというネズミの物語。お店が閉店したら、タビの時間。掃除をしたり、商品を動かしたりと、たくさん売れるようにするのがタビの仕事。でも、いつまで経っても売れない犬のぬいぐるみがあるんです。夏には浮き輪をつけてみたり、クリスマス前には赤い帽子をかぶせてみたりするけどダメ。でも、そうこうするうちに、だんだんそのぬいぐるみに愛着が湧いてくるんですね。そんなある日気づいたら、犬のぬいぐるみがいない! 売れてしまった...? 売れるために色々したけど、いざいなくなると淋しくなってしまう、そんなタビの物語。
こちらも柔らかい色調がとても綺麗だし、何といってもネズミのタビが可愛い~。雑貨屋さんの雑貨屋さんもフランス風でとってもお洒落。「本の本」は、大人向けの本だけど、こちらは子供も一緒になって楽しめそうな絵本です。でもやっぱりこういう本を子供に独占させちゃうのは勿体ないですね。図書館で借りてきたんだけど、これも手元に欲しくなってしまいます。

寺田順三さんのサイトはコチラ。大阪にお店があって、行ってみたいと思いつつ未だに行けてない私。今度こそ、時間を作らねばー! そして、最近では小川洋子さんの「ミーナの行進」も手がけてらしたんですね。知らなかった。今度ちゃんと手に取って見てみようっと。(学習研究社・ワールドコム)


+既読の寺田順三作品の感想+
「本の本」横山犬男・寺田順三
「タビの雑貨屋」「本の本」寺田順三

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ヒスパニアのバエティカ・オリーブ油生産者協会の饗宴に出席したファルコは、同じく出席していた密偵頭のアナクリテスやほかの密偵がその帰宅途中に襲わたのを知り驚きます。どうやら自分も襲われるはずだったらしいのです。事件にはヒスパニアから来た踊り子が関係しているらしく、しかも調べているうちに、オリーブ油闇カルテル疑惑も浮上。ファルコとヘレナはヒスパニアへと向かうことに... という「オリーブの真実」と、ローマの上水道を流れてきた人間の手を発見したファルコとペトロが猟奇殺人犯人を追う、「水路の連続殺人」。

密偵ファルコシリーズ8作目と9作目です。
「オリーブの真実」は、ひたすらオリーブオイルの話。オリーブオイルが様々な用途に使われてきたというのは知識として知っていても、こうして実際に物語で読むとまた違いますね。料理にはもちろん、入浴後の肌の保湿剤として(男女問わず、貧富の差を問わず、生活必需品だったようです)、ランプの燃料として、香料や医療品の基材として用いられており、もちろん実も食用。前巻の出来事も伏線になって、物語のオチまでオリーブオイル。(笑) ただ、ヒスパニアに行くのはいいんだけど、肝心のオリーブオイル闇カルテルにまつわる話がイマイチだったような気もするんですけどね...。
そして「水路の連続殺人」は、ローマで起きた連続猟奇殺人の犯人探し。ミステリですねえ。どうやらこの9作目から3冊は、ファルコの仕事のパートナー探し編にもなってるようです。最初にパートナーになるのは、親友のペトロ。でも、同じように日頃悪を追う仕事をしていても、そのやり方は全然違うんですよね。やっぱり仕事と友情は別々にしておいた方が無難でしょ、と言いたくなるような状態で...。ペトロが警備隊長のまま協力するなら、衝突しつつもなんとか上手くいくのでしょうけれど、なんとペトロは停職中なのでした。
今回面白かったのは、古代ローマの上水道に関する薀蓄。古代ローマの上・下水道は、相当素晴らしいものだったようですね。都市や工場地に水を供給するために多くの水道が建設され、ローマ市内では実にのべ350キロ(260マイル)もの長さを誇る水道が、日々市民に大量の水を供給していたのだとか。しかもその大部分が地下に埋め込まれていたんですって。水に含まれる石灰で水道管が詰まってしまわないように管の掃除も不可欠だったようで、そんな仕事をしてる人も登場します。でも何といっても良かったのは! 後にローマの水道管理委員として水道に関する著作を残したというユリウス・フロンティヌスが登場すること。この事件をきっかけにして水道に興味を持つようになっただなんて、上手いなあ。自らまめに動き回って仕事をこなすフロンティヌス、なかなかいい味を出していたので、これからも登場してくれるといいな。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「密偵ファルコ 白銀の誓い」「密偵ファルコ 青銅の翳り」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 錆色の女神」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 鋼鉄の軍神」「密偵ファルコ 海神の黄金」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 砂漠の守護神」「密偵ファルコ 新たな旅立ち」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ オリーブの真実」「密偵ファルコ 水路の連続殺人」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 獅子の目覚め」「密偵ファルコ 聖なる灯を守れ」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 亡者を哀れむ詩」「密偵ファルコ 疑惑の王宮建設」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 娘に語る神話」「密偵ファルコ 一人きりの法廷」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 地中海の海賊」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 最後の神託」リンゼイ・デイヴィス

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