Catégories:“2007年”

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7世紀、唐の時代。隋帝国の名門に生まれた母を持ちながらも、父の死によって異母兄たちに財産を取り上げられ、父の故郷の村での惨めな生活を余儀なくされた武照。しかし大将軍李勣によってその非凡さを認められ、勅命によって太宗皇帝の後宮に召されることに。皇帝の死後は、一旦は出家するものの、照を慕っていた新皇帝・高宗に望まれて、照は再び後宮へと召されることになります。

中国4千年の歴史でただ1人の女帝となった則天武后。漢代の呂后、清代の西太后とともに「中国の三大悪女」として有名な彼女の姿は後世の歴史家によって作られたものだとして、実は名君であった彼女の真実の姿を描きだそうとする作品。確かに歴史に描かれるのは勝者にとっての真実ですものね。女性に皇帝の位を取られて悔しい思いをした男たちがどんなデタラメを言ってるか分からないわけで...。そもそもライバルの手足を切り落として酒壷に投げ込んだという話も、則天武后のオリジナルじゃないですしねえ。それだけ言われると、逆にそれだけ隠しても隠しきれないほど光っていた人だったんだろうなと勘ぐりたくもなるわけで。
この作品の中で描かれる則天武后の姿は、凛としていて聡明な女性。自分は自分として朱に染まることを避けて過ごした彼女の、そして後には人でありながら神の位についてしまった彼女の、強い孤独と哀しさが迫ってきます。とてもじゃないけど、今までの則天武后の姿とは重ならないです。しかもそれを描く文章がなんだかとても美しい... 山颯はフランス在住の中国人で、フランス語からの翻訳物だから原文がどうなのかは良く分からないんですけど、原文もきっと美しいんだろうなと思わせる作品なんですよね。他の作品もぜひ読んでみたい、そう思わせる作家さんでした。(草思社)

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ある寒い11月の日暮れ、きく屋酒店に郵便を持っていった郵便配達は、不思議なおばあさんに菊酒という美味しいお酒をご馳走になり、しかもその菊酒を造る壷を預かることに... という「ハンカチの上の花畑」他、童話風の作品集。「ハンカチの上の花畑」には表題作と「空色のゆりいす」「ライラック通りの帽子屋」の3編、「だれにも見えないベランダ」には、表題作と「緑のスキップ」「海からの贈り物」「カスタネット」「ほたる」「夏の夢」「海からの電話」「小さい金の針」「天窓のある家」「声の森」「日暮れの海の物語」の11編が収録されています。

掲示板でぽぷらさんにオススメされたと思ったら、タイミング良くsa-ki さんも読んでらして、話をしてたんですよね。先日のたらいまわし「オススメ! 子どもの本」にも出してらっしゃいました。
安房直子さんの作品は多分読んだことなくて、でも子供の頃に雑誌で読んだ作品が話に聞く安房さんっぽい雰囲気だなあ... と思いながら読み始めたら、「ハンカチの上の花畑」は読んだことがありました! 「ハンカチの上の花畑」のこの菊酒を作る壷、ハンカチの上でお酒を造る小人さんたち、そしてこのぞわっとする感じ、覚えてる! あのおばあさんは、一体どれだけの人間が壷に振り回されるのを見てきたのかしら...。
少し前の日本のようだったり、昔話風だったりと様々な物語が並んでるんですが、どれもするりと異世界に行ってしまうようなところが共通点。そしてどれも色彩がとても綺麗。空の色をしたベランダで取れた緑の野菜や艶やかな苺、真っ赤な薔薇、薄桃色桜の花と青葉の緑、黒い岩の上に散らばった桜貝... 色彩の対比がとても鮮やかだし、透き通った羽を持つ小さなセミやこぶしの花の銀色の影は幻想的。そして不思議な音がとても印象に残りました。「トットトット」というスキップの足音や、すずかけの木から響くカスタネットの音、耳鳴りのセミの「シーンシーン」という鳴き声という音... 本当にするっと異世界へと連れて行かれてしまいそうになります。
私が特に好きだったのは、「ハンカチの上の花畑」「だれにも見えないベランダ」「夏の夢」かな。「ライラック通りの帽子屋」で出てくる羊の店も好き~。ここのメニューには、「にじのかけら」「ゆうやけぐも」「ごがつのかぜ」「そのほかいろいろ」とあるんですけど、みんな「にじのかけら」しか頼んでないんですよね。これは、ライラックの花の香りがして、甘くてふっくりした、シャーベットのような七色の食べ物。「まるで昔のおもいでを食べているような感じ」です。他のメニューを頼むとどんなものが出てくるのか、知りたくなってしまいます。(講談社文庫)


+既読の安房直子作品の感想+
「ハンカチの上の花畑」「だれにも見えないベランダ」安房直子
「南の島の魔法の話」「鶴の家」「夢の果て」安房直子

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古代ローマの国民的詩人、ウェルギリウスによる英雄叙事詩。トロイアを脱出したアエネーアースがイタリアに辿り着いてローマを建国するまでの物語です。タイトルの「アエネーイス」は、「アエネーアスの歌」という意味。実はちょっと前に岩波文庫版を読もうとしたんですけど、七五調の訳に何とも眠くなって上巻だけで挫折... こちらのを借り直してリベンジです。とは言っても、こっちもあんまり読みやすくなかったんですが...。

本来、ローマという名前の起原になったのは、もう少し後の時代のロームルスという人物。軍神マルスが王女レアに産ませた息子です。怒った王によって、双子の兄弟レムスと共に川に流されちゃうんですが、そのロームルスが後に築いた都市がローマ。だからこちらの方が建国の祖としては正統派。でもその時起きたいさかいでロームルスがレムスを殺したという汚点があって... どうやら元々あまり到底品行方正とは言えなかったようだし、父が軍神マルスであることも粗野な印象を与えたのだそうです。
それに対して、アエネーアスは女神ウェヌス(ヴィーナス)の息子で、トロイア戦争ではへクトルに次ぐ勇士。落ち武者ではあるけれど、居ながらにしてギリシャの文化の香りを伝える洗練されたところが人気だったようです。(笑) しかも盲目の父・アンキーセスを背負い幼い息子イウールスの手を引いたアエネーアスには、ロームルスにはない美徳がたっぷり。ウェルギリウスの時の皇帝アウグストゥスがウェヌスの血統とされていたこともまた、ローマ建国の祖として相応しかったよう。...そこで解説を読んでて面白いと思ったのが、祖国を喪失したアエネーアスが新しいトロイアを再興したことは、いつかローマに存亡の危機がきても、偉大な指導者が現れて国を窮地から救うだろうという希望も入っていたらしいというところ。そりゃあ永遠に続く王国なんてなかなかないですけど、国力が充実してる時は、いつか滅亡する時のことなんて普通考えないでしょ...! その時のローマ人は「盛者必衰の理を表す」「驕れる者は久しからず」なんて本当に思っていたのでしょうか...?!(笑)

「アエネーイス」の前半は「オデュッセイア」、後半は「イリアス」を踏まえているのだそうで、そう言われてみると実際に前半は航海譚、後半は戦争物語でした。「オデュッセイア」ではポセイドンが怒ってたんですけど、こちらではユーノが怒っていて、難破したアエネーアスはオデュッセウスがナウシカアに助けられるように、カルターゴの女王・ディードに助けられるんですね。で、そしてオデュッセウスがカリュプソやキルケに誘惑されたようにディードと恋仲になって、同じように無理矢理逃げ出して...。他にも色々な共通点があって、比べてみるのは面白かったです。
とはいっても、作品自体は正直、あまり面白いとは思えなかったんですけどね... アエネーアスはトロイア戦争の中ではお気に入りの人物なのに、おかしいなあ。「イリアス」「オデュッセイア」の方が断然面白かったです。私自身、古代ギリシャは好きなんだけど、古代ローマとは今ひとつ相性が悪い、というのもあるかも。後のラテン文学に計り知れない影響を及ぼしてる作品なので、日本語にしてしまうと伝わらなくなってしまうという部分もあったりして... いや、それ以前にやっぱり私の読解力の問題か。(京都大学学術出版会西洋古典叢書)

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スラム街で生まれ、宗教団体に育てられたローレンの生活はとても厳しく質素で、敬虔深いもの。しかしそんなある日、10歳だったローレンは、床下に隠されていた1冊の本を見つけます。それは「ジェーンの物語」。1人の少女とロボットとの恋愛を描いた物語でした。それまでは本と言えば聖書ぐらいしか知らなかったローレンは、たちまちのうちに夢中になります。

ジェーンとシルバーのロマンティックな恋物語「銀色の恋人」から24年ぶりの新作。この「銀色の恋人」が、本の中に登場する「ジェーンの物語」というわけです。
「銀色の恋人」は、恋に恋する少女のロマンティックな物語。人形のように扱われていたジェーンが母親から自立する物語でもあったんですけど、今回の主人公ローレンは、最初から自立していた少女。育ててくれた場所を早々に飛び出して、自分の力で生き延びています。考えてみれば、まるで逆の設定なんですね。「銀色の恋人」は、何1つ不自由のない少女がロボットを選び、そのことによって成長していく物語。今回の「銀色の愛ふたたび」は、貧しい少女がロボットに選ばれ、そしてロボットが自立する物語。どちらも選んだ側が成長するという点では共通してますけど、前回はジェーンの成長物語であったのに比べ、今回のローレンは、恋に落ちた途端に自我や自立を失ってしまったみたい。
ずっと「ジェーンの本」を読んでいたローレンがシルヴァーに憧れて、その気持ちがいつしか恋に変わっていたというのは、まだ理解の範囲内なんですけど... シルヴァーの生まれ変わりのヴァーリス(silver→verlis のアナグラムですね)がローレンのどこを好きになったのかは、よく分からなかったんですよねえ。まさかローレンの外見や条件だけに惹かれたわけでもないのだろうとは思うんですけど... 外見的な美しさでいったらロボットの方が遥かに美しいわけだし。それ以前に、ヴァーリスは本当にローレンのことを好きだったのかしら? 「銀色の恋人」には、ジェーンとシルヴァーのお互いへの思いやりが溢れてたんですけど、今回はそういうのがまるでなかったような気がします。そもそもヴァーリスがシルヴァーの記憶を持ち続けているという設定も、結局あまり生かされないままでしたしね。そこで何かを葛藤するのでなければ、記憶を持ち続けることに一体何の意味があるんでしょ? 結局、ローレンに嫉妬させるためだけにしか役立ってなかったような。
ロボットの自意識といえば、どうしてもアシモフの三原則が頭をよぎってしまいます。別にロボットの話だからといって、必ずしもその三原則に則ってる必要はないでしょうけど、やっぱりあれはとても基本的な部分をカバーしてると思うんですよね。ここの会社はそういう措置を取らないまま、ロボットを作ってたのかしら? なんて腑に落ちない部分がちょこちょこと残ってしまいました。腑に落ちない最大のポイントは、「銀色の恋人」がとても綺麗に終わっているのに、なぜここで続編を出したのかということ。本当に、なぜ24年経った今、続編が...?(ハヤカワ文庫SF)


+シリーズ既刊の感想+
「銀色の恋人」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー

+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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王政が倒れ、共和国が樹立したパラレルワールドのイギリス、1712年。淑女を養成する学校・エンジェルズ・アカデミーにいるアーティミジアは、階段を踏み外して手すりに頭をぶつけた衝撃で、6年間忘れていた母親のことや、自分の子供の頃の記憶を取り戻します。アーティミジアの母親はモリー・フェイスという名の、7つの海を荒らしまわる海賊船の船長。アーティミジアは6年前、大砲の爆発のせいで記憶を失い、その時に母をも失ったのです。

小学館にルルル文庫なんてものが出来ました。どうやら、ライトノベルのレーベルみたいですね。ルルル文庫ってネーミングからして、私にはまず縁がなさそうだし(いや、世代的に)、この表紙がまた... なんですけど(笑)、タニス・リーの作品とあらば!
ということで、久々のタニス・リー作品。元々ジュブナイルとして書かれた作品のようですね。主人公のアート(アーティミジア)が過去を思い出したと思ったら、実は... という辺りは面白かったし、実際に経験はなくとも今まで何万回とやってるから自然にそれらしく振舞ってしまった、という辺りも楽しかったんですが... それだけの経験で、本当にやっちゃう?! と、突っ込みたくもなりますね。まあ、この辺りは許容範囲なんだけど... 私としては、そうくるからには最後にももう一ひねりして欲しかったです。実は全ては... みたいな感じで。あっさりと進みすぎてしまって、それがちょっと物足りなかったなあ。人物造形も全体的にもひとつでしたしね。特に敵役の女の子。全然勝負になってないじゃん... せっかくなんだから、もっと悪の魅力をむんむんと発散させてくれるぐらいじゃないと。あ、でもエジプト出身の黒人・エバドだけはなかなか良かったです。 (小学館ルルル文庫)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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アントーニーヌス・リーベラーリスは、「リーベラーリス」という名前から解放奴隷だったのではないかとも言われている、紀元2~3世紀頃のローマ時代の物語作家。そのリーベラーリスが古典ギリシャ語で書いたという、41のごく短い変身物語。

オウィディウスの「変身物語」(感想)みたいなものなんですが、こっちは1編ずつがとても短いです。大抵2~3ページ程度で、短いものでは10数行というものも。オウィディウスが色んな変身物語を繋ぎ合わせて、人々の心の動きなども交えて15巻の一大叙事詩としているのに比べて、アントーニーヌス・リーベラーリスは繋ぎ合わせることにも人間の感情にも無関心だったようですね。どの物語もとても簡潔に描かれてました。
でもいくら淡々と書かれてるからといって、これって相当の教養がないと書けないのでは... 元奴隷がこんな作品を書くって一体!? と思ったら、解説によると、ローマ時代の奴隷は大抵戦争捕虜で、教養溢れる知識人も結構含まれていたんだそうです。そういった人たちは、奴隷とは言っても貴族の秘書となったり、そういった貴族の子弟のギリシャ古典教育のために家庭教師になったのだそう... なるほど。

変身にはいくつかパターンがあって、罪を犯して神々の怒りを買うか、逆に神々の憐れみを受けて変身させられるというのが中心なんですが、やっぱり罰としての変身が多いですね。そして読んでいて驚いたのは、鳥に変身する物語の多さ。少なくとも半分、多分半分以上は鳥に変身する話なんです。初期ギリシャ宗教では、死者の魂は鳥の形を取って天に飛翔するとされていて、全ての人間はかつて鳥であったという主張もあったのだそうですが... 鳥のように自由に空を飛びたいという思いも、そこには反映されていたのかなあ。(講談社学芸文庫)

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北東部でもとりわけ裕福な都・バクシャーンで、商人たちに雇われたエルリックとムーングラム。依頼は、商人たちの中でも特に羽振りが良いニコーンという男を除きたいというもの。ニコーンの後ろにセレブ・カーナがいると聞いたエルリックは、その仕事を請けることに... という「魂の盗人」、他3編。

エルリック・サーガ4冊目。
エルリック・サーガの最初の作品「夢みる都」が1961年の作品。ここに収められた4編の中で一番遅く書かれたのは表題作の「ストームブリンガー」で、これは1964年の作品。この表題作で一旦エルリック・サーガが終わってます。「メルニボネのエルリックのサーガ、ここに終わる」 ...エルリックサーガって、わずか3年で終わってたんですねー、びっくり。で、5巻からが今世紀に入ってから書かれたという作品なんですね。
この世界は「法」と「混沌」によって支配される世界。「法」は正義や秩序をもたらすけれど、同時に停滞をもたらすものであり、「混沌」は可能性を秘めてはいるけれど、同時に世界を恐怖と破壊の地獄にしてしまうもの。この2つの勢力のバランスが釣り合っていてこそ上手くいく、というのが面白いです。天使と悪魔みたいな関係じゃなかったのか! 「混沌」も、必ずしも悪いばかりじゃないんですね。エルリックは、この「法」と「混沌」の争いにまともに巻き込まれてしまいます。今回、エルリックもようやく人並みの幸せを手にいれることになるんですが、それがあるだけにラストが一層悲劇的でした。最後は北欧神話のラグナロクを思わせるような終末戦争。まさかここでローランだのオリファンだのデュランダーナの名前をここで見ることになろうとは。(笑)
とりあえず区切りがいいので、エルリック・サーガは一休みして、ムアコックのほかのシリーズにも手を伸ばしてみようかと思います。本当は紅衣の公子コルムに興味があるんだけど、復刊にはまだもう少し待たないみたい。となると、「ルーンの杖秘録」の4冊か、エレコーゼ・サーガの2冊。どっちにしようかな、やっぱり発表順で「ルーンの杖秘録」の方が順当かな...?(ハヤカワ文庫SF)


+シリーズ既刊の感想+
「メルニボネの皇子 永遠の戦士エルリック1」マイクル・ムアコック
「この世の彼方の海 永遠の戦士エルリック2」マイクル・ムアコック
「暁の女王マイシェラ 永遠の戦士エルリック3」マイクル・ムアコック
「ストームブリンガー 永遠の戦士エルリック4」マイクル・ムアコック

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