Catégories:“2008年”

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高柳佐知子さんの家の庭の花壇は、春先から秋の終わりまで絶えず花が咲き続けているのだそう。季節ごとに咲いている花を買ってきて植えているのではなく、元々植えられている花が次から次へと咲くのです。そういった花壇や庭を手入れしているのは、庭仕事が大好きだという高柳佐知子さんのお母さん。そんなお母さんが世話している庭の一年間を、高柳佐知子さんが記録していきます。

まえがきに「私のうちの小さな庭の小さな花壇」とあるんですが、全然小さくなんてありません。全体図もあって、植わっている木の名前が書かれてるんですけど、もう数えるのが大変なほど沢山あって! これで「小さな庭」だなんてどこが!?です。これってまるで、全然太ってないむしろ痩せてる女の子が「今度こそダイエットしないとヤバイ~」なんて言ってるようなものなのでは。(笑)
読んでいたら、私もこんな庭が欲しいー!!と悶えてしまいそう。でもここまで広かったら、私には世話ができないな。うちの母は植物を枯らす名人なので、高柳佐知子さんのお母さんみたいなことは期待できないし...。この4分の1ほどの広さでいいや。それでも十分広そうですもん。って、それも今の状態ではまず無理なんだけど。(笑)(河出書房新社)


+既読の高柳佐知子作品+
「エルフさんの店」高柳佐知子
「ティスの魔女読本」高柳佐知子
「イギリス湖水地方を訪ねて」「風のまにまにイギリスの村へ」高柳佐知子
「ハイウィロウ村スケッチブック」高柳佐知子
「ケルトの国に妖精を探しに」高柳佐知子
「アリゼの村の贈り物」高柳佐知子
「ナチュラル暮らしの手作り工房へ、ようこそ」高柳佐知子
「庭が仕事場」高柳佐知子
「不思議の村のハロウィーン」高柳佐知子

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14世紀初頭のイギリス。スティーヴンは伯爵の息子ながらも、幼い頃に犬に噛まれたのが原因で犬を怖がるようになり、しかも内気で心優しい性格だったために、実の姉妹や腹ちがいの兄弟姉妹にいじめられる毎日。本人も自分のことを臆病だと思い込んでいました。父親の伯爵も、スティーヴンを騎士にするのではなく修道院に入れようと考えていたのです。そんなある日、伯爵家の猟犬が7匹の子供を産み、そのうちの一番弱い仔犬が殺されようとしているのを知ったスティーヴンは、思わずその仔犬を引き取ると言ってしまいます。はじめは引き取った仔犬を密かに捨てようとするスティーヴンでしたが、崖から落ちた仔犬を助けたことから、徐々に仔犬に対する愛情を持ち、犬に対する恐怖心を克服することに。

先日読んだ高柳佐知子さんの「ケルトの国へ妖精を探しに」(感想)に出てきて興味を持った本。修道僧が福音書を描いている場面の描写が詳細だというのが読みたいなと思ったポイントで、実際その場面も満足したんですけど、いやあ、全体的にもとてもいいお話でした!
主人公のスティーヴンはとても感受性が鋭い少年なんです。物の形や色彩にも敏感で、明らかに絵の才能があるんだなという感じ。でもこの時代のことだから、男の子は何よりも騎士になるのが一番とされてるんですよね。見るからに騎士に向いてないスティーヴンは、単なる落ちこぼれ。出来損ない。誰もスティーヴンの才能や長所に気づくことがないんです。本人ですら、自分が臆病で何もできない人間だと思い込んでるし... まさに「みにくいあひるの子」状態。しかもあひるの子なら大きくなって白鳥になった自分を見ることができるのに、スティーヴンには確認する手段が全然なくて。
そんなスティーヴンに、少しずつ自信を付けさせてくれたのが犬のアミール、師となったペイガン卿、そして従者となったトマス。中でもペイガン卿の言葉は、スティーヴンに大きな影響を及ぼしてます。

じぶんのことを他人に決めてもらってはいけない。じぶんが生きたいと思うとおりに人生を生きるんだ。他人にこうすべきだと指図されて生きたりしてはだめだ。自分らしく生きなさい。そしてなんでもやりたいことがあったら、精魂込めてやるんだ。

なによりも、いつもじぶんらしく生きるんだ。他人を傷つけさえしなければ、恐れずに自分のやりたいことをやりたまえ。神はわれわれを、それぞれ別々に形造ってくださった。もし神がきみをふつうとはちがった型に入れて造るのがいいとお思いになったのなら、臆することなく人とちがっていればいいのだ。

出会いがあれば別れもあるし、それにとっても長い回り道だったんですけど、それだけに最終的に見つけた自分だけの道はスティーヴンにとって実りが大きいはず。最後にあの頑固な人の後悔も癒されることになって良かったわー。長い長い自分探しの旅の話でした。児童書なんですけど、大人にも十分読み応えがあると思います♪(すぐ書房)

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久々に読む「せむしの小馬」。先日祖母の家に行ったので、その時にこの本を持って帰ってきました。これはエルショーフが19歳の時に書いた作品で、色々なロシアの民話を元にロシア語で書かれたという詩。プーシキンや他の詩人たちがこの作品に感心して夢中になったのだそうです。
改めて読んでみると、先日読んだ「ロシア民話集」(感想)にも出てくる物語がいくつも組み合わさっているのがよく分かります。夜のうちに小麦畑をめちゃくちゃにしてしまう馬も、火の鳥も、鯨が飲み込んだ船のことも...。そういった1つ1つの物語よりもこちらの方が断然面白いから、「ロシア民話集」を読んでいてもどこか物足りなさが残ってしまったのだけど。そして私にとって「ばかのイワン」は、これが基本なのかもしれません。トルストイの「イワンのばか」も、子供の頃から好きだったんですけどね。
私の持っているのは岩波少年文庫版ですが、これは絶版。でもお話そのものは、今でもちゃんと読めるようです。ただ訳者さんが違うので、どんな感じなのかは分かりませんが...。岩波文庫版は詩の形で訳してあるんですけど、右の画像の論創社版はきっと散文訳なんでしょうしね。挿絵からして、低学年の子供向けって感じ?
今回読んでいたら「はくらいのぶどう酒」なんて言葉があって、「ああ、舶来という言葉を覚えたのは、この本だったなー」なんて懐かしかったです。そして岩波文庫版の挿絵にはV.プレスニャコフというロシアの画家の版画風の絵葉書が使われていて、そういうのもこの本が好きなところなんですよね。(岩波少年文庫)

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先日「アイスランドサガ」に入っている「ヴォルスンガサガ」を読んだところなので、この2冊が目についたのは、私の中ではとってもタイムリー。ジークフリート伝説に関しては「エッダ」(感想)「ヴォルスンガサガ」(感想)「ニーベルンゲンの歌」(感想)「ニーベルングの指環」(感想)と読んできたわけなんですが、その4つの作品、大きな流れは同じでも、細かい部分ではかなりの相違点があるんです。ジークフリートの設定からして、孤児だったり王子だったりと様々。この4作の中ではワーグナーの「ニーベルングの指環」だけ成立年代がかなり離れているし、これに関してはワーグナーの創作ということで構わないんですが... 他のものに関しては、どれが原型がどんな風に変化していったのかとか全然知らなかったんですよね。でもこの2冊を読んですごーくよく分かりましたよ。「ニーベルングの歌」の前半と後半ではクリエムヒルトとハゲネの造形があまりに違うのも以前から気になってたんですが、そのわけも分かりました。そもそも「ブリュンヒルト伝説」と「ブルグンド伝説」という2つの伝説があって、それが合わさって前編と後編となってたんですね。2つの違う伝説が合体させられてしまったのなら、雰囲気が変わってしまったわけもよく分かります。しかも「ティードレクス・サガ」だなんて、まだ私が読んでないシグルズ伝説のサガがあったようで!
この本を読むと、元となったジークフリート絡みの伝説やその内容、その伝説が広がって変化していき、「ニーベルンゲンの歌」ができ、他の作品ができていく様子がよく分かります。そしてそれらを土台にして書かれることになった沢山の戯曲のことも。
2冊続けて読んでしまって、しかもすぐに感想を書かなかったので、どちらがどうだったか分からなくなってしまったんですけど... 重複してる箇所も結構ありますしね。でも全体的には「『ニーベルンゲンの歌』を読む」の方が良かったかな。「ジークフリート伝説」には北欧のエッダやサガが取り上げられているところが、私にとってはポイントが高かったんですが、「『ニーベルンゲンの歌』を読む」の方が、「ニーベルンゲンの歌」や「ニーベルングの指環」について詳細なんです。作品の構造や解釈について色々と新しい発見があったし、より理解が深まったような気がします。(講談社学術文庫)

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グリム童話集に匹敵するものを、とカルヴィーノが3年かけて採取し編纂したイタリアの民話集。原書では200話が収められているようですが、この岩波文庫版には75編が収録されています。上巻が北イタリア、下巻が南イタリアのもの。

本当は、先日overQさんが紹介してらした「ペンタローネ」を読もうと思ってたんですけど...(記事
「ペンタローネ」はイタリアの詩人・バジーレが17世紀に編纂したもので、ペローやグリムにも影響を与えたそうなので、そちらから読むのが筋なんだろうとは思うんですけど、書店にあったのがこちらだけだったので...。なぜか下巻の書影しかありませんが。
さてこの「イタリア民話集」、ヨーロッパやアジアに流布しているような物語も沢山ありましたが、イタリアらしさが感じられるものも色々ありました。たとえば「皇帝ネーロとベルタ」なんて、まさにイタリアならではの登場人物ですしね。ペルセウスとアンドロメダの物語のような「七頭の竜」も、まあモチーフ的には他の地方にも見られるパターンなんですけど、ギリシャ神話を感じさせる辺りがとてもイタリアらしいです。「眠り姫」もイタリアに来ると、王子さまが来てもお姫さまは眠り続けていて、その間に子供ができてしまったり... 目が覚めてから、傍らに赤ん坊がいるのを見てびっくりするお姫さまには、私の方がびっくり。あと、地理的に近いせいか、先日読んだ「スペイン民話集」(感想)と結構近い話もいくつか目につきました。そっちを読んでいなければ、今頃「おー、こういうのがイタリアっぽいのか」なんて思ってたでしょうから、その辺りが難しいところなんですが...
私が好きだったのは「賢女カテリーナ」というシチリアの物語。パレルモの王子が、大評判の賢女カテリーナの学校に通い始めるのですが、質問に答えられなくて、ぴしゃりと平手打ちをされてしまうんですね。で、平手打ちなんてしたことを後悔させるために、王子は父王に頼んで賢女カテリーナと結婚するんです。(そんな後ろ向きな理由で結婚してどうするって感じなんですが、このパターンはスペイン民話にもありました) で、どうやっても後悔しそうにない賢女カテリーナを地下に閉じ込めておいて、自分はナポリに旅に出ちゃう。そしてナポリでカテリーナそっくりの女性を見つけて結婚して子供を作ってしまうのです。2年ほど暮らすと飽きてジェノヴァへ、そしてヴェネツィアへ。どちらでも同じようなことが起こります。そしてパレルモに帰った時...。次々に女性を見初めて結婚する割には、結局同じ女性を選んでしまっているところが情けなくも可愛らしい物語です。
包丁で身体をまっぷたつにされた男の子の話「まっぷたつの男の子」は、カルヴィーノの「まっぷたつの子爵」の元になっているのかな? なんて部分もあって、なかなか面白かったです。巻末にはカルヴィーノによる詳細な原注もあって、そっちも読み応えがあるんですよね。訳者あとがきにあるように「注を主体として読み、本文を従属的に読む」という読み方も良さそうです。(岩波文庫)


+既読のイタロ・カルヴィーノ作品の感想+
「宿命の交わる城」イタロ・カルヴィーノ
「不在の騎士」イタロ・カルヴィーノ
「レ・コスミコミケ」イタロ・カルヴィーノ
「なぜ古典を読むのか」イタロ・カルヴィーノ
「まっぷたつの子爵」「木のぼり男爵」イタロ・カルヴィーノ
「イタリア民話集」上下 カルヴィーノ
「魔法の庭」イタロ・カルヴィーノ
「見えない都市」イタロ・カルヴィーノ
「マルコヴァルドさんの四季」カルヴィーノ
「冬の夜ひとりの旅人が」イタロ・カルヴィーノ
「柔かい月」イタロ・カルヴィーノ
「カルヴィーノの文学講義」イタロ・カルヴィーノ
「パロマー」カルヴィーノ
「くもの巣の小道」イタロ・カルヴィーノ
「むずかしい愛」カルヴィーノ

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言わずと知れたハリー・ポッターシリーズの第6巻。先日最終巻が発売されて、図書館でもものすごい数の予約が入ってるというのに、なんで今頃第6巻?...と思われてしまいそうなんですが、まあ、元々あんまり真面目に読み進めるつもりもなかったので...。ホグワーツの魔法学校の組み分け帽子とか、そういうモチーフは楽しくて好きなんですけどね。世間の熱狂振りを見てると逆に引いてしまう... もっと面白いファンタジーなんていっぱいあるよって言いたくなっちゃう。でも身近に買って読んで押し付けてくれる人がいるものだから、どうやらシリーズを読破してしまいそうです。(笑)
ということで第6巻を読みましたが、これはなかなか面白かったです。いつもなら、今にも暴走しそうになるハリーにロンがくっついて、ハーマイオニーがなんとかブレーキをかけようとするという感じの展開だと思うんですけど(違いましたっけ...?)、今回はハリーとダンブルドアが組む場面が多いんですよね。しかもそれで明かされる新事実というのが多くって。
でも真面目に読んでないのが裏目に出て... というより間隔があきすぎてるのが問題なんでしょう。「不死鳥の騎士団」を読んだのは4年も前だし。前回起きた事件とか登場人物とか忘れてしまった部分が多かったのが、ちょっと痛かったかも。ジニーの気持ちに関しては、ちゃんと覚えてたんですけどね。
それにしても... ジニーはいつの間に美人になったんですか?(笑)(静山社)


+シリーズ既刊の感想+
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」上下 J.K.ローリング
「ハリー・ポッターと死の秘宝」上下 J.K.ローリング
(それ以前の感想は残っていません)

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翻訳家の青山南さんの奥様はフリーのライター。2人のお子さんが出来て、翻訳家という比較的時間が自由になる仕事の青山南さんも子育てに本格的に参戦して... という子育てエッセイ。

プロローグの「夕日をながめるぜいたく」が、まず面白いです~。「ひとりの男とひとりの女がひっそりと暮らしている空間に赤んぼが出現したらどういうことになるか?」という文章から始まるんですが、もうほんと実感がこもってます。
まず部屋が狭くなる... 赤んぼの寝る布団を家の中の一番良い場所に置くために、狭い部屋はますます狭くなり、赤んぼを踏んじゃいけないので、部屋の中が自由に歩けなくなる... 数ヶ月過ぎてそれにも慣れた頃、赤んぼは右に左に動きだして部屋は一層狭くなる... しかし狭い部屋にも既に慣れてきているので、さらに狭くなったことに気がつかない... そして寝返りという、これまた部屋がどんどん狭くする行動を心待ちにするようにさえなる...。
世の中、主夫も徐々に増えているようですが、やっぱり一般的な会社勤めをしている男性に子育てはなかなかできないですよね。ちょっぴり奥さんの手伝いをしたり、休日に子供の相手をした程度で、子育てに積極的に参加してると思ってる男性も多いかも?(世間一般の実態はよく知りませんが) でも青山南さんは正真正銘、子育てに参加してるなあって思っちゃう。しかもいいお父さんなんだなあ、これが。ご本人はすぐヒステリーを起こすようなことを書かれていますが、きっと娘さんたちの自慢のお父さんなんでしょうね。

+既読の青山南作品の感想+
「翻訳家という楽天家たち」青山南
「ピーターとペーターの狭間で」青山南
「眺めたり触ったり」青山南
「外人のTOKYO暮らし」青山南
「英語になったニッポン小説」青山南
「気になる言葉、気が散る日々」青山南
「小説はゴシップが楽しい」青山南
「大事なことは、ぜーんぶ娘たちに教わった」青山南

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