Catégories:“2008年”

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以前読んだ「エルフさんの店」や「ティスの魔女読本」に繋がるような本。「エルフさんの店」に出てきたお店がこちらにも登場するし、語り手となるアリゼは「ティスの魔女読本」にも出てくる女の子。市内の図書館に蔵書がなくて残念... と思ってたらお隣の市にはあって、そちらから借りてもらいました。
風屋のロジャさんのお店に行きたくなるし~。この「ロジャ」さんというのは、明らかにアーサー・ランサムのシリーズの登場人物から取った名前。「ロジャー」じゃなくて「ロジャ」なんですもん。あの4人きょうだいの末っ子のロジャが(下に赤ちゃんが生まれたから、末っ子じゃなくなったんだけど)、こんな素敵な青年になってしまっていたというのがなんだか不思議。(注・同一人物ではありません) あとジャム作りの名人フランソワーズさんのジャム作りを見てると、自分でも作りたくなってきちゃう。(ここで、どうもフランボワーズと読んでしまうんですよねー) 村のあちこちに杏やスグリ、ラズベリイ、クワの実、野イチゴ、グミなど沢山の木の実が美味しそうに熟してるなんていうのも、羨ましいな。読書人のトゥリードさんの本の分類も素敵。「空や星の本は天窓のある部屋、花や木の本はおもてにすぐでられる部屋、ファンタジーは重たいドアの窓の小さな部屋、キッチンにはお料理の本」... 私はアリゼと同じく屋根裏部屋が好きかも。ここには古い本が棚や箱に入りきらずに積み上げられてられているんですって。
これを読めば、「アリゼの村の贈り物」も「不思議の村のハロウィーン」も読める!と思ったら、「不思議の村~」の方はこの本と同じく市内の図書館の蔵書にはなかったのでした。また探してもらわなくっちゃ。(河出書房新社)


+シリーズ既刊の感想+
「エルフさんの店」高柳佐知子
「ティスの魔女読本」高柳佐知子
「ハイウィロウ村スケッチブック」高柳佐知子
「アリゼの村の贈り物」高柳佐知子
「不思議の村のハロウィーン」高柳佐知子

+既読の高柳佐知子作品+
「イギリス湖水地方を訪ねて」「風のまにまにイギリスの村へ」高柳佐知子
「ケルトの国に妖精を探しに」高柳佐知子
「ナチュラル暮らしの手作り工房へ、ようこそ」高柳佐知子
「庭が仕事場」高柳佐知子

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ある朝フェイリムが起きると家の中がぐちゃぐちゃ。重いオーブンは壁から動いているし、玄関のドアの前には家具が積み重ねられ、テーブルも窓をふさいでいました。驚くフェイリムに話しかけたのは、油まみれの小人。小人の他にもフェイリムの腰ほどの背丈の全身毛むくじゃらの男女が沢山いました。小人は家を守る精霊ドモボーイで、毛むくじゃらの男女は畑を守るグラッシャン。そして自分たちを「生まれくるもの」から救えるのはジャッコ・グリーンだけなのだと言います。どうやらフェイリムがジャッコ・グリーンと思われているようなのですが...。

石が孵り、ワームが目覚めるのを阻止しなければならないと言われたフェイリムの仲間となるのは、木から木へと飛び移る「愚者」マッド・スウィーニーと、影をなくしてしまった「乙女」アレクシア、丸いカフェテーブルのような不思議な姿の「馬」オビー・オース。
水辺の洗濯女やバンシー、小麦畑の鬼婆などイギリス土着の妖精が多く登場します。イギリスやスコットランド、アイルランド辺りの土着の妖精がディズニーの可愛い妖精とは全然違うというのは知ってますけど、この本に登場する妖精たちは今まで読んだ本に登場していた以上に迫力があって、「妖精」というより「妖怪」と呼んだ方が相応しい感じ。でも設定としては好みの系統のはずなんだけど、訳文のせいなのかそもそもの話のせいなのか、なんだかとても読みにくかったです...。「生まれくるもの」とか「ワーム」とか言われても全然イメージが湧かなかったですし。しかも情けない主人公の成長物語でもあるんですが、主人公自体もイマイチ。逃げ惑いながら嫌々続ける旅の話なんて読んでてあまり楽しくないですしね。
途中でちょっと面白くなりそうな感じだったのに、ラストの詰めはやっぱり甘いような... 訳者あとがきに書かれているほど深みも味わい深さも感じられなくて残念。以前読んだ「不思議を売る男」は面白かったと思うのになあ。(偕成社)


+既読のジェラルディン・マコーリアン作品の感想+
「ジャッコ・グリーンの伝説」ジェラルディン・マコーリアン
Livreに「不思議を売る男」の感想があります)

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先日「勇士ルスランとリュドミーラ姫」を読んだ時に、きちんとした叙事詩の形に訳されたものが読みたーいと書いていたら、信兵衛さんに、プーシキン全集の1巻に入ってますよと教えて頂いちゃいました! 早速図書館で借りてきましたよー。分厚い1冊の中に抒情詩と物語詩が収められていて、割合としては半々ぐらい。抒情詩が想像してたよりも沢山あってびっくりです。そして物語詩の方には「ルスラーンとリュドミーラ」「コーカサスの捕虜」「天使ガブリエルの歌」が収められていました。

「ルスラーンとリュドミーラ」は借りてすぐに真っ先に読んでたんですけど、読めるのが嬉しくて、返したくなくて、じっくり読み返してしまいました。やっぱりきちんとした詩の形式に訳されてるのはいいですねえ。省略されていた部分もこちらではちゃんと訳されてるし、ほんと読めて良かったです。でも訳そのものは、岩波少年文庫版の「勇士ルスラーンとリュドミーラ姫」の方が好きかも。たとえば岩波少年文庫版で「幸なき姫は、さびしさを胸にいだいて」となってるところは、全集の方では「哀れな公女は退屈して」だし、「そして、ふしぎなねむりが幸うすいリュドミーラをつつみました」というところは「すると不思議な眠りが不幸な女をその翼で包んだ」なんですよね。きっと全集の方が原文に忠実なんでしょうけど、岩波少年文庫版はいかにも物語といった雰囲気があって好き。ちなみに昔から一番好きな場面は、岩波少年文庫版では「フィンのおきなが、勇士のそばに、立ち止まり、死の水をふりかけると、みるみる傷はかがやきはじめ、しかばねはうつくしいふしぎな色につつまれました。」で、全集では「そして老人は騎士の上に立ち 死の水を注ぎかけるのだった。すると傷はまたたく間に輝き始め 屍は驚くべき花のような美しさになった」でした。花のように美しい屍って... 一体?(笑)
この物語のプロローグに、入り江のそばの樫の木に金の鎖で繋がれた物知りの猫が登場するんですが(岩波少年文庫版にもあります)、これはスーザン・プライスが「ゴースト・ドラム」(感想)に使っていたモチーフ。きっと元々はロシアの民話から来てるんだと思うんですけど、先日読んだ「ロシア民話集」(感想)にも「ロシアの神話」(感想)にもトルストイの民話集(感想)にも確かなかったんですよね。でも元になる話がきっとどこかにあるはず。読みたいなあ。

他の作品でびっくりしたのは、「天使ガブリエルの歌」。後に聖母となる16歳のマリアの美しさに、神様と天使ガブリエルと悪魔が同時に目をつけてしまうというトンでもない詩なんです。でもトンでもなさすぎて逆に笑っちゃう。神様をこんな風に描いてしまって大丈夫だったのかしら?と思ったら、解説に「その反宗教的な内容からしても当時は出版を許されるはずもなく」とありました。そりゃそうだー。「手から手へと筆写されて拡められて行ったがプーシキンは後難を恐れて自筆原稿を廃棄した」のだそうです。そして今でもこの本の訳者さんが知る限りでは何語にも翻訳されていないんだとか。邦訳も、この本が出た時点ではこの全集だけだったようだし。もしそれ以降全然出てなくても驚かないなー。(河出書房新社)


+既読のプーシキン作品の感想+
「勇士ルスランとリュドミーラ姫」プーシキン
「プーシキン全集1 抒情詩・物語詩」プーシキン

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(株)魔法製作所のシリーズの4作目。前作「おせっかいなゴッドマザー」を読んでからというもの続きが気になって堪らず、とうとう原書にまで手を出してしまいました... とは言っても、5月に入手したのに、読み始めたのはようやく今月になってからなんですけどね。辞書は引かなくても大丈夫だったんですが、英語の本を読むのは日本語の本を読む時とは違って頭の中で音読するスピードになってしまうので、結構時間がかかっちゃいました。でもその分、じっくりと楽しめて良かったかも?

いやあ、今回も面白かったです。今回はケイティがテキサスの実家に帰ったこともあって、ケイティの家族総出演。おばあちゃんとお父さんとお母さんと、お兄さん3人とそれぞれの奥さん、そしてその子供たち。お兄さんたちは既にみんな結婚して家を出てるんですけど、職場は結局実家で経営してる飼料店ですしね。毎日のように顔を合わせることになるんです。オーウェンの家族とは正反対の賑やかな大家族。おばあちゃんがいい味出してます~♪ もう色々と驚かせてくれるし! そして前巻のケイティの決意もむなしく、結局テキサスにまで魔法の戦いが飛び火してしまうわけなんですが、そのおかげで会社の面々も登場してくれるのがやっぱり嬉しい♪ オーウェンが相変わらず素敵だし、マーリンとケイティのおばあちゃんがいい感じじゃないですか~。敵のイドリスは相変わらず、目の付け所はいいんだけどツメが甘くて笑わせてくれるし。
早くも次作が楽しみ。これで一応一段落して、今度はどんな展開を見せてくれるんでしょう。まだまだ明かされてない部分もあるので、そろそろその辺りがメインになるといいな。あ、この本の邦訳も出たらまた読みますけどね。そんな完璧に読み取れてるとは到底思えないですし。これこそ「1粒で2度美味しい」かも。(笑)(Ballantine Books)


+シリーズ既刊の感想+
「ニューヨークの魔法使い」シャンナ・スウェンドソン
「赤い靴の誘惑」シャンナ・スウェンドソン
「おせっかいなゴッドマザー」シャンナ・スウェンドソン
「Don't Hex with Texas」Shanna Swendson
「コブの怪しい魔法使い」シャンナ・スウェンドソン

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イギリスのウェールズ地方のジプシーたちに伝わる民話全21編。
序文に「先祖の語部の言葉そのままに、幾世代かを通じ、祖母から子へ、そして孫へと伝えられて来たのである」とあったので、ジプシーらしい、ちょっと今までなかったような話があるのかと期待したんですが、それほどでもなかったですね...。もちろん、これまでにあまり見なかったようなモチーフはちょこちょこと使われてるんですが、基本的にどこかで読んだような話のバリエーションばかり。ジプシーらしさはその言葉、短いきびきびした語句を連続して使うところにもあるようで、そういうのは日本語に訳したら当然なくなってしまうのですが。
ロシアはイワン、ハンガリーはヤーノシュ、ジプシーの場合はジャック。(さすがイギリス!) 末っ子で周囲から「ばか」だと言われていて、ロシアのイワンによく似てます。(現代教養文庫)

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秋の山で湿原に広がった真っ赤なこけのじゅうたんに足を踏み入れた「わたし」は、その美しい景色に見とれているうちに、すっかり道に迷ってしまいます。そして一番高いところから見極めようと山道を登り始めた「わたし」が見つけたのは、コタと呼ばれる、白いトナカイの皮で作ったサーメ人の小屋。その中には焚き火が燃えており、今はもういない魔術師ツォラオアイビの魔法のたいこが置かれていました。そのたいこは100年に一度、運よくコタを見つけた人にだけ、ツォラオアイビが残していった物語を聞かせてくれるのです。

ラップランドでトナカイの放牧をしてきた先住民族・サーメ人に語り伝えられてきた12編の物語。
これがもうとにかく美しい! 北極圏の厳しい自然の中で暮らす人々が語り伝えてきたのは、やはり自然にまつわる物語が中心なんでしょうね。この世に白夜ができたことや、オーロラの始まり、タビネズミ(レミング)の行進、花の中に太陽の光をたくわえて金色に熟すヒラという野イチゴ、深い緑色の目と砂金のように光る髪を持つ地の精... 山の風は、ヨイク(サーメ人特有の歌)が胸に溢れている青年が歌う声だし、初めは銀色だった花びらが赤く変わり、そして濃い青紫色になるきんぽうげの花は、美しい少女が変わったもの。白樺の木は、無理矢理な結婚から逃げ出した恋人たち。そして飼っていた銀の角を持つ真っ白なトナカイがいなくなり、魔術師のツォラオアイビも姿を消してしまったこと。
読んでいると鮮やかな色彩が浮かび上がってくるような、情景が印象的な物語ばかりなんです。生き生きとした夏も素敵なんですが、それ以上に冬の静謐な美しさが印象的で。

1つ紹介すると、「青い胸のコマドリ」は、どのようにして白夜の夏や闇に覆われる冬ができたのかが描かれる物語。
最初は光の精ツォブガが世界の南半分を、闇の精カーモスが北半分を治めていたんですが、ある時、1羽のコマドリが道に迷ってカーモスの闇に閉ざされた雪と氷の世界に入り込んでしまうんですね。そしてようやく見つけた陸地で6つの卵を産むんですけど、このままだと卵も自分も凍え死んでしまう... と、必死でツォブガに訴えるんです。そしてツォブガとカーモスの争いがあり、最終的には1年の半分をツォブガが、1年の半分をカーモスが治めるようになります。

そこでツォブガはカーモスのマントをめがけて力いっぱい熱い息を吹き付けました。火花のようないきおいでした。たちまち地平線のあたりでカーモスのマントが青い煙を上げてくすぶり、見る見るうちに炎をあげて燃え始め、東の空が金色や赤にそまってかがやきました。これが朝焼けの始まりです。

やがて秋がしのびよってきました。マントをつくろい終えたカーモスが、地平線のあたりからラップランドのようすをうかがっています。カーモスは黒い胸にたっぷりつめこんできた冷気を、今こそとばかりに力いっぱいあたりに吹きつけました。ツォブガも必死でたたかい赤い炎を吹きつけたので、カーモスのマントのすそがまた燃え始めました。西の空と地のさかいに現れる夕焼けは、こうして始まったのです。

いずれにせよ燃えるのはカーモスの黒いマント。花が咲き乱れ小鳥がさえずる青い空の世界を守ってるのはツォブガの白いつばさなんですけど、こちらは無事だというのが面白いなあ。(春風社)

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スカリーのお父さんは魔法使いで、お母さんには千里眼の持ち主。スカリー自身、魔法使いの卵で、近々「魔法紳士団」の認定試験を受ける予定。でも一家が魔法使いだなんてことは周囲には内緒。対外的にはお父さんは市場の店で時計を売り、お母さんは占星術師で、スカリーは普通の人間の学校に通っています。ところが欠席が多く授業中もぼーっとしていることの多いスカリーは、「お守り」をつけられることになってしまうのです。「お守り」としてやって来たのは、赤毛の若い女性・モニカでした。

田中薫子さんが翻訳で佐竹美保さんが挿絵。まるでDWJ作品じゃないですか。こちらも同じく「ダイアナ」さんだし、DWJの本も多い徳間書店だし、読んでいて妙な気分になってしまうー。でも同じようにテンポの良い展開ながらも、DWJに比べると物語があっさりして読みやすいですね。あっさりとした中編。こういう作品は大人からは切り捨てられやすいと思うんですけど、私はなんだか妙に好き。どこが好きかといえば、物語には書かれていない世界の奥行きが感じられるところかな。登場人物も楽しいですしね。スカリーのお父さんなんて、過去の時代を旅して帰ってくるたびに話し方が古めかしくなるんです。終盤のお母さんとの会話にはほんと笑ってしまいます。
それに、ちょっとドキッとさせてくれるところもいいのかも。スカリーと同じクラスにリジーという女の子がいるんですが、この子のおうちには車が5台あって、イタリアに別荘があるし、週末にちょっとニューヨークなんて生活を送ってるんですね。(イギリスのお話です)とてもお金持ちなのに、普通の家の子供たちが集まる学校にいるので結構苦労しています。そんなことぺらぺら喋るわけにもいかないし、服装も周囲に合わせようと苦労しているみたい。スカリーはそんなリジーにこそ、気にかけてくれる「お守り」が必要なのではないかと考えているんです。

いっぱいいろんなものを「持ちすぎてる」女の子に、そのうえなにかをつけようなんて、だれも思わないんだ。「持ちすぎてる」人も、「まるでたりない」人と同じくらいこまってるのかもしれないってことに、みんな気がつかない。こまってることの中身はちがうし、まるでたりない人にくらべたら切実じゃないかもしれないけど、でもこまってるにはちがいないのに。

あと好きだったのは、人間はみんな魔法遺伝子を持ってるという話。一生それに気づかなかったり、気づかないふりをし通す人もいるとのことなんですが、スカリーのお母さんによると、人の感性が豊かかそうでないかは、魔法遺伝子によって決まるんだそうです。「魔法遺伝子が活発な人はね、上等なグラスみたいに、打てばきれいな音で響くの。でも魔法遺伝子が働いてない人は、鈍い音しかしないのよ」(徳間書店)


+既読のダイアナ・ヘンドリー作品の感想+
「屋根裏部屋のエンジェルさん」
「魔法使いの卵」ダイアナ・ヘンドリー

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