Catégories:“2008年”

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日本の伝統的な色の辞典。
色の名前とその由来、それらの色の元になる自然界の原料、その組み合わせや染め方、色と色との微妙な違いのこと、歴史の中でのその色の扱われ方や著者の考察・推論などが、色見本と共に紹介されていきます。

「辞典」ですし、最初は本当に辞典のように自分の興味のある色についてその都度ピックアップして読もうと思っていたんですが、説明の文章の思わぬ読み応えに、結局最初から最後まで通して読んでしまいました。いやあ、勉強になるし、何より面白い! 日本の色らしく、万葉集や古事記、源氏物語や枕草子など日本の古典文学からの記述も多いです。その中でも特に目立つのは源氏物語。この本に引用されている源氏物語の中の色にまつわる文章を見ていると、平安時代の雅びな文化を再認識してしまいますね。やっぱり平安時代の貴族って物質的にも精神的にも豊かだし、美意識も高いなあ。色の名前ももちろん素敵だし、そんな色に心情を託すのも素敵。色という視点から源氏物語を改めて読んでみたくなってしまいます。あとは、もちろん中国絡みのエピソードも多いですし... でも中国ならお隣だし、歴史的にも付き合いが長いので分かるんですが、ヨーロッパやアジア諸国、たとえば古代ギリシャ・ローマ、古代エジプト、さらにはアンデス文明やマヤ・アステカ文明にまで話が及ぶにつれ、著者の見識の豊かさに驚かされてしまいます。そして古代ギリシャ・ローマ帝国の帝王の衣服の象徴的な色となった帝王紫、貝からとる紫色の話については、リンゼイ・デイヴィスの密偵ファルコシリーズにも書かれていたので、なんだか嬉しくなってしまったり。
実際に著者の工房で染められたものが見本として採用されているようです。それぞれの色の見本はもちろんのこと、日本の四季を豊かに表現する襲の色目の美しいこと! それぞれの色に縁の品々の写真などもオールカラーで収められているので、眺めているだけで楽しめますし、じっくりと読めば一層楽しい1冊です。(紫紅社)

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「まのとのま」って最初聞いた時、一体どういう名前なんだー?と思ったんですが、これは真野さんと乃間さんだから。「真野と乃間」なんですね。真野匡さんと乃間修さんという2人で、名前だけ見ると男性かと思ってしまいそうなところですが、どちらも女性。お2人ともフリーのイラストレーターだそうで、1冊の本の中にイラストがどっさりです。コミック本かと思うぐらいどっさり。でも字もぎっしり。川原泉さんの作品よりもぎっしり。(笑)
「食」「探」「楽」「美」「カッパドキア」「アンタルヤ」という6章に分かれて、この1冊に色んな情報がたっぷり入ってました。ちなみに「探」はイスタンブールの見所で、「楽」は娯楽とかホテルの情報とか。そんな風に分かれてるので、もうちょっと旅行記的な流れでも読んでみたかったなとか、「食」の最初に登場したゴージャスな「トゥーラ」でのエピソードがもっと読みたーい!なんて思ったりもしたんですけど(お店一軒につき紹介は見開き2ページずつなので)、他のページは十分満足。隅々まで読むのは結構大変ですが(笑)、これだけの情報があれば、結構ディープな旅行もできそう。美味しそうだし楽しそうだし、うわーん、自分の目で見てみたい! しかも猫天国なんだそうです、トルコって。観光客はビニールの靴カバーをつけさせられてるというのに、高級絨毯の上でゴロゴロする猫、かわいーい♪
 
無敵シリーズっていっぱいあるんですねえ。北京、上海、香港、バリ、マレーシア、バンコク、沖縄、ハワイ、ベトナム、ソウル、台湾。どこか遊びに行く時はこういう本をガイドブック代わりにするのもいいかもですね。(アスペクト)

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アーサー・ランサムの「ツバメ号とアマゾン号」シリーズゆかりのウィンダミア湖やコニストン湖、ピーターラビットのニア・ソーリー村、ワーズワースのグラスミア。あるいはコッツウォルズの村々やノーフォークの川、ダービー観戦、ウィズリー・ガーデン、そして再び湖水地方。そこで出会った人々や美しい景色、訪れた街や入ったお店、食べたもののことなどを綴った旅行記です。

大人になってからランサムを読み、「どんなものでも欲しい」というほどランサムに夢中になったという高柳佐知子さん。ホテルの朝食のポリッジを食べながら、嵐の翌日にディクソンおばさんが持ってきてくれた熱々のおかゆを思い出したり、ティールームにあった"Stieky Ginger-bread"を食べて、ナンシーとペギーの家のコックのお得意の「とびきり黒くて汁気たっぷりのねばつくフルーツケーキ」はこういうものだったのかと納得したり、他にも登場していた食べ物を見つけては食べてみたり買ってみたり。アーサー・ランサムの遺品を集めた博物館に行ったものの、向かいの別の博物館にあるアーサー・ランサムの部屋を見るまでは気もそぞろだったり。そのわくわくぶりが読んでいて微笑ましいところです。私も大学の時にイギリス北部にしばらく滞在していたので... とは言ってももっぱらヨークシャー地方だったので、位置的に少しズレてはいるんですが、羊もいっぱいいたし、ピーターラビットそっくりのウサギも可愛かったし、ワーズワースの家や湖水地方に足を伸ばしたりと、高柳さんと結構同じところを見てるので、読んでてほんと懐かしくなっちゃいました。イラストを見ながら、ああ、ほんとこんな風景だったなあって。高柳さんほどのランサムフリークではないんですが、ツバメ号とアマゾン号のシリーズは小学校の頃から愛読してましたしね。

ランサムやピーターラビット以外にも、電車に乗ってきた老婦人を見てフィリップ・ターナーの「ハイフォースの地主屋敷」に出てくるミス・キャンドル=トイッテンを思い出したり、本屋にミス・リードの「村の学校」「村の日記」「村のあらし」といったシリーズが並んでいるのを見つけて喜んでいたりと、さすが本好きさんといった感じなんですが、この作品はどちらも未読... 読んでみなくっちゃ。そして高柳さんが泊まられたホテルの部屋に置いてあったという、ウェインライトの湖水地方のガイドブックというのが見てみたい! イラストはもちろん文字も全部手書きの全7巻。初めて出版されたのが1950年代という古い本なのに、高柳さんが行かれた1990年前後でも、どこの本屋さんでも一番目立つところに置いてあったというのが、またいいんですよねえ。

「イギリス湖水地方を訪ねて」の表紙が出ませんが、どちらも高柳佐知子さんのイラストの表紙に、題字も同じレイアウト。双子のような本です。そして「イギリス湖水地方を訪ねて」は文字通り湖水地方ばかりの旅の話、「風のまにまにイギリスの村へ」では他のイギリスの田舎町へも足を伸ばしつつ、なんと3回目の湖水地方の旅にもなっています。3度目の正直なのか(笑)、ハリ・ハウに泊まったり「カンチェンジュンガ」に登ったり! いやあ、いいですねえ。私もまた行きたいなあ。(河出書房新社)


+既読の高柳佐知子作品+
「エルフさんの店」高柳佐知子
「ティスの魔女読本」高柳佐知子
「イギリス湖水地方を訪ねて」「風のまにまにイギリスの村へ」高柳佐知子
「ハイウィロウ村スケッチブック」高柳佐知子
「ケルトの国に妖精を探しに」高柳佐知子
「アリゼの村の贈り物」高柳佐知子
「ナチュラル暮らしの手作り工房へ、ようこそ」高柳佐知子
「庭が仕事場」高柳佐知子
「不思議の村のハロウィーン」高柳佐知子

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街の美術学校に通い始めたハイウィロウ村のアリゼが出会ったのは、魔女のティス。何年か前のハロウィーンの夜に魔女のホウキに乗った時、困っていたアリゼを助けてくれたのがティスだったのです。再会を喜ぶ2人。そしてアリゼが人の世界のことを教える代わりに、ティスが魔女の世界のことを教えることに。

魔女のティスとの出会いの物語は多分「不思議の村のハロウィーン」なんじゃないかなと思うんですが、こちらは未読。この「ティスの魔女読本」は大丈夫だけど、ハイウィロウ村の物語はなるべく順番通りに読んだ方がいいと教えてもらったので、まだ図書館でも借りてないんです。なんせ最初の「ハイウィロウ村スケッチブック」が市内の図書館にはないもので...。どの本もすでに絶版ですし。
地球じゃなくってラジムフォウカという青い星に住んでいる魔女たちの暮らしぶりが、ティスの口から紹介されていきます。魔女の3着の服の話、3足の靴の話、帽子の話、猫の話、ホウキの話、学校の話、食べ物の話... ラジムフォウカにはとても高いダイアモンドの山があって、ここには時々他の星が衝突するので、ティスたちはその時飛び散ったかけらを拾い集めて地球に売りに行ったり。
私が一番気に入ったのは、図書館の話。

図書館は誰でも入れるの。
机と椅子が部屋の中央のラセン階段に
置いてあって、壁は全部本なの。
蔵書は学問の本、魔法の本、
あとは、地球上のすべての国の詩集よ。

壁が全部本だなんて! 外国の映画で時々登場するような、壁一面に本棚になっていて上の方の本を取る時ははしごを使うような書斎にも憧れてしまうのに、こんな図書館があったらそりゃあもう...! そしてなんで詩集かといえば、みんな詩が大好きで、沢山の詩を暗誦するのだそうです。魔女は言葉を美しいものだと思うし、ティスも「距離」とか「地平線」という言葉だけでも感動してしまうのだそう。
高柳佐知子さんの柔らかい絵も詩のような言葉もとても素敵。子供の頃から魔女の出てくるような話は大好きだったので、私も色々想像して楽しんでいましたが、高柳さんの魔女の世界はこんな感じなんですね。楽しーい。やっぱりこのシリーズのほかの作品も読みたいなあ!(河出書房新社)


+シリーズ既刊の感想+
「エルフさんの店」高柳佐知子
「ティスの魔女読本」高柳佐知子
「ハイウィロウ村スケッチブック」高柳佐知子
「アリゼの村の贈り物」高柳佐知子
「不思議の村のハロウィーン」高柳佐知子

+既読の高柳佐知子作品+
「イギリス湖水地方を訪ねて」「風のまにまにイギリスの村へ」高柳佐知子
「ケルトの国に妖精を探しに」高柳佐知子
「ナチュラル暮らしの手作り工房へ、ようこそ」高柳佐知子
「庭が仕事場」高柳佐知子

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裏庭のブランコがいたずらされて、二階建てバス状態になっていた日、ローラがみつけたのはさかさまになってブランコに乗っている魔女。下の席には猫のチャーリーが座り、上の席には魔女のおばあさんが座っていたのです。なぜ突然さかさまになってしまったのか思い出せない魔女のサリーを、ローラは自分の部屋のクローゼットに連れて行きます。そして魔女を元に戻すためには冷たい「魔女のせんじ薬」を作ればいいと聞いて、ローラは友達のジェインと一緒に薬に必要な材料を探しに行くことに。

魔女の本棚シリーズの3作目。2作目かと思ったら、間違えちゃいました。続き物ではないので全然大丈夫なんだけど。
今回楽しいのは、さかさま魔女のさかさまぶり。ブランコにさかさまに乗っていたサリーは、ブランコからリンゴの木に移って空に「すべり落ち」そうになったり、ローラの家に入った途端天井にドサッと倒れこんでるんです。2階のローラの部屋に行くためには、階段を1階から2階にジャンプして降りなければならないし、しかもクローゼットの中ではコウモリのようにぶら下がって寝てるんですよね。マットのピンキーに乗る時も下側! これには、「なるほど~」でした。
そしてさかさまなのは、そういった身体的なことばかりではありません。魔女が食べるのは肉ではなくて骨、パイナップルの身ではなくてパイナップルの皮。大好きなのはコーヒーの出し殻。壊れたガラスのかけらをアメのように美味しそうに舐め、沼の水を飲んで... んん? これは元々の魔女の好みなのかな?
物語としてはかなり単純なので、「魔女とふしぎな指輪」の方が私は好みだったんですが、こちらも描写の楽しさで読ませてくれる物語です。(フレーベル館)


+シリーズ既刊の感想+
「魔女とふしぎな指輪」ルース・チュウ
「さかさま魔女」ルース・チュウ

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エスピノーサは、スペイン系アメリカ人の言語・口承文芸の研究者。原書に収められている280編もの民話から、日本人が興味深く読めるスペインらしい話全87編が選ばれているのだそうです。謎話、笑い話、教訓話、メルヘン、悪者話、動物昔話、だんだん話の7章に分かれています。

スペイン語の原題、採取された場所、グリム童話などに類話がある場合はその題名などが記されていて、かなりきちんとした民話集です。
この中で一番興味深いのは、「聖女カタリーナ」かな。これは教訓話の章に収められている話。幼い頃から信心深く生きていた聖女カタリーナとは対照的に、その母親はとても罪深い女。一足早く亡くなった聖女カタリーナは当然天国へと行くんですが、母親は当然のように地獄行き。でも聖女カタリーナは母親と一緒にいることを望んで、キリストや聖母マリアにお願いするんですね。そして天使たちが母親を迎えに行ってくれることになります。でも母親は、自分ににつかまって一緒に地獄を出ようとした他の魂たちに向かって悪態をついて、それを聞いた天使たちは母親を放してしまう... という話。
どこかで聞いたような話でしょう? これは芥川龍之介「蜘蛛の糸」の原話なんです。
でも同じように宗教的な雰囲気を持っていても「聖女カタリーナ」と「蜘蛛の糸」は全然違ーう。一番違うのは、再び地獄に落ちた母親の魂のために、聖女カタリーナ自身も地獄へ行くことを選ぶというところなんです。なんと母親愛の話だったんですねえ。たった一回蜘蛛を助けたぐらいで、お釈迦様の気紛れに振り回される「蜘蛛の糸」と違って、この「聖女カタリーナ」の方がずっと説得力があるし、話として筋が通ってるし、私はこっちの方が好きだなあ。芥川龍之介の描く極楽と地獄の情景も美しいですけどね。(岩波文庫)

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何があるのか行ってみないと分からないし、欲しいものが見つかっても手に入るとは限らないエルフさんの「気まぐれ屋」。そんなお店をはじめとする42のファンタジックなお店の数々が、イラストと文章で紹介された本。「エルフさんの店」「トウィンクルさんの店」が合わせて1冊の本として復刊されました。

読んでみたいなと思っていた本がタイミング良く復刊されて大喜び。早速手に入れて読んでみると、これがもうほんと好みのツボど真ん中。あとがきに「私は、ずいぶん前から、古めかしいごたごたした店がすきでした。」「本を読んでいてもそういう「お店」がでてくると、いっしょうけんめい想像していました」とあるんですが、私もそういうお店が子供の頃から大好きでした! ごたごたと色んなものが置いてあって、どれも心惹かれるんだけど、その中に1つ自分がずっと前から欲しいと思っていたものがあって... しかもそのお店をやってる人が、どことなく不思議な雰囲気でとても魅力的。でもそのお店はいつも行きたい時に行けるとは限らない、なーんてお店。...となるとまるっきり、ヒルダ・ルイスの「とぶ船」なんですが。多分、本の中のお店を意識するようになったのは、この作品なのではないかと思います。北欧神話のオーディンを思わせるおじいさんのやってた店にピーターが行けたのはたったの2回。でもそこでピーターは後に「スキードブラドニール」だと分かることになる小さな船を手に入れるんですよね。そしてその後、柏葉幸子さんの「霧のむこうのふしぎな町」を読んで、ますます不思議なお店好きに拍車がかかったりなんかして。

この本に紹介されているお店は、ほんと行ってみたくなってしまうようなものばかり。本当に本の中に入り込みたくなってしまうー。見たい夢の絵を描いてくれるエアリーさんの店「ゆめ屋」、海のそばにあって、雨の日や霧がかった日はまるで水の中にいるように見える「かけら屋」。ここには何かわからないけれど、きらきら光る「かけら」が無造作に置かれています。そして世界中の風を集めた「風屋」、忘れかかっていた「時」に入り込んでしまえる「時屋」、月夜の間だけ走る帆船「カナリヤ号」がある「船屋」、物語に出てくる場所の地図を沢山置いている「地図屋」...

そんなお店のことを読んでいるだけでもワクワクしてしまうんですが、そういったお店の中に高柳佐知子さんがお好きな本のネタもさりげなーくちらりちらりと顔を出していて、それを見つけるのがまた楽しいのです。メアリー・ポピンズ、床下の小人たち、不思議の国のアリス、くまのプーさん、ツバメ号とアマゾン号、赤毛のアン、大草原の小さな家、若草物語など、私も子供の頃に夢中になって読み耽っていた本ばかり。でも私が分かる範囲でもいっぱいあるんだけど、気がついてないものもまだまだありそう。こんな本がずっと絶版だったなんて~。復刊されてほんと嬉しいです。そして高柳佐知子さんの「ハイウィロウ村スケッチブック」にもそういったお店が登場するみたいだし、続編で「アリゼの村の贈り物」というのもあるので、こちらもこの機会にぜひ復刊して欲しいものです。読みたい!(亜紀書房)


+シリーズ既刊の感想+
「エルフさんの店」高柳佐知子
「ティスの魔女読本」高柳佐知子
「ハイウィロウ村スケッチブック」高柳佐知子
「アリゼの村の贈り物」高柳佐知子
「不思議の村のハロウィーン」高柳佐知子

+既読の高柳佐知子作品+
「イギリス湖水地方を訪ねて」「風のまにまにイギリスの村へ」高柳佐知子
「ケルトの国に妖精を探しに」高柳佐知子
「ナチュラル暮らしの手作り工房へ、ようこそ」高柳佐知子
「庭が仕事場」高柳佐知子

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