Catégories:“2008年”

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副題はトルストイ民話集。この2冊で全部で14編の物語が収められています。
どれも読んだことがある話なので、子供の頃に岩波少年文庫で読んでいたものと、入ってる話は同じなのかな? 岩波少年文庫版が手元にないので、比べられないのがもどかしいー。そして比べられなくてもどかしいといえば、訳もなんですよね。岩波文庫版は中村白葉訳、岩波少年文庫版は金子幸彦訳と訳者さんが違うので、岩波少年文庫の方は子供用に平易な訳となっているのかもしれないんですが、伝わってくるものは全く同じ。トルストイほどの文章になると、ロシア語→日本語なんて壁も既に壁じゃなくなってしまうのかしら、なんてふと思ってみたり。でもこの「イワンのばか」以下15編はトルストイ晩年の作品で、その頃のトルストイは、一般の民衆がきちんと理解できるように簡潔で平易な表現で書かれるべきだと考えていたようなので、日本語に直しても読み手に伝わりやすいのかもしれないですね。

内容的にはとてもキリスト教色が強いです。特に「人はなんで生きるか」の表題作とここに収められている「愛のあるところに神あり」「二老人」。「イワンのばか」も基本的にキリスト教色が強いんですけど、こちらに収められている作品は民話色も強いのです。「人はなんで生きるか」の方は、もっと純粋にキリスト教に近づいているような印象があります。キリスト教色が強いとは言っても、ロシアの話なのでイギリスやフランスの作品とはまた少し違う雰囲気だし、どことなく異教的な純粋さがあるような気がして結構好きなんですが。
他のたとえば「アンナ・カレーニナ」みたいな作品もいいんですが、私はこちらの方がずっと好き。芸術は宗教的なものを土台に持つべきだ、なんてことは思わないけど(トルストイはそういうことも言っていたらしい)、一般の民衆によく理解されるために簡潔で平易な表現で書かれるべきだという部分はその通りだと思いますね。私なんかからすれば、小難しい文章を書く人よりも、読み進めるにつれてすんなりと頭に入ってくるような文章が書ける人の方が頭がいいように思ってしまうんですけど、どうなんでしょう。誰にでも理解できるように表現できる方がずっと大切だと思うんですが... って、私の理解力ではあんまり難しいものは理解しきれないというのもあるんですけどねー。(笑)(岩波文庫)

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街中でにわとりの鳴声を聞きつけたシャーロットと弟のウォルトは、大きな黄色いプラスチックの箱を見つけます。鳴声はその中のプラスチックのにわとりから聞こえていたのです。その箱は、硬貨を入れると景品が入った卵が出てくるという「おたのしみチキン」。金色のラッキーエッグには腕時計が入っているとあり、ウォルトは早速挑戦します。しかし出てきた卵に入っていたのは、小さな青い指輪が1つだけ。それでも小さすぎて指に入らないと思った指輪がウォルトの指にもシャーロットの指にもすんなりはまって、2人は驚きます。しかも銀色の粒々が光る濃い青色の指輪は、なにやら不思議な物みたい。そして気がついたらそこには小さな灰色の猫がいて、2人の家までついて来たのです。

ルース・チュウという作家さんは知らなかったんですが、1970~80年代にアメリカでとても流行ったという児童書なんだそうです。「魔女の本棚」シリーズの1冊目。黒地にキラキラしてる表紙が魔女っぽくてとっても可愛い♪
読んでてびっくりしたのは、子供たちが気持ちの良いほど素直なこと。こんな子今時なかなかいないんじゃ...特にアメリカでは... と思ってしまうんですが、やっぱり70~80年代という時代だからなのかしら。きちんとしてるし正直だし、見ていて微笑ましくなってしまいます。そしてお話の方は、普通のファンタジー作品のように見えて、どこか微妙に予想を外してくれるんですね。灰色猫のアラベルに関しては、出てきてすぐに分かってしまったほどの素直な展開だったんですが、不思議な魔法の指輪が魅力的。これが持ち主も気づかないうちに勝手に魔法をかけてしまうという指輪なんです。その指輪は一体何なのか、次に何をしてくれるのか、わくわくしてしまいます。
ただ、後半ちょっと物足りなかったかな...。指輪に関してもう少しきちんとした説明が欲しかったし、敵役に関しても一体何者なのかよく分からないままで終わってしまったんですよね。あとほんの少し説明があればそれで良かったのに... それだけがちょっと残念です。(フレーベル館)


+シリーズ既刊の感想+
「魔女とふしぎな指輪」ルース・チュウ
「さかさま魔女」ルース・チュウ

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題名こそ「ロシアの神話」なんですが、中身は「スラヴの神話」「リトワニアの神話」「ウグロ=フィンの神話」の3つ。スラヴ民族は東欧からロシアにかけて広がってるし、本来ロシアの神話といえば「スラヴ神話」のはず。リトアニアとフィンランドは関係ありません。まあ、リトアニアもフィンランドも、かつてロシア帝国やソビエト連邦に組み込まれていたことがあるし、それぞれ独立した1冊にするほどの量もないから「ロシア」というくくりで1冊にまとめられたんでしょうけど... とはいえ、目当てはスラヴ神話でも、フィンランドの神話についても以前から知りたいと思ってたので、思わぬ収穫でした。

メインのスラヴ神話に関しては全然何も知らないので、この本がいいのかどうなのかも分からないんですが...
読み物としてあまり面白味はないんですけど、とても興味深かったです。あらゆる神々の父は「天(スヴァローグ)」で、その2人の息子は「太陽(ダジボーグ)」と「火(スヴァロギッチ)」。この太陽神が、どこかで見たようなイメージなんです。地域によって多少違うようなんですが、基本的に馬車に乗って1日に1回天空を1周するみたい。それは火の息を吐く白馬たちに引かれた光り輝く馬車だったり、黄金のたてがみを持つ12頭の白馬に引かれたダイヤモンドの二輪馬車だったり、銀の馬と金の馬とダイヤモンドの馬との3頭の馬に引かれた馬車だったり。ギリシャ神話にも、太陽神ヘリオスの息子・パエトーンが父親の馬車を引きたがる話がありますよね。北欧神話にも太陽の馬車が出てきていたはず。調べていたら、インド神話の太陽神・スーリヤも7頭の馬が引く戦車に乗ってるようです。それに対して、エジプト神話では「太陽の舟」。空を大地に見立てるか海に見立てるか、どちらかなのでしょうか。となると高天原は? 天照大神も何かに乗ってたのかしら? もしかして牛車?(笑)
あと、同じ名前の精霊でも地方によって姿形や性格が全然違ってたりするのが面白いです。たとえば水に溺れた若い女性は「ルサールカ」になるそうなんですけど、南のルサールカはその優美な美貌と優しい歌声で旅人を誘惑して快い死に至らしめるんですって。まるでセイレーンやローレライみたいですね。でも北のルサールカはざんばら髪に裸でまるで妖怪のよう、邪悪で意地悪で人々を水に突き落として苦しみの中で溺れさせるんだとか。

そしてフィンランドといえば国民的叙事詩「カレワラ」。「カレワラ」についての本は色々あるし、私も多少は読んでるんですけど、神話そのものを解説してる本というのはなかなかないんですよね。こんなところで読めて嬉しーい。カレワラにも天地創造の場面はあるんですけど、神々はそれ以前から存在していたようだし、主人公・ヴァイナミョイネンもその友・鍛冶師のイルマリネンも、2人が戦うことになる北方の魔女ロウヒも、普通の人間ではないにせよ神という感じではないし、どうもすっきりしないままだったんです。
でも神々のことは一応載ってたんですけど、あくまでも「一応」の説明という感じ。読みたかった感じの神話ではなかったです。ギリシャ神話ほどではないにせよ、何かしらのエピソードを期待してたんですけど、そういうのも全然ないし...。神々の誕生にまつわる話なんていうのもないんです。もしかしたら、実際フィンランドにもほとんど残ってないのかなあ。すごく読んでみたいんだけどなあ。どなたかご存知の方がいらしたら、教えてください。(青土社)

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ラング世界童話集が復刊になって喜んだのもつかの間、東京創元社から刊行された本は新訳になっていてがっかりしたという方も多いはず。私も昔の川端康成訳はすごく好きだったので、新訳になってしまったことを残念に思った1人です。とはいえ、子供の頃に愛読していた偕成社文庫版をそれほど鮮明に覚えているわけでもなく... だから東京創元社版を読んでも「ここが違う!」とは言えない状態。全12巻のうち半分ぐらいは今でも持ってるんですけど、手元には置いてないので、おいそれと比べてみるわけにもいかなくて。
読み比べてみたいなあと思いつつもそのままになってたんですが、ふと気がついたら、偕成社からも改訂版が出てるじゃないですか! 「みどりいろ」と「ばらいろ」が今年の6月に刊行されてました。しかも巻末には他の10冊のリストも載っていたので、これから順次刊行されることになるんでしょう。なんとなんとびっくりです。

実際に読んでみて分かったのは、現在新たに東京創元社から刊行中の本の方が原書に近いということ。
原書ではBlue、Red、Green、Yellow、Pink、Grey、Crimson、Brown、Orange、Olive、Lilacの順に刊行されていて、その最初の「The Blue Fairy Book」にはラングが子供たちにぜひ読んで欲しいと思った主要な物語が、2冊目の「Red」には「それほど有名ではないけれどよいお話」が収められてるんだそうです。そして巻が進むにつれて、徐々に物語の採取範囲が広がっていきます。それにつれて巻ごとの趣きも少しずつ変化したりして。
それに対して、日本で最初に刊行されたのは今と同じく東京創元社からで1958~59年のこと。(ややこしいので当時の版を旧版、今刊行中の版を新版と書きますね)「みどりいろ」「ばらいろ」「そらいろ」「きいろ」「くさいろ」「ちゃいろ」「ねずみいろ」「あかいろ」「みずいろ」「むらさきいろ」「さくらいろ」「くじゃくいろ」の12色で、色の名前も微妙に対応してないんですけど(笑)、収録されてるお話も実は全然対応してません。原書の全438編の中から、日本にまだそれほど知られていないものを中心に165編の物語が選ばれて、12冊に満遍なく振り分けられたのだそう。
だけど東京創元社新版は、色の名前も作品もちゃんと対応しているんです。訳出されている物語は、増えてるとはいえ原書の半分ほどしかないんですが。(それでも十分分厚い本なんだけど)

そうか、だから巻ごとの雰囲気が違うのか... 単純に「みどりいろ」同士を読み比べるなんてことはできないんですね。

ちなみに東京創元社旧版の次はポプラ社から刊行されて、「ちゃいろ」「みずいろ」「むらさきいろ」「さくらいろ」「くじゃくいろ」の代わりに「きんいろ」「ぎんいろ」「あかねいろ」「こはくいろ」「みかんいろ」「すみれいろ」「ふじいろ」「とびいろ」が加わった全15色で刊行。その後偕成社文庫旧版(私が読んでいたのはコレ)が出るようになった時は、東京創元社旧版と同じ12色で刊行されてます。(訳は全て同じはず)

今刊行されている2つの版を比べると、東京創元社新版の方が表紙や挿絵は断然好き。原書にも使われていたというラファエル前派的な挿絵が素敵ですしね。偕成社文庫版のはいかにも児童書っぽいんです。まあ本が立派な分、東京創元社新版は値段が高いんですが... 偕成社文庫版840円に比べて、東京創元社新版は1995円。文章を比べると、偕成社文庫は字が大きくて平仮名が多いのに比べて、東京創元新社は硬くて大人向きという感じ。でもこの辺りのことは、もう少し読み進めてから。同じ話を読み比べてみたいんですけど、今はまだないみたいですしね。(あるのかもしれないんですが、よく分からなかったので)(偕成社文庫)


+シリーズ既刊の感想+(偕成社文庫版)
「みどりいろの童話集」「ばらいろの童話集」アンドルー・ラング

+シリーズ既刊の感想+(東京創元社版)
「あおいろの童話集」「あかいろの童話集」アンドルー・ラング編
「みどりいろの童話集」アンドルー・ラング編
「きいろの童話集」アンドルー・ラング編
「ももいろの童話集」アンドルー・ラング編
「はいいろの童話集」アンドルー・ラング編
「むらさきいろの童話集」アンドルー・ラング編
「べにいろの童話集」アンドルー・ラング編
「ちゃいろの童話集」アンドルー・ラング編
「だいだいいろの童話集」アンドルー・ラング編
「くさいろの童話集」アンドルー・ラング編

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様々な少数民族が伝統的な生活様式を守って暮らしてきたシベリア。シベリアにおける口承文芸の本格的な収集と研究は、シベリアに流刑になった革命家たちによって、19世紀後半から行われ始めたのだそうです。この本には17民族・41話が収録されています。

日本で民話や童話といえば「桃太郎」や「したきりすずめ」といった日本の物語か、そうでなければグリムやペローといったヨーロッパ系のものが基本。そういう話に子供の頃から慣れているので、今回初めて読んだシベリアの民話の素朴さには驚かされました。こういった話が19世紀後半とか、場合によっては20世紀半ばまで残ってたんですか! いやあ、ヨーロッパ系の民話はやっぱり相当洗練されてるんですねえ。元々の話から残酷だったり性的だったりする部分がカットされているというのを除いても、それ以前に物語としての体裁が相当きちんと整えられていたんだなと実感。シベリアの民話はもっと原始的なんです。特にシベリアでも東の端の方に住む種族に伝わる物語。凄いです。多少の矛盾どころか、途中で話がとんでも筋が通ってなくても気にしない!? かなりの荒唐無稽ぶりで、読んでて逆に楽しくなってしまうほど。ものすごく独創性があるし、昔ながらの彼らの生活がありありと感じられます。今までネイティブ・アメリカンの民話も独特だと思ってましたが、こちらはそれ以上ですね。例としてちょっと引用したくなるようなのもあるんだけど、それは女性としてはちょっと憚られるような内容だったり...(笑)
でもシベリアの東端の海岸部から内陸部の物語に移るにつれて、だんだんとヨーロッパ系の物語に近くなってきました。話としてまとまっていて読みやすいし読み応えがあるし、たとえば羽衣伝説のような他の地方の民話と似ている物語もあったりします。私が楽しめたのは、どちらかというとそちらの物語かも。プリミティブな力強さのある話も捨てがたいんですけど、話としてのまとまりがいい方がやっぱり読みやすいですしね。特に気に入ったのは、羽衣伝説に他のモチーフが色々と混ざったような「白鳥女房」や、月にまつわる神話的な物語「蛙と美しい女」辺り。洗練とプリミティブの丁度中間辺りに位置するような「三人の息子」なんかも良かったなあ。(岩波文庫)

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ダイアナ・ウィン・ジョーンズの短編集。18編の作品が収められています。

いかにもダイアナ・ウィン・ジョーンズらしい作品がいっぱい。ファンタジーはもちろんのこと、ホラーだったりSFだったり神話風だったりとテイストは様々なんですが、基本的に物凄く嫌な人間に振り回される話が多いですね。そして作品内にあまりに普通に魔法が存在してるんで、逆にちょっとびっくりしたり。最初の「ビー伯母さんとお出かけ」からしてそれだったので、ぐぐっと掴まれてしまいました。これはとーっても嫌なビー伯母さんに無理矢理海水浴に連れて行かれることになった3人きょうだいがうんざりする話なんですけど、観光客立ち入り禁止の海岸の岩場に入り込んだことから、とんでもない事態が巻き起こるんですよね。もう全然予想してなかったので、びっくりしたし楽しかったです。思いっきり想像してしまうー。あと「魔法ネコから聞いたお話」「ちびネコ姫トゥーランドット」と猫視点の話が2つもあったのがちょっと嬉しかったな。
これまで日本に紹介されているDWJ作品は圧倒的に長編が多いんですけど、短編も案外いけますね。ただ私の場合、短編集は基本的にそれほど得意じゃないので、途中でちょっと疲れてしまいましたが...。この1冊でおなかいっぱい、もうしばらくいいや、って感じです。(徳間書店)


+既読のダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品の感想+
「魔法使いハウルと火の悪魔」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「アブダラの空飛ぶ絨毯」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「デイルマーク王国史」1~4 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「わたしが幽霊だった時」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法使いはだれだ」「クリストファーの魔法の旅」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔女と暮らせば」「トニーノの歌う魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法がいっぱい」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
留守中に読んだ本(18冊)(「マライアおばさん」「七人の魔法使い」「時の町の伝説」の感想)
「呪われた首環の物語」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「花の魔法、白のドラゴン」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「いたずらロバート」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バウンダーズ」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「星空から来た犬」「魔空の森ヘックスウッド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バビロンまでは何マイル」上下 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ウィルキンズの歯と呪いの魔法」「海駆ける騎士の伝説」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「うちの一階には鬼がいる!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法!魔法!魔法!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ぼくとルークの一週間と一日」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「牢の中の貴婦人」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法の館にやとわれて」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「キャットと魔法の卵」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
Livreに「ダークホルムの闇の君」「グリフィンの年」「九年目の魔法」の感想があります)

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アファナーシエフは民俗学者で、ロシアのグリムと称えられる人なのだそうです。この2冊に収められた民話の数は、なんと78編! 最初の方はずるがしこい狐が出てくるイソップみたいな話が多くてどうなることやらと思ったんですが(イソップも動物物も苦手なので)、本の紹介に「イワンのばかとその兄弟,蛙の王子,火の鳥や灰色狼など,ロシア民話におなじみの人物・動物はみなここに登場する」とある通り、子供の頃に読んだ本が懐かしくなるような物語がいっぱい。先日読んだ「きいろの童話集」に載ってる話もいくつかありました。(記事) イワンのばかも火の鳥も大好き~。私の目当てだった「ヤガーばあさん」こと「バーバ・ヤガー」の話も沢山収録されていましたしね。これは骨の一本足の魔女。大抵は人々に恐れられている怖い存在なんですけど(人をとって食うし)、たまに主人公を助けてくれる親切なおばあさんになったりもします。でも「ルスランとリュドミーラ」に出てくる「チェルノモールじいさん」は出てこなかったですねえ。まさか「不死身のコシチェイ」と名前の読み方が違うだけとは思えないのだけど... 地方によるのでしょうか。あと「せむしの小馬」も出てこなかったな。以前岩波少年文庫で「せむしの小馬」という本があって、それは詩人のエルショーフがロシア民話を元にまとめた本で、私は大好きだったのだけど。この本に登場する馬は、せむしどころか駿馬ばかりでした。
「ハンガリー民話集」を読んだ時に、ロシア民話では、婚礼の式によばれて蜜酒やビールをご馳走になったけれど、ちょっぴりひげを濡らしただけでみんなこぼれてしまった... という締めくくりの文句が印象的だったと書いたんですが(記事)、これは実は、語り手が語り終わって喉が渇いて聞き手に酒を催促してるということだったんだそうです。物語によってはもっと露骨にビールやお酒を催促しているものもありました。そういうことだったのか。自分もその場にいたと言って聞き手に本当の話のように感じさせたり、いかにも口承文学的な雰囲気を出そうとしてるだけなのかと思ってました。まさか飲み物を催促してるとは考えてませんでしたよ。面白いなあ。(岩波文庫)

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