Catégories:“2008年”

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様々な問題にいらいらしている時によくみるのは、思いがけない楽しい夢。そんなある晩みたのは、1381年に起きたワット・タイラーの乱の只中にあるケントにいる夢でした。「私」はケントのウィリアム・タイラーという男と親しくなり、ワット・タイラーの指導者の1人となった司祭・ジョン・ボールと語り合うことになったのです。

ウィリアム・モリスは芸術家であるだけでなく社会主義者だったんですが、この作品はモリスが編集者となっていた社会主義同盟の機関紙「コモンウィール」に発表されたもの。それだけに、これまで読んだ中世風ロマンスとはまるで違っていて、社会主義者としてのモリスの一面を強く感じさせる作品でした。仲間と共に会社を設立したモリスは、自ら資本家となることで現実と理想の矛盾を身をもって体験し、社会を変えていかねばならないという使命を感じたのだそう。「社会主義」と聞くと、正直ちょっと引いてしまうところはあるんですが、モリスの理想の世の中というのは、旧ソ連のような社会主義とはまたちょっと違うんですよね。(多分) 
「ジョン・ボールの夢」という題名から、主人公がジョン・ボールになった夢をみたのかと思ったんですが、そうではなくて、ジョン・ボールと出会ったという夢でした。大筋としては、ワット・タイラーの乱の当時のケントの人々を描いたもので、実際、中世当時の田園風景や人々がとても生き生きと描かれているのが魅力的。特に村の酒場・薔薇亭での村人たちと飲み食いしている様子や、ウィリアム・タイラーの家での夕食の様子が素敵です。生命力が満ち溢れてる感じ。でも中心となっているのは、乱の指導者であるジョン・ボールと語らう場面。その場面を通して、モリスは現実の自分が生きている19世紀の世の中を改めて見つめ直しているんですね。
この本の挿絵は、ジョン・ボールが残した言葉として有名な「アダムが耕し、イヴが紡いでいたときに、ジェントルマンなどいただろうか」という言葉をバーン=ジョーンズが絵にしたもの1枚だけ。それがちょっと寂しいかな。(晶文社)


+既読のウィリアム・モリス作品の感想+
「世界のはての泉」上下 ウィリアム・モリス
「理想の書物」ウィリアム・モリス
「輝く平原の物語」ウィリアム・モリス
「ジョン・ボールの夢」ウィリアム・モリス
「ユートピアだより」ウィリアム・モリス
「不思議なみずうみの島々」上下 ウィリアム・モリス
「世界のかなたの森」ウィリアム・モリス
「サンダリング・フラッド」ウィリアム・モリス
「アイスランドへの旅」ウィリアム・モリス

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由緒あるレイヴァン家の息子・ホールブライズが愛しているのは、ローズ家のこよなく美しい乙女・ホスティッジ。2人は夏至の夜に結婚式を挙げることになっていました。しかし春もまだ浅いある日のこと、乙女たちと共に海辺で海草を集めていたホスティッジは、海賊たちに攫われてしまったのです。ホールブライズは早速海辺へと向かい、そこにいた男がホスティッジの行方を知っていると知って、男の船で海賊たちの島へ。そして夢の中に出てきたホスティッジが、既にそこから「輝く平原の国」に向かったと言うのを聞いたホールブライズは、今度はその「輝く平原の国」を目指すことに...。

題名の「輝く平原の国」とは、「不死なるものたちの国」。その国は美しく平和で穏やかで、そこでは老人は若返って再び美しくなり、人々は過去を忘れ、死や老い、苦しみや悲しみを知らずに、喜びの中に幸せに暮らす... という、まさに理想郷。でもホスティッジを探しているホールブライズにとっては、そこは全然理想郷じゃないんですよね。探してるホスティッジが見つからないんですから。でもそれを抜きにしても、この理想郷はやけに胡散臭い...。最初は天国のことなのかなと思ったんですが、「輝く平原の国」の王は全然神様という感じではないし... 王はホスティッジのことなんて何も知らないし知ろうともしないし、それどころか、以前からホールブライズに恋焦がれている自分の娘の願いを叶えてやりたいなんて思ってるんです。全ての人間が幸せに暮らしているこの国で、王の娘だけが幸せではないというのもすごく変だし、他の住人たちが人間らしい感情をすっかり失ってるのも気持ち悪い。幸せに暮らす=人間らしさを失う、ではないはずなのに、みんなで幸せに暮らすために余計な感情を排除させられてしまったみたい。そして唯一まともなために誰からも助けが得られないホールブライズは、ホスティッジを探し続けるために、この理想郷を自力で脱出しなくちゃいけなくなります。
主人公が海を渡って異界へ、というこういった物語の形式に則って書かれているのは分かるのだけど、形式的にもどこか詰めが甘いような気がするし、物語としてもどこか中途半端。以前読んだ「世界のはての泉」の方が形式的にも物語的にもずっと美しかった気がするんですけど... と言いつつ、これはこれで私はすごく好きなんですけどね。ウォルター・クレインによる挿絵がても美しい1冊です。(晶文社)


+既読のウィリアム・モリス作品の感想+
「世界のはての泉」上下 ウィリアム・モリス
「理想の書物」ウィリアム・モリス
「輝く平原の物語」ウィリアム・モリス
「ジョン・ボールの夢」ウィリアム・モリス
「ユートピアだより」ウィリアム・モリス
「不思議なみずうみの島々」上下 ウィリアム・モリス
「世界のかなたの森」ウィリアム・モリス
「サンダリング・フラッド」ウィリアム・モリス
「アイスランドへの旅」ウィリアム・モリス

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「自負と偏見」や「エマ」などの作品群で、一貫して18世紀の上中流(アッパーミドルクラス)の人々を描き続けたジェイン・オースティン。そんなジェイン・オースティンが親しかった姉・キャサンドラなどに送った書簡集。

この本を読むと、ジェイン・オースティンって筆まめだったんだなあと思っちゃうんですけど、これでもかなりの数が失われてしまっているのだそう。姉のキャサンドラは晩年ジェインの手紙を読み返して、人の目に触れて欲しくない手紙を燃やし(姪のキャロラインの回想では「その大部分を燃やし」と表現されているとのこと)、残したものでも不適当と感じた箇所は切り取ってしまったのだそうです。なんてこと! でもその頃はイギリスもヴィクトリア朝に入っていて、すっかりお堅い雰囲気になっていたでしょうしね。ジェインの若い頃(ジョージ3世時代)の自由闊達な雰囲気は既にあまりなかったでしょうし... まあ、気持ちは分からないでもないです。読めないのは残念ですが、残っている手紙だけでも当時の中流階級の人々の日々の暮らしが分かって楽しいんだから良しとしなくては。ちなみに当時の手紙は今の電話のような感覚とありましたが... むしろメール感覚ですかね?

そして一読しての印象は、意外と辛辣なことを書いているということ。特に「綺麗で軽薄な蝶々?」と題された20代の手紙を集めた第1章での

シャーボーンのホール夫人は、予定日の数週間前に死産してしまいました。何かショックを受けたからだということです。うっかり夫の姿を見てしまったのでしょう。

このくだりにビックリ。ひえー、凄いこと言いますね。ここまでキツいブラックユーモアは他の手紙には見当たらなかったので、キャサンドラが燃やしたり切り取ったりした手紙には、こういった類のことが多かったのかも。こういうことを書く人だったのかあ。
作品の中では一貫して「品」にこだわり続けたジェイン・オースティンですが、作中でほとんど全部の登場人物たちの欠点をさらけ出しているように、手紙でも辛辣な人物観察は留まるところを知らなかったようです。そして、ジェイン・オースティンの素顔は、どうやら「マンスフィールド・パーク」のファニーのような、あるいは「分別と多感」の姉のエリナーのようなタイプではなくて、恋をした時はむしろエリナーの妹のマリアンタイプ。「エマ」の主人公・エマような早とちりも多かったんじゃないかしらと思うんですが、一番近いのは、やっぱり「自負と偏見」のエリザベス? この本の前に読んだのが「マンスフィールド・パーク」だったので、どうもそのイメージが強いんですけど、やっぱりあんな地味なタイプではないですよね。(笑) 完全無欠ではないからこその茶目っ気が可愛らしいです。(岩波文庫)


+既読のジェイン・オースティン作品の感想+
「自負と偏見」オースチン
「エマ」上下 ジェイン・オースティン
「分別と多感」ジェイン・オースティン
「マンスフィールド・パーク」ジェイン・オースティン
「ジェイン・オースティンの手紙」ジェイン・オースティン
「説きふせられて」ジェーン・オースティン
「ノーサンガー・アベイ」ジェーン・オースティン

+既読のジェイン・オースティン関連作品の感想+
「ジェイン・オースティンの読書会」カレン・ジョイ・ファウラー

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マライア・ウォードは、その美貌でマンスフィールド・パークのサー・トーマス・バートラムの心を掴んで結婚、準男爵夫人となります。しかしその姉と妹はマライアに劣らぬ美人だったにも関わらず、結婚にはそれほど恵まれず、姉はほとんど財産のないノリス牧師と結婚、妹に到っては教育も財産もない海兵隊の一大尉と結婚して子供が増えるばかりの貧乏生活を送ることに。そして妹に9番目の子供が生まれた時、生活が立ち行かなくなっていた妹一家のために、その時9歳になっていた長女のファニーをサー・トーマスが引き取って育てることになります。

訳者あとがきにもある通り、「自負と偏見」や「エマ」に比べるとすごく生真面目な作品。生真面目というよりも地味といった方が相応しいかもしれません。それはやっぱり主人公のファニーが内気で臆病で、あまり華がないからなんでしょうね。ファニーの良き理解者となる従兄のエドマンドも堅実な性格だし。...あまりにそつがない2人なので、2人が仲良くなるクロフォード兄妹の方が、欠点だらけでも人間的に感じられる人が多いのでは? むしろノリス夫人の徹底した意地悪ぶりの方がリアリティがあるかも? そんな私が一番気に入ったのは、厳格ながらも愛情深いサー・トーマスでした。でも周囲に全然注目されずに、言わば格下扱いされ続けて育ったことが、ファニーの物事を公平に客観的に見る目を育てていきます。彼女が嫌いな男から求婚され、周囲の誰1人としてそれが幸せな結婚と信じて疑わないところなんかは、もっとはっきり言わないと周囲のためにもならないのに!と歯がゆかったんですが、孤立しながらも、恩知らずと思われることを恐れながらも、意思を通そうとする彼女はとても健気。後にファニーのその意思が正しかったことが判明する場面なんかは、溜飲が下がります。
ただ、翻訳がちょっと固めかな... 「エマ」や「分別と多感」の中野康司さんの訳がとても読みやすかったので、ちょっと古く感じられてしまいました。流れに乗ってきたらそれも気にならなくなって、面白く読めたんですけどね。それとこの本を読むまで知らなかったんですが、たとえばサー・トーマスの長男は「ミスター・バートラム」、長女は「ミス・バートラム」と苗字で呼ばれて、次男のエドマンドは「ミスター・エドマンド・バートラム」、次女のジュリアは「ミス・ジュリア・バートラム」と苗字+名前で呼ばれるという慣習があったんですねー。その辺りを全然知らなかったので、ちょっと混乱してしまいました。この辺り、もう少し親切な説明があっても良かったのでは?(中公文庫)


+既読のジェイン・オースティン作品の感想+
「自負と偏見」オースチン
「エマ」上下 ジェイン・オースティン
「分別と多感」ジェイン・オースティン
「マンスフィールド・パーク」ジェイン・オースティン
「ジェイン・オースティンの手紙」ジェイン・オースティン
「説きふせられて」ジェーン・オースティン
「ノーサンガー・アベイ」ジェーン・オースティン

+既読のジェイン・オースティン関連作品の感想+
「ジェイン・オースティンの読書会」カレン・ジョイ・ファウラー

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サセックス州の旧家で大地主のダッシュウッド家の当主は、生涯独身を通すものの、晩年には甥のヘンリー・ダッシュウッド夫婦とその3人の娘たちを呼び寄せて同居し、幸せに過ごします。しかし亡くなる時、ヘンリーたちに全財産を譲るのではなく、一旦ヘンリーに全てを譲るものの、ヘンリーの死後はヘンリーの先妻の息子であるジョン・ダッシュウッドとその4歳の息子・ハリーがその財産を受け継ぐように遺言していたのです。そしてその1年後。ヘンリーが亡くなると、ジョン・ダッシュウッドの妻・ファニーが何の予告もなしに子供と召使を引き連れて屋敷に乗り込んできて、ダッシュウッド夫人と3人の娘はたちまちのうちに居候の立場となってしまいます。

ジェイン・オースティンの初の長編作品。この作品の題名の「分別」はダッシュウッド夫人の長女・エリナーのことで、「多感」は次女・マリアンのこと。ぱっとしないながらも誠実で頭の良い青年・エドワードに恋をする理性的なエリナーと、母娘が屋敷から引っ越した先で出会った情熱的で気品のある美男子・ウィロビーに恋をする情熱的なマリアンの物語です。
エリナーとマリアン姉妹の恋は、始まった当初はどちらも上手くいきそうに思えるんですけど、それで本当に上手くいってしまったら話は終わってしまうわけで(笑)、実際には紆余曲折。邪魔をしようとする人もいるし、それ以上に勝手な憶測で話を進めたり広めたりしようとする人が多くて大変! これじゃあ、上手くいくものも上手くいくはずありません。周りから固めるという手ももちろんありますけど、エリナーとマリアンにとっては大きなお世話。周囲の人に迂闊に触れて欲しくない微妙な時期というのもありますしね。
読んでいて一番思ったのは、よくこれだけ欠点だらけの登場人物を集めたなーということ。恋にのぼせ上がったマリアンは正直見苦しいし、エリナーが惹かれるエドワードはほんとぱっとしないし... ウィロビーも単なるお調子者。マリアンに惹かれるブランドン大佐はせっかく落ち着いた人物のように描かれているのに、華やかな美人であるマリアンに惹かれていること自体、どうなんですかー。他にも下世話だったり、上品ぶってるだけだったり、相手に無関心だったり、退屈だったり、自己中心的だったり、やけにケチだったり、みんなそれぞれに相当辛辣な描き方をされています。そんな中で1人常に冷静なエリナーは、欠点がないというよりも、逆に人間味を感じられない存在だったり...。でもそういった18世紀の人々が実は現代と何も変わりない、というのがまた楽しいんですよねえ。面白かったです。(ちくま文庫)


+既読のジェイン・オースティン作品の感想+
「自負と偏見」オースチン
「エマ」上下 ジェイン・オースティン
「分別と多感」ジェイン・オースティン
「マンスフィールド・パーク」ジェイン・オースティン
「ジェイン・オースティンの手紙」ジェイン・オースティン
「説きふせられて」ジェーン・オースティン
「ノーサンガー・アベイ」ジェーン・オースティン

+既読のジェイン・オースティン関連作品の感想+
「ジェイン・オースティンの読書会」カレン・ジョイ・ファウラー

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南アルプスの小さな山村にある火村家から「御守り様」の調査依頼があり、内藤三國と佐竹由美子は早速火村家へ。しかし正式な調査依頼だったにも関わらず、調査に関する当主とその家族の意見は真っ二つに割れており、しかもその晩、その人形が土蔵から消えうせて... という「憑代忌(よりしろき)」他、全4編。

蓮丈那智フィールドファイルのシリーズ第3弾。
相変わらず、民俗学的な謎と現実での事件の連携がお見事。シリーズも3作目ともなると、新たなネタを見つけるのが大変なんじゃないかと考えてしまうんですけど、相変わらずレベルの高い作品群。さすがですね。しかも長編でも書けそうな話を短編で発表し続けてるわけで...。基本的には、相変わらず三國が那智に振り回されるというパターンなんですが、前作で初登場した佐竹由美子もすっかりこのシリーズに馴染んでいるようだし、狐目の教務課主任もどうやらレギュラー入りしそうな活躍ぶり。この狐目の主任、いいですねえ。今後の活躍がとても楽しみ♪
表題作では、冬狐堂こと宇佐見陶子も登場。初めてこのシリーズを読んだ時は、那智がどうしても生身の人間に思えなかったこともあって(笑)、冬狐堂シリーズの方が人間味があって好きだったんですが、あちらはあまりに闇が深すぎて、最近は読んでるとちょっとツラいものが...。こっちのシリーズの方が読んでいて楽しいかも。(新潮文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「凶笑面」「触身仏」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「写楽・考」北森鴻

+既読の北森鴻作品の感想+
「共犯マジック」北森鴻
「蜻蛉始末」北森鴻
「親不孝通りディテクティブ」北森鴻
「螢坂」北森鴻
「瑠璃の契り」北森鴻
「暁の密使」北森鴻
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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両親が病で死に弟も恋人も去って以来、人と関わるのをやめ、北方の小さな村でひたすら植物相手に生きていた青年・ブレンダンの元を訪れたのは、不思議な女巨人・オド。オドはブレンダンに、王都・ケリオールにあるオドの学校で庭師として働いて欲しいと申し出ます。この魔法学校は、400年前国の危機を救って英雄となったオド自身によって作られた学校。魔法に使う植物を育てる庭師が1人やめてしまい、ブレンダンのような人間を必要としているというのです。魔法のことなど何ひとつ知らないブレンダン。しかしオドの申し出を受け、夏の終わりになると、収穫した種や珍しい植物などを詰めた荷物を持って魔法学校を訪れることに。

この題名を最初知った時はてっきり学園物なのかと思って、でもまさかパトリシア・A・マキリップが普通の学園物を書くなんて!?と戸惑ったんですが、やっぱりハリー・ポッターみたいな作品とは全然違いました。魔法学校は、たまたま舞台に選ばれたというだけ。...ほっ。なんて心臓に悪い題名なんだ。
ここにあるのは、パトリシア・A・マキリップ独特の静かで幻想的な雰囲気と、魔法に満ちた空気。その中で、この世界に太古の昔から存在する魔法の本質を捉えようとする物語、かな。(マキリップは、こういうのが多いですね)
オドが作った魔法学校は、その後徐々に雰囲気が変わってしまい、今は魔法使いの力を恐れる王によって厳しく管理されている状態。生徒たちは認められている魔法だけを学び、王の顧問官が先頭に立って、管理外の魔法に厳しく目を光らせています。そんな中に現れたブレンダンの無自覚ながらも生まれながらに持つ底知れぬ力が、魔法使いたちを混乱させることになります。さらに、その頃丁度現れた魔術師一座の操る幻影が果たして本当に魔法なのか、それとも手品なのかなんていう問題もあって。
話そのものはちょっと練りこみ不足なんじゃないかなあなんて思ったし、オドのことや魔法学校、そしてブレンダンのことをもっと掘り下げて欲しかったんですけど、多彩な登場人物がそれぞれに個性的で良かったし、それより何より、行間から立ち上ってくるようなマキリップならではの幻想的な雰囲気はさすが! やっぱりマキリップは大好き~。もっと色々と読みたい~。...とはいえ、この作品はマキリップの本領発揮というわけではないと思うので... 初めて読む人にはやっぱり「妖女サイベルの呼び声」「影のオンブリア」がオススメですね。(創元推理文庫)


+既読のパトリシア・A・マキリップ作品の感想+
留守中に読んだ本(18冊)(「妖女サイベルの呼び声」「影のオンブリア」の感想)
「星を帯びし者」「海と炎の娘」「風の竪琴弾き」パトリシア.A.マキリップ
「ムーンフラッシュ」「ムーンドリーム」パトリシア・A・マキリップ
「オドの魔法学校」パトリシア・A・マキリップ
「ホアズブレスの龍追い人」パトリシア・A・マキリップ
「チェンジリング・シー」パトリシア・A・マキリップ
「茨文字の魔法」パトリシア・A・マキリップ

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