Catégories:“小説以外”

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吉野朔実さんが「本の雑誌」に連載しているエッセイ漫画「吉野朔実劇場」の4冊目。これだけが市内の図書館の蔵書になくて読めなかったんですが、ようやく読めましたー。
これで既刊5冊全部読んだわけですが、今まで京都の話なんて出てましたっけ? 吉野朔実さんがそんなに京都がお好きとは知りませんでしたよぅ。東京から約2時間半、お一人でもお友達とでも気軽に行くし、もう何度行ったか分からないぐらいなんだとか。...でね、ここで吉野朔実さんは桂離宮に行くんです。本当は3ヶ月前から申し込まなくちゃいけないのに裏技で。いや、その裏技はどうでもいいんですけど! 私も今度桂離宮に行くんですよぅ、来月!紅葉の時期を狙って!(7月には修学院離宮に行きました... 来年は苔寺? 笑)
うわあ、なんていいタイミング。おかげで「京都マニア」の章を食い入るように読んでしまったじゃないですかー。えっ、「なかひがし」というお店は3ヶ月前から予約が必要って! 古伊万里好き好き♪ お店、行ってみたーい。桂離宮の近くにある和菓子のお店でお昼ご飯を食べたって、それは普通のお昼ご飯のメニューなんですか?! うぉー気になるぞーー。
そして、ここに紹介されてる京都の本は、全部読みます!読みますとも! と珍しくやる気を見せる私なのでありました。(笑)

えっと、今回ももちろん面白かったです。いつもよりも紹介本既読率が微妙に高かったかな? 「月下の一群」が無性に読みたくなっちゃった。田口俊樹氏がさりげに登場してるところに「きゃーっ」。そして今回は春日武彦さん、西田薫さん、山本充さんとの対談だったんですが、ニヤリとしてしまったのは、山本氏の

電車の中で何がいちばん読まれてるかはわかりませんが、僕の場合、おっ文学っぽいと思って覗くと村上春樹ということが多いですね。で、「やれやれ」と思う。(笑)

という言葉。で、本好きな人も村上春樹作品は読むけど、電車の中ではまず読まないとして、春日氏の言った理由が

恥じらってね。村上春樹を読むのが恥ずかしいんじゃなくて、それを覗いて「あ、村上春樹だ」ってわかるようなやつにいろいろ思われちゃうのが嫌なんだよ。

ってところに、さらにニマニマ。(笑)
あ、「ジャイアンツ・ハウス」の司書さんは、私は「すごくヤセてる」方に一票です♪(本の雑誌社)


+シリーズ既刊の感想+
「お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き」「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」吉野朔実
「弟の家には本棚がない」「本を読む兄、読まぬ兄」吉野朔実
「犬は本よりも電信柱が好き」吉野朔実

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漫画家の吉野朔実さんが「本の雑誌」に連載している「吉野朔実劇場」の3冊目と5冊目。1・2冊目が以前角川文庫になったので、3冊目以降もそれを買おうと思って待ってたのに、全然文庫にならないので図書館で借りてきてしまいましたー。しかし図書館の蔵書には4冊目の「犬は本よりも電信柱が好き」だけがないんです... なぜ?

今回で面白かったのは、「弟の家には本棚がない」の「『酸素男爵』を知りませんか」という章!
本を買うのに、絶対書店で手に取って買う派もいるでしょうし、オンライン書店を利用する派もいると思います。私の場合は、書店で背表紙を眺めながら本を探すのも好きなんですけど、何といっても本は重いですしね。改めて実物を確かめなくても買うと決まってる本はオンラインで注文してます。吉野朔実さんも、オンラインで注文が多いみたい。でも、その時点での遊び心が、私とは全然ちがーう。私の場合、本来の目的とは関係ない本ってあんまり買わないんです。せいぜい、同じ作者の別の本とか関連本を併せて買うぐらい。その点、吉野朔実さんは! たとえば、とあるオンライン書店で「男爵」を検索してみて、69件ヒットしたとします。そしたら続けて「公爵」「侯爵」「子爵」「伯爵」なんかもやってみて、男爵のヒット件数の方が多いことから、「どうも『男爵』が一番変わり者が多いらしい」と考えて、その手の面白そうな本を見つけては注文しちゃう。これは、検索ができるオンライン書店ならではですねー。そういう使い方って全然思いつきませんでした。面白いなあ。で、「酸素伯爵」が在庫切れで届かなくてがっかりした吉野朔実さんは、そのストーリーを色々想像しては叫ぶのです。

「読みたいーっ 読んでがっかりしたいー!!」

手に取った本が実は全然面白くなくて大失敗、というのは、本の選ぶ側の責任もあると思うんですけど(その本が自分の好みかどうか、なんとなく匂いで分かりますよね?)、「がっかりしたいー!!」というのが、またいいんですよねえ。そういう楽しみ方もあるのかあ。と、目からウロコ。ついでに、「穴堀り男爵」をベースに、「木のぼり男爵」「まっぷたつの子爵」「不在の騎士」「ほらふき男爵の冒険」を混ぜこんだ漫画も、面白かったです。自分が5冊とも読んでるのが、妙に嬉しかったり♪

「本を読む兄、読まぬ兄」も面白かったです。でもだんだん本の内容よりもエッセイ(漫画ですが)の方がメインになってるような...。エッセイの中には登場しないのに、その内容から連想したような本を冒頭で紹介、というのが半分ぐらいあるんですよね。エッセイだけでも面白いからいいんだけど、やっぱりこのシリーズは純粋に本にまつわるアレコレを読みたいなあ、というのが正直なところかな。(本の雑誌社)


+シリーズ既刊の感想+
「お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き」「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」吉野朔実
「弟の家には本棚がない」「本を読む兄、読まぬ兄」吉野朔実
「犬は本よりも電信柱が好き」吉野朔実

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「あの頃ぼくらはアホでした」「ちゃれんじ?」「さいえんす?」「夢はトリノをかけめぐる」に続く、5冊目のエッセイ集。「年譜」「自作解説」「映画化など」「思い出」「好きなもの」「スポーツ」「作家の日々」という7章。

これまでのエッセイ集で触れられていて知ってた部分もちょこちょこあったんですけど、生まれてからの年譜から始まっていることもあり、今までのエッセイの総まとめといった感がありました。「あの頃ぼくらはアホでした」の学生時代、5年間のサラリーマン生活、そして作家への転身。なかなか売れずに苦しむものの、いつの間にか作品に次々と映画化の話が舞い込むような作家への変身。東野圭吾作家史といったところですね。東野さんの作品はほとんど読んでるので、自作の解説もすごく興味深かったです。
でもこれは、東野圭吾さんにとっておそらく最後のエッセイ集になるのだとか。「たぶん最後の御挨拶」というのは、やっぱりそういう意味だったんですねえ。作家になった当初はエッセイを書くのを当然だと思い、プロの作家になったという実感もあって喜んでエッセイの仕事を引き受けていたという東野圭吾さんですが、実はずっと違和感を感じていたのだそう。デビューとなった江戸川乱歩賞はエッセイを書く能力とは無関係。実際エッセイを書くのは苦手。もうエッセイは書かないという決断は、「身体が軽くなったような気さえ」することだったんだそうです。苦手とは言っても、私は東野圭吾さんのエッセイは十分面白いと思うし、楽しみにしているファンも多いと思うんですけど、確かに「訴えたいことは小説で」という考えも分かりますしね。「そんな時間があるなら、小説を書け」という言葉に反論できないというのも、読者としてすごくありがたい姿勢なわけで。や、もちろん、「たぶん最後」というのは「絶対に最後」という意味ではないんですけど... それは東野さんにとっては、「ちゃれんじ?」や「さいえんす?」の「?」と同じようなものなんでしょう。
そしてこの表紙! もしかして東野さんの猫のぷん(夢吉)ですか!? すごーい。東野さんご自身による猫のイラストも可愛いです~。(文藝春秋)


+既読の東野圭吾作品の感想+
「ちゃれんじ?」東野圭吾
「さまよう刃」東野圭吾
「黒笑小説」東野圭吾
「容疑者Xの献身」東野圭吾
「さいえんす?」東野圭吾
「夢はトリノをかけめぐる」東野圭吾
「赤い指」東野圭吾
「たぶん最後の御挨拶」東野圭吾
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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「ぐりとぐら」「ちいさいおうち」「ハイジ」「赤毛のアン」「若草物語」「おだんごぱん」「ちびくろ・さんぼ」など、22の童話や児童書の中に登場する食事の風景を再現した本。レシピ付。

先日図書館で書架整理をしてる時にふと目についた本。童話って、たとえばどんな童話?と思って開いてみると、開いたそのページに「ぐりとぐら」のカステラの写真が載ってるじゃないですか!
うわあ、あのカステラ、どうやって作ったのか、ずっと気になってたんですよぅ。大人になってからは、きっとちょっと甘めの玉子焼きだろうなと思ってたんですが、小麦粉も混ぜてますしね。(卵を拾ったぐりとぐらが材料として持参したのは、小麦粉、バター、牛乳、砂糖) そもそも、あれは何の卵? というところから、頭の中はいつもはてなマークでいっぱい。卵は1個しかないのに、あんなに沢山の動物に分けられるほどのカステラが作れちゃうし、しかも殻の中に野ねずみのぐりとぐらが2匹とも余裕で入れちゃうんですからねえ。ニワトリの卵じゃ絶対小さすぎるし。もっと大きな卵を生みそうといえば... やっぱりダチョウ?(笑)
ということで、それ以来私の中では、あれはダチョウの卵ということになってるんですが... いや、なぜダチョウの卵が森の中に落ちていたかについては、更に謎が増えちゃうんだけど。それ以前に、あの森の中でカステラを食べてるメンバーからしてあり得ないんだけど。(笑)

で、家に持って帰って、ワクワクしながら読み始めたんですが...
ちなみに、巻末についてるレシピによると、材料はぐりとぐらが持参したものとほぼ一緒。(卵は3つだけど)

1.フライパンに油を塗っておく
2.ボールに卵を割りほぐし、泡だて器で泡立てる。ある程度泡立ったら、砂糖を加え更に泡立てる
3.十分泡立ったら、牛乳を加え更に泡立てる
4.ふるった粉を加え、さっくりと混ぜ、粉が見えなくなったら、溶かしバターを加えて切るように混ぜ、フライパンに流し、表面に霧を吹きかけ...

ここまでは良かったんですが、次の1行で目をむきました。

150度のオーブンで50分ほど焼く

なんですとー!?!
ぐりとぐらのカステラは、焚き火で焼いてるんですよ! それを何ですか、オーブン?
フライパンに入れたのは、雰囲気を出すためだけだったんですか? ナニソレ!!(きーっっ)


読了本に入れるのはやめようかと思ったんですが、やっぱりネタになるのでアップします。(爆)(北方新社)

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岸本佐知子さんの幼い頃、何でも話せる無二の親友だったのは大ニグ、中ニグ、小ニグ。いつの頃からニグになったのかは定かではないけれど、気がついた時にニグはニグになっていました。何でも教えてくれて、何でも聞いてくれたニグ。そのニグによく似たニグに、岸本さんは半年ほど前に出会って... という「ニグのこと」他、雑誌「ちくま」に掲載された全48の文章を集めた本。「気になる部分」に続くエッセイ第2弾。

「気になる部分」(感想) も面白かったんですけど、こちらも面白かったです~。大笑いするというより、始終ニヤリとさせられてる感じ。ほんとこの方の思考回路ってどうなってるんでしょう... それはさすがにネタだろう!と突っ込みたくなる部分もあるんですけど、岸本佐知子さんのことだからやっぱり素なのかもしれない... なんて思ったり。岸本さんの文章には妙に地に足の着いた危なさがあるので、本当のような気がしてくるんですよね。コアラの鼻がはめこみ式だというのも、思わず笑ってしまうけど説得力があるし、漢字が妙なものに見えてくるのは、私自身も時々... でもこの方が生きているのは、本当にこの同じ世界なのでしょうかー。まさかパラレルワールドなんてことは? 息をするように自然に、ふっと別世界に入り込んじゃうんですね。でもこうやって文章を読んでるから面白がってられるけど、妄想の世界に入り込んだ岸本さんと実際に接してる人はどうなんだろう?(笑)
町で出会った人や出来事に妄想が膨らむのも、翻訳の仕事をしながら、思考がどんどん別の方に飛んでいってしまうのも日常茶飯事。この方、実は小説家にも向いているのでは...。「"訳が分からないこと"として片づけられてしまった無数の名もない供述、それを集めた本があったら読んでみたいと思うのはいけない欲望だろうか。そこには純度百パーセントの、それゆえに底無しにヤバい、本物の文学があるような気がする。」という文章が146ページにあるんですが、岸本さんの文章こそ、それのような気がするわ!
イラストが素敵だなあ、そういえば本そのものも素敵だなあと思ったら、装幀とイラストはクラフト・エヴィング商會でした。おお、やっぱり♪(筑摩書房)

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紀元前100年、ローマの貴族の家に誕生したユリウス・カエサル。ローマ史上最大の英雄・カエサルはどのような時代に生まれて、どのような育ち方をしたのか。どのように世に出たのか。前半はカエサルの誕生から若い頃のエピソードを、後半は2000年経っても未だに世界中で読まれている「ガリア戦記」を中心に、有名な「賽は投げられた」のルビコン川までの、カエサルの前半生の姿を描き出します。

先に読んだ「ローマ人の物語 危機と克服」でも何度も名前が登場していて、塩野七生さんのカエサル好きが伺えるなあと思っていたのですが、やっぱりカエサルの部分には力が入っていますね! 「ガリア戦記」を読む前に、と思って読んだんですが、いやあ、面白かったです。
何が面白かったかといえば、肝心の「ガリア戦記」以前。(あらら) 後に圧倒的な天才ぶりを見せ付けるカエサルですが、実は若い頃のカエサルは借金王のプレイボーイだったんだそうで! お洒落には人一倍気を使うダンディぶりで、これぞと思う女性には贈り物攻撃。でも女性関係が派手な割に、相手の女性に恨まれることが全然なかったのだとか。(ここで塩野七生さんの洞察が鋭いです!) お洒落にお金を使い、女性には高価な贈り物、しかも私費で公共事業なんかもやっちゃうんですから、借金は莫大な額になってます。でもその借金をほとんど気にしなかったというのが、やっぱり大物なんですね。自分の資産を増やそうとするわけではなかったというのもポイントなんでしょう。そして借金が莫大な額になると、債権者と債務者の立場は逆転してしまうんですね。知らなかった。(笑)

そんなカエサルが本格的に芽を出し始めたのは、クラッススとポンペイウスと始めた三頭政治とガリアへの遠征。
ガリアとはギリシャ語で「ケルト」のことなんですよね。(それもあって「ガリア戦記」を読もうと思ったわけです) 位置的には現在のフランスとその周辺で、途中2度ブリタニア(現イギリス)にも上陸しています。ウィンストン・チャーチル曰く、このカエサルの上陸をもって英国の歴史が始まったのだとか。(その発言って英国人としてどうよ? と思ってしまいますが) このガリア戦記の部分から見えてくるのは、カエサルの戦略や決断の確かさ、そして度量の広さ。「お前達の命よりも私の栄光が重くなったら指揮官として失格なのだ」なんて発言もあって、部下の心の掴みもばっちり。やっぱりプレイボーイとして遊んで人生経験を積んでいたからこそでしょうかー。(笑) 時には同盟していたはずのガリア人に裏切られることもあれば、味方の兵士たちが浮き足立ってしまうこともあるんですけど、その戦略家としての手腕は確かですね。勝った後の敵の扱い方とかも、見てるとやっぱりすごいなって思っちゃう。

で、「ローマ人の物語」の後に「ガリア戦記」も読みました。やっぱり「ローマ人の物語」を先に読んでおいて良かった、というのが正直なところ。ガリア人の部族名の訳などが微妙に違うので、その辺りは分かりづらかったんですけど、その時ローマでは何が起きていたか、なんてことは「ガリア戦記」だけでは分からないですしね。塩野七生さんが作り上げたカエサルの造形もあいまって、単体で読むよりもかなり理解できたのではないかと。(新潮文庫・岩波文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「ローマ人の物語 ローマは一日にして成らず」1・2 塩野七生
「ローマ人の物語 ハンニバル戦記」3~5 塩野七生
「ローマ人の物語 勝者の混迷」6・7 塩野七生
「ローマ人の物語」8~10 塩野七生 「ガリア戦記」カエサル
「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前」8~10 塩野七生(再読)
「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以降」11~13 塩野七生
「ローマ人の物語 パクス・ロマーナ」14~16 塩野七生
「ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち」17~20 塩野七生
「ローマ人の物語 危機と克服」21~23 塩野七生
「ローマ人の物語 賢帝の世紀」24~26 塩野七生
「ローマ人の物語 すべての道はローマに通ず」塩野七生

+既読の塩野七生作品の感想+
「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」塩野七生
「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」塩野七生

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19世紀のイギリスを代表する装飾芸術家・ウィリアム・モリスにとって最も重要な芸術は「美しい家」であり、次は「美しい書物」。中世の美しい写本を愛したモリスはヴィクトリア朝の本粗悪さを嫌い、晩年、私家版印刷所ケルムスコット・プレスを設立します。そこでは良質の紙やインク、行間や語間、余白、挿絵と調和する活字作りに拘った、モリスの理想の書物作りが追求され、自著やチョーサー作品集など53点の書物が刊行されることに。この本はそんなモリスのエッセイや講演記録、インタビュー記事などを1冊に集めたものです。

実際にケルムスコット・プレスでの本造りが行われていた期間に書かれたり語られたりしたものだけあって、ここに収められたモリスの書物芸術論はとても具体的。そして、美しい本を作るのも醜い本を作るのも手間と費用の面から言えばほとんど同じなんだから、それなら美しい本を作りたいというモリスの考え方はとても印象的。...でもね、粗悪本と手間と費用がそれほど変わらないとは言っても、良質の紙やインクを使用する以上、それなりの代金がかかりますよね。字間や行間が広い方が読みやすいと信じていた頑固一徹な植字工たちに自分の考えを浸透させるのも、きっと相当大変だったはず。...苦労した甲斐あって、ケルムスコット・プレスの本は本当に素晴らしいし、書物史の中で重要な役割を果たしてると思いますが!

そしてこの中に付録として「ウィリアム・モリスの愛読書」というのもあって、「良書百選」というアンケートに対する回答が収録されていました。モリスが中世の騎士道ロマンスが好きだったというのは知ってたんですけど、ここまで好きな作品が重なるとは! いえ、もちろんモリスの方が遥かに幅広く読んでますけど、モリスにとってバイブル的存在だという本は私もかなりの確率で読んでて、しかも好きな作品ばかり! バイブル的存在の中で全然読んだことがないというのは、ヘロドトスと「ヘイムスクリングラ」の2つだけですね。ヘロドトスは丁度読みたいなと思ってたところだし、ヘイムスクリングラも日本語訳さえあれば...です。これは、モリスのリストから未読本を選んで読めば、かなりの確率で私好みだということだなあ。(にやり)
折りたたみのところにブックリストを載せておきますので、興味のある方は「Lire la suite」をクリックして下さい。ここのブログに感想があるものに関しては、右側に作品名を書いてリンクしておきます。...それにしても「ヘブライ聖書」(旧約聖書のこと)がバイブル的存在って... あまりにそのまんまだわ!(笑)

ケルムスコット・プレスから刊行された53冊は、福岡大学のサイトでもリストと一部画像が見れます→コチラ。モリス自身の作品と、あとはモリス好みの作品って感じですね。1冊でいいから、こういう本を自分の物にしてみたいー。(一番欲しいのは中世の写本だけど)(ちくま学芸文庫)


+既読のウィリアム・モリス作品の感想+
「世界のはての泉」上下 ウィリアム・モリス
「理想の書物」ウィリアム・モリス
「輝く平原の物語」ウィリアム・モリス
「ジョン・ボールの夢」ウィリアム・モリス
「ユートピアだより」ウィリアム・モリス
「不思議なみずうみの島々」上下 ウィリアム・モリス
「世界のかなたの森」ウィリアム・モリス
「サンダリング・フラッド」ウィリアム・モリス

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