Catégories:“ファンタジー”

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叔母の死によって久美が引き取ることになったのは、家宝だというぬか床。これは元々は長女だった久美の母が世話していたもので、久美の両親が亡くなった時に叔母が引き取っていたのです。叔母のマンションに引っ越し、ぬか床の世話を始めた久美ですが、1週間ほどするとぬか床の中に卵のようなものができ、そのうちにそこから不思議な少年が生まれて...。

前作「ぐるりのこと」に書かれていた「境界線」に関する話を、物語にするとこうなるのだなというのが良く分かる作品。ぬか床みたいな所帯じみたモチーフからでも、こんな風にファンタジックな話が出来るんだというのがびっくりでした。しかもそこからどんどん発展して、話はすっかり壮大なスケールへと。...読み心地は良かったし、最後まで引き込まれて読んだんですけど、私としては、最初の路線のままでいって欲しかったなあというのが正直な感想。梨木さんとしては、ラストのあの展開こそが、描きたかった物語なんでしょうけれど。
あと、「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」というのが3回間に挟まれてるんですが、これはどう読めば良かったのでしょう。これはまるで異世界ファンタジー。久美の一族のルーツに深く関わっているのだろうということは分かるんですけど、一読しただけでは、今一つ明確に掴みきれなかったです。(新潮社)


+既読の梨木香歩作品の感想+
留守中に読んだ本(18冊)(「ぐるりのこと」の感想)
「沼地のある森を抜けて」梨木香歩
「水辺にて」梨木香歩
「ミケルの庭」「この庭に 黒いミンクの話」梨木香歩
Livreに、これ以前の全作品の感想があります。

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彩雲国物語8冊目。いやー、今回も色々ありました。前巻同様、読み終わった途端、また最初から読み直してしまったわ。
このシリーズは順番に読まないと意味がないし、ここであらすじを書いても仕方ないので割愛しますが... 「華娜」って、やっぱり「華佗」から来てるのね~(ニヤリ)とか、いつの間にかあんな交渉術を身につけちゃって秀麗すごいじゃんとか、王様も辛いところよね~とか、そういうのもあったんですが、今回の私的ポイントは以下3点。

 ・世界の中心で愛を叫びながらも、なかなか伝わらない紅黎深、やっぱりイイ!(笑)
 ・80歳を超えて未だ現役官吏として敏腕をふるい続けている黒州州牧・櫂瑜さま、素敵~。(はぁと)
 ・やっぱり影月には、なんとしてでも幸せになってもらいたい~。(切実)

さて、影月編は次で完結とのこと。...ということは、影月編以外は完結じゃないってことですか?でも表紙の「トリ」ってあるんですけど... 少なくとも、紅、黄、紫、茶、黒、白、藍ときて、次で8色が全て揃っちゃうんですよね。でもあと1冊じゃあ、到底全ての収拾をつけることは不可能かと思われ... とりあえず1部完ってとこでしょうか。(ドキドキ) 
何はともあれ、次巻も楽しみ! ああ、ほんとに大好きです、このシリーズ。(角川ビーンズ文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「彩雲国物語 はじまりの風は紅く」「彩雲国物語 黄金の約束」雪野紗衣
「彩雲国物語 花は紫宮に咲く」雪乃紗衣
「彩雲国物語 想いは遙かなる茶都へ」雪乃紗衣
「彩雲国物語 漆黒の月の宴」雪乃紗衣
「彩雲国物語 朱にまじわれば紅」雪乃紗衣
「彩雲国物語 欠けゆく白銀の砂時計」雪乃紗衣
「彩雲国物語 心は藍よりも深く」雪乃彩衣
「彩雲国物語 光降る碧の大地」雪乃紗衣
「彩雲国物語 藍より出でて青」雪乃紗衣
「彩雲国物語 紅梅は夜に香る」雪乃紗衣

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「結構元気に病人をやっている」(笑)若だんなのシリーズ第4弾。やっぱり畠中さんはこのシリーズが一番好き! そりゃ4作目ですから「しゃばけ」や「ぬしさまへ」の頃の新鮮味は薄れてしまってるし、若だんなのお兄さんの話がすっかり落ち着いて以来、特に大きな波風も立たないんですけど、でもマンネリ化を恐れずにこの路線を追求していって欲しいなあ。
今回は屏風のぞきや鳴家といった、今まで脇でいい味を出していた妖(あやかし)が中心となった話があったり、5歳の頃の若だんなのエピソードなんかもあったりして、相変わらずのほのぼのぶり。でも突然、「吉原の禿を足抜けさせて一緒に逃げることにしたよ」などと爆弾発言をしてくれたりします。若だんなが駆け落ち? しかも吉原の... ええっ?!
そんな中で、今回一番気になってしまったのは、初登場の妖(あやかし)「狐者異(こわい)」。他の妖とは違って、人間はもちろんのこと、妖ともまじわらない狐者異は、仏すらも厭い恐れたという妖なんですよね。それがなぜなのか誰も教えてくれないし、生れ落ちた瞬間から、他の者たちのつまはじきとなる運命。受け止めきれた者がいないというこの狐者異に、若だんなが手を差し伸べるのですが...
一応今回の話はこれで終わりなんだけど、この狐者異、また登場しそうな気がします。そしてその話こそが、このシリーズ全体の山場となりそうな予感...。(新潮社)


+シリーズ既読の感想+
「しゃばけ」「ぬしさまへ」「ねこのばば」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「おまけのこ」
「うそうそ」畠中恵
「みぃつけた」畠中恵
「ちんぷんかん」畠中恵
「いっちばん」畠中恵

+既読の畠中恵作品の感想+
「ゆめつげ」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「まんまこと」畠中恵
「つくもがみ貸します」畠中恵
「こころげそう 男女九人お江戸の恋ものがたり」畠中恵
Livreに「百万の手」の感想があります)

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舞台は平安時代。自分のせいで異母妹の比右子を死なせてしまい、悶々とする12歳の小野篁が主人公。最後に一緒に遊んでいた荒れ寺へと向かった篁は、ふとした拍子に、比右子が転落した古井戸に吸い込まれてしまいます。気がつくと、そこは石ころだらけの河原。そこには大きな河と立派な橋があり、行くあてもない篁はその橋を渡り始めるのですが... ふと気付くと篁を食べようと狙っている鬼がいたのです。

以前、たまきさんに薦めて頂いた本。児童書です。
昼は朝廷に仕え、夜になると冥府に通って閻魔大王のもとで役人として働いていたなんて伝説のある小野篁の少年時代の物語。妹と恋仲だった、なんて話もありますね。大人になった後の篁は有能な官僚として有名なんですが、ここに描かれた少年時代の篁には、その片鱗はまだ全然ありません。異母妹の死をいつまでもくよくよと悩んで、生きていく気力も半分失っているような状態。鬼に襲われたところを坂上田村麻呂に危機一髪助けてもらうのに、またしても古井戸の中に舞い戻ってしまう始末。
これは、そんな篁が立ち直っていく成長物語なんですが、私がいいなあと思ったのは、3年前に死んでいるはずの坂上田村麻呂。橋の向こう側に渡ってしまいたいのに、帝から「死後も都を守れ」なんて、武装した姿で立ったまま葬られたせいで、どうしても向こう側に行けないんです。立派な武人だから、帝の言葉通りに京の都をしっかり守ってはいるんだけど、でも本当は向こう側に行きたいんですよね。友人知人もどんどん橋を渡ってしまうのに、なぜ自分だけが... と思いつつ、でも自分にできる精一杯のことをしている田村麻呂の姿がなんとも哀しくて。
そんな田村麻呂の姿もそうだし、田村麻呂に角を1本取られたせいで鬼でもなく人間でもない状態になってしまった非天丸の姿もと篁と重なって、なんとも切なかったです。それだけに、異母妹の死を乗り越えた篁の姿が一層感慨深く... うーん、いい話だわー。(福音館書店)

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去年「ぼくとアナン」を読んだ時、本のことどもの聖月さんにこちらもぜひとオススメされてたんですけど、読もう読もうと思いつつ、こんなに遅くなってしまいました... というか、「ぼくとアナン」が良すぎて、すぐには手に取ることができなかったというのが正直なところなんですけどね。いやあ、こちらも良かったです。本当に。しみじみと。でも多くは語れない... もう、何も聞かずに読め!って言いたくなっちゃうような作品です。
ストーリーとしては、新宿でホームレスをしていた「流」が、初雪が降ったら死のうと決めていて、でも初雪が降ったその日、なんとゴミ捨て場で赤ちゃんを拾ってしまい、死ぬに死ねなくなってしまい... というもの。アナンというのがその赤ちゃんにつけられた名前。

この「アナン」は、飯田譲治さんと梓河人さんによる合作なんですが、「ぼくとアナン」は、梓河人さんが「アナン」を児童書として書き直したという作品。この題名の「ぼく」はバケツという名前の猫のことで、猫視点で描かれているんです。大きな流れとしては一緒なんですが、でも細かい部分はかなり違うんですよね。でもって、これがどっちも良いんですよ~。大人用の方を読んだから児童書はいいや、なんて思ってる方、もしくは逆の方、ぜひどちらも読んで下さい。どちらもすっごくいいです! という私は、どちらかといえば「ぼくとアナン」の方が感動したんですけど... 普通はどっちが評判いいのかしら。先に手に取った方に思い入れがある、というのもあるのかな。
そして今回、本当は「アナン」だけ読むつもりだったのに、読み終わった後、思わず「ぼくとアナン」も再読してしまいました。...ううう、またしても涙。
この本は3冊とも揃えたいんですが、文庫になる予定はあるのでしょうか。ぜひなって欲しいです!(角川書店)


+既読の梓河人作品の感想+
「アナン」上下 飯田譲治・梓河人
Livreに「ぼくとアナン」の感想があります)

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失恋に苦しむ佐野原多美と、作家になりたい西城麦穂という2人の女性の物語、そしてその2つの物語を繋ぐ、幼い少年のエピソード。
生きていれば、一度や二度死にたくなったことがあるって人も多いでしょうし、他人のことを妬んで、その人間が死ねばいいと思ったことがある人もいるんでしょうね。でもいくら願ったとしても、それを実現する人となるとまた話は別。頭の中でどんなひどいことを思い描いていたとしても、それはそのうち時と共に忘れてしまうはずだし、ここに登場する多美や麦穂もそうだったはずなんです。でも目の前に死神と名乗る男が登場したせいで、ただの妄想だったはずの願望、自分の本心と否応なく向き合わされちゃうことに... そのままそうっとしておいてくれたら良かったのに、というかもっとやりようってものがあるでしょうに、全くデリカシーのない死神ときたら! という話。
これは、死神を通して逆に「生」を考えさせられる作品なんですね。あとがきにもある通り、死神がまるでカウンセラーのようでした。窓際族として登場する死神の島野の姿がなんか可笑しい♪ でもね、死神といえば今は伊坂さんの「死神の精度」。どうしても比べてしまうんですよね。この作品も悪くはないんですけど、どこか突き抜けたものが足りなかったような...(双葉社)


+既読の柴田よしき作品の感想+
「ワーキングガール・ウォーズ」柴田よしき
「シーセッド・ヒーセッド」柴田よしき
「窓際の死神(アンクー)」柴田よしき
「夜夢」柴田よしき
「激流」柴田よしき
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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10歳の時に母を失った瓔国公主・香月は、16歳の時に閃王・巴翔鳳に嫁ぐことになります。しかしそれは香月にとって、母の命を奪った巴翔鳳を暗殺するためだったのです...。

「雄飛の花嫁」(感想)で登場した新興国・閃もこの物語の頃には建国50周年。初代閃王・巴飛鷹も代替わりして今は2代目の巴翔凰の治世。2代目とは言っても、息子ではなく孫なんですが。
あらすじを読んだ時は、てっきり「雄飛の花嫁」と同様に、敵同士の2人が徐々に惹かれあうパターンかと思ったんですが、また違う展開でした。痛くて切ない系のお話。でも意外性を突こうとしてるのはいいんですけど、これは奇をてらいすぎたという気も... これなら、ありきたりでも王道の物語を気持ち良く読ませてもらった方が良かったような...(しかも特に驚かなかったし) 覇気のない王がかっこよく見えたのは最後の一瞬だけ。ヒロインには、最後まで感情移入できず... うーん。しかも彼の出奔の話はどうなったんでしょ。その辺りもきっちりと説明して欲しかったなあ。それがまた別の物語になるのなら、いいんですけど。
なんだか3作で徐々にパワーダウンしていってるような気も... 雰囲気作りはすごくいいのに勿体ないわー。(講談社X文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「雄飛の花嫁」「天の階」森崎朝香
「翔佯の花嫁 片月放浪」森崎朝香
「鳳挙の花嫁」森崎朝香

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