Catégories:“ファンタジー”

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ドイツの音楽大学のバイオリン講師のテオが同僚に手渡されたのは、ブエノスアイレスの教会で録音したというオルガンの演奏の入ったディスク。現地に住む音楽雑誌の記者が偶然耳にして感動し、本格的な音楽家の意見も聞いてみたいと送ってきたのです。テオはオルガン科のラインベルガー教授にディスクを聞いてもらうことを約束をし、9年ぶりに教授に連絡をとることに...。

ということで、第10回ファンタジーノベル大賞受賞作。ハードカバーの時は三人称で書かれていた作品を、文庫化に当たって一人称に全面改稿したんだそうです。
この作品の「オルガニスト」が弾くのは、オルガンはオルガンでも、昔小学校の音楽室にあったようなオルガンではなくて(今もあるのかしら? 笑)、教会のパイプオルガン。パイプオルガンっていいですよね。でもって、やっぱりパイプオルガンにはバッハが良く似合いますよね! ピアノを習ったことのある方なら、バッハのインヴェンションを練習した方も多いと思うんですが、私の周囲ではものすごーく評判が悪かったあのインヴェンションを実は私、大好きだったんです。だから全体を流れるバッハの響きが、読んでいてすごく心地良かったです。...でもさすが日本ファンタジーノベル大賞、単純な話じゃありません。前半は青春小説風なんですけど、後半はもう全然思わぬ方向へと展開してびっくり。それでもバッハの響きが似合うのが、またびっくり。バッハって思ってた以上に懐が深いのかもしれないなあ。
この展開は完全に好き嫌いが分かれそうだし、私もそれに関しては全面的に賛成ってわけでもないんだけど(ネタばれになりそうで怖いよぅ)、それでも切なかったし、やっぱりこの雰囲気が好きですね。パイプオルガン、一度でいいから弾いてみたーい。(新潮文庫)


+既読の山之口洋作品の感想+
「オルガニスト」山之口洋
「0番目の男」山之口洋
「天平冥所図会」山之口洋

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「陋巷に在り」もとうとう最終巻。「魯の巻」です。いやー、読んだ読んだ。これで案外あっさり終わってしまったのがちょっとびっくりだったんですが、やっぱり面白かったです。全13冊という長大な物語なんですが、結局、孔子が司寇職にいた3年間の物語だったんですね。びっくり。しかもこの作品を読む前は、儒教といえば、ひたすら祖先や年長者を敬い道徳を重んじて、孔子といえば「聖人」だったんですけど、この作品が物の見事に覆してくれました。史実を元にここまで壮大なファンタジーを作り上げるなんて、ほんと凄いや。呪術が当たり前に存在してたこの時代という設定が、またファンタジーなんですよねえ。酒見さんの作風にも良く似合ってたような気がします。(新潮文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「陋巷に在り」1・2 酒見賢一
「陋巷に在り」3・4 酒見賢一
「陋巷に在り」5・6 酒見賢一
「陋巷に在り」7・8 酒見賢一
「陋巷に在り」9・10 酒見賢一
「陋巷に在り」11・12 酒見賢一
「陋巷に在り」13 酒見賢一

+既読の酒見賢一作品の感想+
「語り手の事情」酒見賢一
「聖母の部隊」酒見賢一
「ピュタゴラスの旅」酒見賢一
「泣き虫弱虫諸葛孔明」酒見賢一
「中国雑話 中国的思想」酒見賢一
Livreに「後宮小説」「墨攻」「童貞」「周公旦」の感想があります)

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11巻「顔の巻」と12巻「聖の巻」。中休み的な10巻を挟んで、また話が動きました。でも話としては凄いことになってるし、相変わらず面白いんだけど、やっぱり7~9巻の盛り上がりぶりほどではないかなあ。って、比べる方が酷というものかなあ。
次はいよいよラストの13巻。これまでの12冊はそれほど分厚くなかったんだけど(400ページ平均)、13巻になるといきなり700ページ近くの分厚さになるんです。さて、どうなることやら。読むのが楽しみなような惜しいような... って、また一休みしてしまいそう。(笑)(新潮文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「陋巷に在り」1・2 酒見賢一
「陋巷に在り」3・4 酒見賢一
「陋巷に在り」5・6 酒見賢一
「陋巷に在り」7・8 酒見賢一
「陋巷に在り」9・10 酒見賢一
「陋巷に在り」11・12 酒見賢一
「陋巷に在り」13 酒見賢一

+既読の酒見賢一作品の感想+
「語り手の事情」酒見賢一
「聖母の部隊」酒見賢一
「ピュタゴラスの旅」酒見賢一
「泣き虫弱虫諸葛孔明」酒見賢一
「中国雑話 中国的思想」酒見賢一
Livreに「後宮小説」「墨攻」「童貞」「周公旦」の感想があります)

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9巻「眩の巻」と10巻「命の巻」。
7巻8巻のゴタゴタも9巻でようやく片がついて、それからはちょっと中休み的な流れになります。でもここでの出来事が、孔子のその後に大きく影響してきそうな予感。それに、今まで名前しか登場してなかった孔子の母親・徴在の話がここに来て語られることになります。で、この徴在がまたいい味出してるんですよね。酒見さんの描く女性って、すごく魅力的ですねー。前の巻に出てきた女神もすっごくかっこよかったし、悪役の子蓉も、他の男性悪役を完全に食っちゃってるし、そういえば、「後宮小説」でも女性が良かったんですよね。銀河も可愛かったし、そのルームメイトもそれぞれに個性的で好きだったし♪(新潮文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「陋巷に在り」1・2 酒見賢一
「陋巷に在り」3・4 酒見賢一
「陋巷に在り」5・6 酒見賢一
「陋巷に在り」7・8 酒見賢一
「陋巷に在り」9・10 酒見賢一
「陋巷に在り」11・12 酒見賢一
「陋巷に在り」13 酒見賢一

+既読の酒見賢一作品の感想+
「語り手の事情」酒見賢一
「聖母の部隊」酒見賢一
「ピュタゴラスの旅」酒見賢一
「泣き虫弱虫諸葛孔明」酒見賢一
「中国雑話 中国的思想」酒見賢一
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土日は一休みしてたんですが、再び「陋巷に在り」です。今日は7巻「医の巻」と8巻「冥の巻」なんですが... うひゃー、面白いっ。これまでもまあ面白かったんですが、ここに来て一気に盛り上がってます。これは全13巻の中でも、屈指の見せ場なんじゃないかしらー。南方から医者が来て、子蓉が妤という女の子にかけた媚術の治療をするんですけど、この治療がすごい呪術決戦なんですよ。もうほんと物凄い緊迫感で全然目が離せないし、読んでる間に思わず息を止めてしまうので窒息してしまいそう。(←おばか) 作者の解説部分にきて、ようやく一息つけるって感じなのです。強烈な個性を発散してる医者もいいし、現代医学とはまるで違う、この時代の医術というのも面白いです。顔回も、とうとう冥界まで行っちゃうしねえ。凄いなあ。神話や何かで冥界に行くエピソードって時々あるけど、これはその中でも屈指じゃないかな?
で、8巻巻末には、この作品が小説新潮に連載されていた時の挿絵も載ってるんですが、これが南伸坊さんの絵なんですよー。やっぱりこの方の絵はめっちゃ好きです。なんとも言えない味わいがあっていいですね。諸星大二郎さんの表紙も評判いいけど、個人的にはこの挿絵で読みたかったな。(新潮文庫)


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「陋巷に在り」1・2 酒見賢一
「陋巷に在り」3・4 酒見賢一
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「陋巷に在り」7・8 酒見賢一
「陋巷に在り」9・10 酒見賢一
「陋巷に在り」11・12 酒見賢一
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「ピュタゴラスの旅」酒見賢一
「泣き虫弱虫諸葛孔明」酒見賢一
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今日は5巻「媚の巻」と6巻「徒の巻」。
んんー、5巻には顔回がほとんど登場してなくて、孔子もまるでいいとこなし。悪役ばかりがのさばってて、早くなんとかしてよ!状態。でもようやく顔回が動いて、孔子もいいところを見せた6巻よりも、みんな全然いいとこナシの5巻の方が面白かったのはナゼかしら。(笑) やっぱりこの悪役がいいんでしょうねえ。読んでいる私も、実はこの話術にハマっているのかも... と思いつつ、6巻で一応なんとか収まりがついてほっと一息。これで話も一段落かな。
でも本の画像を見ると、帯に「美少女がカルト教団を結成!」なんて書いてあるけど、美少女っていうのも、どうなんでしょうねー。1つ前のエントリの4巻の帯にも「美少女を襲う鏡の魔力」なんて煽り文句が見えるけど、なんだかいかにもそういうのをウリにして興味を持たせようとしてるっていうのが見えて嫌だな。ほんとはそんな美少女じゃないはずなのに。顔は可愛いのかもしれないけど、むしろ元気一杯でやんちゃなところが魅力って感じの子のはずだったんですよ。おかしいなあ。(新潮文庫)


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今日は3巻「媚の巻」と4巻「徒の巻」。
強力な媚の術を扱う美女・悪子蓉が登場します。「悪」なんて苗字だと、いかにも悪人という感じがしちゃうんですが、中国ではそれほど悪い字ではないのかな?(笑) この子蓉という女性がそりゃもうすごい人なんですよー。並み居る男たちをばったばったと、その魅力で虜にしていっちゃう。彼女が狙った男は、1人のこらず彼女にクラクラ。で、クライマックスは、顔回(主人公ね)との対決! やっぱり顔回が登場するところが面白いなあ。孔子にはそれほど魅力を感じないんですよね。1つ前の日記に書いた「乗り切れない部分」というのは、実はその孔子の部分なのかもしれないなあ、なんて思ってます。でもまあ、それはともかくとして。ちょっと不思議な感じがするのは、孔子が巨漢で異相だったというところ。孔子って、なんとなく細くて小さい人イメージだったんですけど... これって一体どこでついたイメージなのかしら? 「巨漢」とか「異相」とか出てくるたんびにドキッとします。(笑)(新潮文庫)


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